とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのはA's









魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜A's

第九話 激闘











 フェイトとなのはは、吸い込まれたマイたちを見て驚いていた
 闇の書を扱って、吸い込んだ人たちがどうなったかとかわからない……
 でも、あの時相手を変化させて、はやてに見せたのは、恭也とヴィータだった
 自分たちの精神的ショックも立ち直らないまま攻撃されて慌ててシールドを発動させたなのは
 フェイトたちとビルの陰に隠れる
 恭也とシグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマルたちもビルを影にして隠れていた

「で、お前は確か魔道書の完成を狙っていたと言ったが手はあるのか?」
「ある……だが、その前の段階に少しだけ時間を稼がないといけない
 何より……俺自身も動かねばならない」

 夜天の王……その人は、今、防衛プログラムなどの境目
 そして、寝たばかりで起きるかどうかの境目
 何とかして声を掛け続ける
 シグナムたちは事情をあっちに説明してこい
 そちらには、ユーノとアルフの二人が居た
 恭也はビルの壁にへばりついていたが、そのまま降りる

「あ、ちょ」

 シャマルが声を掛けて、追いかける
 ヴィータたちも声をかけるが、恭也が走っていくのを見ている

「どういうことか分かるかい?」
「それが、えっと、とりあえず私たちは恭也に助けられたんだ」
「ああ、蒐集の中に入る瞬間に恭也が」

 それぞれそういってごまかす
 ということは、あそこに吸い込まれた力で完成したのは?

「一つ言うなら、あの小さな少年と戦っていたのだが、負けちゃったし完成したから帰るって」
「勝ったの?」
「いや、単に自分の守護騎士たちが吸収されての行動だと思う」
「ああ、そういうことか……じゃあ、あの夜天の王を止める方法は?」
「私たちには無理だ」
「え?」
「まず第一に、あの人に対して攻撃は出来ないから
 フォローすら回れない」
「シャマルはなんで追っていったんだい」
「シャマル本来の意思だが、恭也は、魔導師だろう? 唯一回復が出来るシャマルは
 一番なんとか出来るだろう」

 シグナムとヴィータ、ザフィーラは落ち込む
 こういう事が一度だけあったのだ……その時も止めようと攻撃をしようとしたが
 全て攻撃は意味を成さない上に、途中で消えるのだ
 主に攻撃を仕掛けた部下に対し、主は権限を発揮し消えることとなった
 それにもっとも驚いたのはシャマルだ
 回復なんて間に合わないし、その時シャマルはバリアで防ごうとしたが、意味の無いものだった

「じゃあ、私たちは」
「荒れるだろうから、その補助に回ろう
 暴走に立ち会う経験は少ないが、その手前なら今思い出した」
「そうだな」

 それぞれが防災のために動き出す
 なのはとフェイトたちが空中戦をしている最中、恭也は足を止める
 その上にはなのはたちが戦っている

「飛ばなくて良いのですか?」

 泣いてる女性。夜天の王。

「飛ぶ方法はあるのだが、あまり使いたくないな」
「……どうしてですか?」
「俺が使うにはちょっと融通が利かないものだから」
「……わがままとか?」
「まぁ、そんな感じだ」

 恭也はシャマルにそう答え、小さく息を吐く
 今度こそ戦わねばならないだろうという事を頭に入れて
 小太刀を取り出した恭也にシャマルは驚く
 何時の間に取り出したか見えなかったのだ

「我ら神すらも斬る者なり……神風、来い!」

 黒い風が巻き起こる……一切の魔力反応なしに、恭也に全ての装備が備わってく

「恭也さん」
「俺は元より魔力を消すことが出来ますから……小さな頃からの特訓でですけど
 知らないのは無理は無いでしょうけども」
「どうして、それを私に?」
「聞きたい事は多々あるでしょうけど、先に泣いてるあの子を守りたいですから」

 恭也はそういって、地上を蹴り上空へとジャンプする
 そのジャンプ力だけでも異常性があるのだが、それにいち早く反応したのは夜天の王
 そして、ついで近くに居たフェイト、最後になのはだった
 なのはは距離を取って、バスターをぶっ放してるので仕方ないが
 シールドをはって恭也の攻撃を止めようとする夜天の王
 だが、恭也はそのシールドを壊し攻撃を加えようとする
 フェイトはそのことを知りつつ自分も攻撃を上から加える
 恭也の性質を考えれば、もっと下に下ろさなければ……恭也が唯一の攻撃手段かもしれないから
 なのはのバスターが防がれるのではなく、避けられてる状態では
 近接戦闘は自分より強かったのだし

「くっ」

 フェイトを弾き飛ばし、恭也へと蹴りを繰り出す
 だが、恭也はそれを地上に降りることで避ける……というよりも、上空に上がったものの落ちたとも取れる
 やはり飛んでないものは厳しいとも取れる

「……」

 上を見上げる恭也と下を見下げる夜天の王

「起きろよ、はやて……俺たちの時間稼ぎはそこまで持つものじゃないのだから
 殺してしまうかもしれないからな」
「……勝てるとでも?」
「勝てるさ」

 恭也の言葉に周囲は驚いていた
 実力が拮抗してるとか色々言いたい事はあるが、それ以上の問題

「お兄ちゃん」
「恭也さん」

 恭也の小太刀には殺傷と非殺傷の設定の変更は無い
 言うなれば、変更するのは自分の力のみなのだ

「シャマルさん」
「はい」
「フェイトとなのはの回復を」
「分かりました」

 恭也はそのままジャンプして、ビルなどを使いながら横手から攻撃
 そのことに驚く様子も無く、飛んで避ける
 一直線にしかいけない恭也を見越してだ
 そして、恭也もそれは分かってるからこそ、壁を地面に変えて攻撃をする
 だが、夜天の王もあながちたくさんの戦闘経験を蓄積したわけじゃない
 そういうことならば、恭也の足元であるビルを壊していけば良いのだ
 恭也はビルを蹴り再度攻撃をする
 更に高く上がると、そのままビルへと魔力の光を当てて壊す
 恭也が地面に降りるように
 そうすれば、攻撃は届かない
 ある種恭也がもっとも危険なのは理解してるのだ
 恭也が飛べていたら話は別だ
 半壊したビルへと恭也は突入していった
 なのはとフェイトは驚いていたが、恭也はそこから出てきた
 突貫
 ヴィータの戦いに似てなくも無いが

「よくこれだけ戦えるものだな」
「ふっ」

 恭也へと攻撃をする夜天の王

「はやて、俺やシグナム、ヴィータたちは生きてる。戻って来い
 そこにシャマルが居るだろう!! 見えないなら声だけでも、感じろっ」

 恭也へと魔力を帯びたパンチが当たる
 魔力は恭也へとダメージを与えず、パンチだけの威力分となる
 恭也は直撃したそれにダメージを考えていた
 大きなダメージかどうかを

「恭也さん」
「お兄ちゃん」

 なのはとフェイトが地面に叩きつけられそうな恭也を助けた
 空中でキャッチしたのだ……恭也はお礼を言うと、そのまま地面に降りる
 二人の重荷になるから

「肉体強化を掛けた上での、魔法無効化」
「俺には回復魔法は効果示しませんから……自動回復がメインなんですけどね」

 恭也の能力は、どこか夜天の魔道書と似ている
 酷似しているとも言える
 と、不意に魔力の光が、集まりだす

「スターライト」
「ブレイカー」

 なのはとフェイトが驚き、すぐさま念話を送り距離を取るように言う
 何より、なのはの最終兵器のような魔法
 恭也は上空を見る。シャマルは迷ったがそのまま飛んでいく
 ただ恭也が動いてないことに気づいてない……それに最初に気づいたのはフェイトだった

「恭也さんは!?」
「え!!」

 シャマルたちはそれを聞いて、すぐさま驚く
 だいぶ距離を取ったおかげで恭也が見えない
 もしも恭也を置いていってるなら

「お兄ちゃんなら大丈夫だと思う……それに、スターライトブレイカーは、魔力攻撃だから」

 それの意味することは、恭也には効果を示さないという事だ

「バリアじゃないから、大丈夫だろうけど、威力だけでつぶされるかも」

 フェイトは不安そうにそういう
 だが、シャマルは大丈夫だと考えている
 何より恭也が来ないということは特性を知ってだと考えてだ

「恭也さんなら大丈夫だと思うのだけど」
「どうして?」
「なんか、そんな気がするの」

 さて、その頃恭也はというと腰溜めに構えていた
 小太刀を持ち、夜天の王を見つめる

「おろかな」

 その言葉を誰に発したか分からない
 だが、そのまま言葉を紡ぎ、突き出される拳

「スターライトブレイカー」

 淡々とした言葉に発動
 桃色の光が恭也を爆心地として広がる
 恭也はそのままジャンプして、受け止める
 そして、抜刀四連、薙旋
 その攻撃に意味を成さないと理解してたつもりだった
 武器に付着している魔力無効化があろうと、連続して襲ってくる魔力を断ち切る術など無いと
 だが、それを超えてこそ御神不破流
 神にすら敗れない剣士

「なっ!」

 その時、本当の意味で驚きに染まる
 恭也にぶつかった魔力が無効化は分かっていたし、何より恭也の攻撃はただ其処に意味を成すものだとも
 だが、実際は……

「断ち切れるスターライトブレイカー!」

 その光景にシグナムたちも驚いた……あれだけの高威力を誇るものが
 斬られてるのだ……しかも四つに分断されて
 その時、なのはたちはアリサとすずかが此処に居ることに驚きつつも何とか防ぐ方法を考えていた
 シグナムたちは距離を取れるが、なのはたちは近すぎる
 恭也のおかげというか予想を超えることにスターライトブレイカーの威力はだいぶ落ちた
 爆心地が恭也のおかげで広がる部分もだいぶ収まり、なのはのバリアだけでだいぶマシになったのだ
 そのおかげですずかとアリサは無事だった
 最悪を考え、フェイトのバリアもあったのだが
 その光景に誰もが驚いた

「まさか、あれを断ち切るとはな」
「御神の剣士に斬れぬものは無い」

 その言葉が確かに真実であるように帯びてくる
 夜天の王の涙が流れてるが、それでも恭也は必至に念話を飛ばす
 はやてに声を……なんとか時間は稼ぐ
 止めたいとも願ってるとも
 フェイトとなのはは二人を保護してもらい、恭也が居る場所へと飛び立つ
 だが、それより早く、火柱やら地面からなにやら生えて来る
 恭也の所でも同じように生えてきていた
 恭也を捕まえようといくつも生えては斬られていく

「何で涙を流しながら、悲しそうに攻撃するのか?
 それは、お前の涙じゃないのか!! 俺にはお前の名前を呼んでやることはできない
 だが、はやては望んでるんじゃないのか!!? お前の優しい心を理解してるから
 はやての悲しみが理解出来るからこそ!!」

 恭也の叫び。それは、はやてに届いていた
 といっても、声じゃなく、思いが……恭也とはやては友達だからこそ
 強い意志の話が此処に来て、役立っているのだ
 暗い闇のような場所で、書とはやては話し合う
 恭也はすぐさま、駆け出し海の方へと走っていく
 夜天の王を軽く牽制しながらだが、地面から追ってくるものやら、夜天の王の攻撃やらを避けながら
 じゅうたん爆撃のような魔法の発射に恭也は気にしない
 間違いなく魔法の効果が無いことに夜天の王も驚く……彼は最大の敵かもしれないと







 つづく








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