『DUEL SAVIOR リリカル』




第一話「召喚の書」

<<…アニー ラツァー…… ラホク シェラフェット…>>

時空管理局本局・B−3区画・通路

「ごめんね、せっかくの休みに」
「ううん、気にしなくていいよ」
「うん、私も。気にしてないよ、ユーノ」

皆さん、こんにちわ。
高町なのはです。
今日はフェイトちゃんと一緒に本局にある無限書庫で、ユーノ君のお手伝いです。
 
「でも大変だね、司書のお仕事も」
「本当、休みの日まで書庫の整理に行かなきゃならないなんて」
「うん、本当は休んでも良かったんだけど、もう少しで今整理している所が終わりそうなんだ」
「今整理しているところはどんな本が並んでいるところなの?」
「異世界、それもかなり次元間に距離があるような世界の事を記した本が多いね、
 次元間の距離が離れているからか、結構あいまいな記述の書物も多くて、それで整理が進まないんだ」

と話している間に、無限書庫の入り口に到着。
中では何人かがやはり忙しそうに書庫の整理をしていました。

「みんながお休み、ってわけじゃないんだね」
「うん。ここも闇の書事件以来、結構重要なセクトになってね、
 事件や事故に関する資料の手配など、色々と仕事が増えているんだ」

<<…ゲルーシュ フルバン…… ゲルーシュ アツーヴ……>>

「こっちだよ、二人とも」
「今、僕が整理している区画は下のほうなんだ」

ユーノ君と一緒に無限書庫の下層フロアに向かいます。

「やっぱり"無限書庫"と呼ばれているだけあって、すごくおっきいね」
「うん、さらに下のほうのフロアはまだ完全に未整理状態なんだ」
「クロノのお仕事も大変だけど、ユーノの仕事も大変なんだ」

そうしているうちに、あちらこちらに未整理の書物がたくさん積み上げてある空間に到着しました。

「ここが今、僕が整理している所なんだ」
「で、私達はどんなことをすればいい?」
「う〜ん、フェイトは向こうの棚から、この書物に関連する本をさがしてもらえる?」
「なのははこっちで、今整理中の書物に関連する本を探してほしいんだ」
「わかった。なのは、がんばろう」
「うん♪」
「それじゃ、お願いします」

<<…ベソラー コハヴ… シェラヌ ティクヴァー…>>

それからしばらくして…。

「ユーノ、この本なんだけど内容が確認できない。なにか、プロテクトがかかっているみたい」
「えっと、どの本?ちょっと見せてくれる?」
「はい、この本」
「え〜と、あれ?僕の魔法でも中身が検索できない。局の方で閲覧規制のプロテクトをかけたのかな?」
「管理局のプロテクト解除コードは………」

「だめだ、僕の権限で使えるコードじゃ解除できない」
「どうする?ユーノ」
「あれ?フェイトちゃんにユーノ君、どうしたの?」
「あっ、なのは。この本なんだけど、何かしらのプロテクトがかかっていて、中身が見れないんだ」
「私にも見せてもらえるかな?」
「うん。はい、この本」

私はユーノ君から中身が見れない本を受け取ります。

<<見つけた>>

「えっ?」
「何か言った?」
「いや、何も言ってないけど…?」
「気のせいかな…」

次の瞬間、なのはを中心に魔方陣が展開される。

「えっ!」
「なに?」

それは見慣れたミッド式でも、はやてとその守護騎士たち、ヴォルケンリッターが使うベルカ式の魔方陣とも異なっていた。
円環の中に五つの頂点を持つ、星型の魔方陣、ペンタグラム。

「転移魔法!」
とっさに展開される魔法に気づき、叫ぶユーノ。

「何者かがなのはを強制転移させる気なんだ!」
「なのは、早く魔法の影響範囲内から逃げないと!」
「ダメ、吸い寄せられる!」

フェイトがなのはの手を掴み、逃れようとするが、時既に遅し。
なのはとフェイトは何者かが発動させた転移魔法によって消え失せた。

<<新たなるメサイヤよ…誘わん…アヴァターへ>>

「なのはー! フェイトー!」
そしてユーノの叫びだけが二人の消えた無限書庫に木霊する………。



続く





あとがき

どうも、6000番です。
ついに始まりました、「DUEL SAVIOR リリカル」
第一話「召喚の書」をお送りしました。
おそらく非常に多次元にわたり、転送されているであろう“赤の書”
無限書庫に紛れ込んでいても不思議ではないと思います。
しかし、赤の書によって召喚されたからと言って、赤の精リコ=リスが召喚したとは限りません。
これは「DUEL SAVIOR」をプレイした方ならわかると思います。
まぁ、どちらが“赤の主”で“白の主”かは容易に想像がつくと思いますが、ここでは伏せておきます。
このSS、そう簡単には話を持っていかないつもりですから。

そして、第二話ではいよいよ二人がアヴァターに降り立ちます。
破滅から世界を救う、この新たな使命に対し、二人の少女は何を思うのか。

「DUEL SAVIOR リリカル」 第二話「インテリジェント・ウェポン」

どうぞご期待を、…と言ってしまうほど大層な物ではありませんが、
お付き合いくだされば幸いです。

でわ〜。



追記(SSには直接の関係はそんなにありませんが)
>閲覧規制のプロテクト
どのような組織でも機密文書などは存在するので、時空管理局にもそれがあっても不思議ではないと思われます。
そのような文章には、閲覧規制がかけられます。 (これは現実にも存在する)

そして、その機密文書を後に整理するために、もしくは“故意”に見つけ難くする為に無限書庫に収めることがあっても、
想像に難しくないと思います。

>解除コード
機密文書のように閲覧規制のあるものを見るための、規制解除コード。
司書、司書長、執務官、提督、執務官長、艦隊提督、などなどの役職によって、
使えるコードの数、もしくは強度が違うと思います。
ユーノはこのころは司書なので、そんなに数を、または強い解除コードは使用できないと判断。



いよいよ動き始める物語。
美姫 「なのはとフェイトはアヴァターへと」
その先に待つものは!?
美姫 「どんな風にお話が進むのか、今から楽しみね」
ああ。次回も楽しみに待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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