出会ったのは金髪の美少女

拾われた命の俺と少女と女性(犬)は一緒に過ごし始める

見つけたのは一つの答え

そして、答えの先には希望と優しさを

死ぬことを願望にしていた俺が、生きることを選ぶ物語

『フェイトの拾った人』presents 祐一side……これより始まります








Kanon×リリカルなのは
フェイトの拾った人(side.祐一)






 その日の月がとても遠く、何故か死にたくなった……何か音が響いてた気がしないでもないけど
 そんなことはどうでも良い……死にたい
 死んで楽になりたい……何もかも捨てたい
 高いところは苦手で怖いけど、下を見ないで足を一歩踏み出す
 もうそれで、俺は終わりなはずだ
 そして、俺は鳥となった(注:飛んでません、落下です)





「どこだ? 此処は?」

 眼が覚めたら天国とか、地獄じゃなく、死の世界でも無い様だった
 台所に紅茶のセットがあって、勝手に入れる……どこの誰かわからないけど、助けられたか?
 いや、でも、あの高さからなら死んでるはずなのに
 紅茶を飲みながら一息入れてると、ベランダから人が二人

「おかえり」

 とりあえず、違う挨拶をしてみた……俺が此処に居たかのように
 秋子さんなら、そういったんじゃないだろうか?

「ここ、何も無いから、適当にくつろがせてもらってるよ」

 寝てる間に涙があったのか、少し目が痛い……充血してるかもしれない
 少女に紅茶を渡して、自分の分を入れていく

「あの」
「ん?」
「どうして自殺を?」

 いきなりだった……聞かれることは多々あったけど

「……悲しいことがあって、たまにこう、ふらふらとね……死にたくなるんだ」
「死にたくって……」

 驚いたように少女はこちらを見る……家族すらも俺を見捨てたから
 何か出来たのじゃないのって聞かれ、俺は応えることが出来なかったから
 高校生、高校二年の子供、大人だと思っていても、まだまだ精神的に、未熟な俺に何が出来たのか?
 今は少し考えが変わってマシになったかもしれないけど、それが大人になるということなら
 俺は大人の仲間入りしたのかもしれない
 少女がこちらを見ている……違う幸せなどなどのことだろう
 考えたが、思い浮かばないという案……いや、考えていても、結果がそれという事か

「ま、たまというか、よくなんだけどな……でも、死ねないんだ
 どうしてか知らないけど、手首を切っても首吊りしても誰かに見つかり
 こうやって保護されてたりするわけだ」

 少女に簡易に説明終了……言うなれば、また死ねなかった
 人の気配というのがおぼろげで、あの高さから落ちてだ

「名前は?」
「ああ、忘れてたよ……相沢祐一。以前の町では死神とか言われてたかな」
「私はフェイトです」
「そか……一応、助けてくれてありがとう。だが、これ以上俺に近づかないほうが良い
 俺は、死神と呼ばれていたから……今は知らないけど」
「分かりました……ですが、あなたを監視します」
「何故に!?」

 驚いてしまう。普通に考えたら近くにいるような奴じゃないくらい分かりそうなのに
 相手も変なのか? それとも、相手からしたら俺は利用価値があるのか?
 だが、それも不確定だ……直接聞くことが正しいはずだ

「私も分かりませんが、利用価値がありそうだから」
「利用価値?」
「あなたは魔法というのを知ってますか?」
「知らない」
「私とアルフが先ほどしていたのを気になりませんか? それに、アルフを見ても何も言わない」
「耳と尻尾か? 別に気にしてないだけだけど……それにだ
 日本の昔話でも妖怪じゃあ、狐や犬、猫の妖怪変化は居る……そういうことだ」

 思い出してしまうのは、真琴のこと……あいつは悪戯が好きだったよな

「それでは、簡潔に言います……私は自分の利益になりそうな人じゃないと助けたりなんてしません」
「じゃあ、俺は何かしらの助けになると」
「はい」
「フェイト!」
「アルフ、これは私が決めること……何より、牽制になる」
「そうだけど」
「相沢さんには私の補助を頼みたいんです……勿論無料ですが」
「……死ぬときは勝手に死んで良いか?」
「駄目です」
「酷い人に捕まったものだ」
「ですが、私は怪我も多い」
「はいはい」

 ふむ、確かに怪我は多そうだ……自分で無茶を繰り返すタイプ
 うん、そんな感じだ……ちょっと舞と似てる……自己犠牲の激しい舞や舞の親友
 俺にとっても友達で先輩だと思っていた佐祐理さんと
 ま、良いか……それじゃあ、ちょっとだけ手品をしようかね

「だから、手助けしてください……」
「ま、朝食昼食夕食くらいは作れるけど、掃除もしようか……それから、手出してみ」

 不思議そうに手を出してくるフェイト……華奢なのに、頑張ってるんだな
 そういえば、舞も似たような感じが受けたけど
 手を持つと握り合っても困るし、今は同調する必要があるから、許せよっと
 抱き寄せて静かに語りかける。人にするのはほとんど無かったな
 したい相手はほぼいなかったから

「落ち着いてくれな……俺だって、できるという保障は無いし」

 少し暴れるフェイトに言うと、少しずつおとなしくなる
 怪我が癒えていくのが分かったのだろう……舞の癒しの力
 多分そうだと思うのだけど、分からない
 死神がそれをしようというのもおかしな話だけど

「うしっ」

 成功っと……フェイトとアルフは驚いてるようだけど、まぁ、普通驚くわなぁ
 なんせ、怪我を完治させるというのはある種、人の技では医療しかない
 それを抱きしめただけで治したのだしな
 フェイトが何か考え事をしてるようだけど、このまま抱きしめてるのも悪いから
 そっと離れる……こちらを見ている視線

「治っただろ?」
「はい」
「ま、俺が出来る唯一のことみたいなものだ……」
「悲しそうにいうんですね」
「この力に気づいたのが、すべて終わった後だったからな
 俺には意味の無い力だよ」
「いえ、その力、私が必要とします」
「そか」

 紅茶を飲み終えると、ころっと横になる
 疲れたというのもあるけど、やはり人を治すのには慣れないな
 弱いだけかもしれないけど……体も心も

「それじゃあ、俺はこのあたりで寝てるわ……それと、アルフだっけ」
「なんだい?」
「よろしくな」
「あ、ああ」

 横になって眠り初めてから気づいた……フェイトにも言わなくちゃいけなかった気がするが
 まぁ、良いか……こだわる必要も無いだろうし





 フェイト宅でお世話になるようになってから、夜型生活になっている
 といっても、掃除や洗濯、買い物他、家事一般は全て俺がこなしてるけど
 アルフはドッグフードが好物とかは理解してるけど……よく頼まれるし

「祐一さん」

 フェイトは俺のことをそう呼ぶようになった……というよりも、最初は呼ぶのも困っていたようだけど
 今では全然困ってないようだ……相談事なのか、聞いていく
 なのはという少女とジュエルシードを取り合ってるらしい……んで、色々話しかけられてる、と

「友達になりたいんだろ……一緒に何かしたいのかもしれないけど」
「……」

 その、なのはという少女のことを嫌がってるというわけではないようなのだけど
 フェイトにとっては、何故そんなに自分に関わってくるかが分からないのだろう……
 敗れたマントを繕いながら、フェイトはどう考えてるのか聞いてみたいとも思う

「祐一さんが居れば、今は良いです」
「そか」

 ちょっと残念だ……新たな友達が出来るなら、それはそれで良い事だと思うのに
 まぁ、それでも、それがフェイトにとっては重たく感じてしまうのかもしれないな
 優しい子だからこそ……この人のお母さんだと言ってる人が気になるといえば気になるか

「これで良いか?」
「はい」

 マントを繕い終えて、広げて見せると頷いた……バリアジャケットとかと同じなんだが
 普通の私服にもマントがほしいからと言われて作ったのが破けた……じゃれつかれて破かれただっけか?
 なんというか、大変だよな、うん





 アルフが帰ってこなかった……フェイトがとても落ち込んでいる
 テレパシーみたいなのを飛ばしても、全く返事が返ってこないらしい
 そこに居ないという不安で、いつも一緒に居たから尚更か? 姉と妹みたいな感じだったもんなぁ

「アルフはそのうち帰ってくるよ。だって、フェイトのことを本当に好きだから
 だから、大丈夫……怪我を負ってるくらいだろ
 場所が分かれば行って治してやればいいさ」

 フェイトは俺に抱きつき泣いている……頭をよしよしと撫でていく
 手のかかる妹みたいなものだ

「今度、来てくれませんか?」
「……良いけど、役に立てないぞ」

 そんなに怪我をするところに俺が行っても邪魔になるだけじゃないだろうか?
 そんな事をふと考えてしまっている
 そして、次の日の昼過ぎ、フェイトが無理をしてる姿が眼に入ってくるが、俺は何も出来ない
 なんせ、空を飛んでるし……凄いなぁ〜、魔法少女だな
 と、不意に一つの欠片らしきものが飛んでくる……

「よっと」

 結構な速さで来たのに手で止められた……ああ、そっか
 この子らに課せられたもの、そして、フェイトの母親のこと、全ての事が一つにつながっていく

「ふぅん、そういうことか……面白い」

 それに、先ほど飛んできた物は俺にとっても、かなり良いものだ
 そう自分が望んでいるようなもの

「アホだなぁ……死んだ者は生き返らないのが定石
 確かに、そんなことがあれば良いなとも思ったりするもの……だから、人は死んだ人のためにも生きるもの
 ま、俺がそれを言うのは馬鹿みたいだな」

 先ほどのジュエルシードは消えた……というよりも体内へと入った
 この小さな石にも意識があるのかもしれない……悲しいことに使われるのでは無く
 本当は良いことに使われたいみたいなのが

「ジュエルシードNo.ノーアカウント
 メモリーか……この力だけで、夢の中で幸せに居られるな
 フェイトのお母さんだっけか、聞いてるだろ?
 あんたに必要なのは俺が持ってる……行ってやるから待ってろよ」

 魔法だろう力を解き放つ……勝手に教えてくれる魔法体系
 それに、それに付随する力の加減やら何やら……メモリー、それは莫大な過去の知識

「待って!」

 フェイトが飛んでくる……呼吸を肩でしてるあたり消耗してるのだろう
 消耗は治せないけど、怪我なら治せる

「フェイト、ちょっと待っててくれな……お前の心の楔解除してやるから」

 怪我治るのを確認してから、その座標まで飛ぶ……この戦いを憂い悲しんだジュエルシード
 その一つは、とても大きな力を持ってるようだ
 フェイトが必至にこちらまで飛んでくるが間に合わないだろう
 何より、魔力が回復したわけじゃないから

「祐一、どういうことだい?」
「んじゃ、フェイト、ありがとな、助けてくれ
 アルフ、大変だろうけど、頑張れ」
「おぃ」

 アルフが声をかけてくるのを無視して、そのまま魔法の力を解き放った





 出てきたのは、フェイトが生まれた場所。生活していた場所
 嫌な場所……俺の前には、魔法使いとしての女性が居た……プレシア・テスタロッサ

「私に必要なものを持ってるとか言ったわ、何かしら?」
「これだよ」

 手の平にジュエルシードを出す……カモフラージュ
 これは本命じゃない? 近づいてくる
 飛んだ位置はプレシアの居る位置
 そして、そのままこちらへと向かって来るプレシアに、小さく言葉を放つ

「眠れ、良い夢に抱かれたまま……」

 意識がいきなり消失したかのように倒れるプレシア
 魔力が飽和していて、分かりにくいからこそ、自分が魔法を使うかどうかも分からなかった
 そして、飛んできた魔力により、プレシアの体を治す
 こけたときに顔面からいったからな……鼻血が出てる
 機械なども止めていく……メモリーは全ての記憶を見る事が出来るから
 その分の負担は大きく、あまり多大な量を見ると、俺が壊れるだろう
 アリシアと呼ばれる少女はすでに死んでいる……中から取り出す
 死体保存って事だろう……ゾンビ?
 そして、上へと行きリニスという少女も下ろしてくる
 フェイトの家庭教師というべき人かな?

「あ〜、来たのか……こっちの二人は手遅れだった」

 降りていくとフェイトが居た……俺にかける魔法は完成してる
 もう、眠りたいとも思う……夢に逃げて
 素っ裸の二人の体の胸の部分で手を置いておく……眼福になってしまった
 まぁ、それは良いか

「死人には、俺の力は届かないか……ま、ほぼ死人でも一緒」
「祐一さん?」
「フェイト、終わったよ」

 リニスは、フェイトのことを気にしていたけど、俺自身もそれを言えそうに無いよ
 悪いな……あんたの最後の言葉を伝えなければならないのだろうけど、出来そうに無い

「どういうことだい?」
「君らには関係の無いことだよ……どこの誰か知らないけど
 この人は寝てる。幸せな夢に抱かれて」
「まさか、魔法を?」
「?? 魔法? 違うよ……この人の幸せな記憶をリピートで見させてる
 それだけ……現実が悲しいものなら、逃げてしまえば良い
 永遠の夢へと」

 簡単に説明して、自分もそろそろ寝よう……もう、嫌だから、疲れたから

「じゃあ、俺も寝るわ……せっかく幸せな夢に行けるのだから」
「逃げるな! 現実は、どうにもならないことばかりなんだから!」

 もう死ぬことも無く眠るというのも重要だと考えた
 これが完成したら、死ぬまで寝続けて、そして良い夢がリピートされる
 癒されていくだろう、きっと

「死んでも会えないんだぜ……なら、生きてる時を思い返し、幸せな夢に抱かれた方が
 それこそ良いと思わないか?
 迷惑になることなく、朽ちていく……物のようにな」
「それでも! 人は現実と立ち向かっていかなくてはならない」
「そうだな……だが、現実は悲しく辛いもので
 そして、俺やこの人は負けたんだ……現実を認めたくなくて」

 そう、現実が怖いから、嫌だから、逃げるのだ
 もう、忘れ去られた場所に……でも、そのために、少女たちが皆が傷付くのが嫌だから

「フェイト、悲しまなくて良い
 おろかな男が眠るだけだ……こっちのお母さんだろう人は本当に寝てるだけ
 幸せな夢を見ているだけだ
 無理に起こしても、繰り返す……そして、俺も過去の幸せなときへと戻りたい
 死人は生き返らないなら、それはやはり夢へと逃げて良いんじゃないか?」

 ちょっと眠い

「待って! どうしてだよ!!?」
「アルフ、俺は死を目指していた
 理由は俺が死にたいからだ……でも、何をしても生き残ってしまった
 なら、死ねないなら、夢に逃げたって」
「馬鹿、ならどうして私たちの世話なんてした! どうして、フェイトを治してくれたんだよ!」
「さぁ……なんでだろう? 俺もよく分からん
 ただ、小さな女の子が傷付いて可愛そうだったからかな
 優しさに触れず、寂しい感じがした
 なら、俺が持つ優しさを与えても、ちょっとは希望の光になるんじゃないかと」

 あと少しだな、話せるのも

「だから、友達が出来た今、俺から巣立っていくには良いだろ?」
「違う! 祐一、あんたは何か履き違えてる!!
 私はそんなの認めない!! 私は、祐一、あんたを認めてたんだ
 何より、大切な存在としても……それを裏切るのか?」
「裏切るんじゃない……元に戻るだ」

 ねむたい

「駄目、駄目なんだから」

 フェイトが前に来ている

「いや、いや」
「フェイト、わがまま言わない……な」
「違う、違う!! 祐一は家族だもん!! お兄ちゃんであり、お父さんだもん!!
 だから、だから」

 もう、魔力が無いのだから、無理したら倒れちゃうから

「起きててよ!! 現実は辛いの分かるよ!! 母さんだって眠ったまま
 それでも、寝てて生きてる母さんに会うのは辛いよ!
 でも、それじゃあ、私は友達しか居ないじゃない!! 家族だって思ってたのに」
「ん、ありがと……」
「だから、眠らないでよ……私やアルフのために居てよ!
 『お帰り』や『ただいま』を言ってよ〜〜!!」
「ん、お休み……My doughter」

 俺の意識は夢へといざなわれた





 幸せの夢は彼女たちとの日常……繰り返される日常
 皆との日々……ただただ、寒いと言いつつもどこか楽しい毎日
 今、この時の幸せ……日常の優しさと幸せ





 眼が覚めた……何故? そして、どうして俺は目が覚めた?
 目の前には何も無く、でも、あの幸せから起こされて……死にたい
 なぜ、俺を眠らせてくれなかったか、運命の神とやらを恨むぞ
 棚などを漁るとナイフが出てきた……死のう、もう疲れたから
 自分の手首を切ろうとしたら、止められた
 バインドって魔法……

「こら、バインド解け〜〜〜、この!!」

 力付くで解こうにも解けないし……魔法の知識はあっても解析してる間に声をかけられた

「新しい家族が待ってるんだ、生きててやれよ!!
 あんただって、助けたかったから助けたんだろう」

 こちらを見る、黒い服の少年……杖を構えてるし

「クロノ・ハラオウンが俺の監視かよ」
「そうだ! あんたなら多少の外敵など問題にならないと思ったからね
 こちらも時間を割いてるんだ……フェイト・テスタロッサは泣いていた……あんたを家族だって」
「そうなのか? 俺はてっきり召使とか奴隷とか言うと思ったが」
「本当にそう思ったのかい?」
「まさか……で、バインドを外せ、お前じゃ話ならん
 リンディ・ハラオウンに話がある」
「……こちらのことも調べたってわけか」

 ??

「調べてないぞ」
「え?」
「……何かを勘違いしてるようだ。メモリーの中身というか、ジュエルシードは出たけど
 あれは、単なる殻でしかない……中身というものは俺の中だ」
「そっか……だから、無意識にではないにしろ、直接相手に触れたり
 魔法が交われば、相手を読み解くくらいは出来るというわけか……」
「まぁな」

 苦笑いのクロノ・ハラオウン……解析終了
 バインド解除

「仕方ない……その代わり、死のうなんて思わないでくれ
 やっぱり家族が死ぬのは、フェイトには耐えられない事実かもしれないから
 あんたにだけは、凄く執着していたようにも思える……プレシアのことは半分諦めもあったようだし」
「そっか……ま、生きてるし良いんじゃないか?」
「……あまり信用は出来ないな」
「そか」

 クロノ・ハラオウン……意外としっかり者だなぁ
 お母さんであるリンディという人があれだからか?

「初めまして、リンディ提督になるのかな?」
「ええ、初めまして……寝てる間に幾度かお会いしたけどね」
「それは失礼を……こちらに来させていただいた用件は一つだけ
 俺の身はどうでも良いけど、フェイトに俺の作ったご飯を食べてほしいって事かな?
 ほら、どこの囚人も美味しいご飯は当たらないから」
「分かったわ」
「ありがと……って、クロノ・ハラオウン執務官、何を驚いてる?」
「いや、普通に話してるから、驚いてしまっただけだよ」
「ま、良いか」

 そして、調理場に着く……もうすぐ昼ごはんということで皆、集まりだしてる
 まぁ、良いか……料理長みたいな人がクロノの話を聞いて頷いてる
 適当にというか、何時もどおりに作るか
 多分気づいてくれるだろうし……アルフも居るし、犬だしな
 ご飯を作り終えて持って行って貰った……面会駄目って言われたし
 ご飯を食べ終えるとクロノを見つけた……フェイトたちと話してるようだ
 此処は一発……背後によると、こちらへと振り向こうとするクロノの背中に一撃を与え倒すと
 後ろに乗った……右足で頭を抑える
 めきょって音がしたが、まぁ、大丈夫だろう、きっと

「よ、フェイト、アルフ、元気か? ご飯食べてくれたか?
 相沢祐一起きたぞ〜」
「あの、祐一さん?」
「ま、だいぶ寝ちゃったしな……少しすっきりした
 それから、ありがとな……俺、もう家族居ないから、ちょっと嬉しかった」

 そう、本当に嬉しかったのだ……多分、もう家族と呼べるものが居ないから

「ところで、クロノはどうしたんだい?」
「今は、足で後頭部抑えてるから、一生懸命立ち上がろうとしてる」
「……大丈夫なの?」
「ああ、平気平気……これくらいでくたばってたら執務官なんて勤まらないだろうし
 不意打ちくらい避けてちゃんと返さないとな」

 とは、言ったものの、後が怖そうだなぁ
 ま、良いか……事実だろうし、執務官たるものって教訓が出来そうだ、うむ

「じゃ、今度はそっち行くから……あ、クロノわりぃ、これどこ押せばいいか分からないからあとよろしく
 それから、足蹴にして悪いな……邪魔だったんだ」
「祐一、言うことはそれだけかい?」
「……ああ」

 他に何か言うことがあったっけ?

「そうか、そこに直れ!! 徹底的にやってやらぁ〜〜〜!!」

 電話みたいなのを切ると、そういってこちらへと襲い掛かってくるクロノ
 ちなみに、クロノは母親であるリンディさんに捕まりしっかりと怒られた……理由は、艦内破壊かな?
 俺は手を出してないけど、クロノの攻撃を避けたら壁が壊れた




 一度、プレシアとフェイトが会えるようになった……といっても、永眠装置みたいなので寝てる
 勿論、俺にも付き添いの許可が下りて、フェイトが起こして話したいとも言ったが
 俺は止めておくほうが無難だと思う……幸せな夢の後に待ってるのは無慈悲な現実だから
 フェイトの裁判は簡易ですぐ終わるっぽいみたいな事を言っていた
 何でもそれなりのコネがあるとかどうとか……提督だし、色々あるんだろうなぁ、リンディさん
 その息子の執務官クロノ……というところか
 俺は毎日のように三食、アルフとフェイトにご飯を作る
 日課だったしな、料理長の助手になったことは秘密だ……給料出るし
 名雪、秋子さん、あゆ、真琴、美汐、香里、栞、舞、佐祐理さん
 俺、生きてみるから……娘って認めちゃったしな……これも秋子さんの血縁ならではかな









 あとがき
 という風なお話を書いてみたけど、えらいものを書いちゃったな
 シオン「ジュエルシード事件のあらましを抑えてないからね」
 というよりも、だいぶ吹っ飛ばした
 ゆうひ「そうだね……プレシアの鞭裁きシーンとか」
 ……あれは、ある種お仕置きというより、恐ろしいよね
 シオン「そんなもの?」
 うん
 ゆうひ「A'sは書かないの?」
 ……言うな
 シオン「でも、混ざったの見てみたい気がする」
 そうか? お前らだけじゃないのか?
 ゆうひ「どうだろ?」
 ほんと、どうだろうな……と、メモリーの概要を説明せにゃならんな、後祐一を事細かに


 相沢祐一
 ジュエルシードの番外に当たるものと接触……メモリーというのは祐一が名づけた
 実際は普通のジュエルシードの特殊版。ジュエルシード総括とも取れる役割を持ち
 プレシアのことを嘆き、同じ性質を持つ祐一に加担する……+と−の関係と取れる
 相沢祐一には莫大な魔力が眠っており、舞の力の具現は純粋な願いから……両親とは音信不通
 というよりも、会話もせず、電話で少し話してからは疎遠。両親も探さないという放置っぷり
 Kanon本編の全員は死んでおり、夢に逃げるも起こされた。死ぬことを求めたが叶わず諦めた模様
 フェイトのことを実の娘や妹のように可愛がった……かな? アルフは完全に犬と思ってる
 ただ、女性形態の時に抱きつかれてしまい、顔がにやけたことがあるのは健全な男の証拠


 メモリー
 ジュエルシードの総括。魔力の高い物と使われ方を考え、それを踏まえて動く変な性質を持つ
 全てのジュエルシードの位置や場所が分かり、異世界だろうが何のその
 相手の頭を読むことは出来なくとも、相手の過去を読み取るという力がある
 ある種、どんな相手も敵に回したら、眼を合わさず触れ合わず逃げるが良いか
 超長距離からの射撃……なのはの攻撃など有効
 ただ、魔力に触れれば相手がどこにいるか分かる……問題は使用者の頭への負担の多さである
 よって、普通の人ではこうも使えない……使えばオーバーヒートで死ねる




 ってな感じだな
 シオン「強いか弱いかと言われれば弱いの?」
 いや、戦い方によりけりだな……下手に近づいたら、相手の頭を読み、相手の敵陣まで飛び込める
 ゆうひ「ある種、会ったら逃げろってタイプだな」
 そういうこと
 シオン「なるほどね〜」
 おぅ
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



こっちは祐一視点。
美姫 「当然、こっちも最後はハッピーに」
まあ、同じお話だからな。これでエンドが違ったら驚きだよ。
美姫 「まあね。夢から覚めた祐一」
フェイトの父親(笑)となり、これからは生きていく。
美姫 「うんうん。ゆうひちゃん、シオンちゃん、投稿ありがとうね〜」
遊び人さん、お疲れ様です。



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