『An unexpected excuse』

   〜シスターもしくはハーレムだろう編〜







「俺が、好きなのは…………」

 恭也の声で静まり返る中庭。
 周囲の音が響き渡る……つばを飲み込む音などもあちこちで聞き取れる
 ただ、恭也はどこか遠い所を見ている
 と、そんな静寂の空間に1人の少女とも取れる声が響く

「今度は誰をその毒牙にかけるつもりですか? 恭也」

 その冷たくも、涼やかな声
 そして、その声に驚きながらも、全員が何処からって言うかのように恭也の後ろを凝視する
 恭也自身も分かってるのか、後ろを振り返る
 ただ、とても困った顔をしながら……

「なぁ、カレン、俺は誰も毒牙にかけてないぞ
 第一、俺がそんなことするように見えるのか?」

 恭也の少し悲嘆があるような声……分かるものにしか分からない変化
 だが、恭也のその変化を分かる一人の乱入者は一言で斬り捨てた

「遠坂先輩」
「な、なんのことだ?」
「セイバー」
「意味が分からないな」
「ライダー」
「走ってる人か?」
「ダメット・フラガ・マクレミレッツ」
「バゼットじゃなかったか?」
「ほら、覚えてるじゃないですか?」

 笑顔を向けながら、木々の間から現れる
 ウェーブ掛かった銀髪とアルビノの目、そして、肌が白く
 包帯が見て取れる

「だから、知り合いなだけだ」

 恭也はそう言うが回りは誰って顔をしている

「ちょっと違う町へ買い物に行った時に親切にしてもらった人たちだ」

 恭也はそういって周りの人を戻らそうと『もうすぐチャイムかな?』と時計を確認する

「まだ時間はあるわよ、恭也……で、そこの人は誰?」

 彼女の姿は、制服姿だった
 それも、穂群原学園のものだった……

「で、誰?」
「嗚呼、カレン・オルテンシアさん……確か、その町でシスターをしていたはずなんだが
 新都の方で……俺も何でいるかは知らない」

 簡易に答える
 忍たちは本当かどうか疑わしい視線を向けてるが、恭也は気づいても見ないことにした

「でも、恭ちゃん、何でそんなに詳しく知ってるの?」
「その町に行った時に、色々とはなしてもらった」
「嘘だ〜〜〜、恭ちゃんにそんなことがあるなんて……あうっ」

 美由希の顔面には恭也が投擲した消しゴムが……指弾だろう、サイズが小さいし

「恭也さんが困っていたので、シスターとして見過ごすわけにはいかず助けたのですが
 どうも、夏休みの間のことでして」
「そういえば恭ちゃんが一人旅してたね……」
「まぁ、ちょっとした小旅行のつもりだったんだが、そこで財布を落として暫く厄介になった人だ
 教会で世話になってたし、別段何もなかったはずだ」

 恭也はそういうが、必要以上に細かく言うので、レンや晶たちも怪しいと見つめる

「カレンがヘンなこと言うから、俺が疑われたじゃないか
 第一、俺は何もしてない」

 恭也がそう断言するが、信じてもらえない

「そうですよね……確かに恭也さんは何もしませんでしたよ
 私たちがしましたから」

 手をぽんと叩いて嬉しそうに言うカレン
 どう見ても、あんたシスターじゃないよ……学生にしか見えないし
 さすが制服に寄って、人は変わるものだ

「なんですって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

 そこに居る女性たちから大きな声が漏れる
 恭也は耳をふさいで事なきを得る

「あの時の恭也はそれはもう可愛かったです……子犬のように鳴いて
 まぁ、本番になってしまえば、私の方がそれはもう美味しく頂かれたわけですが」

 そんなどうでもいいことをポツポツと漏らしながら頬を赤らめる

「と、忘れるところでした……高町恭也、貴方を婦女暴行の疑いで衛宮士郎宅まで連れて行くよう言われてます」
「如何いうことだ?
 第一、俺の知らない所で起きた事だぞ」
「ええ、でも、貴方は深く関わってしまった……だから、私たちの要請に答えてもらえぬ場合」
「その場合は?」
「私が来た理由でわかりませんか?」

 赤い布がチラリと後ろから見える
 拘束して捕まえますって事だ
 一番可能性が高く、なんとしてでもつれてこれる人となると、確かにカレンは強いだろう
 対人間としては最高とも取れる

「忍、俺のカバン、後で美由希に預けておいてくれ
 ……カレン、行けばいいんだな……全く携帯に連絡すれば良いのに」
「この前、遠坂先輩が電話壊してしまったので」
「あの、機械音痴め」

 いや、恭也もだろうと家族や友人が思ったが突っ込まない
 何故か苛立ち混じりの恭也を見て引いてるのだ
 普段、そんな要因を見せない恭也が見せてるのだ、珍しいどころではない
 そして、恭也は居なくなった
 その中庭では、そろそろチャイムがなりそうだけど、あれが高町先輩の彼女かと憶測が飛び交っていた
 ただ、それはどれも本当のことじゃない






 さて、その頃移動を開始し、1時間後
 恭也は、言われた通り衛宮士郎宅前に立っていた
 隣にはカレンが居る……ため息つきつつ恭也は扉に手をかけた
 剣と釘が振ってくる
 恭也は手を引き、やれやれと上を見ると、そこにはライダーとセイバーの2人

「あ、恭也ですか」
「お久しぶりです、恭也……リンたちが待ってます」

 セイバーとライダーは何事もないかのように言うが
 恭也はどこともなく、中が黒いような、などと思っていた

「はぁ〜」

 中に入って恭也は居間を目指す
 何故に中のことを知っているか、それは……

「失礼する、で、なんでカレンが俺の所まで来て、俺が君らのところまで来なくてはいけない?」

 そんなことを目を閉じて、扉をあけてから言う
 だが中は静かであり、中に居る人は分かってるが……
 桜が困った顔、士郎も同じく
 で、何かの手帳を机に置いて、固まってる2人
 手帳はもう1つあり、それは、誰の前にも置かれてない
 その前には、カレンが座る

「恭也さん、俺、あんたは信じてたんだ……でもまさか、ランサーみたいな奴だったなんて!!」

 そう言って、士郎はキッチンへと走っていった

「先輩」

 桜も同じように走っていく
 恭也は首をかしげる

「簡潔に説明してくれ」

 恭也がそういうと、ライダーが簡潔に説明した

「リン、バゼット、カレンのおなかの中に、恭也との子が出来たのです」
「ほぅ、子供が…………え?」
「というわけで、連れて来たんです」
「えっと、少し考えさせてくれ…………だから、あの時、俺は教会のベットで寝ていて
 確かカレンが行き成り来て、俺をマンダラの聖骸布で巻いて、そのまま引きずって此処まで来て
 で、ライダーの魔眼で操られて、というか、ぶっちゃけ性欲の化身にされて……どうなったんだ?」
「全て中(ピー)でしたし、何よりまさか私たちも出来るとは思ってなかったのですが」
「ライダー、何でそう言う事は黙ってるんだ?」
「まぁ、そんな気にせず……酔った勢いで、押し倒した上に頂いただけですよ
 恭也のは立派でしたし」

 ぽぽっと顔を赤らめつつ言うライダー
 美人にそんなこと言われると困る恭也だが、そこは自制した

「と、とりあえず、俺は確かにしたかもしれないが、そんな対抗できる方法も無いのに
 やられたんだし、生まれてくる命の祝福が出来ないのは悪いかもしれないが下ろしたほうが」

 恭也の提案に困った顔をしているバゼットと凛とカレン

「実はね、それを考えてたんだけど……なんていうか、惜しいのよね」
「凛?」
「実際問題、私もあまりおぼえてないのよ
 カレンも少し、バゼットも少ししか覚えてない
 あんたも同じ……と言う事は、ライダーとセイバーは、知ってるのよね?」

 ライダーは横を向いた
 セイバーは顔を赤くしてうつむいた

「何があったの?」
「プチSな恭也が誕生して、その鋼糸でしたか、あれとか私の鎖で両手を挙げて、そのまま……」

 俺、そんなことしたかなぁ……覚えがまるで無い
 そんな様子の恭也……士郎と桜はふむふむと聞いていたりする

「と、とりあえず、俺はそんなこと」
「第一、凛、バゼットさん、子供が出来たら、産もうってタイプじゃないですか?」
「うん、でもね……恭也くん、君は下ろして欲しいと本気で思ってるのかい?」
「うっ」

 バゼットに言われ、恭也は落ち込む

「第一、ライダーには一応で言っておいたんだ……
 恭也が少しでも好意を抱いてる人を襲うようにって……どこまで上げたんだか分からないが
 君は私、ライダー、セイバー、遠坂、カレンを次々と襲い
 止めに入ったアーチャー、ランサー、ギルガメッシュを瞬殺し、更にはそいつらを縛りあげ
 外に放り出し、更に興じたんだぞ」

 覚えがね〜
 恭也はやさぐれていた

「私だって始めてだったのに……何度も
 しかも……あんなところまで」
「そりゃあ、桜も、衛宮くんも居ないからいいかもしれないけど
 あの後、大変だったのよ、片付け及び色々と」
「そうですね……恭也を搾り取るだけ絞りとって、満足だったのは良かったですけど」
「というか、誰よ、連れて来たの
 私はうんとも頷いてないわよ」
「ですが、恭也も一緒に飲ませたら楽しいかもね〜
 士郎も桜も居ないし〜って言ったのは凛ですよ」

 凛は少し困った顔をしている

「で、本気でどうする気だ? 俺は無理だぞ、まだ高校生だし」
「別にそこまでは期待してないけど……」
「そうですね、さすがにそこまでは気が引けます、何より大人として」
「私は恭也の所に行きたいですが」

 カレンはさくっと言い、更に一言

「恭也は大分もてるみたいで、心配の種ばかりですし」
「……もてるの?」
「ええ、恭也の高校で誰が好きなのか恭也が聞かれてました」
「そう」
「決まりですね……」
「第一婦人云々は後で決めましょう……とりあえず、カレン、あんたが恭也の周りの人を説得
 私はまぁ、産休貰ってくるわ」
「私も、フリーになりましたが、此処から立たないと」
「ですが、私もフリーに動けるわけでは」
「大丈夫、教会に知り合いがいるから……何より産休下さい、長期でっていっておけばいいのよ」

 凛、それは何か可笑しいです

「何より大事な時期だしね……さ、恭也のお母さん所に行きましょ
 確か、お父さんが居ないって聞いてるしね」
「え、いや、何故に?」
「……何故にって、私たちを紹介してもらうためよ」

 恭也が首をかしげる

「認めてもらわないと、息子さんにレイプされはらまされましたとでも言うわよ」
「分かった……全く」

 そして、その日の内に恭也は高町桃子を数度に渡り驚かせ
 周りの人間はエクトプラズムを口から出したそうな……
 恭也が逃げるまでXday










 おわり











 あとがき
 ちょいドタバタ……でも、やっぱりどこかヘンだな
 シオン「へんだと思うなら、書き直せば良いのに」
 と、言われるからもう1つの方を書いてみよう
 ゆうひ「ああ、カレン嫉妬編?」
 まぁそっちがどうだか……一番ありえない絵柄だし
 シオン「ありえないのか?」
 なんか、カレンの嫉妬姿が思い浮かばないんだよ、あるにはるけど、これ嫉妬?ってくらいだし
 ゆうひ「なんか、複雑ね〜、しかもこれシスター編っていうより」
 ああ、自分も思った
 シオン「Fate編よね」
 いや、穂群原学園の3人居ないし、ほら、キャスターとかも居ないから
 ゆうひ「そうね……で、1つ聞いていい? 何でサーヴァントより恭也強いの?」
 そりゃあ、ランサー、ギルガメッシュは恭也の変貌振りに呆然として
 シオン「じゃあ、アーチャーは?」
 恭也が『うるせ〜、この若白髪変態M男!』と断言しちゃって呆然としたからかな
 ゆうひ「……普段の恭也じゃなかったわけだ」
 まぁ、ぶっちゃけやりたいが為に、野郎は邪魔で、思いっきり斬り飛ばした上に言葉攻め
 シオン「いたっ」
 ま、そう言うわけで、女性陣も言葉で弄られ、更に体もって所だ
 ゆうひ「ライダーも魔眼を恭也に使うから」
 性格反転茸だな……
 シオン「ま、確かに」
 ゆうひ「その様子をリアルに書いたら長そうだよね」
 長いだろうな……本気で
 シオン「ま、書けるけど、書いて欲しくないわ」
 そうだな……俺もそんなね
 ゆうひ「でわ、また〜」
 ほなね〜(^^)ノシ




うわー、こっちは凄い事に…。
美姫 「まさにFate編って感じね」
あははは。Xdayは近いか遠いか。
美姫 「意外と逃げないってのもあるかもね」
いやいや、これは予想外の展開でした。
美姫 「でも、面白かったわね」
ああ。流石としか言い様がないな、うんうん。
美姫 「はぁ〜、アンタにも…」
それ以上は言わなくてもいいです、いえ、言わないでください(涙)



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