とらいあんぐるハート×マリア様はみているSS









設定……
恭也は三薔薇を知っています(以上)
恭也が高校3年生の秋頃だと思ってください
一応オールエンドで完治してます(何ていうか適当だよなぁ)
というわけでレッツラゴ〜(ちょっと頭が飛んでます)







『薔薇は優雅に咲き誇る3』







「恭也さん、お久しぶりです」
「まだ二日ほどぶりですよ……」
「そうですけど、会わないと分からないものですし」
「はぁ、そういうものですか?」
「ええ、そういうものです」
「ん〜、武に長けてる恭也さんもかっこいいですね」
「うんうん」

 タキシードの服のしたには色々と武器を隠し持っている
 しかし、何で分かるんだ?

「此処」
「むっ」

 タキシードの前ポケットのところに小さな出っ張りがある
 それを触ったら分かったという事だろう

「あの、黙っててくださいね」
「はい」
「分かってますよ」
「任せて〜」

 そして、1人の女性が来た

「あら、お姉さま……!! 男性とどうかされたのですか?」
「祥子、招いてもらってありがとうね」
「いえ」
「それでね、こちら高町恭也さん……私達の恋人かな?」
「!!!!!!!!!!!!!! なっ、ほ、本当ですか?」
「恋人というよりは、教え子と先生って所なんだけどね」

 にっこりと笑いながら、蓉子さんと聖さんが言い切った
 祥子さんは、驚いた顔で俺と蓉子さん、聖さん、江利子さんを見る
 祥子さんを俺をじ〜と見る……品評されてるみたいだな

「で、この方がお姉さま方の好きな方という事ですか?
 最近、せわしなく、それはもう目覚しい働きぶりは……恭也さんに出会うためですか?」
「そうなのよ……それに、彼にはあることを頼んでるので」

 そう言って、江利子さんは俺の腕を持つ

「如何いうことですか?」
「うん、ほら、花園に頼んでいた王子様役をね、違う役柄に変わってもらって
 恭也くんを王子様にしようという話が私達3人の間で出たのよ
 で、祥子が相手……ぴったし」

 祥子さんのこめかみあたりがひくひくと動く
 う〜ん、怒ってる?

「お姉さま!! 何でそんな重要なことを黙ってるんですか!?」
「面白そうだからに決まってるでしょ……それに祥子の男嫌いを治そうという
 私の思いと行動を否定するのかしら、祥子」

 祥子さんはぐぐっと黙る……それを意味するのはお姉さまに勝てないという事だろう

「で、ですが……」
「ん〜、妹を持たない子の発現は聞かないわ〜」
「…………」

 それを黙って聞いている祥子さん
 ああ〜、俺って不幸……

「というわけで、ダンスは祥子から教わってください
 あ、もし無理だったら私が手取り足取り教えますが」
「あ〜〜!! 蓉子ずるい!! 私が教えるよ〜」
「あ、江利子まで! もう私が教えるよ!!」

 何ていうか、俺を置いての会話だな……
 しかし、俺は護衛対象から離れられないのだが
 といっても、これだけ女性が揃っていたら逆に話しかけらないのか
 ほとんど静かなものだ……良かったというべきか
 近くに居るのがコレだけだと、守るのに最適なポイントに立てばいいのだから

「やぁ〜、さっちゃん……そちらの男性は誰だい?」
「高町恭也さんという方だそうです」
「へ〜、恭也っていうのか、俺は柏木優
 よろしくね」

 そう言って男性が手を差し出す
 握手を求められてるのだと分かり、手を差し出す
 手をとられ

「どうだい、女性達ばかりではない、美しい男性同士のダンスというのは?」

 俺は手を振り払い、瞬時に間合いをとった
 せ、背中がぞわぞわ〜って……恐い、というより、恐怖を呼び起こされる

「柏木!! 恭也くんはノーマルなの!! だから、あんたはどっか行ってなさい!!!」
「ぐっ、諦めんぞ、俺は」

 聖さんが間に立って、俺を守る形で睨みつけている
 何ていうか、女性に守られてる?
 と、頭が横を2人から撫でられる

「いい子いい子」
「そうだね……よく柏木さんから逃げた」
「うう〜」

 俺は唸るしかなく、そのままされるがままだ

「さっきのリリアンの文化祭の話はこちらも分かったよ
 流石に王子様役はどうかと思ってた所だし、良かったよ
 王様役で……それに王様権限で……」

 と、今度は聖さんにチョップされる
 何ていうか、この2人そっくりだと思うのは俺の気のせいか?
 でも、似てるんだよな……色々と

「此処まで小悪とは……」
「何を言う……君だって、お姉さま役とかで苛めるつもりだろう
 さっちゃんを」
「まさか、私は苛めたりしないわ……そっちは江利子の役柄だもの」
「聖、私はそういうの好みじゃないわ」
「あら〜、じゃあ、蓉子かしら……ぴったりね」

 そういって蓉子さんを見る

「そうかしら? 聖が一番ぴったりよ」

 それを言うと、お三方とも苛める方が合うような気がする
 もちろん、そこには柏木さんも入るが……

「さっちゃん、あっちで家族揃ってるけど、挨拶はいいのかい?」
「大丈夫です……すでに話は終わってますから」
「そうかい……僕は行くけど、彼には手を出したらだめだからね」
「……優さんが手を出すほうが問題かと思いますが」
「ま、それは置いておいてね」

 そういってスタスタと歩いていく
 確かに貴公子然とした姿はかっこよさもあいまり女性達から引く手あまたのようだ
 何ていうか、これは大変だな……

「ふぅ〜、嵐は去ったね」
「本当よね……恭也くんにはノーマルで居てもらわないと」
「そうね」

 と、3人の会話が……あ、そういえばこの後勉強も教えてもらうつもりなんだ
 明日の授業が朝は1時間目が休みだから、泊まっても良いし
 ふむ、悪いことにならなければいいが

「というわけで、祥子……お姉さまとしてのお願いなんだけど
 恭也くんにダンス教えてあげてくれない?」
「足踏まれないようにね〜、祥子は根に持つタイプだし」
「黄薔薇さま、それは如何いう意味でしょうか?」
「さぁ」
「じゃあ、いってらっしゃ〜い」

 ああ、俺の意思を無視して決まっていく事柄
 そして、俺は祥子さんと壇上にあがると、体を寄せ合い踊る
 ワルツという事か……これなら、ティオレさんに教わったような気が
 確か、フィアッセと相手でこう踊りくらいはとか何とかで
 イギリスでの上議員でのダンスパーティでの事だそうで
 子供達も踊るんだとかどうとかで、教えてもらった記憶が……
 何となくで、足などの運びを気をつけつつ、腕に力をこめる

「あっ」
「大丈夫です……リードは出来ませんけど、足を引っ張ることは無いようなので」
「え?」
「一応、ワルツのダンスは教わってのたのを思い出しました
 あの頃は何でしてるんだろうとか思いましたけど、出来るものですね」

 そう言って、彼女と手を合わせる
 そして、すっと足を運んでいく……
 彼女の頬が朱に染まる……風邪か?

「落ちたね」
「さすが恭也さん、私達の見込んだ通りね
 蓉子もコレを考えてたんでしょ」
「まぁね……あの子って男の人苦手とか言いながら、逃げるんだもの
 だったら、荒療治も必要でしょ
 それに恭也くんはおじ様とおば様の知り合いらしいの」
「へ〜、誰から聞いたの?」
「流石にどこの誰に祥子を任せるわけにはいかないから
 聞いてみたのよ……そしたら、おじ様がね」
「ま、俺から説明しようかね」
「おじ様!!」
「高町恭也ってのは今の名前なんだけど、昔は不破って苗字だったんだよ
 そこではね、昔ながらの護衛方法を使って人を守って生きてきたんだ
 しかも、修羅場を何度も潜り抜けて……ま、それで家もご厄介になってたってわけ
 でもね、不破家は無くなり、その後継ぎは3人になっていた
 で、その1人は守ってる最中に殺されてしまったんだ
 で、残った1人が恭也くん……というわけだね
 だから、僕は知ってるよ……彼を
 彼が今も大切に残してる父の形見も」
「へ〜、おじ様の方が詳しいんだ」
「ま、僕の知ってるのは士郎っていう恭也くんのお父さんが話してくれたことなんだ
 その頃、祥子も一緒にいたんだけどね〜……確か恭也くんになついてたんだが」
「へっ?」
「うん、そうだったよね? 清子」
「ええ……」
「で、でわ、祥子の今は?」
「ま、色々とあったらしいからね……」
「そうなのよね〜、でも蓉子ちゃん綺麗になったね〜
 恋したおかげかなぁ〜、可愛くもなって〜」
「お、おば様!!」
「うふふ〜」

 俺と祥子はダンスを一通り終えて、これで良いかなという感じでお互いに離れる
 胸や腕に当たるものが何か分かってるだけに結構辛い

「や、恭也くん」
「お久しぶりです、融さん、清子さん」

 俺はそういって頭を下げて挨拶する

「もう、かれこれ、何年ぶりかな?」
「10年ちょっとですね」
「そっかそっか……恭也くんは大きくなって〜かっこいいし
 おばさんの彼氏にならない?」
「こらこら、清子、それは蓉子ちゃんたちに悪いよ」
「あら、本当」

 視線を受けると、にっこりと微笑みかける女性3人
 ただ、少し恐い……

「あの、お姫様たちが待ってるので、そろそろ行きますね」
「あら、残念……そうそう、恭也さん、祥子のことお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
「じゃあ挨拶周りがあるし、また用事が無くても着てくれ
 僕は居ないときが多いけど、また会えたら会いたいからね」
「はい」

 そして、お互いに握手をして分かれる
 俺は蓉子さんたちの所に行く

「一曲付き合っていただけませんか?」

 手を出して、そう声をかける
 はいと手を出したのは聖さんだった
 じゃんけんか何かで決めたのだろう

「よろしくお願いします、下手ですが」
「いいのいいの……それにダンスは楽しむものなんだから」
「はぁ〜、蓉子さんの近くに祥子さんが居てくれて助かります」
「ん、まぁ、このときは大概誰かと一緒に居ないと勧誘が酷くてね」
「勧誘?」
「そ、ダンスの相手なり何なり……」
「なるほど」

 俺は納得して3人を見ていた
 豪勢なラインナップを待たせてる気がする
 曲は5分ほどで終わりを告げる
 ダンスを5分も続けると、次へと変わる

「ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ」
「恭也くん、上手かったんだね」
「そんなこと無いです」

 次に手をとったのは江利子さんだった

「江利子さん、上手いですね」
「そんなこと無いわ……でも、恭也さんって日舞もこなせるでしょう」
「え?」
「だって、志摩子と同じ」
「志摩子?」
「ああ、私達の後輩で山百合会の一員の1人よ……その子が日舞できるの
 一度見せてもらったけど、良かったわ」
「そうですか……俺には良くわからないですけど
 色々と教えてもらった関係ですかね」
「一応、小笠原のおじ様から話は聞きました
 士郎さんがおっしゃったようですが」
「なるほど……確かに父さんは小笠原融さんと仲が良かったので
 よく飲み会とか称して一緒に飲んでましたし」
「そうなんだ……恭也くんって本当に意外な人と知り合い多いね」
「まぁ、そうですね……」
「それに物怖じしないし、面白いわ」

 そう言って江利子さんはにっこりと微笑むと俺に体を寄せる

「え、江利子さん」
「ダンスの時は楽しまないと損ですよ」
「ですね」

 そして、お互いにダンスを踊り終える
 離れて、お礼を言うと、俺は蓉子さんへと手を差し伸べる
 一曲一緒に踊っていただけませんかと……

「はい」

 返事を貰い、一曲踊る

「恭也さんは私のことを見てくれてるのですね
 最後に選んだのも、それぞれの意思や考えを尊重してですか?」
「蓉子さんは俺を見抜いてくるんですね」
「恭也さんの何気ないやり取りは私と似てますから……同じ感じの人同士分かりますわ」

 たおやかに微笑みを浮かべる洋子さん
 どこぞの高貴な方と間違えてもおかしく無いくらいの微笑み
 そして、人の心を考えて行動するそのさまは優しい

「こぼれた時は拾えませんけど、これから落ちてくる時は拾えますものね」
「誰かの詩ですか?」
「いいえ、私が考えた詩よ……」
「そうですか……綺麗な詩ですね」
「ありがとうね」

 そして、お互いに何か話しながら踊る
 足を踏むことなく終われると思っていた……
 だが、意外な伏兵というよりも、蓉子さんは俺が思っていたより大胆だった

「恭也さん」
「はい?」

 言葉をかけられて、俺はさっと彼女の方を振り向く
 唇が当たる……それが分かるまで数秒要した

「ありがとうございます……私たちの我侭まで聞いていただいて
 嬉しかったです……」

 頬を真っ赤にして、そういう蓉子さんは綺麗というよりは可愛くて
 俺はそっと彼女を抱き寄せていた

「俺の方が我侭だと思うのですけど……告白されても、誰も選べず
 ただ、考えていても答えは出なくて……」
「恭也さんなら、問題なしです」

 蓉子さんはそう言って俺をぎゅっと抱きしめる

「こら〜、蓉子〜、卑怯だぞ〜」

 聖さんがそういって復活した勢いそのままに俺の後ろから抱きつく
 それに続いて江利子さんも抱きついてくる
 頬に2人からキスされる
 そこはフィアッセと仲直りの時にしてる場所だった
 ああ、何ていうか懐かしいというより面白い感じか……

「油断も隙もあったもんじゃない」
「確かに恭也さんは油断が多いですから」
「多いですか?」
「女性に対してですよ」

 微笑を浮かべる彼女たちは天使のようだと形容できるだろう
 逆か……彼女たちにとってはマリア様と言う方が褒め言葉かもしれない

「三人のマリア様に囲まれてるような気がします」
「私達?」
「ええ」

 俺はそういって彼女たちの居ない方向を見る
 ふと、その先に祥子さんが居た……そして俺を見ている

「恭也さんって大きくなってから、スケコマシになりましたね」
「違います!」
「あら、祥子……恭也さんはスケコマシじゃないですわ
 それだったら、私達が振り向くなんて事もないでしょ」
「そうですね」

 祥子さんは憮然にそう言い切って、俺の口にお菓子を放り込む
 あ、美味しい……

「疲れたときは甘い物がいいそうです
 あまり甘いものが似合いそうにないので、和菓子ですがどうぞ」
「ありがとうございます」
「あら、祥子……貴方も参戦?」
「お姉さま、それは如何いう意味でしょうか?」
「恭也さんにリリアン女学園にきてもらおうかと思って」
「はい!?」
「私達の文化祭が終わるまでの間、恭也さんにきてもらって手伝ってもらおうかと」
「お姉さま、何を考えてるんですか!? 私達の学園は男子禁制ですよ」
「恭也さんは男子じゃなくて、男性ですし」

 何気にそれは論点が違うような気がする
 それに、俺が通ってるのは海鳴の風ヶ丘なんだが……心配だ
 先生方ならハンカチを振って、送り出しそうだし

「先生方の許可も取ってありますし、授業の方も私たちが教えるので問題なしです」
「それはありがたいのでけど、何時の間に許可を?」
「昨日の時点で夜中に決定して、すぐに話を高校間で取り
 そのまま通したんです……責任は山百合会の幹部でとりますといって」
「凄いですね」
「あらあら……でも、私達はそれくらいまでに恭也さんを大切だって事なんだけど」
「えっと、ありがとうございます」
「だから、期待に応えてとは言わないけど、お礼ね」

 そういって、聖さん江利子さんの順番でキスされる
 今度は唇に……蓉子さんは容認してるのか、何も言わない
 恋する乙女は不思議だ……そんなことを教訓に入れておいた

「お姉さまたちは、どうして、人を巻き込んでからかうのかしら」
「あのね、祥子……私は恭也くんに関しては真面目よ……
 彼の隣に立てるようなパートナーになりたいの
 彼に守ってくださいと言わしめるような女性にね」

 蓉子さんは祥子さんにそう言って微笑む

「それほどまでに好きって事よ……愛してるって言葉が当てはまるかもしれない
 だって、恭也さんなら任せてもいいかなと思えるのだし」
「お姉さま、それで良いのですか?」
「悪くは無い……って所でしょ、蓉子」
「ええ」

 お互いに笑顔で、俺を間に挟んで話を続ける
 と、聖さんが思い出したように言う

「あのね、私達は大胆にアプローチしてるけど
 もしも祥子が恭也さんを好きで、恭也さんにアプローチかけるなら
 私達は邪魔はしない……だって、恭也さんの意思で受け取るなら良いじゃないと思える
 だからね、恋愛に関しては先輩後輩関係なし
 祥子もそれは分かっててね」
「分かりました」

 聖さんに言われて、祥子さんは納得する
 何ていうか、俺の立場無いな……
 しかし、今の状況は困った……動けない
 大概2人が俺をホールド(がっちりと捕まえてる)して、料理を持ってくる
 俺にとっては此処からが問題……

「はい、あ〜ん」
「あ、あ〜ん」
「黄薔薇様、楽しそうですね」
「まったく、江利子は……」

 そういいながらも止めないのは何故ですか?
 というよりも止めてください

「俺が苦痛に見舞われてます……」

 そんなことを頭の隅でぼやきながら、食べる
 持ってきたものを手ずから食べさせてもらっている
 動かないのは良くないと思うのだが……
 あっちの方から、融さんが凄く楽しそうに見て、なにやら言ってるような気がする
 何ていうか、凄く危険な気がする……
 と、こちらに来た

「恭也くん、十分楽しんでるようだね……どうだい、このまま社交界デビューとか?」
「俺は社交界の人じゃないので無理です
 成り上がりもいいところじゃないですか?」
「小笠原の名前を使えば可能だと思うけどね〜」
「絶対にお断りします」
「っち」

 融さん、今、し、舌打ちしましたね?
 しかも、凄く面白なさげに……

「あの……」
「ま、恭也くんがそういうなら仕方ないよね……
 とりあえず、連絡先だけでも交換しようかなぁと思ってきたんだ
 はい、名刺」

 そう言って渡される名刺
 そこは融さんのと祥子さんの直通電話(携帯)が書かれていた
 そして、メールアドレスも……

「ありがとうございます」
「君も早くかけてくれると助かるのだけど」
「あ、はい」

 俺はそうして電話に登録して、かけている
 すると、融さんの胸ポケットが震える

「ん」

 そして携帯を取り出して、確認する
 俺が頷くと、お互いに登録する
 俺はあまり得意じゃないので、ゆっくりしてると

「恭也くん、隣の彼女たちに聞くと分かりいいよ」
「すみません、教えてもらえますか? どうも機械には弱くて」
「はい」

 そして、聖さんと江利子さんと蓉子さんが教えてくれる
 丁寧なので分かりやすい……
 だから、機械なんて持ちたくないのだ
 前はデータというか電話帳の中身が消えるし
 と、電話の通話を一度押した

「あら?」
「祥子さんに一応自分の電話番号を渡しておこうかと思いまして」
「あ……ありがとうございます」

 そう言って携帯の電話番号を教える
 ただ……

「恭也さん、私達も良いですか?」
「そうですね……何かあれば教えてください
 俺で出来る事なら微力ながら手伝いますので」
「彼氏になってとかは言わないから安心してね」
「はい」

 3人がそんなことするはずがないということが分かる
 何と言っても、俺を尊重してるのがすぐに分かるからだ

「恭也さんの携帯には女性からか、家か翠屋ってなってますね」
「まぁ、そこからしか掛かってこないんですよ……他には親友が1人ですね
 後は、何故か敬遠されたり、避けられてしまったりで
 俺は嫌われてるんですよ」

 そう言って、微笑みを浮かべる
 何故か頬を赤く染めて

「そんなこと無いですよ……私達の見る目が良いのか、皆さんの
 見る目がないかもしれないじゃないですか
 恭也さんは言い方ですよ」
「そうだよね〜、私もそう思うな〜」
「聖も、江利子も、そうやって言うけど、
 多分恭也さんがかっこよすぎるから離れてるのだと思うのだけど……
 男性の方については、分かりませんけど」
「そうだね〜、家に居る兄たちではダメだし」
「私も当てにはならないかな」
「私もですね……優さんでは恭也さんに悪いですし」

 いや、確かに悪い気がするなぁ
 彼には彼の感性というものもあるのだろうし……
 俺が受け入れられるものでは無いのは確かだ

「そういえば、恭也くんは女性に囲まれての生活だっけ?」
「そんなこと無いですよ……大体どこの情報ですか?」
「リスティっていう腕のいい警察の関係者から聞いたんだけど
 話もそこから入ったんだ」
「あの方は人をおもちゃにする性格なので、あまり信じないほうがいいですよ」

 俺はそう言って一度ため息をついて、窓を見る
 何か今、チクリと来るものが……
 とっさに体を抱き寄せていた
 後ろのグラスが割れて、さらに壁に穴があく
 かなり大きめのしかも力強い銃って事か……嫌な感じだ
 此処だと明るすぎて相手には丸見えだ
 祥子さんは俺の腕に抱かれるままだ
 俺はそれを見て、胸から飛針を出し、投げる
 多分、そこだという位置を割り出して……動いてないのならだが

「ダメか」
「いや、もう捕まったみたいだよ」
「そうですか……」

 俺はそれを聞いて、祥子さんを離す
 流石にずっと抱き寄せたままでは悪いからな

「あっ」
「祥子、どうかしたの?」
「い、いえ……」

 頬が赤い……それに、何か言葉の歯切れも悪いし

「あの、どうかされましたか? 体調を悪くしたんですか?」
「い、いえ、そんなことないですから」

 そういって、頭を下げる

「こちらこそ、守っていただきありがとうございます」
「いえ……そんな気にしないで下さい」

 俺はそういって、左腕の違和感に気づいた
 かすっていたか……鈍ったか? いや、それ以上に自分のせいで皆に……

「恭也さん、こちらに」
「え?」
「お姉さま、どうかされたんですか?」
「祥子もいらっしゃい」
「あ、はい」
「恭也くん、お姫様たちを頼むよ
 僕は言っておかないといけないからね」
「はい」

 そして、江利子さん、蓉子さん、聖さん、祥子さんの4人に連れられていく
 どうかしたのだろうか?

「此処が恭也さんに割り当てられた部屋ですね」
「ええ」
「あ、あった、あった」
「うん」

 あさったというのではなく、元からあるのを見つけたという感じだ
 そして、俺の左腕をまくる
 くっ

「あっ!!」

 赤い跡……そして、かすったために少しの火傷と殺傷を起してる
 擦過傷に近いものだが、ちょっと厳しいな……
 少し動かすと服がすれて痛い

「恭也くんが黒の服を着て、気づかなかったのだけど……私達を守ってて
 左腕を祥子で抱き寄せた時に当たったんだね」
「すいません……俺でした方がいいのに」
「いいんですよ……さ、上着脱いでください」
「いえ、自分で出来ますから」

 俺はこのときほど自分の押しの弱さに猛省するのだった
 何で、こんなに弱いのだという事に……









 つづく









 あとがき
 ん、というわけで、長いからもう一度区分け
 シオン「というより、これ全部ですでに100キロ超えてる」
 ああ、超えてるな〜
 ゆうひ「大体1つの話が10キロくらいだから、多いよね」
 ま、これはね
 シオン「危うく腕は壊れかけだね」
 出かけてたら、日焼けした日って辛いね
 ゆうひ「少しの動きですれた瞬間の痛み」
 というわけで、火傷は恐いです
 シオン「どういうわけよ」
 さぁ?
 ゆうひ「でわでわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



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