恋姫†無双戯曲 −導きの刀と漆黒の弓−

 

第十五話 −跳ぶが如く−

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎ、魏軍、呉軍、共に後退していきますっ!?」

 

袁紹の無茶苦茶な命令を受けて仕方なく中央の門攻略に加わるべく前進していた一刀達北郷軍は、それをまんまと利用されて最前列に孤立させられた。

 

「どういうことなのだっ!? これじゃあ鈴々達が先鋒になっちゃうのだっ!」

 

「御主人さまっ! このままじゃ敵が出てきたら攻撃が私達に集中しちゃいます。急いで後退を…「城門が開きましたっ! 敵軍、突出してきますっ!」…はわわっ!?」

 

朱里の策も後一歩及ばず、後退もままならない間に敵が出てきてしまった。

とにかくこれ以上前に進んでしまっては犠牲が大きくなるばかりなので全軍を止めるよう指示を出した一刀。

 

「くそっ! どうすればっ……どうすればいいっ!?」

 

とりあえずの接触を遅らせてはみたものの、一度後退して体勢を立て直し、再度攻撃と事を運ぶには余裕がなさ過ぎる。

 

「……殿、しかないのか?」

 

朱里の前で心の中を吐露して以来、自分の役割を強く意識するようになった一刀。

自分は旗でなくてはいけない。

皆が導とし、愛紗や鈴々達が誇って掲げ、戦える旗でなくてはいけない。

朱里が計をめぐらせるだけの価値のある、そして皆のするすべての事の象徴としてあり続けられるだけの旗でなくてはいけない。

そう思うようになってまだ日は浅い。が、それは確実に一刀に大将としての意識を植え付けていた。

そんな一刀が必死に考えた策。それは思いついた一刀自身が一番否定したい策だった。つまり……

 

「はい、御主人さま。それしかありません。誰かが殿を務めて態勢を立て直せるだけの時間を稼がないと」

 

そんな一刀の呟きを、やはり同じ策に至っていた朱里が拾う。そして……

 

「ならばその役目、私にお任せ下さい」

 

同じくそれに気がついていた愛紗が蒼龍刀片手に一刀の前に一歩踏み出す。

 

「で、でもっ!」

 

愛紗を行かせられない。行かせたくない。

それは仲間を思う気持ちの強さからか、それとも別の彼自身の気持ちからなのかは定かではないが、一刀の表情は悲痛に歪んでいた。

しかし愛紗は、そんな一刀の表情を見て少し嬉しそうに目を細め、そして自信満々に微笑んでみせた。

 

「お任せ下さい、御主人さま。私が誰だかお忘れですか?」

 

「関羽、雲長……幽州最強の矛……」

 

「そしてっ! 天の御遣いである貴方様の一の家臣、ですよ、御主人さま」

 

「……わかったよ」

 

そう言われてしまっては一刀はもう何も言えない。自身満々に、幽州最強の矛の自分ではなく一刀の家臣としての自分を誇られてしまっては。

 

「……頼んだ、愛紗」

 

「お任せ下さい」

 

何処となく二人だけの微妙な空気に面白くなさそうな鈴々と朱里。

しかし遊んでいる余裕はない。敵はもうすぐそこまで迫っているのだ。

殿は愛紗に決まり、後は一刻も早く一時後退の後軍を立て直す。出て来たのが華雄の軍である以上、少数精鋭で臨む愛紗達に長期戦は望めない。モタモタしていたら華雄本人も飛び出してくる。

何より北郷軍二強のもう一人、鈴々を愛紗と共に行かせてしまえば一刀の護りがなくなってしまう。

愛紗のみでかかるしかない中、朱里がそこをどう立て直すかを組み立てようと思考を巡らせ始めた時、

 

「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっスっ!!!!!!!!」

 

「「「「あ、あの声はっ!?」」」」

 

北郷軍にとってまさに救いが、横から砂煙を上げて飛び込んできた。

 

「公孫軍の張燕っ!」

 

「一弦達だ……一弦達が助けをよこしてくれたんだっ!」

 

「これならっ! 御主人さま早くっ! これで愛紗さん達の負担が軽くなりますっ! だからっ!」

 

「御主人さま、行って参りますっ! 張燕に後れを取るわけにはいきませんっ!」

 

「全軍反転後退なのだーっ! 態勢を立て直すのだっ!」

 

まさに瑠那の元気が乗り移ったかのように活気を取り戻した北郷軍。

愛紗は勇んで瑠那のもとに走り、鈴々は元気良く指示を叫び、朱里が計算出来る幅の広がった事でいきいきと策を練る。

そして一刀も、

 

「皆っ! 俺達はこんな所で倒れるわけにはいかないっ! 俺達を囮にして退いていった奴等を見返してやるぞっ!」

 

再び大きく翻る旗として、全軍を鼓舞するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠那は目標を確認すると、走ってきた勢いのそのままに華の旗の踊る群衆に突っ込んでいった。

連れてきたのはいずれも、黄巾党にいた頃から共に戦ってきた仲間達。

退いていく魏軍の最後尾をなぞる様にして走ってきた瑠那達の特攻は、丁度勢いづいて駆け込んでいた華雄の兵達の最前列に横撃するようになる。

 

「なっ、なんだっ!?」

 

「き、奇襲だっ!? 突然真横から伏兵がきたぞっ!?」

 

「ぜ、全軍停止しろーっ! 迎え撃てっ!」

 

突然横から雪崩込んできた瑠那達に対応出来ない最前列の兵士達。

元々華雄という将が独裁的な事もあって彼女以外に兵達を纏め上げられる人間のいないこの軍では、それこそがまさに最大の弱点。

しかし瑠那がそこまで考えて特攻したのかというと、決してそうではない。

彼女の頭にあったのは、ただ奇襲で混乱させて、それに乗じて一気に押し通すという事のみだった。

というのも、

 

(白蓮ねぇと一弦さんがあたいを信用してくれたっス! お友達を自分で助けにいけない一弦さんの変わり、立派に務めてみせるっスよっ!)

 

と、瑠那の頭の中はそんな喜びと気合で一杯。勢いに任せて突っ込んだと言ったほうがよほど説得力があった。

しかしそれほどまでに瑠那にとって、今まで仲間として受け入れてくれ、自分が姉と慕う白蓮と、その白蓮に受けた恩に報いる為に自分を押し殺して頭を下げた、自分は世話になりっぱなしの優しい一弦の役にようやく立てるとなった喜びは大きく、それはもう言葉では表せない程だった。

 

「やっと! やっと巡ってきた機会っス! 皆っ! 晋陽の一件で賊上りのあたい等を優しく受け入れてくれたお二人があたいに頭を下げてまで任せてくれた名誉ある仕事っス! 絶対に応えるっスよっ!!!!」

 

『応っ!!!!』

 

「全員散開っス!!!! 走り回ってっ! 馬から叩き落してっ! 混乱させるっス!!!! あたい等は盗賊っ! 引っ掻き回してやるっスよっ!!!!」

 

そして瑠那率いる盗賊上りの者達は、返答せずに数人ずつの組に分かれて散開する。

そこからの瑠那達の快進撃は、まさに疾風怒濤。

浸透するように華雄の兵達の中に潜り込んでいった黄色い布を巻いた兵達が、鍛え上げられたその素早さと軽装である事を利点として兵達を圧倒していく。

次々と落馬して地面に叩きつけられる者達の呻きが上り、その速さにまったく対応できずに攻撃を受けて倒れる者達の悲鳴が響き渡る。

なかでも瑠那の活躍は群を抜いていた。

柄の長いトンファーを両手に構えて駆け巡る彼女の通った後には、打たれた箇所を押さえて蹲る兵達の呻きが後を立たない。

 

「悪いけどここで止まってもらうっスよ!」

 

剣を叩き、槍を折り、骨を砕く。

瑠那のすばしっこさを活かし、非力さを補うのにもっともふさわしい近接戦闘用の鈍器であるトンファーがくるくると回り、敵兵達は文字どおり打ち倒されてく。

そんな中、

 

「っ! あれは……」

 

瑠那の目が、一際煌びやかに輝く『華』の字の旗を捕らえた。

そのすぐ傍には苛立たしげにあたりの人間に指示を飛ばしている短い銀髪の、明らかに他とは漂う風格の違う女が一人。

遠目からでもはっきりと伝わるその感覚で、瑠那は悟った。

 

「あれが華雄将軍っスねっ!」

 

そして急激に進行方向を変え、今度は人の間を縫うように華雄の元へと最速で忍び寄る。

決して大柄ではない瑠那は、低姿勢で華雄の兵達の足元を疾駆すると、

 

「覚悟っス!」

 

飛び上がって文字どおり華雄に躍りかかった。

その姿はまるで一発の弾丸。瑠那の脚力も手伝い、風を切る音が明瞭に聞こえるのではないかと思うほど、まさに一直線に華雄に特攻する。

しかし、

 

「っ!? 何奴っ!?」

 

「くぅっ!?」

 

そんな瑠那の勢いに乗った一撃に寸でのところで反応した華雄は、その戦斧で瑠那の体重の乗った体当たりに近い攻撃を受け止める。

そして力任せに斧を振って瑠那を弾き飛ばした華雄は、悠々と馬から下りて自分に特攻してきた相手を見据えた。

 

「貴様……黄巾党の残党か? そんなのまでいるとは、連合軍はよほど人手不足らしいな」

 

目の前の瑠那の頭に巻かれた黄色い布を見て、小馬鹿にしたような笑みを浮かべる華雄。

しかし瑠那はそんな嘲笑など何処吹く風で、

 

「今は晋陽の県令、張燕っス」

 

と身を低く構えて挑戦的な笑みを返した。

 

「ふんっ! 盗賊風情が随分と出世したものだな」

 

「ホントっスよね」

 

「ちっ! 嫌味も通用せんのか」

 

「? 何が嫌味だったんス?」

 

その後もイマイチかみ合わない二人の会話。

とうとう業を煮やしたのは、やはり華雄だった。

 

「ふんっ! まぁいい。貴様がこのチョロチョロと五月蝿い奴等の頭だというのなら……」

 

戦斧を振りかぶり、地面を蹴る。

 

「貴様を叩き潰せば言いだけの話だっ!!!!」

 

まさに剛撃。

砂煙を上げて突進した華雄の一撃は、豪快に風を斬る音と共に瑠那の立っていた地面に叩きつけられる。

 

「っとぉっ!? なっなんなんスかこの出鱈目っ!?」

 

咄嗟に後退してそれをやり過ごした瑠那だったが、轟音と共に抉れた今まで自分が立っていた場所を見て冷や汗を流す。

 

「って、怯えてるわけにもいかないんス…よっ!!!!」

 

しかし瑠那にとってもここは譲れない戦い。

せめて一刀達がきちんと応戦出来る状態になるまで。

北郷軍の誰かの声が聞こえ、姿が見えるまでは、瑠那はここで戦線を維持するのが自分の役目だと決めていた。

すばしっこく飛び回り、変則的な動きで華雄を翻弄しにかかる瑠那。

速さでは瑠那が一枚上手なだけに華雄は瑠那の攻撃をすべて捌き切る事はできない。

しかし一撃が軽い瑠那の攻撃だけに、鎧の上からではたいしたダメージを与える事はできない。

たいして華雄も華雄で、素早い瑠那の攻撃に殆ど防戦一方。

しかしさすがは歴戦の猛将である華雄だけあって、ただ防戦するだけでは終らない。

瑠那の攻撃の合間を縫っては重い攻撃を繰出し、瑠那の隙をつかんと虎視眈々と狙っていた。

そしてそれこそが瑠那を次第に追い込んでいく。

 

「このっ……ちょこまかとっ!!!!!」

 

「っっっ!? っはぁっ…っはぁっ!!!!」

 

「……ふっ……どうした盗賊上り。随分と息が乱れてきているが?」

 

「はぁ……はぁ……う…うるさい……っス……」

 

それほど長い間打ち合っていたわけではない。

しかし瑠那の体力は確実に華雄によって削られていた。というのも……

 

(あ…あんな重い攻撃……喰らったら一溜まりもないっスよっ!?)

 

瑠那の神経の大部分は華雄の、絶妙に間を狙ってくる攻撃をかわす事に費やされていたのだ。

攻撃の合間合間で神経をすり減らして攻撃に備え続けるなど、並みの人間が出来る事ではない。いくら頭一つ二つ抜けているとはいえ、瑠那自身の力は華雄程の将には今一つ及ばない。そんな瑠那が、ほぼ気持ちだけでそれだけの芸当をやってのけているのだ。その反動もまた、計り知れない。

 

(ま…まだ……もうちょっと……もうちょっとだけ……)

 

決して鈍らない眼光。

しかし体力はもう限界を超えてしまっている。

哂いそうになる膝を無理矢理押さえつけ、下がりそうになる腕を必死に上げてトンファーを構えるそんな瑠那の姿に、華雄の空気が変わった。

 

「貴様……いや、張燕よ」

 

「? はぁ……はぁ……」

 

「その程度の実力で、気持ちだけで私とここまで戦うその心の強さ、感服した。お前の名、しっかりと私の心に刻み付けておく。だから……」

 

これまでにない激しい闘気を纏った華雄が戦斧を構え、重心を低めに置く華雄。

それを見た瞬間、瑠那はいまだかつてない程の身の危険を感じ取った。

疲れきった身体を無理矢理動かして低く構えるその姿は、まるで外敵を警戒する猫。

 

「もう……終わりだっ!」

 

一言そう叫び、華雄は爆発的に駆け出した。

今まで一度もみせなかったその速度は普段ならともかく、疲れきってしまっている今の瑠那では避けることも出来ないし、受けるなど初めからもってのほか。

 

(こ…ここまでっスかね? ゴメンなさいっス、一弦さん、白蓮ねぇ……あたい……)

 

最早華雄を真正面から睨みつけることしか出来ない瑠那は、自分の最後を悟りながらもしかし、決して目を逸らさなかった。

ただただ自分にこの場を託してくれた二人の期待に応えられなかった事を心の中で謝罪しながら。

しかし……

 

「よくやってくれた、張燕殿。後は任せてもらおう」

 

力強く凛とした、自信に満ち溢れた声が響き渡り、瑠那の前にその人物が飛び出した。

 

「ぐっ!?」

 

華雄の一撃を難なく受け止め、弾き返したその人物は……

 

「また貴様かっ! 関羽っ!!!!」

 

本郷一刀の一の家臣にして最強の青龍刀、関羽雲長こと愛紗だった。

 

「か……関羽さんっス?」

 

「ああ、私だ。救援感謝する。よく我々が来るまで持ちこたえてくれた。感謝してもし足りん」

 

「そ、そんな……あたいはただ、一弦さんと白蓮ねぇに頼まれただけっスから……不甲斐無くて申し訳ないっス」

 

「そんな事はない。貴方がいなければ我々はこの危機を乗り切れたかどうか分からん。だから……後は任せて、休んでくれ」

 

愛紗の優しげなそんな言葉がまるで引き金になったかのように、瑠那の意識が泥のように沈み始める。

 

「や……役に……立てたっスか…ね?」

 

「……あぁ。貴方は我々の恩人だ。公孫賛殿も一弦殿も貴方のような仲間がいてさぞ誇らしいだろう」

 

その言葉を聞いた瑠那は本当に誇らしげに笑顔を見せ、

 

「え、へへへ……やったっス……」

 

意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んっ……んにゅ〜……」

 

「瑠那ちゃん? 大丈夫? 瑠那ちゃん?」

 

意識が浮上し始めた瑠那が最初に聞いた声は、自分が尊敬する大好きな男の少し頼りなさげで優しい声だった。

 

「……んぅ……一弦さん?」

 

その声に導かれるように意識を浮上させ、目を開いた瑠那。

そこにあったのは、本当に心配そうに表情を歪めた一弦の顔だった。

瑠那の顔を上から覗き込むようにしているので当然、いつもの前髪で目元が隠れていない。その所為ではっきり分かるその表情は、一弦がどれだけ瑠那の事を心配していたかを表していた。

そして……

 

「……よかった……本当に」

 

「ふぇっ? ちょ、かかか一弦さん!? どっどどうしたっスか!?」

 

瑠那の頭を優しく覆うように抱きしめる一弦。

瑠那を一人で行かせなければいけなかった事を気に病んでいた結果のとっさの行動なのだろうが、そんな風に優しく扱われた記憶などないに等しい瑠那とすればどう対応していいのかわからない。

嬉しいやら恥ずかしいやら、落ち着くようでバクバク高鳴る心臓にもう訳が分からなくなる瑠那。

 

「ごめんね、瑠那ちゃん……本当に、ありがとう」

 

しかしそんな一弦の言葉を聞いた瞬間、瑠那はそんな感情の渦からスッと抜け出した。

一弦の感謝の言葉を聞いて頭に浮かんだのは、すべて上手くいったらしいという事。

そして、自分は役に立てたんだという認識。

 

「お役に立てたみたいで……なによりっスよ」

 

そして後は身体が動きたいように動くまま、一弦の背中に両手をまわ…「……そろそろいいか? 瑠那?」…せなかった。

すっかり二人だけだと思い込んでいた瑠那が恐る恐る一弦から少し視線を動かすとそこには……

 

「無事でなによりだ、瑠那。疲れて寝ただけみたいだから、もうさっさと起きて後は泉にでも診てもらえ。な?」

 

「うふふ〜ん♪ 瑠那ちゃんてばちゃっかりいいトコ持ってくわよねん? お姉さんちょっと今まだ使った事ない薬試したくなっちゃったわん♪」

 

これ以上ない程の笑顔で、瑠那が今まで感じた事のないようなプレッシャーをかけ続ける白蓮と泉だった。

泉が本当のところどうなのかは分からないが、白蓮の一弦に対する気持ちはきちんと分かっている瑠那。当然今自分がおかれている状況がどれだけ白蓮の神経を逆撫でするものかという事は理解できる。

慌てて身を捩りかけた瑠那だったが、

 

「じっとしてて、瑠那ちゃん」

 

一弦が優しい手付きでそれを制した。力付くでないだけに逆らい難い。

 

「今蘭華さん…皇甫嵩さんが、身体を休められる場所を用意してくれてるから」

 

そういい終わるや否や、その蘭華が現れる。

 

「一弦さん、陣内に簡単な寝所を用意しましたわ。ただいま確認して参りましたところ出立までもう暫く時間があるそうですので、張燕さんだけでなく皆さんそちらで体を休めましょう」

 

「瑠那ちゃんは僕が運んであげるから、じっとしててね」

 

「「んなっ!?」」

 

「あらあらん♪」

 

「お優しいですわね、一弦さん」

 

瑠那の活躍もあり、水関攻めでは無事勝利を収めた反董卓連合。

しかしその功労者であるはずの瑠那本人は、華雄との壮絶な戦闘後疲労困憊で意識を失っていたにもかかわらず、回復して早々無自覚な一弦の優しさを断わりきれずに白蓮から針の様な視線を浴び続けるという苦行に晒されるのだった。

 

「う、嬉しいっスけど……うぅ……チクチク白蓮ねぇの視線が痛いっスよぉ〜」

 

 

 

 


あとがき

 

久々の恋姫戯曲。

今回は全体的に瑠那大活躍のお話でした。

戦力的に見れば一弦達公孫軍の皆さんは、北郷軍の愛紗さん達と比べると見劣りします。白蓮は猪突猛進タイプで、一弦のフォローありでようやく勝負が出来る程攻め一辺倒。

一弦は起用で遠距離攻撃は一流だが一人では近接戦闘に持ち込まれてしまえば勝ち目なし。

そして瑠那はスピードだけなら最高だが他は並といった感じという、各自の戦闘能力を出す為のここ2話でした。

そして唯一一騎当千並の実力を持つ蘭華はドジw

最強ものとはちょっと違った路線ですし、なんかもうオリジナルもいいところですが、なんとかここまでは大筋からは外れずに来られたw

いよいよ次は虎牢関で呂布と張遼戦……ぶっちゃけ公孫軍はやることないですwww

その辺とも上手く折り合いを付けながら、おそらく次回は北郷軍メインになりそうな予感がします。

それでは、またいつか〜♪




一刀たちのピンチに援軍。
美姫 「タイミング的には良かったわね」
だよな。確かに、愛紗たちと比べるとちょっと戦力が弱いかもしれないけれど。
美姫 「それをどう補うのかというのも楽しいわね」
うんうん。これから先も、公孫軍の活躍は楽しみです。
美姫 「次回はちょっと出番がないみたいだけれどね」
まあ、その分今まで出番の少なかった一刀たちがメインになるみたいだから。
美姫 「それはそれで楽しそうね」
だな。次回も待ってます。
美姫 「待ってますね〜」



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