とらいあんぐるハート×マリア様がみているSS









設定……
恭也が交通事故に会った時の話の前
ただ、士郎が亡くなり、恭也自身が自分を追い込んでる時の話です
だから……なのは、レン、晶が出ません
名前程度ならフィアッセなどでると思われます
多分恭也10歳頃の話です……
後、小笠原親子とは面識があります
以上!!!(他書くとボロが出るので却下!!!)








『Lost Memories』(その2or中編かな?)









 知らないというのはある意味で幸せかもしれない
 私はそんなことを考えながら、朝を迎えていた
 それは、自分でも感じていたが、もう朝という感じ……
 普段なら寝れるのに、中々眠れなかった
 恭也くんは携帯電話を持ち、寝息を立てている
 もうすぐ彼が起きる時間
 幾度も朝に起きてるのを知っている
 お母様が教えてくれた……

「んっ」

 恭也くんは目を覚ますと目をこすり、周囲を見る
 私と目があった

「おはよう」
「おはよ〜ございます」

 まだ眠たいのに目を覚まし、起きると服を脱ぎ、シャツに袖を通す
 準備しておいたけど、本当に着るとは……
 それは良いが、出て行くのだろう
 多分、鍛錬に……

「行ってきます」
「行ってらっしゃい、待ってるわね」
「はぁい」

 少し眠たそうに走っていく
 それでも、朝に起きて、動かすというのはいいことだとは思う
 でも、無理はしないで欲しい
 だから、私は……恭也くんの鍛錬の場に赴いていた
 朝が早いので私は一応服を着替えておいた
 外は冷えるから……風邪を引くと周りが煩いし

「恭也くん、あまり無理したらだめよ」
「祥子お姉ちゃん」
「……ねっ」

 本当はこういうの私の役目じゃないと思う
 でも、今は私が一番だと思った

「ごめんなさい……もう、動くのやめます」
「そうね……完治してから動いて、元の体力や動きを覚えれば良いでしょ?」
「分かりました」
「無理は未来を潰すわ」
「はぁい」

 そう教えたのは、貴方なのよ……
 でも、それは、私もいえるかもしれない
 最近は普通に見てくれる人が居るので助かるが
 お姉さまと山百合会の皆さん、そして、妹の祐巳
 恭也くんはきっかけになった
 私の周りに友達が居なくとも何時か理解してくれる人が現れてくれると
 彼はどうなんだろうか?
 私では、住んでいる世界が違うので分からない
 でも、少しでも分かってあげたいと思うのは、迷惑になるのだろうか?
 少しの不安に襲われる……

「祥子お姉ちゃん?」
「ん、ごめんね……行きましょう」
「はい」

 私の手を取って歩き出す
 この子は本当に人を不快にさせない子だ
 寡黙で自分の考えを押し通すときと通さないときがあり
 それでも、はっきりと物事をいい、そして、自らを確りと通している
 小さな子なのに……私には出来なかったことをしてる
 私はそんな彼が羨ましいという想いもあるが、自分を見つめなおせる機会になった

「そこ、水溜りあるよ」
「ありがとう」

 こうやって手を引いてくれるのも彼なりの気遣いなのだと思う
 自分は多少なら大丈夫だけど、私には汚れるという事をさせない
 こんな小さな手……豆がいくつ出来てるのか分からないけど、ちょっと手の平は硬い
 多分、同じ年の人と比べたらはっきりと分かるだろう
 ただ温かい手で、包まれてる感じがする小さな手だ

「シャワー、浴びてきなさいな
 私は、ちょっと部屋に戻って学校に行く準備をしますから」
「はい」

 恭也くんは返事一番にそういって歩いていこうとして立ち止まった

「……シャワーどこで浴びたら良いの?」
「そうね、こっちよ」

 忘れてた……自分は何時も、下のを使うけど、家では二つほどある
 1つはメイドたちのためという名目だが、隠れて使うときも多い
 お父様やお爺様も使ってるらしい
 たまに小さいお風呂でシャワーだけってのも多いらしい
 大きいお風呂だと手足を伸ばすからだ
 恭也くんはお風呂に朝からのんびりと入ると思えないし大丈夫だろう

「ありがとうございます……後でお部屋行くね」
「そうね」

 そして、私は部屋に戻って、少しだけ机にうな垂れるように倒れる
 家のメイドが見たら、騒ぐかもしれないわね……
 恭也くんなら下手に騒がず、一度、平気かどうか聞いていくというのが特徴か……

「祥子お姉ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫よ……どうかしたの?」
「ううん、何か疲れてそうだったから……」
「疲れては居るけど、平気よ
 それに、恭也くんも居るしね」
「……??」
「なんでもない……さ、朝ごはんを食べに行きましょう」
「うん」

 頷いて返すところを見ると、お腹はすいてるらしい
 恭也くんは可愛い弟みたいに感じる
 こうやって着いて来てくれて、一緒に朝を過ごす
 家族みたいだなと思う
 あの時も一緒に行動して、色々と教えてたっけ?
 勉強や生活のことや世界のこと……

「おはよう、祥子、恭也くん」
「おはようございます、お母様」
「おはようございます」

 頭をぺこりと下げて、挨拶をして席に着く

「今日はパンにしたわ……それとスクランブルエッグ」
「ありがとうございます」
「どうもです」

 お礼を言って、手を合わせて食べる
 私は敬虔なクリスチャンではないし、マリア様の祈りもこういう場ではしない
 だから、挨拶も『いただきます』となる

「いただきます」

 手を合わせて、食べ始める
 お父様とお爺様は朝がとても早かったりなので、一緒に食べることはあまり無い
 それでも、パーティとかだと話は別だ……

「恭也くん、リリアンに行くのだけど……コレとコレを持っていってね」
「はいです」

 そう言って渡されたのは小刀とドリル

「後、コレもね」

 それとバッグだった

「中には鉛筆とかもあるから……ほかに必要そうなのがあったら言ってね
 分からない所は周りの人に聞くと教えてくれるわ」
「分かりました」

 お母様は何時のまに食べ終えてるのだろう?
 私はもくもくと食べながら、そんな事を思う
 そして、恭也くんも食べ終えたようなので時計を確認する
 時間的には余裕がありそうだ……
 だが、恭也くんの事もあるので早くに出るのが良いかもしれない
 馴染んでもらうのも必要だ

「じゃあ、お母様、行って参ります」
「行ってきます」

 席を立ち、そういうとリビングを出る
 お母様は玄関までお見送りしてくれるみたいだ
 お母様もあれで忙しい方だから、なんとも言えない
 ただ、本格的な料理だけはさえてはならないと思っている
 以前、恭也くんと士郎さんが居たとき、朝から作って夜中に出来てた
 確か朝ご飯と言っていたのにも関わらずだ……

「いってらっしゃい……気をつけてね
 それと、恭也くん、祥子をお願いね」
「はいです」
「お母様、普通は逆です」
「いいの……」

 私と恭也くんは車に乗り込むと、そのままリリアン女学園まで送ってもらう






 朝は騒がしい事になるかもしれないと密かに考えていた
 お姉さまは大変喜ぶだろう……
 あの、黄薔薇革命の時は普通だったけど、今はそんなこともなくのんびりとしたときだ
 しかし、私がハプニングの渦中になるのはこれ以上、勘弁してほしいなと思った

「何で朝早いのに人が多いのかしら?」
「さぁ?」
「恭也くん、私達の学園の学生は此処で朝のお祈りをして中に入るの
 一緒にしましょ」
「神様信じて無くてもいいの?」
「恭也くんは信じてないの?」
「うん」
「じゃあ、まねだけしてね」
「はい」

 そう言って私の横で恭也くんは同じようにしている
 横目で見るという事はこちらも見えているだろう
 2人してにこりと笑ってしまう

「あら、祥子……って、子供!?
 僕、どうしたの? 祥子が人攫い?」
「白薔薇さま、落ち着いてください」
「そ、そうね……すぅはぁ〜って落ち着けるか!!」

 白薔薇さまはどうも驚きの方が勝っているようだ
 しかし、そこまで驚くことも無いだろうに……

「今日のお昼に薔薇の館で話します
 だから、質問は後でお願いします」
「分かったわ……それまでに頭冷やす
 でも、可愛い子ね……」
「おはようございます」

 恭也くんは先ほど驚いてたが、物怖じしない性格もあってか
 何とか普通に挨拶を交わす

「ごきげんよ〜って此処では挨拶するの
 ほら、あそこでもそうでしょ?」
「本当ですね」

 純粋な子で弄ばれたくは無いです

「恭也くん、そろそろ行きましょう」
「はい」
「あら、私は無視?」
「ろさ・ぎがんてぃあ様、また後で〜」
「何で、あの小難しい言葉を一瞬で?」

 白薔薇さまが困ってる表情というのは面白いわね
 これはこれで……私は恭也くんを軽く引っ張る感じだ
 実際には一緒に歩いてるので問題ない……
 周囲はがやがやと賑やかだ

「祥子、ごきげんよう」
「令、ごきげんよう……どうかしたの?」
「うん、この子どうしたの?」
「お昼の時でいいかしら……だから、薔薇の館に来ないと意味は分からないわよ
 黄薔薇のつぼみ」
「了解……紅薔薇のつぼみ」

 そして、お互いに分かりきってることだから、後でいいやと思う
 恭也くんも挨拶をして、歩いていく
 本当に、自分のことは話さないようにしている……
 自己紹介もあまりしない
 そういえば、私が聞くときも大分時間掛かったっけ?
 お父様とお爺様曰く「そういう家系なんだよ……自分を言わない家の生まれだから」との事
 多分、安心して大丈夫と自分が思うまではいわないだろう
 このとき、周りが凄い騒ぎになってるとは思わなかった

「あの、祥子さん、こちらの男の子は?」
「しばらく家で預かることになったのだけど……
 まだ小学校とか決まってなくて、此方に連れてきたの」
「そうだったんですか……でも、弟さんみたいですね」
「……そうね」

 言葉に詰まる
 「弟みたい」か……実際には弟ではないけど
 それに、恭也くんにも辛いものを抱え込んでいるのだから

「自己紹介は後で聞いてください
 ちゃんと応える子なので」
「分かったわ」

 それは、彼女たちにとって聞きたかったら聞くだろう
 恭也くんはどう応えるか分からないけど

「恭也って言います……苗字はちょっと事情があって伏せておきますね
 それで、しばらくお世話になります」

 ぺこりとお辞儀をする
 授業が始まって、担任の先生がきたときに、最初に挨拶をと頼まれたそうだ
 お爺様とお父様の働きかけだろう
 これで、学園生活は問題なしとの事だろう
 頭が上がらなくなる一方だ





 お昼になり、私は恭也くんを連れて、薔薇の館に入る
 恭也くんはクラスでも多少の人気を獲得したのか、単におもちゃにされている
 ちょっとかわいそうなので助けてる……

「やっと主役の登場ね」
「白薔薇さま、それは如何いう事でしょうか?」
「そこの男の子のこと」

 佐藤聖様はこういう所では楽しまない
 私の間にあるまじめな空気を読んでると言っても過言では無いだろう
 そして……

「ごきげんよう、お姉さま、皆様
 先に言っておきますね……この子は」

 私は恭也くんの背中を押す

「こんにちわ、それとはじめまして、恭也って言います
 苗字は事情があって伏せておきますね……それで、ちょっとした事情で
 此処に通うことになりました……よろしくお願いします」

 ぺこりと頭を下げる
 恭也くんにとっては初めてお姉さまと祐巳に会ったことになる
 他の山百合会の面々とも……

「お姉さまと一緒かぁ」

 祐巳、顔が忙しそうよ……
 恭也くんはお姉さまと会話をしてる

「私は、祥子の姉の水野蓉子って言うの
 で、スール制の説明ね……ごめんなさいね、祥子説明し忘れてたようで」

 なんとも酷いお姉さまである
 聞かれなかったのだから仕方ないのだ
 だが、お姉さまはチラリと此方を見る
 何だろう?

「祥子も少しは周りに気を配りなさい……祐巳ちゃん、寂しそうよ」
「分かってます」

 それは気づいてる
 志摩子と由乃、令はなにやら楽しそうに見ているが

「祐巳、貴方も一緒に暮らす?」
「い、いえ、遠慮します……」

 緊張してか、そういう
 全く……どうしたらいいのか悩むところね
 しかも、お姉さまは絶対に祐巳に甘い
 まぁ、確かに私も前の紅薔薇さまに甘やかしてもらったけど

「じゃあ、恭也くんは勉強も確りとしてるんだ……
 お姉さん達でよかったら見ようか?」
「え、あ、あの、でも、祥子お姉ちゃんと一緒に居てって言われてるから」
「…………『お姉ちゃん』?」

 私がチラリと見られる
 黄薔薇さまと白薔薇さまが加わってる
 何気に令と由乃も……なんで、こう人をからかうの長けてるのだろう
 ふとそんなことを考えるけど、私もこうなるのかしら?

「祥子、如何いう事?」
「以前会った時に、呼び名で困り、そういう風ので良いんじゃないかと」
「なるほど……祥子は恭也くんを弟にしたいほど可愛がってると」
「…………ご自由にどうぞ」

 お姉さまはどう思うか知らないけど、下手に突っ込みはしないだろう
 知りたいことを知れたら、後は置いておいてくれる

「ま、この子じゃあ私もそう思うわね……
 ね、恭也くん、私も蓉子お姉さんとか呼んでみる気ない?」
「いいですよ……蓉子お姉さま」

 あ、絵になるわね……それ
 何となくそんなことを思いながら、祐巳と由乃、令と志摩子、黄薔薇さまと白薔薇さまは
 テーブルを拭いていた……吹き出したようだ
 私は平気よ……だって、恭也くんだからありえると思ったし
 私の真似なんでしょうけど……
 確かに、私の姉だったら、そうなるわね

「けほっ、恭也くんって面白い方ですね」
「志摩子がそれを言うのは心外だと思うわ」
「酷いですね、お姉さま」
「あら、そこはそれよ……でも、良いわね
 しかも、蓉子固まってるし」

 そう、お姉さまは先ほどの恭也くんの言葉に反応できないほどに固まっている
 恭也くんは困ったように周囲を見ている
 確かにコレは、悩みどころだろう……

「えっと、お姉ちゃんの方が良かったですか?」
「ううん、いいのよ……お姉さまって呼ばれると思わなかっただけよ」
「はい……蓉子お姉さま」

 あ〜、小さな男の子とお姉さま
 面白い構図……というよりも、お姉さまがしてやられてる様子は面白い
 めったに見られるものじゃない……

「それよりも、ご飯食べないと」

 私は小さなお弁当箱を取り出す
 恭也くんの分もある……
 メイドたちが作ってくれたものだ
 私の嫌いな物をのけて入れてくれる優しい人たちだ
 ま、それについては如何とも言わないけど
 賑やかな昼ごはんが始まる……










 つづく











 あとがき
 ……続いちゃいそうな勢いだな
 シオン「続けたら?」
 無理
 ゆうひ「何で?」
 だって、忙しいから
 シオン「……無作為に浮かんで書くからじゃあ」
 ……それは言わないでくれ
 (ざしゅ〜)
 ぐふっ!!
 スラりん「ったく、俺の出番!!」
 八雲「我の出番は?」
 ……(すでに出血多量で言葉が出ない)
 スラりん「……ざっしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
 八雲「きしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
 (残虐シーンが始まる)
 ゆうひ「賑やかね」
 シオン「というより、助ける気力も無いわ」
 ゆうひ「混ざりたいけど、八雲も居るし」
 シオン「だね」
 ゆうひ「でわでわ、またです〜(^^)ノシ」
 (後ろではスラりんと八雲が遊び人を蹴り、殴り、焼き、死なせている)



美姫 「たっだいま〜」
おっかえり〜。お疲れ〜。
美姫 「ふぅー」
ああ、何事もなく戻って来て何よりだ。
美姫 「あんたは、一体何の心配をしてたのかな〜?」
そりゃあ、お前が暴走して全然関係ない事を仕出かさないかとか。
いつの間にかタイトルまで変更して、作品自体を乗っ取ったりしないかとか。
美姫 「へ〜、面白い事言うわね。そうそう。ずっと大人しくしてたから、ちょっと腕が鈍ったかも。
    この辺で久し振りに腕を振るわないとね〜」
……あ、あははは。俺は用事を思い出したんで、この辺で。
美姫 「逃がす訳ないでしょう!喰らいなさい!離空紅流、夢幻桜華の舞!」
ぐげろみょにょにゃのぎゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
美姫 「ふっ!じゃあ、またね♪」



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