『フェイトにメイド服を着せてみよう(邪笑』







「えと、此処は?」
「此処は時空管理局の艦です……すぐにまた飛ばしてもらいますから。このままで」

 真っ赤なままのフェイトさんだが、そのまましていると光に包まれる。
 どうしたら良いのかさっぱり分からないが、そのままでいると、今度は玄関らしいところに
 浮いてる! あ、それで、フェイトさんが抱きついてるんだな。
 浮くという作業はずっとしていたようで、俺の足に負担が掛からないためにだろう
 地面が無いというのはそれはそれで不安になったりするのだが

「ありがとう」
「……い、いえ」

 耳まで赤くしながらフェイトさんが離れる。ちょっと残念な気がしたが気のせいだ
 前にはドアがあり、そこがたぶんリビングに繋がるのだろう。人の気配がするし

「こちらです」

 そちらへと案内されて歩いていく。松葉杖でひょこひょこだが
 ドアを開けてもらい中に入ると、結構な広さのところに、結構居る、人が

「初めまして、高町恭也です。お邪魔してます」
「初めまして、リンディ・ハラオウンです。恭也くんでいいかしら?」
「ええ。構いませんよ」

 多分、この人が実質的にトップ。周囲に控えてるのは武術的な意味で捕らえたら遠距離が多いか
 近距離特化というわけじゃないが、それに強い人も幾人かってところだな

「本来なら、私たちの責任でフェイト一人に任せるわけには行かないのだけどね。人が足りなくて」
「いや、母さん。僕が行くって言ったら、駄目だししたじゃないか」
「……そうだったかしら?」

 首をかしげて考えてるようだ……ああなったら、何を言っても無駄だろう
 うちのかあさんと似たような属性だな。危険という意味合いでも分かる
 フェイトさんから聞いていたままなのかもしれない。家族のことを少しずつだが話してくれたし

「ちょ、フェイト聞いてないわよ!」
「そうだよ!! 確かに、似てるなんて言ってたけど」
「そっくりやね」
「……」

 フェイトさんの友達だろう、その皆で話してるのだが
 月村忍に似てる人や、アリサに似てる人、なのはに似てる人が居る
 違う点は確かに分かるし、話を聞いた限りのことだからなんとも言えないが

「恭也さん、立ったままでは危ないので、座ってください」
「そうさせてもらって良いかな?」
「はい。お茶の準備してきますね」

 フェイトさんが逃げるかのように台所へと行った。
 と、その様子を見ている剣士タイプだろう人が、こちらを見ている

「テスタロッサのああいう格好は意外だったな」
「でも、可愛いじゃない」

 大人同士の会話という気がするのだが
 しかし、何故か針のむしろみたいに見られてるな。そして、もう一方

「むご〜、むご〜」(はなせ〜)

 猿轡+紐で椅子に縛り付けられている……暴れてるし
 確か、前も何度か会ったことがある、黒い人。知り合いって家族って意味だったのかもしれないな

「あの、そちらの方は?」
「息子のクロノなのよ……ごめんなさいね〜、シスコンで、フェイトのこととなると」
「あはは。まぁ、来る前の段階から暴れちゃって」

 リンディさんとエイミィさんがにこやかに笑いながら言い切った

「気にしないでね」
「そうそう」
「あ、これ、お土産です。こんなに人数が多いと聞いてなかったので」
「良いのに。今回のは責任あるの私たちだし」

 そういって、緑茶に大量の砂糖を入れてるリンディさん……飲み物が毒物に変わった
 俺の前に置かれてる紅茶……フェイトは隣に座る。

「それで、母さん。その、医療のこと大丈夫なのかな?」
「ええ。大丈夫よ。そんな焦って話さなくても……この後じっくりと話すわよ」

 何故か違う意味も込められてるのは俺の気のせいだろうか?
 俺とハラオウン家とフェイトさんの友達との出会いはこうして始った。
 だが、俺は知らなかったんだ。此処がさざなみ並の危険区域であるという事に




 つづく








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