『乃木坂春香と高町恭也の秘密』











第三話 その2













 乃木坂さんと出かけることになった日……アキハバラ駅前で集合って事で
 かあさんたちにばれても大変かと思い、さっさと出かけることにした

「あ……もしかして待たせちゃいましたか?」

 そういって、声をかけてきたのは、俺を待たせた人だけど
 時間的には間違ってないので構わないだろう

「ごめんなさい……時間通りに着いたつもりだったのですけど」
「いや、俺がちょっと時間より早めに来ただけだから……かあさんがどうにも女性との待ち合わせは
 30分前に着ておくものよって豪語してな」
「そうなんですか」

 そんなことを話しつつ、視線を回りに這わせる
 ああ、誰かつけてる……間違いなく春香の護衛だろう
 軽く春香を見て、照れるものだが、言葉に出して言っておく

「私服姿は初めてだが、似合ってるぞ」
「あ、ありがとうございます」

 お礼を言われても困るが、彼女の服装は白いワンピースにクリーム色のカーディガン
 髪の毛は白のカチューシャで止めている……確か普段からつけていた気がする……

「それじゃあ行こうか?」
「あ、はい」

 春香にそういって歩き出す……なんか本当に買い物だな
 此処はアキハバラは忍につれてこられた事があったけど、あまりいい思い出は無いな
 女性にかこまれたくらいだが





 2人してぷらぷらと出歩くと言っても、俺にも用事があるからって事だ
 俺の方は予約してあるので問題は無いわけだけど……

「そういえば、春香は何が欲しくて此処に来たんだ?」

 俺はそれを聞くと、春香は少し嬉しそうに応えてくれた

「あのですね……銀色の『ぽーたぶる・といず・あどばす』が欲しいんです」

 ……と言う事は急いだ方が良いかもしれないな
 確か、なのはと晶とレンと忍が言うには、直ぐになくなるかもしれないと言っていたから

「それじゃあ、先に玩具屋に行くか?」
「うーん、オモチャ屋さんというか電気屋さんだと思います、多分。
 私もよくわからないのですが、雑誌にそう書いてあったので」

 そういわれて、やはり此処は電気街だと納得する
 どうするかな……先に俺の方をさせてもらうか?

「あの実は今日の為に用意したものがあるのです」

 そういって取り出したレポート用紙二枚くらいのもの
 カバンの中は不思議で溢れているって所……まぁ、中の絵は見るべからずだな
 なのはには見せたくない絵柄であるのは確かだ

「えと、こちらが恭也さんの分です。お役に立てばいいのですが……」
「これは?」

 気を取り直して聞く事にした……見えた絵柄は気にしてはいけないものだろう

「お買い物のしおり、です」

 にっこりと春香が言い切った……ふむ、しおりか
 今までご厄介になった事が無いので、どんなのか知らないが、計画性を重視する方なのだろう

「今日に備えて私が作った特性のしおりです。行きたい場所とそこまでの道のり、到着する予定時刻を
 簡単にまとめたオールインワンの万能マップです。これさえあればもうばっちり。
 作るのに三時間もかかったんですよ。えへ」

 控えめに笑い、俺はそのしおりと呼ばれた物を確り見る
 道はどれだ? いや、多分このみみずとへびが乱闘してるのが道なのだろう
 へびが押されてる気がする
 だが、まぁ、大体のことは分かるので問題無いだろう
 行き先なども書かれてるし……

「そういえば、何で肝心のものが最後なんだ? 欲しいものは先に確保した方が良いんじゃないか?」

 欲しいものが最後購入となってるのを、危険視しての言葉だが……どう伝わるか不安だ

「だって最初に買ってしまったら、それでお買い物が終ってしまいますよ。せっかく
 楽しみにしていた買い物なのに……そんなもったいないです。それに」
「それに?」
「それに……一番のお楽しみは最後まで取っておくものだと思って」

 なるほど、春香は最後に美味しいものを頂くタイプだな
 好きな物を最後に持っていくって事だろう

「先に俺の予定を終らせて良いか?」
「あ! すっかり抜けてました……そうですね、恭也さんの予定を最初に入れる予定だったのに……」

 そんなことを呟く春香……完膚なきまでに忘れられてるというのも悲しいものが

「じゃあ、俺のはこっちだから」
「あ、はい……ご一緒して良いですか?」
「ああ、構わないぞ」

 歩いていって、なのはに頼まれた二つと、もう1つを購入する
 といっても、お金一台分だ……もう1つは先払いらしいので払ってない
 てっきり払わされると思って結構な金額を持ってきたのだが……
 あまりいらなかったな

「あれ? 恭也さん、もう買って来たんですか?」
「ああ」

 春香は店頭にあるお人形とかを見て楽しんでる
 ちょっと目を離すとこれなので、ここまで俺が軽く手を引張って連れて来た
 後で見てくれたら良いからってことだ
 ただ、最初から6つ目くらいの場所がここなので、そのまま次へ次へと行く事になっている
 しおりが今1つ俺には理解出来ないので仕方ないといえば仕方ないだろう

「もともと頼まれたものだし、何より、こういうところに来る事が少ないから」
「そうなんですか……手馴れてるようなので、てっきり」
「いや、何度かと言っても数えるほどだけは来た事がある……そのときに教えてもらったからな」
「そうなんですか」

 そんなことを話しつつ、外へと出る
 といっても、春香は地図を取り出し、何処に行こうか悩んでるようだ
 ここから駅まで戻るというのもありだが、少し距離があった
 そのあたりを考えてるのだろう
 明確に書かれていたしおり……すまぬ、俺のせいで目的が少し離れた気がする
 まぁ、でも、これはこれで良いのかもしれないな
 春香が『行きましょう』と言って歩き出すので俺もついていく
 バックに袋につめられたもの三つを入れておいた







 春香が書いたしおりには、いくつかのサブイベントの最後に買うことになってるから

「あ!」

 本日、三度目か四度目になる春香の立ち寄り
 好きな物を見ると、幸せになれるとかで、まぁ、俺はしばらく春香の隣で待ってるのだが
 しばらくボーとしていると、春香も戻ってくる……ずっと気配がついてくるのが気にかかりはするけど

「かわいいです……」

 見ているのは、赤い服を着たヴァイオリンを演奏してる人形
 こういうのを愛でる人は愛でる……分かってはいるが、俺には今1つ分からない所もある
 厳しい家庭なんだろう……というか、俺が知る限りで厳しいのは確かなんだが
 乃木坂さんおお家では、多分、俺より少ないお小遣いで生活してるだろう
 注意されるまで見ていて問題無いだろう……俺も詳しくは知らないし





 しばらくして、春香が『お待たせしました』と言って離れたのを見て、満足したのかなって思う
 人形って高いんだな……2万5千……

「あ!」

 少し大きな通りに出ると、今度は何かを見つけたのか走っていく
 俺も追いかけないといけないだろう……今度は何かの専門店の前……何かは分からないが
 ただ、その前に置いてある長方体の何か……なんだろう?

「これは」
「これって、アレですよね? 確かお金を入れると中からお人形とかが出てくる……あ、あれって……
 もしかして『ドジっ娘アキちゃん』?」

 春香が指差した先には、同じような物が並んでおり……その物には蒼色の髪の毛の子がピアノを弾いている
 そんな人形の写真がはってあった

「あれ……とっても可愛いです」

 ぽーっと見つめる春香
 ふむ……

「してみたらどうだ?」

 俺もしたこと無いけど……というか俺、父さんからお小遣い貰った記憶が無いような
 悲しい幼年期というか、少年期というか……

「え、してみたらって、これをですか?」
「ああ」
「え、でも……」

 何か渋っている感じがあるな……どうかしたのだろうか?
 あれだけ、惚れ惚れと見入っていたのに……

「初めてのことなんだろう? こうやって硬貨を入れて、回したら出てくる」

 実演すると春香は少し驚いたような顔している

「あの、私始めてって」
「俺も初めてだからだ……単に少し恥かしいけど、実演したら出来るだろうと思ってしてみた」
「あ、そうなんですか、ありがとうございます」

 春香はお礼を言って、財布を開ける
 どこかしょんぼりしている顔

「どうかしたのか?」
「いえ、実は……硬貨が無いんです」
「そっか……じゃあ、どうぞ」
「はい」

 そして、春香の初体験のガチャポンというものらしいが始まった







 そのときだけで、4千円がとんだと言っておこう……
 初めてのことで、メーカー側の思惑……ピアノを弾いてるという人形は余り入ってないのだろう
 それを、そのまま写真に使ったのだろう
 それが出ずに悲しむ春香を立たせて、歩いていくことにした
 春香は凄く残念そうだったけど……俺の千円札が切れたし
 春香も一万円札しかなかったからだが











 つづく











 あとがき
 さて、恭也は幾らお金を持ってるでしょうか!?
 シオン「20万!」
 ゆうひ「10万ね」
 正解は!! ゆうひちゃん正解!! なんとゆうひちゃんには何もありません
 シオン「ないんだ」
 無いよ……でも、外したシオンちゃんにはある所へと移転されます……
 ゆうひ「どこよ?」
 黒い部屋
 シオン「黒?」
 うん、前見たら黒かった
 ゆうひ「……ね、凄く嫌な予感するんだけど」
 知りません
 シオン「えっと、私も同じく」
 じゃあ、しーゆ〜
 ゆうひ「あ、きえた……」
 シオン『いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!』
 ま、大丈夫だろう……死にはしないだろうし
 ゆうひ「まさか……イニシャルGの部屋!?」
 放置しておいたら復活したし、美姫ちゃんにも使えそうだよね
 ゆうひ「シオン、ごめん、今うちは痛烈に正解してよかったって思った」
 そか……
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ




 シオン『なんでドアも壁も壊れないの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!』
 シオンが失神するまで続く……羽音と足音(イニシャルGのだよ)が響く中……




いよいよお買い物〜。
美姫 「にしても、恭也ってばお金持ちね」
うむ。羨ましいぞ。
美姫 「さてさて、後を付けてくる影もあり…」
一体、どんな結末を迎えるのか!?
美姫 「次回へとレッツラゴ〜。



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