とらいあんぐるハート×魔法少女リリカルなのはA's









魔法少女リリカルなのは〜守りたいものありますか?〜A's

番外編3 アリサと携帯











 さて、恭也の壊れた携帯……そのことにもっとも怒ったのは、士郎だった
 何で雨の中で使うとか、そのほかさまざまなことをそれこそ1から10まで言われ
 『鈍感』や『朴念仁』だとか、そのほか多岐に渡り言われたのだが
 携帯のお金はちゃんと渡した……ちなみに、そのことにぷーたれたなのはにより
 士郎のお叱りはいつの間にか、士郎の過去暴露になった
 なのはが恭也に聞いたのだ。士郎の伝説を……その翌日から1週間ほど士郎は翠屋でお菓子を食べて居ない





「何を買えばいいんだ?」

 お金を貰ったが、恭也は倹約家である……携帯のお金といって渡された金額4万
 最新でも買ってきなさいという意味で渡した桃子だが
 士郎はその時、桃子が言いきった罰により厳しい罰のあまり部屋の隅でのの字を書いていた

「さっぱり分からん」

 恭也のオーラは店員寄るなって感じのオーラを出していた
 メールと電話が出来れば良いだろうという恭也の主な目的は、ものの見事に最初から崩れた
 最近の携帯はなんといっても機能が多い
 カメラに音楽聴いたり、他にも色々出来るのだ

「あれ、恭也さん?」
「ああ、アリサか……ん? どうして、アリサが此処に居るんだ?」
「え? 私は携帯がこの前の雨の時にうちの犬たちがジャンプしてきた時に落として壊れちゃったから」
「……ああ、なるほど」

 恭也はその言葉に納得する
 雨に濡れて壊れたということ

「まぁ、俺も似たようなもので買わないとって思ったのだが……」
「恭也さんって確か……機械弱かったんじゃあ」
「そういうことだ。まぁ、一応ある程度は使えるがな」
「えっと、それじゃあ、私が選んだのどうですか?」
「構わないが、いいのか?」
「は、はい!」

 気合の入るアリサ。恭也は少しいぶかしみながらも、まぁ良いかと考えた
 それに元気になったアリサを見て、恭也は考える
 過去のあの時、何とか間に合ったことに安堵する
 丁度夜中、あの時期はまだアリサとなのはが友達だと知らなかったとき
 アリサは暴漢により襲われた……捕まえられ、ある廃ビルに連れ込まれていた
 だが、そこに入った暴漢は運が悪かった……士郎が市街地のビルを使った鍛錬をしていたからだ
 ダース単位での訓練じゃないが、恭也は士郎に言われたように、一つ一つの物を壊していく
 夜目や気配がいくつも出る仕掛け、デストラップの中も歩いていく
 その中で悲鳴が聞こえた瞬間、恭也の頭はトラップ云々の開放よりも先に動く
 敵の場所、悲鳴の位置、何人が何人でと考え、下へと行く
 後少しで終わりの所だが、邪魔が入ったと言っても過言ではないのだが
 恭也はそこに居合わせた……そして、中では半分服は脱げているアリサ
 叩かれた頬は腫れている
 それに怒りを覚えた恭也はそのままアリサの前に立つ
 ただ目の前に居た男は吹っ飛んでいた……恭也の手には小太刀が握られている
 血は出てないが峰で思いっきり叩いたのだ
 相手の悲鳴さえも聞こえない……一撃で相手を伸したようだ
 そして、相手を見る
 『こんな子供になんてことをするんだ。祈りの時間はいらないだろう?』
 それは恭也が発した言葉だった……皆、考えるより先に逃げ出した
 死神のように見えたからだ。得物は違うのに、恭也の目や手に持つものは確実に死をいざなう道具
 だからこそ、自分たちの武器すら通じないと思い込む。人間の心理
 原初の恐怖
 だが、恭也は相手を叩きのめした……といっても、殺しはしてない
 少女に自分のコートをかぶせ、自分の父親に連絡し、鍛錬中止のことなどを伝える
 士郎も頷き、馬鹿たちのことは任せろとのたまったのだ
 まぁ、その後のことは知らないが、アリサはそのことを今でも覚えていて
 確かに恐怖はあったし、最初恭也が怖いと思ったが
 抱っこされて恭也の目を見たとき、アリサは感じたのだ……その紳士的で優しい感じを
 恭也からしたら小さなことかもしれないが、アリサにとっては全身に雷が落ちるほどのこと
 そして、自分がお姫様って柄でもないが、それでも王子様は恭也でその時は自分がお姫様だと
 それから、しばらくしてなのはの兄が恭也だと気づいて、たびたび翠屋に行くようにしているのだが
 恭也には、そんな少女の恋なんてのは気づいてない

「恭也さんは黒が良いですか?」
「そうだな……黒が良いかな」

 アリサは恭也の趣味の色というか、黒を好んで使ってるのを知っている
 だからこそ、色々と考えて、いくつかを見ている
 パンフレットは見てないが、買いにきたのだから、いくつか見ていて良いのを選ぶ
 何より……『私とおそろいの……その、色違いで』
 などと狙っていたりするので、ねらい目が絞れてきている
 ただ、恭也はアリサが居てよかったなどと思っている
 機能は置いておいて、アリサはなんだかんだでこういうのを知ってるし
 変なものは選ばないだろうから

「じゃあ、これなんてどうですか? 大体は電話とメールがメインですけど
 ほら、こうやって音楽が聴けるんです。最近のテレビ見れますけど小さな方が何かと良いかと思って」
「そうだな……無くさないように注意しないとな」
「それくらいですよね」
「ああ」

 恭也は頷いて、そのものの黒を取り店員さんに話をつける
 アリサも同じように話しをしていき、色違いを選ぶ

「あれでアリサは良かったのか?」
「なのはやすずかと違うの持ちたかったから……それに、そのあまりテレビ見れるとか言っても見ないし
 他に機能が新たに追加されてるなら考えるんだけど、別に良いかなって」
「そうか」

 恭也は頷いて返す。店員さんの話だと2時間くらいかかるとの事だった
 恭也とアリサは頷いて返し、しばらくどうするか考える

「そうだ、アリサ」
「なぁに?」
「時間つぶしに行かないか? 此処で待っていてもどうしようもないし」
「うん♪ 恭也さんとお出かけって少ないし良いよ」
「じゃあ、まずは何処行こうか?」

 店内で話し合うのも悪いと思い外に出る
 雨は降ってないいい天気

「それじゃあ、あの参考書ほしいし本屋行って、公園でのんびりしませんか?」
「ああ、いいぞ……ついでに俺もほしい本があったのを思い出した
 というより、あるかどうか微妙だが」

 そういって、二人は本屋で本を買う
 目的の物はあったようだ……アリサは参考書を、恭也のは盆栽だ

「好きなんだね」
「まぁな……なんていうか落ち着くんだ」
「いいんじゃないかな? それに恭也さんって何してても絵になるし」
「そうなのか?」
「うん。だって、もしも恭也さんの写真集があるなら、買うもん。五冊ほど」
「何で五冊なんだ?」

 恭也は不思議そうにアリサに聞く
 公園まで歩いていく中、アリサは少し考えて

「観賞用と自慢用と保存用とストックが二冊」
「……なんだかよくわからないが、アリサ、出ないって」
「そんなこと言っておいて、もしも出たら絶対買うからね」
「いや、出ないから」

 しかし恭也は知らない。恭也のFCは存在し、恭也を狙う芸能プロが居ることを
 そして、その魔の手が伸びてきていることにも
 公園に到着し、二人は屋台で軽いものを買う
 アイスとせんべいだった
 アイスはアリサが、ぜんべいは恭也が
 緑茶は恭也が買ってきたものだ
 ベンチに座って、食べる二人

「恭也さん」
「ん?」

 アリサはアイスを食べて恭也を見る。恭也は呼ばれたことでアリサを見る

「その、ありがとうございます。私を助けてくれて」
「言わなかったか? あの時は偶然あそこで鍛錬してたからって」
「言いました。でも、あの時恭也さんが居なかったら私はいません
 だから、命の恩人であるのは恭也さんです」
「そうなるのかなぁ?」

 恭也はそれはそれでアリサの親類たちがどうにかしそうだと思ったが

「私の親戚たちは、私を邪魔だと思ってます。なのはたちにもいえないことですけど
 今、私は卑怯なことをしようとしてます。でも、許してください」
「話を聞いてからじゃあ駄目か?」
「ありがとうございます。私の親戚は私が死ねば、莫大な財産が入ると知ってます
 だから、私を邪魔だと言ってますし、居なくなればなどということを影で言ってます
 勿論、そのことを私は知ってますし、知らないと思い込んでるのはあちら側の人たちだけです
 そして、あの時の暴漢たちは雇われてました……その者たちがどうなろうと私は興味が無かった
 あの頃は冷めた感情もあって、どこか親に捨てられたとかもあって情緒不安定でした
 でも、じぃと犬たち、他にも家の家政婦さんたちは、私を本気で心配してくれました
 だから、私にとって家族はあそこの家の皆だけです。その中に恭也さんやなのは、すずかって
 皆が居ます」

 アリサの真剣な話に恭也は聞いていく

「今でも怖いときがあるんです。一人で公園とか、一人になりたいと思っても
 恐怖心が先立って出来ません。しようとしてもなかなか出来ないんです」
「アリサ」
「だから、今少しだけお願いがあるんです」
「なんだ?」
「今から、公園の入り口で待っててくれませんか? 五分後に私も行きますから」

 アリサはそう言って、恭也を見る。不安に揺れる瞳

「そこに恭也さんが居るだけで少しだけ救われる気がしてます
 何より、私はそんなに強い子じゃない……私の弱い部分を一番知ってるんですから」
「分かった」

 恭也はアリサの態度を考え、何より気づいて入り口へと歩いていく
 ごみを持っていくのは忘れない

「俺が傍に居ることは無いが、近くに居る
 何かあれば大声だせばいいから」
「うん」

 アリサは頷いて、震える体に活を入れる
 怖いことは怖い……いざ一人になれば、やっぱり怖くて
 大人にだまされそうになった自分を助けたじぃ
 回りの悪戯を笑顔で交わし苛立ちを抑えきった家政婦さんたち
 優しい友達、なのはとすずか
 大好きな人、愛してる人、恭也
 みんなの顔が浮かび、アリサは時計を見て歩き出す
 『もう、大丈夫』そう信じて……
 新たに出来た友達も居るから

「ただいま」
「お帰り」

 公園の入り口で待っていた恭也にアリサは挨拶し、そして恭也に抱きつく
 怖かった……今までのように大丈夫だからと言われ、外に出てだまされた
 恭也はアリサの頭を何度も撫でる
 その様子を他の人たちは微笑ましい兄妹だと思い見ては、歩いていく




 しばらくそのままでいたアリサだが、頷いて離れる

「ごめんね」
「いや、構わないさ……そろそろ時間だ。行こうか」
「うん♪ 手を繋いでいこう」
「仕方ないやつめ」
「えへへ〜」

 すでにとって言っては駄目な気がするが、それでもアリサは嬉しそうな笑顔で歩いていく
 卑怯だなって分かってるつもりだ

「いつか、この恩は私でもって返しますね、恭也さん」

 その小さな呟きは恭也には聞こえてなかった
 だが、アリサの決意は固い……恭也が誰かを好きでも、自分は恭也を愛してると言える
 だから略奪愛でも愛人でも良いかなと思っていたりするのだ
 アリサにとっては大きな事。なのはもすずかも大事だから

「ライバルも多いけど、いつか皆で恭也さんの子供も面白いかも」

 などという言葉を吐いてしまう
 アリサにとっては、それは独り言で誰にも聞かれなかったこと
 ただ部屋で呟いたことと日記に書かれていた……いつか、皆で同じ人の子供を抱いてたら面白いかもと






 携帯を買い換えたことに真っ先に気づいたのは、なのはだった
 家で、恭也が買ったのを見せてもらったからすぐさま分かる
 そして、何より恭也とそっくりだった……というより色違い

「あ〜〜、アリサちゃん、お兄ちゃんと会ったでしょ!!」
「え、うん」
「やっぱり、絶対お兄ちゃんなら1円携帯だと思ったのに良い物だったし
 アリサちゃんの入れ知恵だったんだね」
「あの、なのは?」

 なのははむ〜ってふて腐れて

「何気におそろいだし」
「「「へ〜〜」」」

 三人の少女にも、なんでなのはがふて腐れてるか分かったようだ
 納得しつつもアリサを見つめる

「アリサちゃんってば、あざとい」
「た、たまたまだって」
「お兄ちゃんがあれを選ぶとは思えないもん」
「な、なのは、そんなことないと思うけど」
「でも、見た感じを考えたら、恭也さんはシンプルなの選ぶと思う」
「フェイトまで、そんなこと無いって。恭也さん意外とおしゃれさんだよ」
「でもそれって、確か、知り合いからのプレゼントって言うてはったで」
「はやて、それは気のせいよ」

 アリサが焦りながら言うが、実際は……アリサの家で着替える恭也に問題がある
 似たような服だが実際はブランド物も混じってるし、恭也の服はアリサの寝巻きに変わる
 綺麗に一度干したり濡れてなかったものは間違いなくアリサの寝巻きだ
 ズボンはさすがにそうはいかないが、犬の洗濯でシャツやらを脱ぐ
 その時に入れ替えるのだ……ちなみに、アリサの寝巻きは恭也のシャツである
 大きくて気持ちが良いというのが本人談

「えっと、その、皆お昼時間だし、落ち着こうよ」
「後でみっちり聞くからね」
「そうやね」
「勿論だよ」
「アリサちゃんってば、羨ましい」
「うっ」

 アリサはきっちり言われ、更に根掘り葉掘りと聞かれある程度答えた
 秘密にしてる部分は秘密にして……

『いつか、恭也さんと皆と……決めるのは恭也さんだけど
 私はどんな人でも恭也さんを信じてるから……あ、でも……
 私より駄目っぽい人ならそれはそれで怒るかも』

 少女の心は前を向き、ひたすら前進である
 かなり斜め上というか、斜めの方向を向いてる気がしないでもないが







 おわり









 あとがき
 というわけで、今回はアリサに注目して書いてみました
 それぞれに何かエピソードをと考えると、少女五人にヴォルケンリッター四人
 それプラスでレティ女史やリンディさん、エイミィとか浮かぶわけです
 ユーノくんの気づいてもらえないなのはへの恋とか?
 これ浮かんですぐ頭の中で何故か薔薇が咲いたんですよね……なんでだろう?
 多分脳内で色々な出来事が起きたからって事で消去しました
 まぁ、頑張れユーノ。ライバルは兄だし大丈夫だよ、きっと
 金髪細身優男っぽいけど……恭也や士郎なら『俺から1本取れれば』の言葉を言うだろうし
 ユーノ、魔法使えば勝てるぞ、士郎には……恭也は諦めろとか
 何故かこの手のことを考えると暴走しちゃいますね……すずか、アリサと来たし
 次は誰にしようとかも一切考えてませんが、まぁ、書けたら書きます
 でわでわ、これで……ほなね〜(^^)ノシ







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