老人達が円卓についている。

その数は9人。

一口に老人と言っても、年齢が老人であったり、外見が老人であったりと複雑である。

年齢が老人でありながら、外見が若いというのは高位魔導士の証左。

中には普段から強力なリミッターをかけることで、あえて老化させている者もいる。

 

「・・・既に、一週間以上・・10日間に渡って議論を続けてきた・・・」

 

統合幕僚議長を務めるエスティ=ハーヴェイは、疲れを滲ませないように努めながら他の8人を順に見回す。若さを持っていてもこの10日間は誰にも堪えている。隠しようもない疲れが滲んでいる。

自分もまた隠しきれない疲れを滲ませているのだろうと思い、それでも隠そうとする滑稽さに内心で苦笑。

 

「ハーヴェイ議長・・・決を採ろうと・・・そう、仰るつもりですか?」

 

首席司法官のレオーネ=フィルスが疲れをねじ伏せるように責める眼光を向けてくる。

他にも彼に同調するか者が何人か居る。

それがこの会議の状態を如実に表している。

 

「フィルス首席」

「何だ、アレン」

 

レオーネは姓で呼ばれたのに対して、相手であるアレン=W=ダーレス航空幕僚長をファーストネームで呼び返した。個人的に呼び合う仲であっても、この場のそれは嫌味でしかない。

アレンは別段腹を立てることなく、頑なな態度のレオーネに諦めを漂わせる。

 

「我々は後何時間、何日議論を重ねれば良いのだ?」

「議論の決着がつくまでだ」

「歩み寄る余地のない議論は不毛と気付かんのか?」

 

問い掛けへ断固としてレオーネを、今度は海中幕僚長のリチャード=V=ラッセルがきつい調子で責める。

 

「この場の議論は満場一致の陪審判決ではないのだ。全員が満場一致になる必要がどこにある?」

「あるに決まっているだろう!」

 

陸上幕僚長のラルゴ=キールが老いて皴が刻まれながらも大きさを失わない手を、机に叩きつける。

衝撃が反対側のエスティまで伝わってくる。

ラルゴの激した感情はそのまま、言葉に乗って威嚇のように放たれる。

 

「我らの決断で万単位の職員を戦場へ送らねばならなくなるのだぞ!?今、この場でそれを決めるに当たって軽々しく決を取って、殉職するかもしれん職員への責をどうするというのだ!」

「それを君が言うのか?」

 

リチャードの鋭い一言に、ラルゴの激した感情が止まる。

激した感情が止まり、体中に留まったせいか顔が真っ赤になる。それが羞恥ではなく激昂であることは容易く見取れる。

タイタン事件―――事件の犯人の名前を取ってスース事件とも呼ばれる大事件において、ラルゴの取った決断を知らぬ者はこの場には居ない。そして、その決断が結果論として正しかったが、独断専行であったことも。

言い返せないラルゴが円卓に当てた拳を震わせているのを見て、ハーヴェイが間に割って入る。

 

「それまでだ・・・座りたまえラルゴ」

「!・・・・っ」

 

抑え込まれ、不満を隠すこともなくラルゴが着席。

リチャードもあえてそれ以上は何も言わない。揶揄はしたが人格を攻撃するほど落ちぶれてはいない。

 

場が一息つくのを待ち、ハーヴェイがおもむろに口火を切る。

 

「決を採ることについてはさきほどの休憩時間でクローベル副議長と話し合い、合意したことだ」

 

ハーヴェイの隣に座るミゼット=クローベルはラルゴとレオーネへ済まなそうに眼を伏せる。

二人も、それがミゼットの決断であれば責めることができなかった。同じように眼を伏せるしかない。

 

「ヨートゥン世界の情勢は風雲急を告げている。反対している者達が危惧するように、確かに理事会からの圧力は存在する。だが、それを忘れて今はこの場で決しなければならない。それは皆同じはずだ」

 

管理局の均衡とは、その加盟制度そのものが取っていると言っても過言ではない。

 

「反対派が存在するのはどの世界でも似たようなものだろう。それは各々の世界が可否を判ずるべきことだ」

「だったら―――」

 

口を挟もうとしたレオーネを手を挙げて制する。

 

「しかし、ヨートゥン世界は事情が大きく異なる。あの世界は十分に発達した魔法文明を持ち、多くのロストロギアを保有し、そして今も各地にロストロギアを眠らせている。そうであれば、問題は一つの世界に留まるものではない。それはこの場の誰もが理解していることだろう」

 

ロストロギアの暴走によって、その世界だけではなく他の次元世界も巻き込む可能性は0ではない。

そして、他の次元世界へ飛び火しないまでもその世界で暮らす幾万幾億の人々をむざむざ犠牲にすることが正しいかについてならば議論の余地はないだろう。

 

「この場の諸氏ならば、ロストロギアによる悲劇を見たことのない者は居ないはずだ。その上で考えて欲しい。確かに未来の危険性はあるが、それを理由に管理局への加盟で世界を二つに割っている所へ、その当事者とも言える我々が軍事介入をし、賛成派を支援するか否かを・・・」

 

管理局の理念に反していることは百も承知の動議。

それでもロストロギアの引き起こす悲劇を知る者にとっては、悩まずにはいられない。

これが悪しき先例となって反対派を駆逐する独裁的な体制の遠因になるやもしれない。

同時に、管理局の理念に反しては居ても管理局の介入によりロストロギアの悲劇の可能性は大幅に下がる。

 

「無論、私とてこの決断には悩んでいる」

 

エスティは正直に胸の内を明かす。

むしろ、この場で悩まない者は居る資格がないとさえ思う。

 

「しかし、我々は幾万の管理局職員の頂点に立ち、決断を下さねばならん立場にある。決断を誰かに放擲することは持っての外。議論が不毛とも言わない。いつかは良い解決策が出るかもしれん。だが、我々が決断を求められているのは今、この時だ。我々の決断が遅くなれば遅くなるほど犠牲者が増えるとは言わない。言わないが、好転するわけでもない。万が一好転するにしても、好転するまで待つことは最上の愚だろう」

 

切り株にウサギがぶつかるまで待つ愚か者になるわけにはいかない。

 

「・・・そう思い、私とミゼットは決を採ることにした」

 

エスティはもう一度、8人を順番に見渡す。

ラルゴやレオーネは不満を残しながらも、決を採ることには同意してくれているようだ。

投票権のない首席法務官、総務部部長、教会顧問の三名も頷きを返す。

 

これは管理局史上でも類を見ない、苦渋の採決となることを確信しながらエスティは口を開く。

 

「それではヨートゥン世界への本格派兵について賛成の者は起立をするように」

 

 

―――決は・・・・下された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――深緋の点

フェイトが知覚した瞬間は少なくともそう見えた。

もし、その点を横から見た者が居たならば噴火の圧力で噴出されたマグマと思うだろう。

当然のことだが海鳴に火山は無い。噴火という天災には無縁の地なのだ。

 

然るにそれは噴出されたマグマであるはずがない。

 

フェイトの意識は無駄な思考を辿らなかった。

マグマのような深緋の炎を纏いながら超高速で接敵する敵―――剣の将・シグナムの【紫電一閃】の領域からアルフを引っ掴み全力で離脱していた。

高圧高温の炉の炎熱そのままの凶悪な火炎が鋭い斬撃に纏わりつきながら空間を焼き払う。

急激な圧力変化に大気が暴走し、熱膨張によってフレームに収まりきれなくなった窓ガラスが次々に破裂していく。

 

(避けたか・・・速いな)

 

ヴィータを巻き込まないように加減したとは言え、同ランクの相手さえも滅しきる一撃を避けたフェイトを、シグナムは高く評価する。特にシャマルのバックアップを受ける連携攻撃【シュトゥルムウントドラング】を回避しきる速度。そして、支える反応速度は驚異的。

ヴィータがバインドで拘束されたことも頷ける。

 

 

(当たってないのに・・・・)

 

かろうじて離脱できたフェイトは、炎に炙られただけでバリアジャケットを焼かれかけたことに愕然とする。

―――「炎」の魔力変換資質

フェイトの「電気」の魔力変換資質と同じレアスキルに該当する。

初めて目にして分かるその凶悪さ。レアスキルだけではなく、おそらくは魔導士である彼女の実力が本当に凶悪なものとしている。

 

嫌な圧力。魔導士嘱託試験でセーラと戦ったときのような絶望的なものは感じないが、冷静に計算するもう一人の自分は戦力が非であると語りかけてくる。

 

 

「フェイト・・・」

「うん・・・」

 

アルフにも敵の強さが伝わっているのか声に緊張が混じる。

折角バインドで拘束できた鉄槌の少女―――ヴィータはアルフと同じ種族らしい使い魔(?)によって、バインドを解除されている。

 

3対2

直撃のダメージが大きいなのはを戦力に数えるわけにはいかない。

直接戦闘にはまるで向かないユーノを戦力に数えるかは微妙。

 

ここまでのことはモニタリングしているクロノやリンディも解かってくれる。

つまり、アースラから増援が来て戦力が整うまでの間は防戦に徹する。

できることなら、なのはを連れて撤退したいところだがこの厄介な結界がそれを許してはくれない。

 

[バルディッシュ]を握る手が緊張に強張る。

増援が来るまで、何秒、何十秒、何分掛かるは分からない。

その間にこの3人―――ヴィータと同等かそれ以上かもしれない3人を相手取って持ち堪える。

 

 

「やるしかないよ、フェイト」

 

アルフが肩にそっと手を置く。

それだけで緊張が少し抜けた。

 

「バルディッシュ」

Yes

 

周囲に黄金色のスフィアが形成されていく。

シグナムの持つデバイス―――剣型アームドデバイスはベルカ式と呼ばれる近接特化の魔法を使う証。

近接戦闘『も』こなせるフェイトと違い、近接戦闘のエキスパート。

加えて今は発生させていない火炎が生じさせる炎熱領域は危険過ぎる。

 

近づいて戦うのは、避けるべきだ。

 

時間を稼ぐ。それだけのはずの戦いが、今はあまりに絶望的に感じられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何百回と経験してきた転移魔法による転移。

人間の空間把握が一瞬にして覆るそれは、初めての経験で嘔吐するものも居るほど本来は違和がある。

理屈は急激な空間の変化に伴う精神的ストレスが引き起こす一時的体調不良ということらしい。

こればかりは慣れるまでが大変だ。

クロノは士官学校時代にエイミィが転移魔法の訓練を嫌がっていたことを思い出す。クロノ自身は慣れるのが早く、嘔吐したこともなかった。

 

だが、今回は堪えた。

 

 

「・・・・着いた」

「クロノ、スメラギ一等空尉!」

 

いきなり転移してきた二人に、なのはを治療していたユーノが驚く。

 

「どうやって・・・」

「スメラギ空尉の転移魔法だ・・・」

 

まだ気分が悪いクロノは頭を振る。ユーノはそれで納得したらしい。

アースラの到着速度の早さはセーラのおかげだから。転移魔法のエキスパートであるセーラは、アースラ一隻をまるごとここまで転移させてきた。管理局にとっては辺境に位置するこの世界までの転移はL級巡航艦でも長いものになるにもかかわらず。

 

「悠長にしている場合じゃない・・空尉」

 

なのはとユーノの無事を確認したクロノは周囲を窺う。

なのはが突き破った壁から閃光と爆炎、熱風が吹き付けてくる。

 

「・・・フェイトとアルフが不利になったの・・・私達は行くわ」

 

嘱託魔導士試験のときと同じようにデバイスを手に持たないバリアジャケット姿のセーラは、起き上がれないなのはへ言う。

 

「フェイトちゃん達が・・!」

「駄目だよ、なのは」

 

無理に起き上がろうとするなのはを、やはりユーノが押しとどめる。

 

「まだバリアジャケットの再構築もできないのに戦わせるわけにはいかないよ」

「でも――――!」

「・・・邪魔」

「あうっ!」

 

バチッ、とセーラのデコピンがなのはの額に炸裂。

 

「・・・ハラオウン執務官、行くよ・・・」

「・・・了解した。ユーノ、後は頼んだぞ」

「分かってる」

 

なのはに反論の余地を与えないように三人は捲し立て、話を終わらせる。

強引ではあるが、仕方ない。本人に自覚はないが、魔法戦闘においてバリアジャケットを再構築できないというのは致命的。士官学校の実戦形式の訓練や昇格試験においては撃墜―――それも死亡判定に匹敵する。

今のなのははただの9歳に戻ってしまっている。これを戦わせるわけにはいかない。

 

クロノとセーラが再び転移魔法で姿を消し、場は二人きりに戻る。

 

静かだ。ユーノは少しだけセーラとクロノを恨んだ。

百人に聞いても百人全員がなのは落ち込んでいると答えるほど、なのはは落ち込んでいる。

こういうフォローは誰にだって難しい。戦闘のフォローは得意でも、実際に落ち込んでいる人をフォローして慰めることは得意ではない。それが女の子であればなおさらだ。

思えば恭也は実に上手く慰めたり、励ましたりしていたと思う。あれが年の功なのだろうか。

 

とにかく、ユーノは少ない人生経験から懸命に言葉を選ぶ。

捲し立てて反論封じの片棒を担いだことが今更ながら罪悪感を呼ぶ。

 

「なのは――――」

「私・・・足手まといなのかな・・・」

「う・・・」

 

いきなり本人から核心をばっさりやられ、用意した稚拙なシナリオは吹っ飛んだ。

 

「そ、そんなことは―――」

 

言い掛けて、白々しさが罪悪感を加速させ、口を噤ませた。

取り繕えるほど自分が能弁ではないと知っている。相手がなのはでなければ、それでも白々しさを多弁で誤魔化しただろうが、なのは相手にそれはできない。したくなかった。

 

「そうだね。今のなのはじゃ、フェイトやクロノ達を助けるどころか足を引っ張るだけだと思う」

 

自分へ向いていた揺れる瞳が慙愧に淀む。少しは否定の言葉を期待し、やはり裏切られる。

 

「半年・・・半年頑張ったのに・・・」

「なのは・・・」

 

その努力を知るゆえにユーノは安易に「頑張った」「無駄じゃない」と言えない。

生活の中心に魔法の鍛錬を据える生活。

日々の魔力負荷。マルチタスクによる戦闘シミュレーション。戦闘機動の模索。

恭也が家を出てからは過酷さを増していた鍛錬の成果が発揮されないまま、なのはは脱落した。

 

何が悪かったのかユーノは漠然と想像できる。なのはに至ってははっきりと自覚している。

圧倒的な経験不足。鍛錬を屋外に想定していながら、屋内に引っ込むという愚を冒し、相手の力を見誤った。日々の基礎鍛錬では決して得られない実戦における読みが不足していた。

なのはは気付いていないが、本来のなのはの実力はフェイトよりも下になる。おそらく10回やって7〜8回は負ける。何故ならフェイトはなのはよりも長年に渡って基礎を積んでいる。今だ特異な才能に頼る面が大きい以上、地力に勝るフェイトが有利なことには変わりがない。

そのフェイトはこの半年で、クロノという格上の相手に恵まれ、御雫祇やセーラと言った破格の魔導士の指導も受けた。翻ってなのはの半年は基礎に費やされた。残念ながら、差はほとんど変わっていない。

 

 

「まだ・・・もっと、強くならないと・・・」

 

呪詛じみたなのはの呟きに、ユーノは背筋に震えが走った。幸いと言うべきか前髪で隠れたなのはの顔は見えなかった。

 

「な、なのは・・・できることからやろう。今は回復を優先するんだ」

「うん・・・」

 

半ば無意識で反応を返すなのはは、何事かやらかしそうな瞳の光を湛えたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シュワルベ―――」

「フォトン―――」

「―――フリーゲン!」

「―――ランサー!」

 

 

ヴィータとフェイトの声が重なる。

 

鉄槌が振り抜かれると軌道上に静止していた魔力球が打ち出された。

撓み、反発を起こして急加速する魔力球はさながら鉄球。それも砲丸の鉄球。

もしもそれが直撃すればこの世界における主力戦車の装甲さえも貫通してしまうような破壊力。

防御力の弱いフェイトならば一発で沈められてしまう。

 

しかし、その魔力球へ。鉄球の破壊力を秘め、簡易誘導を受けた魔力球へ。

百発の雷撃の槍が撃ち掛かる。

雷撃の弾幕。誘導操作により回避されながらもその多くが魔力球へ激突する。

一本、二本と魔力球の猛進を止めきれずに折れ、弾かれ、砕けていく。

 

だが、それでも百本の槍は徹底的に威力を削り、質量・速度共に削滅せしめる。

 

 

ヴィータは面白い止め方をするフェイトに内心毒づくが、既に発射位置から大きく移動していた。

その背には緩い曲線軌道を走る魔力球が完全な死角から迫る。

停止。更に体を大きく捻り、ヴィータは鉄槌を抜群の抜きと降りで打ち抜くと死角からの奇襲を鉄槌で叩き落す。

 

(チマチマ鬱陶しいっ!)

 

増援であるクロノの仕業である即断。

さっきからこの手の攻撃を繰り返してきているクロノの姿が見えないだけで判断できた。

 

(死角からでも駄目なのか!?)

 

一方のクロノは遮蔽物を利用してできる限り姿を晒さないように動きつつ、驚いていた。

信じられないことに相手は明らかな視覚の死角からの攻撃も見切り、ディフレクトする。驚異的な“観”はなるほど、なのはが不覚を取るだけのことはある。

 

 

叩き落した体勢のヴィータはすぐさま立て直す。が、そこへサイズフォームのフェイトが予備動作の完了した体勢で側面の間合いへ入る。

この手のための布石が先の二段階。ヴィータは余裕で迎え撃とうとするが、

 

 

「破ァッ!!」

 

ヴィータを挟んだフェイトの死角からシグナムが出現すると[レヴァンティン]を袈裟掛けに下ろす。

 

「ああっ!」

 

受けたフェイトはまるで木っ端のように吹っ飛ぶ。

シグナムは吹っ飛ぶ姿に眼もくれない。ヴィータと瞬時にアイコンタクトを交わす。

感触が軽すぎた。

 

瞬間、藍色の魔力光の砲撃が空間を薙いだ。

 

 

(ザフィーラ!)

(承知!)

 

ビルの屋上でアルフと白打で戦っていたザフィーラは、アルフを一旦退かせる。

獣形態へ戻ると疾駆。一気に距離を離し、コマンド代わりの咆哮を放つ。

 

「なっ!?」

 

藍色の砲撃に便乗して【ブレイズカノン】の発射態勢にあったクロノは、突如として隆起するコンクリートの地面にバランスを崩す。

咆哮と魔力の反応に魔法であると判断し、飛び上がって逃げるのではなく地面に[S2U]の先端を当てる。

 

 

「ブレイクインパルス!」

 

魔力を纏い砂礫の馬上槍のように突起した地面を、振動波が破壊。

足場を失ったクロノはそれでも飛び上がらずに、防御魔法を展開しながら崩壊する足場にわざと巻き込まれ落ちて行く。

 

交錯するように、自身に強力な魔力を付与して突撃するザフィーラが自らの砂礫の槍を軽々と破壊しながら駆け抜けていく。もしも飛び上がっていれば防御もろとも体当たりで戦闘不能にさせられていた。

落下から着地。防御魔法の応用で砂塵を払い、【スティンガーレイ】を一発放ってから最寄の窓からビルの外へ出る。

 

そこには猩々緋の影が先行する。

 

「ッ!」

 

「墳ッ!」

 

読んではいた。確率的に敵が先行待ち伏せしていることを。

だから牽制の【スティンガーレイ】をこちらも先行させた。

だが、ヴィータとその鉄槌―――[グラーフアイゼン]出縁頭(フランジ)で魔力球を叩き落しながら、否、魔力球をそのままクロノへ叩きつけ、もろとも潰した。

 

「がぁっ!!」

 

咄嗟に肩で受けた。

頭蓋まで衝撃が突き抜け、文字通り肩周辺のバリアジャケットが砕ける。

力の集約を果たした一撃は一分も無駄にせず、錐揉みすら許さずにクロノを彼方のビルの壁面に葬った。

 

 

「ヴィータ!」

「ちぃっ!」

 

一人撃墜を浮かれる間もなく、ヴィータの後方にはステルス化しているセーラが肉迫していた。

魔力が探知しにくく、おまけに気配もなく、感情の揺らぎも感知させない。フェイトやクロノと比較できない手練に後ろを取られる。

 

右手首のデバイスから伸びる藍色の光刃が[グラーフアイゼン]の柄と激突。

見かけによらない重い一太刀にヴィータは押される。

更に、左手に短機関銃型のデバイスが忽然と出現する。

 

「んだとぉっ!?」

 

「取り合えず死になさい」と言わんばかりの装備に流石のヴィータも焦る。

忽然と出現した仕組みは分からないが、後回し。

ガシャンと音を立てて[グラーフアイゼン]から排莢がなされると、一時的に上がった魔力で馬力を上げて鍔迫り合いを引き剥がす。その余勢を駆ってラケーテンフォームの[グラーフアイゼン]がロケット噴射を開始する。

 

「遅い」

「!?」

 

短く断じた瞬間、理論的に有り得ない速度での砲撃魔法が発動。

近距離直撃という最悪に近い命中を受けたヴィータが吹き飛びながら落下していく。

 

「っくしょう・・・」

 

シグナムはフェイトに、ザフィーラはアルフに足止めをされてフォローに動けない。

外から戦闘管制と封鎖領域を維持しているシャマルではフォローに足りない。

意識が飛びそうになりながらも、ヴィータは独力で現状を打破しなくてはならないことを悟る。

 

セーラが躊躇せずにトドメの一撃を撃つのは火を見るより明らか。

 

(ああくそっ!痛ぇっ!)

 

恭也に聞かれれば説教ものの悪態を心の中でつきながら体勢を戻し、防御魔法の展開に入る。

間に合うかは分からない・・・いや、おそらく間に合わないだろうが避けるよりも確実だろう。

 

だが、追撃は来なかった。

 

「ありゃ、気付かれたかな?」

「テメェ何時の間に!」

 

位置を変えていないセーラは、ヴィータではなくヴィータの真後ろの空間に潜んでいた騎士甲冑姿のアストラを射竦めるように見ている。本人は気付かれたことにさほど驚いていないかのように肩を竦める。

 

「ごめんごめん・・・二人を説得する方法を中々思いつかなくてさ」

「そういうことじゃねぇだろう!」

 

アストラは飄々と。ヴィータは苛々しながらもセーラへの注意は怠っていない。

 

アストラの騎士甲冑はスリーピーススーツのように背広・ベスト・ズボンと、その上にトレンチコートという出で立ち。トレンチコートには所々メタリックな部分があり、それが機械的な印象を強める。

色は鉄黒で統一され、まるで夜闇にそのまま溶け込みそうなほどの黒さがある。

普段の露出過多な服装と違うのは意味があるらしい。

 

「ま、僕の事情はともかく―――」

 

諸手に握られるは槍。刀身が通常の槍よりも巨大な、斬馬刀じみた槍。なおかつ刀身は捩れ、螺旋を描く。

およそ正当な槍とはかけ離れている。それがアストラの槍型デバイス[フォーマラウト]

 

「―――早く終わらせようか」

 

言葉と同時。向けられた鋩から視認不能の一撃が放たれた。

セーラは鋩を向けられると同時に転移し、二人の背後に出現する。

 

「わわっ!」

「・・・っ!」

 

慌てる素振りを見せながら、アストラは動きが鈍っているヴィータと突き飛ばして距離を取らせる。

 

 

カンッ!カンッ!

 

カッ!!!

 

槍の柄が何かを弾く音が二度し、セーラの右拳―――正確にはグローブから閃光が迸ると、

 

 

 

ボゴオォォォン!!!

 

 

 

直線上に立地する高層ビルの上半分がセーラの放った閃光により消し飛んだ。

 

 

(何かあると思ったけど・・これは洒落になんないぁ・・・)

 

流石にアストラも内心で冷や汗を流す。

ヴィータへの短時間での砲撃で何かギミックがあると踏んで、両手からの光刃を柄で払って正解。

もし受けていたら消し飛んだのはビルではなく自分の上半身だった。

 

 

「っていうか、僕の【ラングアルミヒ】を回避するかなぁ、普通」

「・・・そういう名前の技だったの・・・」

「技っていうほどのものでもないけど。大抵はあれで撃墜できるのに・・・自信なくしちゃうね」

 

やだやだというように肩を竦めるアストラ。

頭の中ではあれが本当に“見えた”のか計算する。見えない技だからこそアストラも信用する技――魔法となっている。あれが初見の相手に見切れたのか分からないが、これは警戒すべきだろう。

それ以上にまだまだギミックを隠し持っていそうで怖い相手だ。

 

(あー・・・・こういう相手はシグナムの方がお似合いなのに)

 

愚痴りながら、正眼に構え直す。

 

(急いでよ、シャマル)

 

ヴィータと合流する予定のシャマル。

今回は彼女の策に乗っかるのが吉だろう。

それまでは得体の知れないこの少女を食い止めるしかない。

一番の貧乏籤のような気がするものの、この際は仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

速く、重く、そして鋭い。

斬撃にとっての理想を体現したシグナムの攻勢をフェイトは防御することしかできない。

 

袈裟懸けが走り、フェイトは一歩下がって避ける。

そこへ半歩踏み込んだ二の太刀が水平に走る。

フェイトの体格では胸から上下に輪切られてしまう剛剣を、[バルディッシュ]の柄を全力で跳ねさせて鎬にぶち当てて軌道を変えると、空いた左脇を抜き胴の要領で抜ける。

 

サイズフォームの黄金色の刃が切り裂くイメージが脳裏を占めるが、

 

 

ヒュォッ!

ゴッ!!

 

 

逆胴の二の太刀を流されたはずのシグナムの左回し蹴りがカウンターで直撃。

 

「―――っ!」

 

9歳では大きなフェイトの体が宙に浮き、くの字に折れながら壁を破って別の部屋で飛び去っていく。

両腕の上からの蹴りなのに、脳が揺れた。処理落ちの画面でアイコンが残像を残すように景色が一点を注視したまま引き伸ばされていく。

痛いというよりも、気持ち悪い。意識が遠のく。

 

歯を食いしばり、白目を剥きかけた瞳に意思の光を戻す。

二枚の壁を破ったところで接地。足から摩擦の煙を上げながら、指で空間をなぞると黄金のスフィアが三個出現。

破れた壁を粉砕しながら、押し潰されそうな圧力を伴ってシグナムが追撃を掛けてくる。

 

怖い。眼光だけで怖気が来る。全速力で逃げ出したくなる弱気を叱り、踏み止まる。

セーラのような圧力とは違う。得体の知れなさではなく、絶対的な力の差を叩きつける暴力の恐怖。

 

 

「フォトンランサー!!」

 

「紫電一閃!」

 

 

18発のフォトンランサーが閃きて六徳の後、生きた炎が部屋全体を舐め上げた。

 

(熱ッ!)

 

気圧の急激な変化が、炎を導きあっという間にフロア全体が炎に覆い尽される。

鎧袖一触。雷撃の槍は火炎に一呑みされていた。

 

外へ逃げるがシグナムは悠然と追ってくる。

慌てないが追撃を掛けるべきところは全力で追ってくる。

 

 

―――【ブリッツアクション】

 

今度は外へ出た直後へ高速攻撃を仕掛ける。

大気を突き抜け、一点――シグナムだけを中心に捉え死角を衝く。

 

 

「そこか!」

「なっ!?」

 

左斜め上からの奇襲を、打ち落とされた。

死角でありながら。正確に計ったかのように光刃を[レヴァンティン]の刀身が合わせて打ち落とした。

 

(もう一度!)

 

見えていたとは思えない。

現にまだ多角的な高速移動を続けるフェイトをシグナムは追いきれていない。

ならばまだチャンスはある。

 

今度はさっきの対角線。右斜め下から。

もっと速く、鋭く。一気に[バルディッシュ]を振り抜く!

 

だが、それすらもシグナムを欺けない。

 

 

「破ァッ!」

 

同じように・・・否。

今度は片手持ちの払いで光刃ではなく柄を打ち落とされ、顔面を拳が襲う。

反射的に肩を競り上げて受けるが、受けきれずまた吹っ飛ぶ。

 

 

吹っ飛びながら、フェイトは恐怖する。

強い。フェイトの積み重ねた技術の悉くが通用しない。

先の読み合いでは一枚上手。

中距離の撃ち合いに持ち込んでも射撃魔法を一蹴される。

得意の高速攻撃も完全に見切られている。

致命打ではなくてもダメージは蓄積し、積み重ねた魔法と技術が一つずつ潰されていく過程がフェイトを押し潰そうとする。心が折れそうになる。

 

勝てない。

―――負ける。

敗北の二文字がフェイトの戦意を削る。

 

(でも・・・それでも、それでも私は―――!)

 

負けられない。

心が折れそうでも折れていない。

戦意は削られてもまだ残っている。

 

負ければ、後に残る無防備のなのはが餌食になる。

させない。友達を傷つけさせない。なら、まだ自分が傷つく方が何倍も何十倍もマシだ。

例え、折られ、削り倒されようとも。

 

 

シグナムはフェイト体勢を立て直した直後に動いた。

[レヴァンティン]が排莢を行うと深緋の炎が刀身を包む。

 

フェイトにもシグナムが勝負を決めにきたことが解かる。

あの一太刀。火炎を止める術を持たない自分ができることは一つ。

迎え撃つ。それも玉砕覚悟で。上手く行けば無事で済むかもしれないが、あまりに虫の良すぎる考え。

だから、全力で迎え撃つ。いや、全力で立ち向かう。

 

「バルディッシュ!」

Yes Sir!》

 

相棒と意思を確認しあう。

度重なる打合でフレームに微細な亀裂が入り始めていることをフェイトは知っている。

今は相棒である[バルディッシュ]に我慢をしてもらうしかない。

ごめんね、と心の中で呟いてからマグマのような火炎を纏い突撃してくるシグナムを睨む。

 

もう一度。自分の一番自信のある方法で。

スタンスを広げ、腰を少し落とし[バルディッシュ]を引き手に構える。

焦がすような熱さからの汗ではなく、緊張の冷や汗が流れる。しかし、不思議と肝が据わると汗が止まった。手の震えも止まり、肩で腕の痛みも一時忘却する。

 

(今なら、やれる!)

 

シグナムが間合いに入る寸前、フェイトが動いた。

 

 

―――【ブリッツアクション】

 

 

深緋の火炎と黄金の雷光が、交錯する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きぃっ、と軋みをたてて屋上へ続く扉が開かれた。

人工の光が邪魔していないのに空には星が一つもない。

異常な空をなのはは気に掛けず数歩進んで止まる。

 

ユーノはヴィータにやられたクロノと合流し戦列に加わろうとしている。

何もできない自分が歯痒い。一度強さを求めれば、弱くともできることをしたくなる。

痛みはユーノのおかげで痛みは大分引いたが、動く意志を萎えさせる倦怠感が全身を包む。

このまま眠ってしまいたいという誘惑を振り切れ、なのはは立つ。

 

「良いんだよね、[レイジングハート]

Yes Master!》

 

シグナムと戦うフェイトの[バルディッシュ]よりも、[レイジングハート]のダメージは大きい。

コアに亀裂が入っているということは中枢に損傷が及びかねない。魔法の使用など持っての外。

けれども、なのはと[レイジングハート]はその禁を冒そうとする。

 

シーリングフォームへ変形。

そして通常よりも大きな魔法陣が展開される。

なのはの持つ最大の魔法【スターライトブレイカー】の予備動作。

最大の魔法は同時にデバイスへも尋常ではない負荷を掛ける。九分九厘、壊れる。

一厘の確率は、超精密な集束により最大理論値でデバイスへ負荷を掛けないというもの。

理論値は理論値であって、現実に存する数値ではない。

 

なのはは―――なのはと[レイジングハート]はそれでも撃とうとする。

 

魔力の集束が始まる。フェイトのときのように事前の準備がないため時間は掛かるが確実に。

一度集束が始まれば、止められない。止めればデバイスへの負荷でやはり壊れる。

 

二人が止めないのは、それがインテリジェントデバイスとその魔導士の在り方だから。

魔導士であるなのはが[レイジングハート]が壊れる危険があるから心配するように、インテリジェントデバイスとして意思を持つデバイスである[レイジングハート]も、力不足を嘆きながらも心を折らないなのはを助けたいと思っている。

主が望むならばそれを全力で助けるのがインテリジェントデバイス。AIでありながら、それは人の誇りにも似た思考。デバイスを気遣う主だからこそ、[レイジングハート]もまたなのはに尽くす。

 

そして、それに応えるのもまたデバイスの主たるなのはの務め。

 

封鎖領域を破壊すれば、場の流れは変わる。

ザフィーラ、アストラのコンビに苦戦するセーラやアルフ。

撃墜されかけたクロノやサポートに回ったユーノ。

削り倒されそうになりながらも果敢に立ち向かうフェイト。

その中で自分のできることはそれだけでも、できることはやる。やらずにはおれない。

 

痛みも倦怠感も忘れ、集束に集中する。

ただただ、集束を完璧にこなす。それが[レイジングハート]への返答。

[レイジングハート]のテンカウントを聞きながら、最後のコマンドを打ち込むべく柄を握る手に力を込めた。

 

 

―――その刹那、

 

 

 

ずぶり。

擬音でありそうな音をなのはは確かに聞いた。

背中を誰かに押されたような衝撃で僅かに体が傾ぐ。

違和感に目線を下ろし、凍りつく。

 

有り得ない。

自分の胸から誰かの手が生えている。

まるでマジックショーかB級ホラーを見ているような非現実感。

その手は何か小さな、[レイジングハート]のコアよりも小さな桃色の球体を掴んでいる。

 

 

「スター・・・ライ・・ト――」

 

 

体の異常に錯乱しかけながら、なのははカウントダウンに従い[レイジングハート]を振るう。

狂いそうな状況と思考を強靭な意思でねじ伏せるかのように、最後のコマンドが放たれる。

 

 

 

「―――ブレイカァァァァ!!!」

 

 

恐怖による絶叫。それを上回る奮威でなのはは吼えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね・・・あれが、スターライトブレイカーか・・・」

 

封鎖領域から遠く離れた、海鳴市郊外のマンションの屋上で呟きが流れる。

淡黄色の金髪は腰まで伸び、紅緋色のヘアバンドで整えられた前髪は軽く跳ねてから左右へ綺麗に垂れている。ヘアバンドと同色のノースリーブワンピースタイプの服は黄金色のベルトが三本腰で巻かれ、腰の付け根まで四箇所の大胆な切れ込みが入ること扇情的な雰囲気を醸す。

 

紺碧色の瞳が、興味深そうに長距離とは呼べないほど離れた位置にある、【スターライトブレイカー】の桃色の閃光を映していた。

彼女はそれでいて口元には余裕の笑みを湛えていた。

二の腕もある黒の長手袋に包まれた手を顎に添えてから少し考えるそぶりを見せる。

 

「でも、まだまだ。マスターには遠く及ばないわよ、それじゃ」

 

どこか小莫迦にしたように笑う。

マスターの力への信頼の裏返しとも取れる。

 

封鎖領域の破壊と一定の目的を達成したシグナム達が撤退を開始する。

戦術・戦略の両面から正しい選択に、評価を改める。向こうの方が一枚も二枚も上手だ。

 

「少しつまらないけれど、今日はこれで良しとしましょうか・・・」

 

そう言って、指をパチンと鳴らす。

それから一分足らずで背後に五つの影が出現する。

 

「撤収するわよ」

 

五つの影を通り過ぎてから短く告げる。

 

「これで少しは楽しくなるかしらね・・・マスター」

 

 

 

 


あとがき

 

天使とダンスでもしてな!

を合言葉に日々AC6に励む綾斗です。

直前までZEROをやっていたせいで操作感覚が馴染めず、TVとの相性が良くないため計器が見えないというハンデを補いつつプレイ中。・・・シュトリゴンの理不尽な高速補正は勘弁してください。

 

前回のあとがきで書いたように「強いぜ!」なヴォルケンズ。

セーラが参戦してようやく五分・・・ではないですね。シグナムもヴィータも奥の手を使っていませんし。

アストラの「見えない」魔法攻撃【ラングアルミヒ】や、セーラのタイムラグゼロの謎の砲撃。

これに匹敵する魔法(技)を果たしてフェイトとなのはは会得できるのか?

 

期待されているかたもいらっしゃるようですが、恭也はしばらく参戦しません。

確かに恭也が参戦した瞬間にその陣営が圧倒的に強くなるのですが、恭也の目的にとっては参戦しないほうが都合が良いためです。フェイトやなのはが敵に回った恭也と戦って絶望に打ちひしがれる姿を楽しみにされている方は残念ですがー(ぇー

暗く、もどかしく、どうしようもない展開の待つアールズ中盤から終盤までどうかお待ちください。





ヴォルケンリッター、強いな。
美姫 「やはり、経験の差は大きいわね」
実戦で鍛えられてるもんな。
果たして、なのはやフェイトはその差を埋めれるのか。
美姫 「益々楽しみになるわね」
うんうん。これからの展開が待ち遠しい。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
次回も待ってます!



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