とらいあんぐるハート×マリア様はみているSS









設定……
恭也は三薔薇を知っています(以上)
恭也が高校3年生の秋頃だと思ってください
一応オールエンドで完治してます(何ていうか適当だよなぁ)
というわけでレッツラゴ〜(ちょっと頭が飛んでます)







『薔薇は優雅に咲き誇る5』









 だから、此処はこうなって、こうなるわけよ……とか何とかの説明よりはるかに分かりやすい説明
 どう言えばいいのだろうか……リリアン女学園は果てしなく凄いところかもしれない
 俺と同じ学年なのに、学力にコレだけの差があるとなると悲しいものがある

「むっ」
「あ、分からないんですね……見せてもらいますね」

 言葉をかけて、俺の見ている問題を見ていく

「此処はサインとコサインの三角定理を利用した問題ですよ
 だから、数式としては、色々な方法で解けるんですよ……
 たとえば……」

 そう言って、俺の前に置かれたルーズリーフに英字と数字を使った式を書いていく
 一般的(?)に利用される三角定理の等式だ
 それを丁寧に書いていく彼女たちは凄いと思う
 1つ1つを丁寧に教えてくれるので、俺も勉強のしがいがある

「でも、恭也さんは真面目だし、確り言ったことは勉強して覚えててくれるし
 感謝だよね」
「そうね……」

 そう言って俺が問題を解いてるのを見ている江利子さんと蓉子さん
 心配そうに見ているのは間違ってないかという事もあるが、自分達の教え方のことだという
 俺が話しを聞くと、そういって言いずらそうに応えた
 そんな人たちに俺は分かりやすく良い感じですと返答したが

「うん、あってるよ〜
 はぁ〜、一度教えたことを確実に出来るっていうのは凄いね
 それに応用力っていうのか、そういうのもちゃんと特質を捉えてるから良いし
 もう、ちゃんと授業聞いてないからだぞ」
「聖さんや江利子さんや蓉子さんのような先生なら飽きることなく聞けてると思うのですけど」

 俺はそういって頬をかく
 だって、眠くなるんだ……あの、窓ガラスのぽかぽか陽気の中眠らずして
 それは、人としての行いとしては良くないのではないだろうか?

「ちょっとくだらないことを真面目な顔して考えてませんか?」
「うっ」
「うふっ、かわいいんだ〜」

 江利子さんがそういって頬をつんと指先で押す
 なんていうか、弟にされた気分だ……
 姉さんが居たらこんな感じなのかもしれないな
 フィアッセが居るが、それとはまた違う姉弟関係だろうと思う

「そういえば、俺が考えてたんですけど……」
「何々?」
「いえ、何ていうか、蓉子さんがお母さんっぽくて
 江利子さんがお姉さんみたいで、聖さんって妹みたいな感じがするんですよ
 まぁ、家の家族と比べるとまた違ったって所なんですけど」

 俺が言うと、3人は何事か考えてるようだ
 ただ、小さく自分たちにいわれた言葉を反芻している

「お母さんお母さんお母さん」
「お姉さんお姉さんお姉さん」
「妹妹妹」

 エンドレスに突入したか?

「じゃあ、私は何に当たるのでしょうか?」
「あ、私も気になります」

 そこには祥子さんと瞳子さんが居た
 しかし、ドアのノックもせずに入るのははしたないのでは?

「祥子、ドアくらいはノックしなさい」
「しましたけど、聞こえなかったんじゃありませんか?」

 聞かれて、う〜んと考える
 確かに何か音が聞こえてたような気がしなくもないが……
 しかし、何の返事も無いのに入るのはどうかと思うが

「で、恭也さんは私と瞳子をどう思うのですか?」
「やはり妹でしょうか……そういう形容がぴったりかと
 ただ、祥子さんは同年代という感じも受けたりするので微妙です」

 俺はそういうと出てきた紅茶をそれぞれの前に置く
 多分、持っていってくれと頼まれたのだろう
 優氏でなくて助かった……あの人は苦手だ

「妹妹妹」
「同年代同年代同年代」

 なにやらまたエンドレスで呟き続ける結果となってしまった
 ほかに何か言って欲しかったのだろうか?
 分からないな……うう〜〜〜ん

「でも、家族として例えたらだよね?」
「そうですね、そんな感じです」

 俺はそういうと聖さんや江利子さん、蓉子さんは落ち着いたのか
 出されているカップに口をつける
 しかし、今居る5人は何をしても絵になるな
 瞳子さんはその巻き毛からして絵っぽいし
 いや、人形の方が通るか

「あ、恭也さん、此処間違えてます」
「え? どこですか?」

 蓉子さんに言われて、俺はそこを顔を寄せてみる
 何気なしの行動だった

「あ、うっ、えっと、此処です」

 そういって、ペン先を指して赤いペンで軽く書いていく
 細い指先と綺麗ですべすべな手を思い出す
 それとぴたりと当てはまる
 ペンで書かれてるところを見ると、計算間違いだろう所が丸されている
 俺は最初から確認していくと、一桁のところが間違っていた
 コレを間違うとかなりの痛手だ
 気をつけないとな……

「恭也さんが留年したら、同じ学年ですね」
「祥子さん、それは酷いです」
「あら、でも、それだと楽しいかも」
「聖さんまで」
「でも、お姉さま……恭也さんはそうならないために、蓉子様や江利子様や聖様に頼んでるのでしょう?」
「まぁ、そうなんだが……試験が危ないからな」

 俺はそう言って遠い目をする
 受けるランク落とそうかな……たとえば、近くの私立大学とか
 あそこなら、少し遠いだけで、問題ないし
 でも、知り合いは誰も居ないから恥ずかしいんだよな
 なんだったら、ボディガードの仕事を頑張るとか
 いや、そんなことしたら、かあさんやフィアッセに何を言われるか……
 脅すことまでしても俺を大学に行かせるだろうな

「そういえば、蓉子さんや江利子さん聖さんは大学いいのですか?
 勉強しなくても」
「ん〜、私はそのことについてはまだ考え中」
「私は決めかねてるって所かな……恭也くんの所に永久就職なんて希望なんだけどなぁ〜」
「江利子、それはおいおいよ……私は大学に進学するために勉強してるわよ」

 なるほど〜、少しだけ羨ましいなと思ってしまう
 自分の行動1つ1つを確りと見極めてるんだろうなとも
 聖さんは底抜けのように明るく見せてるけど、繊細だ
 それに他人に気配りが良く効く人だ
 それを言うなら、更に心配性とまでいえるほど気配りが出来るのが蓉子さんだ
 江利子さんは楽しいのを見てるのはいいが、大変な時は出来るだけ周りとあわせる
 ただ、平凡よりやや上の技能のせいか、突出したものがなく、その出番が無いために
 少しやる気の無さというものがある……
 それは、生来仕方ないのかもしれないと思う
 そういう生活を楽しむのならいいのだが……面白いと思ったことはとことんまで楽しむだろう

「おいおいってことは蓉子も考えてるってことよね?」
「あら、何も考えてないわけじゃないもの」

 そういわれて俺を見ると近くにあった俺の頬にキスをする

「マリア様がみてる前では無理でも、部屋の中なら良いと思わない?」
「お、お姉さま、何してるんですか!!? 恭也さんが固まったじゃないですか!!!」
「あら?」

 俺の思考は真っ白で……頬に当たる柔らかで暖かな記憶が皮膚というか頬に残っていた
 指先をそこにあてると、まだぬくもりがあるようで……
 俺は少しだけ嬉しくもあり、照れていた……だからそっぽを向こうとしていたが
 誰かが見ているので八方塞りだ
 天井を見上げると、俺を覗き込む顔が1つ……祥子さんだ
 何故か俺の目の前に顔がある

「えっと、何してるんですか?」
「いえ、恭也さんの目の中に私だけというのも素敵かと思いまして」

 そう言って祥子さんは俺の前からどいた

「あら、祥子も言うわね」
「お姉さまたちほど積極的にはなれないようですから」
「でも、お姉さま、恭也さんをそこまでお好きなのですか?」
「さぁ、どうかしら? 瞳子はお気に入りみたいだけど、なぜかしら?」
「優しいですし、良い人ですし、それに、守ってくれますから
 包んでくれる人って感じの人が私の結婚相手に必要なことだと思ってますから」

 いや、それを胸はって言わないでくれ
 俺はそこまでの人じゃないし……皆さん褒めすぎです

「そんな褒めないで下さい、俺はそんな大した人じゃないですし……」
「あら、いち早く祥子の危機に気づいて行動を起した人とは思えないわ」

 そう言って江利子さんは俺の頬にキスをする
 って、だから、やめて欲しいのだが……
 照れるというより、恥ずかしいし、それに汗臭いだろうし

「わっ、江利子までずるい」

 と、聖さんは俺の唇に近い位置にキスをする
 って、ほとんど重なるか重ならないかの位置だ……目の前に聖さんの綺麗な睫が見える
 少し外人っぽい感じを受ける堀の深い顔……でも、綺麗という単語が一番似合う

「ふぅ〜」

 離れると俺をまじまじと見る

「かあいいんだ〜」

 今度は首を抱きしめられて頬に胸が当たる
 ぐあっ、や、柔らかな何かが、当たってる……というより、骨どこだ?
 あ、此処は骨だ……って、違う、そうじゃなくて……

「は、離れてください……恥ずかしいので」
「む〜、じゃあ、離れる」

 聖さんはそう言って離れた

「あら、珍しい……聖がおとなしく離れるなんて」
「江利子〜、あんたは私を何だと思ってるのよ」
「ん〜、可愛い子ならだれかれ構わず抱きつくおじさん女子高生」
「どんなのよ!! 私は、ただ恭也さんに嫌われたくないだけ……それだけよ」

 そういって俺の髪の毛を撫でる
 ん〜と、そういわれても納得できないものが……あるらしく祥子さんが見ている

「ですが祐巳には抱きついてますよね」
「当たり前じゃない……でも、コレが妥協できる線だからね」
「なっ!」

 祥子さんのことだろう……俺と祥子さんがダンスを劇中に踊るという事
 銀杏王子ではなく、俺に頼みたいのだそうだ
 しかも、リリアン女学園で……そして、優氏は違う所で活躍してもらうということ
 俺はそれに密かに悩んでいた
 もしも、王様が優氏だったら、逃げなくてはならない
 俺が出てくるまでの間
 多分、誰かがじっと監視はしててくれるだろうが
 そんなことを教えてくれたのが江利子さんだが……何ていうか、情けないというか何と言うか

「恭也さんで嫌だったら、祐巳ちゃんをちゃんと妹にしなさい……
 それ以外は却下だからね」

 にっこりと微笑みを入れて言う蓉子さん
 それを支援するかのように笑顔でいる聖さんと江利子さん
 祥子さんは顔を赤くして俺を見ている

「1つだけ条件です」
「何ですか?」
「最後のダンスを少しだけ変えてもらえますか?」
「何にかな? もしも、私達が良いと思うものなら了承してあげられるよ」
「恭也さんの了承も出たらね」

 そういって、俺を見る
 俺は頷いて祥子さんの言葉を聞きのがさないようにする

「最後、私を抱きしめて欲しいんです……ダンスが最後にあるのですが
 その後、私と貴方とで幸せな暮らしをしたで終わりです
 その間、抱きしめてて欲しいのです」

 そう言って、俺を見る……蓉子さん、江利子さん、聖さんも俺を見る

「それは恭也さん次第ね」
「そうだね……だって、コレを決めるのは恭也さんでないとダメね」

 そういって俺を見ている
 俺は、ふと考えてみる
 ただの劇で抱きしめろという事か……意味はあるのだろうか?

「劇でそこまでする意味はあるのですか?」
「幸せという顔をしていたら良いと思うのよ、私は
 祥子がそれを望むならかなえてあげたいと思わない
 姉として……恭也さんも妹が居るなら分かると思いますが
 妹のために何かしてあげたいと思ったりしませんか?」
「蓉子さん……分かりました
 祥子さんが俺なんかに抱きしめて欲しいという理由がわかりませんが
 俺なんかで宜しければ」
「お願いします……それで、自らも確かめたいから」

 何を確かめるのだろうか?
 心配な所もあるが、俺は何も言わない……

「さ、勉強の続きをしましょう
 後、少しで終わりだし」
「はい」

 最初、理系の問題を頼んだのは俺だ
 社会と国語はある程度分かるというより本を読むといいと聞いた
 まぁ、難しいが、実践的な会話だが、国語は現代語訳などを覚え、後必要なことをしていくといいらしい
 社会も基本的な暗記問題だからだ……その時代の背景にある問題を思い出せばいいらしい
 ただ、数学や理科などの部分はどうしても経験というのも必要らしい
 なんとも難しいところだ

「英語はどうしますか?」
「次の機会に英語の辞書なども持ってきますから、そのときで良いですか?」
「そうね、構わないわ」

 そして、問題を解いて行く
 リリアン女学園で大学進学組で一般的に使われてる問題集らしい
 なんというか、俺達のレベルより高いのか低いのか分からない
 それは俺が勉強してないのが原因なのかもしれないな

「恭也さん、これ間違えてます」
「えっ」

 俺はそういわれて計算違いしてる部分を見る
 あ、確かに間違ってる……祥子さんにも分かる問題が分からないってことは……
 お、俺ってもしかしてかなりヤバイのでは無いだろうか?
 がんばらなくては……

「これで合ってますか?」
「はい」

 祥子さんが笑顔でそう答える
 む〜、しかし、俺ってあまり頭が良くないという自覚はあったが
 全く覚えてないのだな……授業を寝て聞いていたからか?
 それしかあるまい……
 いや、しかしあれはあれで修行になったし
 寝ながらでも、先生のチョークやチョップなどを取り、相手に返すという技が……
 反射神経の練習にもなるし……そ、それに当たるに違いない
 だから、あれは無意識の戦闘を想定したものなんだ
 ……単に眠りたいというわけじゃないはずだ……そう思っておこう
 そうでないと何か悲しい……

「恭也さん、どうかしました?」
「あ、いえ……そちらこそどうかされたんですか?」
「真剣に悩んでるようだったので」
「いえ、大した事ないですよ」
「そうですか……なら良いのですけど」

 そして勉強が終わり、俺は帰る準備をする
 これだったら、何とか明日の朝までにはつくだろう
 歩いても自転車でも、何でもだ……美由希には今夜の鍛錬はなしだと伝えてある
 流石に無理させるわけにも行かないし、夏忙しかったからな

「祥子は祐巳ちゃんにシンデレラしてもらうの?」
「あの娘、次第よ……私は自分の全力であの娘を妹にしたい
 それだけです」

 そう後ろで会話があるが、俺は片付けを進める
 あ、カップは蓉子さんが集めてる……俺の片付けが……
 俺の筆記具などで終わってしまった
 流石に慣れてる人の方が早いか……

「恭也さん、手持ち無沙汰みたいなので、その食器返しに行くのを手伝ってもらえませんか?」
「ええ、構いませんよ」

 蓉子さんばかりにさせるわけにはいかないだろう
 まぁ、江利子さんと聖さんも自分のものくらいは片付けるのだが
 それ以外はするときとしないときがある
 話してる間は基本的に話してない誰かがするみたいだ
 全員が話してるときは途切れるまでするみたいだ

「蓉子ってこういう時、手が早いんだよね」
「誰が手が早いですって?」
「蓉子に決まってるじゃない」

 何ていうか、凄い会話だよな
 まぁ、俺が何か言うことも無いことなので置いておくけど

「もう、そういうのじゃないわよ……それに、恭也さんだって手伝ってくれそうだったし
 貴方達は手伝わないでしょう……私1人で十分だと思ってるから」
「う〜ん、蓉子が人に手伝ってと言わない性格だからね〜」
「それは言えてるわ」

 そういいながら俺を見ている……視線で分かる
 何ていうか危険なんじゃないだろうかと思ったり、血が逃げろと言っている気がする
 蓉子さんは黙って、俺をちらち見ている
 少し考えてるようだ

「別に好きな人に頼るくらい良いじゃない……
 それに恭也さんが手持ち無沙汰だったのは確かみたいだし
 それで何か不都合があって、恭也さんがダメですって言うなら
 私は1人でやってますよ」

 言葉を選んでいたようだ

「まぁ、無理だっていう時は言いますし……出来る限り手伝いたいと思ったときは手伝いますよ」

 蓉子さんにそう言って俺はカップを運ぶ
 こういうのは翠屋でしていたのでなれたものだ……
 片付けをしてる回数が多いから、慣れもするか

「そういえば、恭也さんは片付けが上手いですね」
「そうですか?」
「ええ」

 蓉子さんと扉のところに行くと、開けて廊下へと出る
 此処は小笠原邸……ホテルから直接連れてこられた
 最初、融さんやお爺さんにからかわれるかと思ったけど、急な仕事でまだみたいだ
 よ、良かった……って、そんなこと思ったら、悪いな

「あ、連絡くだされば、私どもが取りに行きましたのに」
「そんな悪いですよ……そろそろお帰りのお時間でしょう?
 そうだと思いましたので」
「そんな気にしないで下さい」

 お手伝いさんがそういって俺のカップを幾つか持つ
 少しだけ軽くなった
 お盆が無いから手にもてるだけしかもてないみたいだ
 まぁ、それが妥当な所だろう

「ありがとうございます」
「いえいえ……本当にすみません
 蓉子様まで、お手伝いいただいて……所でこちらの方は?」
「高町恭也さんです」
「そうですか……よろしくお願いします
 何かございましたらお気軽にご連絡ください」

 そういって台所にカップを置く
 そこそこの量があったのにも関わらず、3人だと楽だな

「でわ、ありがとうございます」
「そんな……お礼なんて、勿体無いです」

 頬を赤く染めて、お手伝いさんは言う
 どうかしたのだろうか? 見た目、かあさんと同じくらいだから年齢が分からないが

「でわ、俺は戻りますので……」
「はい、蓉子様もありがとうございます」
「…………ええ」

 蓉子さんの言葉が遅くて、俺は可笑しいなと思いながら、周りを見る
 しかし、どこかおかしなところが見られないので分からない
 どうかしたのだろうか?

「蓉子さん、そろそろ戻りましょう……」
「そうですね、でわ、ありがとうございます」
「はい」

 そして、お互いお辞儀をして分かれる
 礼節をわきまえるのが礼儀だと思うので、そのあたりは忘れない
 廊下を歩き出すと、蓉子さんが俺をじ〜と見る
 どうかしたのだろうか?

「蓉子さん、どうかされました?」
「恭也さんは本当に鈍感なのですね」
「え?」
「気づいてないなら良いです……でも、無意識に人に愛想を振り撒く癖あるんですね」
「愛想を? そんなつもりは無いのですけど」
「そうですね……でも、恭也さんは自分で気づかないくらいに魅力的なんですよ
 知らないですか? 自分のことほど分からないものなんですよ」

 そう言って蓉子さんは俺の手をもつと連れて行く

「よ、蓉子さん?」
「少しの間だけですので……ダメですか?」
「いえ」

 そして、そのまま部屋に戻るのだった……
 ただ、手をぎゅっと握る力は彼女の方が強かった











 つづく











 あとがき
 暖かな手に包まれて進む先にあるものは、希望か? 絶望か?
 シオン「光を求めさまよう男女に……幸あれ」
 ゆうひ「そして、行き着く先に光り輝く未来を……」
 なんて予告しながら絶対無理なんて思うのが自分なんだよな
 シオン「っていうか、こんな台詞よく思いついたね」
 いや〜、最近暇だったから、劇みたいな予告で
 ゆうひ「というより、その予告を考えるのもどうかと」
 まぁ、時間あったからね
 シオン「でも、手を繋いで行き着く先は危険地帯だと思うのだけど」
 だから、希望と絶望って
 ゆうひ「絶対可笑しいって」
 そうかも
 シオン「おいおい」
 ゆうひ「まぁ、仕方ないか……でわ、またね〜」
 ほな、またね〜(^^)ノシ



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