俺は、今かなり悩んでいる。

「恭也、あちらの方も見に行きませんか?」

右手を引っ張りながら、ルビナスが言ってくる。

「恭也、向こうの方を見てまわらないか?」

そして同じように左手を引っ張りながら言ってくるロベリア。

「ルビナス、先ほどはお前の希望通りの店に行ったんだ、今回は私の希望に従うべきだ」

「いいえ、ロベリアはこの前の買い物の時殆ど恭也をつき合せてたじゃない、だから今回は私の番よ」

そして、目の前で火花を散らしながらにらみ合いを始める二人。

「なぁ……」

俺の言葉に反応して、二人は一緒に俺のほうを向く。

少し退いてしまったのは内緒だ。

だが、聞かねばならんことがあるのだ。

「なぜ、俺はこのような場所にいる?」

ため息混じりに俺は二人に向かって言う。

今日は朝からミュリエル相手に魔法戦の特訓と、イムニティとオルタラの二人に魔法に関する対処法を教わっていたはずなのだ。

しかし、昼間になって現れたルビナスとロベリアに引っ張られて、俺は今こうして街に来ている。

そうして先ほどからこの二人の買い物に付き合わされているわけなのだが……

「そんなもの、私が恭也と一緒に買い物をしたかったからに決まっている」

「恭也と一緒に買い物がしたかったからよ」

と、先ほどから同じ事を何度か聞いているのだが、かえって来る言葉も同じもの……

しかし、オルタラとイムニティの二人は大丈夫か……二人に何も言わずに連れてこられてしまったからな……

「恭也さん、向こうのお店に行ってみませんか?」

「恭也、あっちの雑貨屋に行ってみたいんだけど?」

「あぁ、待ってくれ……」

俺はそこまで言って、気づいた。

「何故、オルタラとイムニティまでここにいる?」

というか、気配すら感じなかったぞ……

「恭也さんが時間になっても来ないので、ミュリエルに聞けばルビナスとロベリアに連れて行かれたといわれましたので……」

「で、案の定追いかけてみれば買い物してるんだもの、だから私も付き合ってもらおうと思って」

二人はそう言って俺の両手を引っ張る。

「オルタラ、イムニティ、私の恭也に何してるの!?」

「お前ら、私の恭也に触れるとはいい度胸だな!!」

その引っ張られた瞬間に、目の前で言い合いをしていたはずのロベリアとルビナスが叫ぶ。

しかし、俺はお前達のものになった覚えはないぞ……

「勝手に恭也さんを連れて行ったのに随分ですね、私だって恭也さんと買い物をする権利ぐらいあるはずですが?」

俺の右腕に抱きつきながら言うオルタラ。

「それにそもそも、あんたたちの恭也じゃないでしょ、私の恭也よ」

そう言って左腕に抱きついてくるイムニティ……だが、お前のものになった覚えもないぞ……

しかし、このままでは収拾がつかなくなりそうだな……

さっきから睨み合いが続いてる上に4人とも殺気を大量に放ちすぎだ。

周りの人がひそひそと会話しているのにも気づいていないのか……

「なぁ……ここにいると視線が痛いんだが……」

俺はそういうが、目の前の四人は聞く耳持たず、といった所か……聞いてはいない。

「はぁ……」

俺はため息をついて、空を見上げた。

空に昇る太陽が……やけに眩しかった……

 

 

 

 

 

 

 

赤白デート?

 

 

 

 

 

 

 

 

「このまま逃げるか……」

ボソッと、恭也は呟く。

しかし、相手は召還器を持つ救世主候補であるルビナスとロベリア、召還術を行使し魔法に関してはかなり上の部類に入るオルタラとイムニティ。

この4人から逃げる自信など、恭也にはなかった。

それに、逃げたら逃げたで後の報復が恐ろしい……

ただでさえ身体能力では恭也を軽く上回っているルビナスとロベリア。

剣技が苦手というルビナスでも、その技の全ては凄まじいの一言に集約されている。

ロベリアは根っからの剣士でもあり、魔法使いでもある。

剣術のモーションに軽く魔術のモーションも加え、その技の幅広さは驚愕に値する。

対して、オルタラとイムニティは完全な魔法使いだ。

接近戦ともなれば勝てない事もないが、中遠距離戦では圧倒的に恭也が不利である。

むしろ、接近戦に持ち込むこと事態が難しい……彼女らは空間移動を行使でき、近づいた瞬間離れられる。

過去数度仕合をしたが、負けた数の方が多いのは言わずもがなだ。

しかし、ここで付き合うことになると、ミュリエルやアルストロメリアも何故かうるさい。

後日何度かあの二人とも個別に買い物などに付き合わされたことも多い。

恭也自身、自分と一緒では面白くないと言っているが、それでも二人は構わないらしい。

「……やっ! 恭也っ!!!」

ふと、考え事をしている間にロベリアに呼ばれていたようである。

「何だ?」

「聞いてなかったのか、これから誰に付き合うかをお前に決めてもらうといったんだ」

「…………何故、そうなっている」

ロベリアの言葉に、恭也はこめかみを押さえながら言い返す。

「全員の意見が平行線なので、恭也本人に決めてもらおうという事になったんです」

そんな恭也にルビナスが説明する。

「何でそうなるんだ……」

ため息をつきつつ、恭也は4人を見る。

……獲物を狙う野獣の目だった……

4人とも、自分を選んでくれるという事を信じているのだ。

(選べといわれても……)

誰を選んだ所で、後にしわ寄せが自分にかえって来る事は自明の理だった……

「どうした恭也、早く決めろ」

ロベリアが少しいらただしげにそんな事を言う。

「そうよ恭也、早く私って言ってね」

ルビナスも、どこか黒いオーラを撒き散らしながら言う。

「残念ですが、恭也さんは私と一緒に行くんです」

どこか敵対心を露にしながら、オルタラが言う。

「貴女達は引っ込んでなさい、恭也といくのは私よ」

イムニティは、どこか勝ち誇らしげに、それでいて3人を見下すかのように言う。

恭也は内心かなり悩み……

(しょうがない……後で、謝っておこう……)

そう思って恭也が選んだのは……

 

 

 

1、ロベリア

 

2、ルビナス

 

3、オルタラ

 

4、イムニティ

 

5、ミュリエル

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

 

今回は読者様参加型!! 投票をしてもらって一番表の多い選択肢を書きたいと思います。

フィーア「そんなことしないでも、全部書けばすむんじゃない?」

いやね、ネタが思いつかないのよ……

フィーア「駄目駄目ね……」

うぅ、そういわれると痛い……

フィーア「まぁ、こんなんですけど、皆さん掲示板か何かで投票のほうをお願いしますね」

本当に、よろしくお願いします。

フィーア「話は変わるけど、そろそろお姉様に直接会いたくなって来たわ」

いや、浩さんの心労を考えると……どうも君を行かせるには抵抗がある。

フィーア「いいえ、お姉様と姉妹の契りをした瞬間からそんな遠慮はいらないわ」

……一体いつしたんだよ……

フィーア「ずっと前かしら、薔薇の咲き誇る庭園でお姉様と……」

もういい、そのネタは。

フィーア「と言うわけで、次のハートフルデイズにでも、お邪魔できたら行かせてもらいますねー」

あぁ浩さん、僕にはもうこの人は止められないよ……

フィーア「ではでは〜〜〜〜」





釘と板を買ってこなければ…。
美姫 「何のために?」
ふっ、決まっているだろう。
俺の、平穏のため。
美姫 「もしかしたら、メイドの格好で来るかもよ?」
………………むむ。
美姫 「あー、悩んでる、悩んでる」
むむむ。
美姫 「さて、今回は選択方式。どれが選ばれるのかは皆さん次第」
むむむ。
美姫 「ぜひぜひ、なぜなに掲示板の方で投票を」
むむむ。
美姫 「それじゃ〜ね〜」
ああ〜、どうすれば良いんだー!



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