マリア様はみている×とらいあんぐるハートSS








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高町恭也、大学3回生で22歳です
秋の話で、護衛の仕事をしながら、大学に通ってます
海鳴大学の近くの私立の大学に通ってます(あるか無いかは知らないZO!
で、海鳴大学1回生の水野蓉子が入ってます
それくらいかな……学部が同じですので、それでお願いします(法学部ね)








『彼と彼女のフィフスタイム』








 今回は護衛とかではなく、東京に御呼ばれした
 といっても、その小笠原家へとだが……清子さんのお母さんがなくなったのを知らなかったのだ
 この前の時に聞いて、墓前に立たせてくださいと頼んだのだ
 そしたら、快く引き受けてくれたのだ……
 清子さん自身も立つ思いがあるので、丁度良かったとの事だ
 しかし、久々に会うのでお迎えまで来てくれるとか
 ありがたいことだ……会ったのは数回だが、それでも覚えていてくれて
 正直な所嬉しい

「あ、恭也くん、もっと早くに連絡したかったのだけど」
「あ、すみません、よろしくお願いします」

 此処まで来るのにリムジンを使ったのか
 しかも、大型で後ろに4人乗れるタイプだ
 基本的にはそれが主流なのかもしれないけど、俺は知らないぞ

「そうそう1人、同席者が増えたから」
「はい……あ、清子さんお久しぶりです」
「本当ね……かっこよくなって、元気にしてるようで安心したわ」
「いえ、こちらこそ、挨拶もせずに前はお世話になりまして」
「いいのよ、私は居なかったし……仕方ないわ」

 そういって微笑みを浮かべて言う
 何ていうか、今回はこの2人も同席者なのだ
 俺は最初1人で行けるのでといったら、そろそろ墓前にも立ちたいからと
 2人がそういったのだ……俺はそれに対して何も言えずそのまま固まっていた
 それですべてきまって、こうなったわけだ

「でも、同席者って誰ですか? もしも知らない方だったら教えて欲しいのですけど」
「ああ、恭也くんも知ってる人だから問題ないよ」
「え?」
「着いたわ」

 融さんが降りて、挨拶する
 同席者も俺のことを知らないのか、驚きながら中に入ってきた

「きょ、恭也さん!?」
「よ、蓉子さん」
「アラアラ、カップルとばれる前のカップルみたいね」
「本当だね」

 何時の間に中に入ったのだろうか?
 しかも、何で俺と蓉子さんを隣あわせに座らせるんですか?
 俺たちが恥ずかしいじゃないですか?

『不思議と思われるかと思うでしょうけど、私は恭也さんと一緒に居る時間が
 一番休まってます……2人でのんびりとしている時間好きですから』
『はい、俺も好きですよ』
『それだけです、すみません呼び止めてしまって』
『気にしないで下さい……ちょっと嬉しかったですから
 同じ気持ちを抱けたことが』
『はい』

 テープレコーダーから流れる音
 そして、それを何故に持ってるのか聞きたくなる
 確かにあの時気配がした気がしたけど……

「実はね、うちのことで危険な事にあわせたくないから、蓉子くんにはガードがついてるんだ
 まぁ、恭也くんと親しくなったおかげで楽は出来るんだけど
 それでね、やっぱり危険なこととかって思ってて、音だけ拾ってたら
 たまたま僕が居たときにこの声が聞こえてね……新しいシステム開発に手伝ってもらったんで
 その、色々とお礼がしたかったのだけど……」

 にこにこな笑顔が凄く恐い
 というか、俺ってもしかしてかなり不幸?

「それは犯罪ですよ」
「普段なら危険な事にあったら全力で助けるための事だから、許して欲しい
 恭也くんが四六時中一緒に居るとかなら安心なんだけどね」
「融さん!!」

 と、何故か俺の肩をぽんと優しげに叩く融さん
 清子さんも蓉子さんの肩を叩く

「「結婚は早めの方が両親も喜ぶと思う
  そして、孫の姿を早くに見せてあげるといい」」

 俺と蓉子さんは顔を真っ赤にしただろう
 いや、蓉子さんのほうは真っ赤だった
 俺は分からないといったところだ……実際に分からないのだ

「な、何を言うんですか!? 第一、俺と蓉子さんとはそういう関係じゃないです
 そんなこと言ったら迷惑になるじゃないですか!!」
「え〜〜〜」
「そんな子供みたいな発言は却下です」
「でもね、そこまで言わせて男として何もしないのは悪いと思うんだよ
 僕らからの後押しだから、喜んで受け取ってくれ」
「遠慮します」

 と、俺が融さんとしているころ、隣で蓉子さんも同じように清子さんから色々といわれている

「そう、こういう時は押せ押せで、ほら恭也くんは気づいてないんだし
 もうそこは、相手を奪うつもりで」
「って、清子さん、何の会話してるんですか!?」
「でも〜、恭也くんの子供私見たいし」
「だからって私に頼まなくても」
「うん、祥子にも先に葉っぱかけたわよ
 多分恭也くんは分からないだろうけど、他でも恭也くんはすでにどこかの御曹司かとか
 色々囁かれてるから」
「違います、否定してくださ」
「そうね……考えておくわ」

 考えるんじゃなくて、本当に否定してください
 何故か車の中で俺は疲労感を感じずには居られなかった

「とりあえず、俺はまだまだなので……」
「ああ、その意見をティオレさんに話したら、『恭也を結婚させましょう会』なるものを発足したから」

 俺は絶句

「恭也くん、美女をはべらかせてるらしいじゃないか……
 ダメだよ、そんな世の中に悪い事したら」
「えっと、美女って……?」
「まず、家の祥子、で、蓉子くん
 後は、恭也くんの周りに居る女の人たちで、月村忍、神咲那美、フィアッセ・クリステラ
 高町美由希、フォンレンフェイ、城島晶、フィリス・矢沢
 と、後は、もう数え切れないほど」
「っていうか、祥子さんと蓉子さんは分からないですが
 忍や那美さんは親友ですし、フィアッセや美由希、レン、晶は家族みたいなものです
 フィアッセは姉としてだし、後は妹みたいなものです
 フィリス先生だって医師と患者ですよ?
 他って何ですか? 他って?」
「秘密……でも、そう答えるってことは、祥子や蓉子くんは入るんだね
 恭也くんの好きな女性というものに」
「入ってますけど、何か?」
「良かったわね〜♪」

 清子さんが蓉子さんに抱きつく
 何ていうか、俺の言葉に反応してるようなのだが

「しかし、これは手ごわいライバルだね……」
「でもね、蓉子さんは近くに居るし……祥子は不利ね」
「こっちに引っ越させるか?」
「もう、そんなこと出来ないくせに」

 と、車の中は騒がしさであふれていた






 そんなこんなで墓所まで着いた






 俺は最初に手を合わせ、すぐに戻ると心で言うと、水をかけるものを持ってくる
 二度ほどしかあってないけど、頭を撫でてもらったのを覚えてます
 俺は、あの手がとても暖かで気持ち良かったです
 手を合わせながら、しばらく祈る
 故人の冥福を祈ります

「そういえば、士郎のお墓ってあるんだよね?」
「ええ」
「今度、教えてもらえないか?」
「良いですよ」
「すまない……こんな場ですることではないのだけど
 時間が中々割けなくてね」
「いえ……携帯は教えましたよね」
「ああ……」
「そこにお願いします……時間があいてるなら行きますから」
「うん」

 そして、顔を上げて、俺は背を向ける
 蓉子さんも隣で祈っている……瞼を閉じ、手を合わせている
 この人がこうやって神妙にしているのは、教授のお手伝いの時以来だな
 しかも、教授たちの戯れとして……俺は単位のためだが

「恭也くん、ありがとう」
「え?」
「お母様を覚えておいてくださってですよ……
 お母様は仕切りに心配そうなことを言ってましたから
 恭也くんが元気でいることを願ってたし……
 だから、正直に会えて嬉しかったから」

 そう言われては照れてしまう
 俺も嬉しかったから……

「俺も嬉しかったんですよ……頭撫でてもらった覚えくらいしかないけど
 それでも、優しい目で俺の頭を撫でてくれて、凄く嬉しかったんです」

 清子さんの目から涙が流れた
 それを融さんがハンカチで受け止める

「蓉子くんも祐巳ちゃんも僕らにとっては娘も同然だ
 だからこそ、聞いておきたいんだ
 恭也くんは蓉子くんのことを本気で……」
「それは、後で……」
「分かったよ……恭也くん」
「はい」

 俺は墓所の階段の下に居る気配に気づいていた
 殺意……誰が差し向けているのか分からないけど、苛立ちを覚える
 俺たちは墓を血で汚したくは無い
 その前に此処で足止めをする

「貴様ら何ようだ?」
「……」

 俺はそう言ったが相手は俺を見ると、すぐさま駆け上がってくる
 俺を飛び越えてでも闘うつもりだ
 そして、上に居る人を殺すつもりだ
 俺は飛針で相手の足を刺し、こけていくのを無視する
 先に走っていた二人がやられたことで足が停まった時に俺は更に残っている飛針を投げる
 すぐに鋼糸で相手を括る

「墓所に来るとはいい度胸だ
 貴様らの墓もすぐそこだろうよ」
「貴様!? 何者だ? 調べたのに出てこなかったぞ」
「知らんな」

 俺は上に上がる
 相手の意識をなくしてからだが

「すみません、お待たせしました」
「悪いね……まさか、止めるから何かあったのかとおもったら」
「ありましたね……掃除ですよ」
「そう言われてもね……僕らも悪かったよ」
「気にしないでください……俺だって元そういう世界に居た人ですから」
「元という当たりだけど、今のは現役じゃないと出来ない動きだよ」
「いえいえ……」

 俺はそういって相手を警察というか迎えに来た人達に渡す
 融さんと清子さんは何かした考えてるようだ……

「高町くんがよければだけど、小笠原の手伝いをする気はないかい?」
「??」
「あ〜、もちろん法律関係のところを勤めて貰うけど
 その俺たちを色々と助けて欲しい
 執事というか、助手というか、そういうので手を貸して欲しい」
「融さんのですか?」
「いや、祥子のだよ」
「はい!?」
「え? 祥子の?」
「祥子は大学には行くだろうけど、その後の手助けは多分色々な人がしてくれるだろう
 それでも、あの子を支えるのには、大きな役割を担ってしまう
 だからこそ、恭也くんには居て欲しいと思う……」
「で、でも、俺は……そんなおおそれた人じゃないし、その小笠原に勤める人じゃないですよ」
「いや、君はそこまでの人だと思う」
「頭悪いですし」
「それでも、恭也くんはその確りとした思いを抱いていて欲しい」

 そういって俺に言う
 何ていうか、着て欲しいといってるのが分かる

「だからこそ、そのままで着て欲しいんだ
 それは確かに僕たちにはマイナスになるかもしれない
 いけないことをいけないと言える君の強さがほしい」
「……融さん」
「捕まえるのに容赦が無い恭也くんのその精神が欲しいんだ
 今の僕らが雇っている連中はどこか弱い……だから、上の命令を忠実にこなすだけのコマになってる
 それを治しておきたい……そうでなかったら、僕らは強いだけの馬鹿だ」
「でも、俺は……」
「それで、君のまっすぐの精神的な物とパイプ役が欲しいんだ
 どこまで汚いことをしているか教えて欲しい
 僕は……その役目を君にして欲しいんだ」
「俺が脅すかもしれないのですよ」
「今回のことがいい例だろう
 狙われているということは、どこかが悪いことして、怒っている人が居る
 そのためには、最初から出来る限り起さないことを置いておくほうがいい」

 大人だと思った
 もしも、自分がこのことを知ってどうにかして欲しいと頼まれても嫌だと断る

「考えておきます……確かに今の就職率で俺は厳しい所です
 それに、膝のこともありますから」
「聞いているよ……矢沢医師から直接頼んで聞かせてもらった
 そして、聞かされた答えに僕は君に何かしたかった」
「でも、俺は……」
「君の思い、思想が欲しいんだ
 だから、顧問弁護士とかじゃない
 パイプ役でいてて欲しい
 動き回るのではなく、中を見直すために頼む」
「手伝うなら手伝えるかもしれません
 ですが、俺が役に立つとは……」
「いや、君だからこそ、役に立つと思う」

 そういって俺の肩を軽く叩く
 その思いは凄く重い……俺を頼ってると分かる

「これも企業では戦いだ
 外の敵より中の敵なんだよ……それは、祥子も気づいてると思う
 祥子は祐巳ちゃんを護ったときにそう感じただろう
 君にはそれに耐えうるだけの力も備わっている
 君にしか頼めないことだと僕は思っているんだ
 一番、内情に知っていて、しかも僕たちを良く知っているから」
「融さん」
「家と個人的なつながりがある、君が便りなんだ」
「……色よい返事が出来るか如何か分かりませんが、考えてみます
 俺みたいな奴でも頼りにされて嬉しかったです」
「ありがとう」

 考えないでおこうと思っていた
 小笠原の傘下の会社に勤めるのは、俺の中では禁忌に等しい
 それは、俺が頼ってしまっているから
 多分、融さんや会長が知ったら直々に謝りそうだから
 それはそれで困る……

「でも、完全に決めたわけじゃないですから
 選択肢の中に入れただけです」
「分かってるよ……それでも一考してもらえるのはありがたいものだよ
 最初は、蓉子くんに頼もうかと思っていたのだけど……
 彼女を知る人は多いからね……だから、恭也くんが居てくれるならって思ったんだ」

 それは、確かに知ってる人が居るだろう……何となく分かる

「恭也さんも知り合いが居るんでは?」
「恭也くんは大丈夫だよ……パーティも2人と一緒に居る強い護衛って言って置いたし
 あの時個人的な話に入った際には3人とも出ていたし、祐巳ちゃんとの時もそれで言い訳が立つからな」

 蓉子さんの言葉になるほどと頷いて応える
 さすがというか、考えてあるんだな……確かにそういう部分はあるか
 祥子さんのスールである蓉子さんだからこそか……

「さてと、今回はありがとう、お母様も喜んでると思います」
「そうだといいのですけど」

 階段を下りながら、車に戻る
 俺は戻りながら考えていた……融さんの所へと行くかどうか
 ティオレさんの最後には会いたいし……病気も大分重いだろうし
 それを考えたら……

「恭也くん、蓉子くん、今日はありがとう」
「いえ、俺は……来たかったので」
「私も時間が空いたら行く予定をしてましたから」
「うん……それと、蓉子くんも時期が来たら考えて欲しい
 うちの娘である祥子を支えてくれるかどうか……優くんのこともあるけど
 優くんは一応の婚約者だからね」

 どういうことだ? 一応のって……

「露払いだから」

 そして、俺たちが車につくと連絡が入る
 あちらの検査と尋問が終わったとかで、相手は敵対企業だった

「こういう所から糸口を見出せもするのに
 さてと、お礼は後で渡すけど、じっくりと企業を追い詰めますか」
「頑張ってください」
「帰りは別の車にしておこうと思って呼んだよ」

 リムジンの違うのを呼んだみたいだ
 爆弾のことがあるからだろう
 待っている時間が出来る

「蓉子くん」
「はい?」
「もしも、助けてくれるなら、祥子を助けてやってほしい」
「姉ですから……私は」
「そっか……恭也くんは確りしているから、支える事を確りとする人だ
 僕に清子が居るように、恭也くんにも、そういう人が居て欲しい」
「融さん」

 俺がそういうと少しだけ嬉しそうに言い切った

「平行して考えると良いよ
 誰が好きで、誰の傍にいたいか
 自分の心に正直にね」

 そういって、俺の背中を叩く
 俺は何を言って良いのか分からないので、頷いておいた

「恭也くんは急いで答えなくていいとも思うけど、考えるくらいはしておいて
 時間があるなら……」
「はい」

 清子さんもそういってリムジンにのる
 今度は2人ずつのに乗り換えだ

「こっちの2人は海鳴だ……頼むよ」
「はい……こちらです」

 そして、運転手に言われてリムジンに乗る
 俺は、海鳴の住所を言うと、そこが画面に出る
 サテライトナビシステムだそうで、衛星を使ったものだから
 地球上何処でもいけるんだとか……ナビシステムの併用なのだが、新しく更新しても
 それは変えた手続きをホストですれば問題ないらしい

「すみません」
「あの、蓉子さん、今日ってこの後用事ありますか?」
「いえ?」
「その、来てもらえませんか?」
「何処に?」

 俺はそれに答えられず、少しだけ着て欲しいんだと伝えた
 父さんへの報告に……お互い黒の服を選んで着ているので問題無いだろう

「分かりました……私でよければお供します」

 蓉子さんの言葉にほっと胸を撫で下ろす









 そして、俺は父さんの墓の前についた

「此処は?」
「俺の父さんのお墓です」
「え!?」
「先にお祈りだけさせてください
 今日あったことだけは報告しておきたいんです」
「分かりました」

 俺はお世話になったお婆さんが其方に行っていることなどを祈る
 そして、俺は蓉子さんへと振り返る

「俺には、まだまだ分からない事もあります
 それでも、今日は凄く悲しくて……本当なら泣いていたと思います
 優しい記憶は残酷ですから」
「え?」
「優しくしてもらったからこそ、亡くなったとしれば、悲しい」
「……」
「でも、優しくしてもらったから、その暖かな思いを大事にしてられる」
「……恭也さん」
「本当は1人で泣くつもりでした……1人で墓を前に愚痴を零すつもりでした
 でも……何故か蓉子さんには知ってもらいたかったんです」
「??」
「俺がしてきたことを……父さんは爆弾を使って死にました
 俺の本当の家族も爆弾によって、死にました」
「!!!!」

 俺は不破のこと、御神のこと、そのすべてを話した
 何故かすらすらと言葉が出た
 彼女には知ってもらっていたい

「俺は、どうしても弱かったから……だからこそ、考えていたんです」

 俺は深呼吸を置いて、瞼を閉じて言い切った

「誰を好きか……ずっと前から考えていた
 かあさんも、ティオレさんも、融さんも、清子さんも、周りの皆も気づかないように
 一生懸命考えてた……だから、蓉子さんとの出会いは何故かほっとした部分があった
 俺をそういう風に見てないと分かるから
 恋愛対象としてみていない……二番目とか三番目、四番目としてみていると分かる
 今はどうか分からなくても、俺を一番目として捕らえようとはしない」
「そうですね……あの頃は確かに圧倒的に惹かれましたけど
 それ以上の考えは無くて、ただ、ほっとした安堵のようなものを抱けました
 ちょっと男性にはウンザリしている部分があったので、特にです」
「そうでしたか……」

 俺はそれを聞いて、すっと目を閉じる

「俺は……蓉子さんの事、祥子さんの事、そのどちらも大事に思ってます
 今回の話も考えておきますと言ったけど、結局どうしたいのか全く考えてません
 俺の方が凄く年上だし、祥子さんや蓉子さんにとっては迷惑な話です」

 俺は呼吸を一度して目を開ける

「だからこそ、俺は2人が好きなんだと思う
 多分、今は近くて遠い二人が好きなんだと……」
「恭也さん」
「忍や那美さんたちとは違う思いが2人にはあり、俺は戸惑いを覚えている
 会いたいと思ったり、声を聞きたいと思ったり、迷惑なことばかり浮かぶ
 だから……俺は、考えないようにしてる
 卑怯かもしれないけど、これが恋なら本当に苦しいものだとも思っている」
「私は、恋をしてないから……いいえ、恋をしていても
 薄っぺらい気がして、辛い……」
「蓉子は薄っぺらいなんて事は無い
 俺が保証する……蓉子は凄く奥の深い人だとも……」
「ありがとう……私も恭也さんは好きよ……会いたいとも思うし
 傍に居て欲しいと思う事もある……だからこそ、私には必要な事がある」
「??」

 分からない

「恭也さんが本当にどちらかを選べる時間が必要なんだと私は思ってます
 1人を選ばないといけない法律だからこそです……祥子の幸せを願っている自分が居ます
 でも、それでも私は恭也さんと一緒の幸せな自分も願っています」
「蓉子さん」
「だから、考えてください……私か祥子か」
「はい」

 俺は頭を下げて答えていた
 彼女たちには悪いことをしている
 罪滅ぼしをしたい
 でも、出来ない……

「祥子のお父様のところに居てください
 私達の居場所も自ずとそこで分かってくるでしょう」
「蓉子さん」
「私の我侭です……融さんの話を真剣に考えてください」

 前に手を組み、そういう蓉子さんは凄く真摯だった
 だから、俺は頷いていた……真剣に考えていこうと
 ……軽い気持ちじゃない
 重い気持ちで……

「蓉子さん、家の家族に紹介します
 まだ、何も無いけど、俺は蓉子さんのことを親友としても認めてますから」
「はい」

 この日、高町家で1人の女性が紹介されて仲良くなった
 その名前を水野蓉子という女性であった
 俺より数倍も頭がよく回転も速い人だった




 蓉子さんは翠屋のバイトを始めた
 何故かと聞いたら、「一緒に居る時間が欲しい」と答えられて
 俺はかなり参ってしまった







 そして、俺は2ヵ月後に融さんに連絡を取るのだった
 まだ3年生という身でまだまだな部分がある俺は……連絡をしていた











 おわり?











 あとがき
 そろそろこれも終わりだな
 シオン「というか、大丈夫なの?」
 多分ね
 ゆうひ「で、それで、何で、こうなるの?」
 まぁ、自分だしね
 シオン「そういえば、どうなの?」
 何が?
 ゆうひ「これ?」
 まぁ、どうなるかだよな……どうなるのだろう?
 シオン「……(怒」
 ゆうひ「……(怒」
 俺はすぐに書く予定してるから
 シオン「本当?」
 う、うん
 ゆうひ「何でどもるのよ?」
 いいや、気にしない気にしない
 シオン「ま、そういうことにしておきましょうか?」
 そうそう
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



いよいよ大詰め。
美姫 「果たして、恭也が出す答えとは」
どんな未来が待っているのか!
美姫 「次回の『彼と彼女のラストタイム』でお会いしましょう」
さよなら、さよなら、さよなら。



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