執念が足りない。

師匠と仰ぐその人から浴びせられた罵声。

言葉は穏やかに。師匠は褒め言葉と嘯くそれを何度言われたか覚えていない。

 

「狂えないっていうのも一つの才能かもしれないねぇ………興味深いものはあるにせよ、そこまでかな。」

 

ある日そう零してから師匠の指導方針が変わった。

ユーノがそう感じ取れるほどの明確な変化。

迂遠な技術上のアドバイスに終始し、頭を悩まされる日々からの解放。

直接的な技術の教授はユーノの魔法を格段に向上させる。

 

「世界が違って見える………。」

 

それまでの自分の検索方法が莫迦らしくなるほどの速度の違い。

これならばと勢い込むと同時に、ユーノは言いようのない不快感を覚える。

これが天才と呼べる者達がごく当たり前に持ってしまう世界の感じ方。

年齢に比して十分な才能と力を持っているユーノから見ても、努力で何とかなるクロノや、天賦の才に恵まれたなのはやフェイトは“違う世界”に生きている。けれども、師事したことで自分も同じ世界に到達して見ると、素直に喜べない自分がいた。

 

見つかるまで数百年掛かる。そう思っていた“闇の書”に纏わる情報に辿り着いてなお、その思いは振り払えなかった。

 

 

「天才、天才、天才………そんなにありがたいもんかねぇ。」

「あ!?」

 

ひょい、とユーノの手からデータが奪われる。

慌てて振り返ると、そこにはいつものように冴えない外見の師匠が立っていた。

その手にはユーノから奪ったデータが握られているが、奪っておいてまるで興味がなさそうだった。

 

「少年は、この情報をどうするつもりかな?」

「どう、って………。」

 

そんなの決まっていると言おうとして、言葉に詰まる。

何故詰まるのか。

理由を聞かれたことに対して詰まる。その理由を考える迷路のような思考の渦に入り込んで、眩暈を起こしそうになるが、踏みとどまった。一重に師匠の言葉遊びに慣れたせいだ。

 

「どうもしません。僕は、僕の仲間にこの情報を届けるだけです。」

「君らしい返事だよ……いつも思うのだが、君の人生の主人公は君ではないないんだね。」

「は?一体何の話ですか?」

「いや、そのままの意味さ。無意識にやっているからなお性質が悪いところだね。」

 

反射的に反論しようとするユーノの前に、データを持っていない方の手が突き出された。

待て、と初めて強い意図を込めた行為を受けて、ユーノは思い留まった。

 

「僕はこれでも君を弟子にとった師匠でもあるから、それらしいことの一つや二つを言う権利はあると思わないかな?」

「は?ええ……まあ、そうです……よね?」

 

お互いそこには自信がなかった。

 

「まあ、立ち話もなんだ。」

 

言いながら師匠は魔法でその辺をふわふわ漂っている椅子とテーブルを呼び寄せる。

重力の枷がない無限書庫では無意味だが雰囲気は大事だ、と普段らしからぬ言葉にユーノは怪訝な顔をする。

そもそもこの師匠。人の内面にここまで関わる人だったか。

人の傷を抉り出すスペシャリストだが、場を整えてまでやろうとする人ではない。

それでもユーノは向かいに座る。この人の言葉は致命傷になるが、決して嘘偽りのない真理を突く。師事するにあたって向き合い続けると決めたのだ。

座りながら挑むような視線を向ける。師匠はへらっ、と卑屈にとられかねない笑いを浮かべた。

 

「君は真面目だよ……さて、どう話したもんか。」

「僕のこと、ですよね。話って。」

「まあ、そうなんだが………明らかに誤解があるようだから言っておくけど、別に僕は君のことをいびって楽しんでるわけじゃないんだよ?」

 

それは嘘だと胡散臭いものを見るユーノに、撫で肩をこれ見よがしに竦めて見せる師匠。

 

「そうでもなければ、縁も所縁もない君を弟子にとることもないだろう?愛玩したければ、それはまた別に確保するよ。」

「えっと……悪趣味カミングアウトしたかったんですか?」

「まさか。僕はそこまで暇じゃないよ。さっきも言ってるけど、師匠らしいことの一つや二つをやろうとしてるだけだって。信用ないよね、僕。」

 

普段から弄ばれているユーノからすれば当たり前のことだった。

そう口にしても、大して堪えた様子もなく「傷つくな〜」とか零す。だから信用されないんだとまでは言わなかったし、きっと言っても効果はないと諦めていた。

 

「こうして言葉遊びで君とじゃれるのも嫌いじゃあないけど………さっきも、言った通り真面目な話をしようかと思ってね。」

 

彼は言いながら闇の書のデータを高速展開して解析にかけている。

その速度はユーノなど敵うべくもない。

 

「僕はさっき、君に“これ”を使って何をするのか聞いたよね?」

「はい。」

「それは、かなり真面目な話だ。僕は僕なりの思惑を以って、君へ一端なりとも技術を伝えた。まぁ、本当に一端だから、惜しくないと思えば惜しくないものではあるが………そう思わななきゃならないのなら、やっぱりそれは惜しいんだろうさ。」

 

解析の手は止まっていた。ユーノの視線も固定される。

狂人ともとれる師匠の眼には、それでいていつもクレバーな理性の光を灯っている。

だから、ユーノは決してこの男の言葉を無視することができない。

 

「君も薄々感じてはいるだろうけれど、僕は世間一般で言うところの犯罪者だ。僕は僕なりの道理と信念を貫いた結果………と言うと格好良過ぎるし、言葉自体はどうでもいいんだけど―――。」

 

研究に狂った自分が研究できなくなっても良いと思うほどの理由(ワケ)。

それに支えられて、結果として犯罪者になったのだから後悔なんてそもそもないと嘯く。

言われた通り、犯罪者の類だと解っていたユーノは自分からそれを口にしたことにも別段驚かなかった。

この手の話題で驚かされるなら、実は清廉潔白な人物でしたと言われた方が余程驚いた。

師匠もその点は当然だろうと特に感慨も無さげだった。

 

「回りくどいけれど……君は執念を以って“これ”を捜していたけれど、これを使って何をするのかっていうのに、僕は興味がある。」

「い、今更ですね。」

「そうでもないよ。会った時に僕はそこまで君のやろうとしていることに興味なんてなかったから、当然だよ。けれども………これを見る限りは興味も湧いてくるさ。」

 

言葉の意味を考えるより先に、師匠の浮かべる嘲りとも憐憫ともとれる笑みにユーノは言葉を失う。

 

「“これ”の重要性を君は認識していない。関わってしまえば、一生涯真っ当な生き方は許されない。“これ”はそういう類のものだ。気付いていない、で許されるものじゃあない。そもそも、こんなものに関わってしまう君の人生こそ興味深いと言えるんだろうね。」

「………重要性?」

「折角だから教えてあげてもいいよ。もう戻れないところまで来ているんだから、黙っていても意味がない。僕は知った君の反応を知りたいから。」

 

急に足元が崩れたような感じがユーノの全身を襲う。地面の感触などなくても、平行感覚が伝える天地の別が曖昧になり、知覚が曖昧な空間に吸い込まれていく。気付けば、額にはびっしりと汗が浮かんでいる。

師匠の言葉が確実にユーノの心を圧している。今回のは、いつもの戯言ではないことを本能が悟っている。

自分は一体何に足を踏み入れたのか。おぞましさが影に潜んでいることは知っていたが、それ以上のものがあるのか。聞きたくなくても、聞かずにはおれなかった。

聞けばこの師匠は答えてくれることを十全に承知していながら。

 

「闇の書の秘密って何なんですか?」

「闇の書の秘密というよりは………そうだねぇ、そもそも何故時空管理局が誕生したのか、っていう類の話なんだよ、これ。」

「時空管理局が誕生した理由って………そんなことは子供でも―――。」

 

そう子供でも理由は知っている。そんな話を一々師匠がするわけもない。

 

「歴史のお勉強になるけれど、そもそも五百年前に一度文明が崩壊したことはスクライア一族の君の方が詳しいよね?」

「ええ、まあ、専門ですから。高度魔法文明の爛熟により巨神兵と呼ばれる大量破壊兵器が量産され、それらを用いた戦争により崩壊したはずです。」

 

最後に何故か自信がなくなってきた。何度も、何度も聞かされて育った文明崩壊の事実。

 

「時空管理局は文明崩壊前から存在していたけれど、崩壊後からはそれを“大破壊”と名付けて高度魔法文明の滅亡を教訓に、各世界間の魔法技術格差から生じる破壊や戦争を抑止するために組織を改編したのが始まりです。」

「うん、教科書にはそう書いてあるね。」

 

あっさりと肯定してから、

 

「でもさ、大量破壊兵器を用いた戦争って、本当のところどうなんだろう?」

「どう、って………。」

「戦争があったことは解ってるのに、“どんな”戦争があったかについては伝わってないでしょう?」

「それは大破壊の影響が大き過ぎて、記録の類が―――っ!?」

 

ユーノは“真実”という名前の雷に打たれて、息を呑み、そのまま呼吸を忘れた。

真っ白なペンキに覆われたように、頭の中も目の前もホワイトアウトする。

直前まで見ていた“闇の書の情報”―――それが途轍もない真実を含んでいるものであること。

 

問題はその中身ではない。

“それ”が存在すること自体だ。

 

「解ったかい?」

「………そんな、でも………そんな莫迦なことがっ!?」

 

だったら、スクライア一族の皆も、育ての親である長老も自分を騙していたことになる。

家族同然に育んでくれた皆が、そんなことをしたと信じたくはない。

歴史の真実を紐解き、遺跡を適性に保存維持するのがスクライア一族の使命であり、その使命感を誇りに変えて、今日まで邁進してきたユーノにとって、天地が逆転するほどの変事だった。

 

「言いたくないなら、代わりに言おうか?」

「結構です!」

 

思わず怒鳴ってしまうが、自分が怒鳴ったことも自覚がなかった。

歯を食いしばり、そんなことはないと言い聞かせながらも心に反する言葉を、吐き出す。

 

「時空管理局は………大破壊の真実を知っているか………知る術を持ちながらあえて放置している、そうですね。」

「正解だ。知っていたとしたら、それは深く、深く隠匿しなくてはならないもの。放置しているとしても、意味はほとんど一緒かな。」

「でも!………でも、そんなことに何の意味が!?」

「知られては困ることが山ほどあるからだろうね。例えば……本当に例えばだけれど、現代の時空管理局こそが“大破壊”を引き起こした者達が興したもので、彼らはその秘密を自分達が取り締まる側に回ることで闇に葬り去ろうとしてるのかもしれない。その辺は僕も詳しくないし、大して興味もないから。」

 

歴史なんてのはそういう陰謀の繰り返しで作られていると嘯く表情は、本当に興味なさそうだった。

しかし、ユーノは「はいそうですか」と頷けなかった。その例え話がもっともらしく聞こえ、ならば身内が片棒を担いでいることになる。

 

「今問題になるのは、君がその事実に気付いたっていう一点にある。」

「時空管理局が隠蔽しようとしている真実に近づくことは、許されない。」

「これは相当マズイ部類の話だね。組織の名前を隠れ蓑に私腹を肥やしたり、自己保身に走ったりした話でもなければ、派閥争いの波及でもない。次元世界最大最高の武力集団という側面を持つ時空管理局の根幹に関わる話だ。」

 

知れば文字通り消されることになるレベルの危険が伴う。

 

「だから、僕は聞くのさ。君はこの情報を友達に渡すと………思想教育を受けて、時空管理局を疑わないことが当然な局員達は僕のような思考誘導を受けなければ気付かないだろう。けれども、それ以外の君の友人達は気付いてしまうかもしれない。問題なのは、気付かなくてもこの無限書庫を探れば旧時代の情報が手に入る“事実”を知られたのだ、と時空管理局の深部に居る者達が思ってしまってもアウトという状況でもまだ、無邪気に友達に渡せるのか、っていうことをね。」

 

どれほど有能であろうと、それは個人レベルでしかない。

なのはも、フェイトも、クロノも、リンディも、エイミィもそうだ。

時空管理局全体を見渡せば有能ではあるが、“補填”の利かない人材ではない。

時空管理局と、五百年を掛けて構築された管理体制を破壊しかねない事実に行き当たった者達を、組織は決して放置しておきはしない。容赦なく始末される道しかないだろう。

 

師匠はそこまで織り込んで、最初から質問をしていた。

友達を死なせる道を選んでまで真実へ挑む理由とは何か。

今となっては、それでも死なせる道を選ぶのかとの問いかけに変わっている。

 

やはりこの人は狂人だとユーノは思わされる。

人の生死に関わることに、ここまで目を輝かせることのできるマッドサイエンティスト。

“友達”が死のうが生きようが知ったことではない。何故そうするのか、何故そうなるのかという子供じみた純粋な好奇心に突き動かされるままに問いかけを発する。稚気というには残酷に思える、子供が昆虫を甚振る姿が重なる。

状況把握だけは正しい。ユーノには絶対に気付けなかった答えを導き出している。

言われた通り、闇の書の情報を渡せば事件は半ば解決したと言っていい。師匠が解析しているデータを斜め読みしただけでも、それが言えた。

だが、この情報は全てを狂わせる猛毒でもある。安易に渡せば、皆殺される。

 

「答えられないっていうのも立派な答えだ。僕は君にやろうとすることに興味はないから、後は好きにするといい。」

 

師匠ならどうするのか価値のない質問をしようとした矢先に、そうして機先を制された。

闇の書の情報がユーノの眼の前に置かれている。奪われたものを取り返そうとしていたユーノの手は、それに伸ばされることはなかった。

 

「僕は………間違ってるんでしょうか。」

「………そこが判らないところなんだよねぇ。」

「え?」

「正しいとか、間違ってるとか………何を基準に言ってるのさ。」

 

倫理?道徳?とありがちな一礼を挙げながら、鼻先で笑い飛ばした。

 

「人間を動かすのは自己規範だ。倫理や道徳はそれを構成する要素の一つでしかない。自分にとって何が最も価値のあることで、それを守るためにどうするのかが大事なことだ。」

 

僕は僕の一番大事なものを奪われたから、そいつから全てを奪い尽くすために採れるあらゆる手段を講じたと嘯く。

いつもの気だるげでやる気のない姿から復讐者であったことなど想像もつかない。

野暮ったい丸メガネの位置を直して、過去を脇に置いた師匠はやはり本心を悟らせない、卑屈そうな笑みを浮かべる。

 

「だからさっきも言っただろう?天才なんて大したもんじゃない。選択を間違えれば死ぬし、それは目の前のことだけじゃあない。世の中で、ただのマッドサイエンティストの方が結果的に実績を残せるのはそこを見誤らないからだ。倫理や道徳、非道を全部合理的に組み合わせて最高の結果を出す方法を選べるからね。ただ、僕は君が倫理や道徳に縛られたいと思うなら、そうしても良いと思う。君のそういった選択を僕は見たいんだから。」

 

丸眼鏡の奥の目がどんな風になっているのか、ユーノは容易に想像がついた。

好奇心だけが肥大化したおぞましい光を放つ瞳。

だが、その瞳は真理を常に見つめている。恐れるものがないかからこそ、何からも目を逸らさない。

それこそが彼の言うマッドサイエンティストの真骨頂なのかもしれない。

 

思わず生唾を呑み込む。

 

何かを選択すること。

自分が9年ちょっとの人生で碌にしてこなかったこと。

目を逸らし続けたこと。

そんな自覚はユーノに一切なかった。

漠然とした恐怖だけがある。

選ぶことは、見えない未来を自らの意思で踏み出すこと。

そして、その責任を自分で負うこと。

 

子供だからこそできる無軌道さは、陰謀渦巻く世界に生きてきた彼の師匠にとっては愚かしくも斬新だった。

選択したつもりでいて、ただお友達の進む道に着いていけば満たされているという幻想を打ち砕く。

数千人に及ぶ人間の思考パターンを複合的にトレースし、一つの結末へと落し込んだ彼にとって、ユーノ一人は何ほどでもないが、ただカオスに追い込むことが自分に新たな喜びを齎すような気がしていた。

 

「さあ、選びたまえよ、少年。」

 

 

 

 

 

 

 

空が夕暮れになる前の時刻。

学校が終わったなのはとフェイトは、迎えが来ているアリサと鈴鹿の二人と別れて徒歩で帰っていた。

てくてく、と子供ながらに少し足早な二人は他愛も無い話をしていた。

主には、学期末を迎え、返却されたテストとそれを基にした通知表。

 

「………どうしよう。」

 

守護騎士達との圧倒的だった実力差も努力で埋めようと勇往邁進する天才魔法少女は、手入れの行き届いた鞄の中の返却された答案用紙に溜息をつく。

 

「正直に………言うしかないんじゃ、ないかな。」

 

人生の裏技という言葉とは無縁の天然さでトドメの一撃を開始一秒で叩きこむのは相方であるこれも天才魔法少女。

つい先ほど、共通の友人であるイギリス人の秀才少女から「アンタら魂的に姉妹よね。」という有難い評価をいただいたばかりの二人は、早速一方が一方を打ちのめしていた。

 

「いや………うん、解ってはいるんだけど………ね。」

 

トホホ、と嘆く天才魔法少女Aこと―――高町なのは、9歳。

9歳とは思えない世慣れぶりを発揮することもあるが、今抱えている悩みは年相応だった。

鞄の中に収められている複数枚の紙切れ、学歴至上主義が廃れたと言われて久しい昨今に至ってもいまだなお、人と同じ生き方を続ける時にぶち当たる学力テストの産物。

有体に言えば、期末テストの答案用紙。遥か高みに位置する強敵にも屈しないなのはでさえ、膝を折られそうになる。

理数系はダントツの100点。セーラ先生の地獄の講義を受けた身にとって、学校の数学など問題にならない。

代わって文系は………お魚さんが一杯跳ねている、もといレ点が一杯だった。

 

これを家族に見せないわけにもいかず、そう思うと気が重い。

桃子や士郎は成績のことはとやかく言わない。塾通いもなのはの希望で行っている。

だが、その大前提がある。

言い出したこと、約束したことを、最後までやり遂げること。

それを果たして信頼を積み上げてきたからこそ、二人はなのはを見守るだけにしている。

常識で考えれば、突然外国人であるリンディが「彼女の力が必要だから協力をして欲しい。」と申し出、身の安全等を保証したところで、門前払いがオチだ。桃子と士郎はリンディが悪人ではないと判断していが、それだけで大事な愛娘を、胡散臭い誤魔化しをしているような危険に身を投じさせたりはしない。

これまでの信頼があったればこそ、リンディの胡散臭さをなのはの真摯さに免じて目零しすることにしていた。

 

もし、なのはが世間で言うところの赤点の答案用紙を持って帰って来たら、フェイト達と一緒に魔法に関わることを禁止されるかもしれない。

両親が頭ごなしにそんなことはしないだろうと思っているが、説得する流れが目に見えているだけに気持ちは必然的に重たくなっていた。

 

それに、悩みは尽きないことにそれだけではない。

 

車椅子の少女―――八神はやて

彼女と一緒に居た、闇の書の守護騎士達。

その事実を、なのはとフェイトは誰にも言わず、それぞれ自分の胸に仕舞っている。

 

 

「ねぇ、フェイトちゃん。」

「……どうしたの、なのは。」

 

テストの話とは別物の気配を感じ取ったらしいフェイト。

立ち止まることなく、顔をなのはへと向ける。

 

「フェイトちゃんは………どうして、守護騎士さん達のこと、クロノ君やリンディさんに話してないの?」

「………どうして、かな。」

 

ほんの少しだけ考える素振りを見せてから、フェイトは自分だけ納得する。

 

「なのはと同じ理由だよ。」

「私と同じ理由………。」

 

それの意味するところ。

クロノやリンディに話しても、解決にはならないから。

二人が嫌いなわけでも、信頼していないわけでもない。

けれども、どうしても二人と共通の認識を持てない部分がなのはにはある。

管理局が当たり前に存在し、その権力に人々が服することが正しいという認識の下に生きてきた二人と、そうではないなのはには、浅いようでいて深い溝がある。

 

―――管理局は守護騎士達を殺すつもりでいる。

 

以前、御雫祇はそう教えてくれた。

だから管理局は自分達以外にアライアンス・グラーバクを投入している。

二人がグラーバクと同じように問答無用で殺すようなことはしないだろうと思っている。

けれども、今回は事情が違う。クロノとリンディにとって、『闇の書』はクライドを死に追いやった存在。

信じたいけれど、信じると言いきるにはあまりに材料が悪い。

 

「目的と理由………私達は、今回の事件でずっとそんなことを言われ続けたよね。」

 

セーラも、御雫祇もそのことを執拗に言い続けた。

フェイトに至っては、敵であるはずのシグナムから。

なのはに至っては、殺人者であるグラーバクのドレッドノートから。

 

戦う目的。戦う理由。

ある日突然魔法に出会い、友達の助けになればと漠然と戦いを始めたなのは。

物心ついたときからプレシアの悲願成就のため魔法を学び戦いを続けてきたフェイト。

目体は曖昧で、理由は他人任せ。

紆余曲折はあったが、それは今も変わってないのかもしれない。

 

何度も問われて、見つめ、答えが出ず保留にしていた。

プレシアの時は、最初はユーノのためで、最後はフェイトのためだった。

しかし、今回の事件はそこに確固たるものはない。惰性で戦うだけとなっている。

高町なのはが戦う理由は何か。

ユーノやフェイトだけが理由ならもう戦う必要はない。

誰も戦い強いたことなどない。今までの戦いは全てなのはが自分の意思で選んできた。

 

だったら、何故戦いを選ぶのか。

 

守護騎士の主―――八神はやて。

あの子の車椅子を押していたシャマルと呼ばれた守護騎士。

彼女の眼を見て、ようやく解った。

彼女達の戦いは全て、八神はやてのことを想ってのこと。

鬼子母神という言葉をなのはや知らないが、意味としてはそれだ。

そして、彼女達が誰の命も奪わないという一線を守っていることも。

守っている。彼女らの名前に冠されているように、守護している。

管理局の強大さも、グラーバクの脅威も全て丸ごと迎え撃ち、どれだけ傷つこうとも守り通している。

 

だから、高町なのはは、彼女達を放っておくことができない。

採っている方法は誤り。正道ではない。

けれども、彼女達は悪ではない。

守りたいもののために、守りたいものの望まない形、そして絶望的に間違った方法を採る。

ほんの半年前のフェイトと同じだった。

 

首から提げている[レイジングハート]を掌に載せて、見つめる。

ユーノから渡された[レイジングハート]は、力そのもの。

以前のフェイトと、今の守護騎士達。彼女達の共通点は、正しくはないが、間違ってもいないこと。なのはの語彙では精一杯としか表現しようがないが、文字通り精一杯考え抜いて、それしか方法がなく、破滅に近付くと知っていてなお、進む。

それが誰かを守る行為だから、許されるものではないことだとなのはは思う。

大事な人を守りたいという願いに基づく悲しい戦いであれば、止めたいとも思う。

 

正しいわけでも、間違っているわけでもない、それでいて大事な人を傷いついても守りたいと願う人を見過ごせない。

 

「そっか………わたし、見過ごせないんだ。」

 

グラスが地面に落ちて割れた時のような、明瞭な音が脳髄を走った。

正しくはないが、間違ってもいない。

それがどれだけ辛いことなのか、フェイトを見てきたなのはには解る。

声にならない哀切の叫びと、見えざる血涙。

不本意な方法で、本意の結果を求める齟齬にいつだって自分が傷ついている。

そんなのは優しい人だけにしかできない。

 

ドレットノートとの会話で答えたそれが、形を伴う。

優しい人が傷つくことが許せない、見過ごせない。

違えることのない本音だが、同時に過るはガルムの末期。

兄であり、兄ではないあの人は文字通り全てをフェイトの救済に費やして、死んだ。

自分の願いはあの人に及ぶものではない。それが枷となってなのはを縛り続けた。

 

エゴが何か、なのはにはまだ解らない。迷ってだっている。

けれども、きっと自分は悲しい世界を許せないから。優しい人が救われないことが嫌だから。

そこに泣いている人が居ればきっと、考える前に手を差し伸べてしまう。

理屈で決められることではない。

 

 

「フェイトちゃん。」

「なのは?」

 

決然たる面持ちと、決意の炎を宿す瞳にフェイトは言葉を呑む。

 

 

「私は、あの人たちを助けたいの。」

「………うん。」

 

言葉の裏の意味を確認するような無粋を、フェイトはしなかった。

詰まる所、行き着くのはいつだってそこなんだと二人は再確認した。

 

「フェイトちゃんは、どうしてなの?」

「私はね………。」

 

そこで言葉が途切れる。

揺れることのないなのはの瞳の中に、揺れる自分をフェイトは見つめる。

 

いつだって戦う理由は誰かの戦いの代行で、自分の戦いなんて一つもなかった。

誰に寄り掛かることもなく、誰に頼られることもなく、自分で選んで戦うこと。

なのはは最初からしていて、自分は最初からしていなかった。

 

揺れる自分から逃れるように瞳を閉じる。

脳裏を過ぎるのは、共に在ることができなくなった人達。

プレシア、リニス、カーマイン、ガルム。

歪だったけれども、みんな真剣にフェイト=テスタロッサの幸福を願ってくれていた。

だから、フェイト=テスタロッサはその人たちに何時だって胸を張れなくければいけない。

強迫観念という言葉が当てはまるほど、フェイトはそう思っている。

我武者羅に突き進み、目を背けた部分もある。

 

誰かに導かれることがないから、取り繕った。

なのはの戦う理由を自分の戦う理由にした。

振り返れば、友達を利用した恥ずべき行為で、自己嫌悪は死にたくなるほど高まる。

それを知ったとしても、誰もフェイトを責めないとしても。

 

「……解らないんだ。どうしてなのか。」

 

素直な言葉が口から零れる。

なのはは、自分が羨まれているとは思ってもいなかった。

そう言われたわけではないけれど、感じ取れてしまった。

 

「私の戦う理由はずっとお母さんで………それは、大切な人の願いを叶えるためのもので………自分が望んだものじゃなかったから、考えたこともなかった。」

 

なのはの眼に映る、吐露するフェイトの表情は許し請うようだった。

―――貴女と一緒に戦った私は、どこかで本気ではなかったと。

どこかでなのはだって解っていた。解っていたから、事あるごとに確認するようなことをしてきた。

それでも埋めきれない何かがあるから、こうして向かい合う覚悟を決めた。

人を救うことがエゴであるなら、それは“自分の願い”に他ならないから。

 

「フェイトちゃんは……私はね、私のためにしか戦えないって気付かされたんだ。優しい人が救われない、報われない、不幸になることが私は認められない。」

 

共に全てを分かち合う友達になったから、と甘えた責任は自分にもある。

全部一緒だからと思いこんで、戦う理由も一緒だなんて思い上がった高町なのはの責任だ。

 

「認められないから、そんな不条理と戦うの。あの人達は大事な誰かを懸命に守ろうとしてるから。それは、八神はやてちゃんだって、この前気付いたの。理由は解らないし、どうしていいか解らないけれど、だからって私は目を背けて知らないふりはできないの。」

 

一つ、一つ、心の中に宿る一番の理由を紡ぐ。

間違えない。間違えてはいけない部分。

 

「お節介だって、邪魔だって、必要ないって、手を振り払われるかもしれない………ううん、今だって力づくで振り払われて、あの人達より弱い私達が助けたいって、ヘンだよね。」

 

無力は辛い。無力だから頼られない。

元来自分よりも遥かに強い守護騎士に助けはいらないのだから、当然かもしれない。

 

「でも、私はそれでも助けたいって思う。相手の都合なんて本当はお構いなしに助けたいって思うの。聞かれれば、何度でも答える。優しい人や、正しい人が不幸になることが許せないんだって。」

 

高町なのは戦う根源で、誓い。

今まで見てきたどんな彼女より決意に満ち、眩しいほどの輝き。

子供なんてとても呼べない。市井の大人では太刀打ちできないほどに、確固たる自分をなのはは見せていた。

そして、フェイトはそんな彼女により大きな負い目を抱く。

なのはのこの輝きに焦がれているだけだったのだと。

 

フェイトの眩しいものを見るようでいて、言葉では言い表せない距離を見せつける表情。

今回のなのはは見逃すことがなかった。

 

 

「―――だから、ごめんねフェイトちゃん。」

「え?」

 

フェイトは小細工なしに絶句した。

 

「私はずっとフェイトちゃんも同じだと思ってたの。フェイトちゃんにも同じ気持ちがあって、同じくらいの強い想いだって、勝手に思い込んでたの。」

 

理由は語らずとも。

―――二人は友達だから。

きっとそうだと思い込んでいた。

 

「これからも私は戦うと思うの。その時、フェイトちゃんが、大事な親友が側に居てくれたら心強いけれど……フェイトちゃんの戦う理由が、意味がそこにないなら………。」

 

フェイト=テスタロッサは戦うべきではない。

高町なのはは掛け値なしにそう思うのだった。

誰かの願いや希望を叶えるためなら、きっとフェイトはどこまでも強くなれる。

プレシアの願いを叶えるために戦っていた時。公園での決闘は今思い返しても博打の要素が強過ぎて、同じ条件で戦ったとしても勝てるとは思えない。それほどにフェイトは強かった。

あの時のフェイトは精神的にギリギリまで追い詰められていたこともあるが、人の願いを背負った強さがあった。けれども、今のフェイトにはその強さが感じられない。技量は上がり、単純な力ならば格段に成長した現在と比較してもだ。

 

それが意味するところは一つしかない。フェイトの支えである戦う理由がないからだ。

嘱託魔導士であることが、減刑に繋がっているが、それでも守護騎士やバーテックスのような強敵との戦いを選ぶ必然はない。

フェイトが職業意識以上の想いで戦えないのであれば、これからの戦いはただ自分の都合にフェイトを巻き込むだけだと思っている。先日、ドレットノートと話してからずっと考えていたことの一つだった。

 

高町なのはは、フェイト=テスタロッサの手を引かない。

それが本当に対等な友達だから。共にあることと、手を引く事は別物だと。

言われたフェイトは茫然としながら、自分が思っている以上にショックを受けていないことを逆に驚いていた。自分でもどこかで思っていたことだ。

シグナムや御雫祇の言うように、戦いに不要な感情を持ち込んでしまう自分の不安定さを理解していたからかもしれない。

 

なのはほどの確固たる理由は、ない。

残酷だが、それが事実。それを受け容れて欲しいと言われても、フェイトは即答できなかった。

 

「なのは……私はずっと、足掻いてるの。」

 

何を、とはなのはにとって聞くまでもなかった。

 

「お母さんは、私をアルハザードへ連れて行けないって言った。それは、私が望んでたお母さんとの幸せな生活から離れて、自分で新しい幸せを見つけなさいって、言われたんだと思う。」

 

それが全てだったフェイトにとって、幸せを新しく探すことは大変なことに思えた。

けれども、それは驚くほど早く見つけることができた。

なのはが居て、アルフが居て、アリサや鈴鹿が居て、クロノやリンディやエイミィが居て、セーラや御雫祇が居て、日常を送ることができる。代わりにはなれないけれど、それで十分にフェイトは満たされた。

 

「私は見つけることができだよ。お母さんに胸を張って紹介できる友達も居てくれる。」

 

衒いなく、なのはを見るフェイトの眼には確かな信頼が宿っている。

なのははその眼に照れながら、その意味するところに辿り着いて虚を突かれた。

 

「そっか………フェイトちゃんにとって、戦うことは―――。」

「当たり前な環境なんだ、私にとって。理由がなくても、戦える。それが私の日常で、これからもそうだから。」

 

アリサと鈴鹿の二人を除けば、フェイトの周囲は戦うことが当たり前で、減刑のために得た嘱託魔導士も戦うための役職だ。誰かを助けるとか、誰かを護るとか、そういうこと以前に戦う立ち位置にフェイトは居る。

社会から外れて生きてきたフェイトは、一般的な管理局員が言うような、社会秩序の維持という大義を他人事にしか感じられない。感覚はサラリーマンに似ている。彼らは自分の行為が会社の成長や社会貢献に繋がると日夜目的意識を持って働いているわけではない。ただ、与えられた眼の前の状況を捌いているだけだ。

 

「それでも、私はお母さんやガルムさん、カーマインさん達に胸を張れる生き方をしなきゃいけないから。苦しんでいたり、困っていたりする人を放ってはおけないかな。」

 

とても深く、滲み出るような苦笑いをフェイトは浮かべる。それ以上の言葉は出せないと。

自分の幸福はどう進めばいいか解らない。だから、フェイト=テスタロッサは追い掛ける。

自分が大切な人達からしてもらえたように、苦しんでいたり、困っていたりする人を全身全霊で助けたいと思う。

なのはと同じようでいて、少し違うその想い。結果は同じかもしれないが、動機が違う。

なのはが幼い頃からの環境で培われた正義感に基づくのに対して、フェイトは生きる為の指針の一つとして。

 

その違いを、なのはは感情で表現できず、結局苦笑いになってしまった。

親友であっても、違う。その違いは寂しいようで、ほっとさせられた。

 

「私も、そんなに強い気持ちかどうかは解らないんだ。だから、フェイトちゃんと一緒だよ。」

「そうだね……私はいつも迷ってる。でも、迷っていたらきっとなのはがこっちだよって手を引いてくれる。間違った方向に行こうとしたら、立ち止まらせてくれる。まだ、私が甘えて、助けてもらうことの方が多いかもしれないけれど。」

 

フェイトも苦笑い。それでも、その眼にはなのはへの信頼がある。

 

「ううん……それは、私も一緒だから。私達は鏡なんだよ。お互いを映し出して、間違っていたら、気付かせてくれる。迷っていても、間違っていても、助けてくれるのはフェイトちゃんも一緒だから。」

 

信頼には信頼で応える。当たり前よりも、条件反射としてなのはは言葉を返していた。

 

「あの人たちを、八神はやてちゃんを、助けよう。」

「うん、なのは。」

 

だから、この確認は必然。

戦う根源、動機は少し違うかもしれない。

それでも、求める結果は同じだ。

何から何まで一緒である必要はなくて、それでも親友で居られることが確認できた。

 

「どうして戦わなきゃいけないのか、今はまだ解らない。でも、きっとそれはあの人達が優しいから。」

「うん、フェイトちゃん。」

 

闇の書がリンカーコアからの魔力を求めるのは、闇の書を完成させるためかもしれない。

それがプラグラムだからと思っていたけれど、それは八神はやてを助けることに繋がるとは思えない。グラーバクが狙っているから、自衛のためにかもしれない。

 

その辺りの事情は解らなくても、結論は出た。

 

「だったら、私達のやることは決まってるよね。」

「うん。」

 

後は言葉にせずとも十分に伝わる。

自分の正義感。自分の生き方の指針として。

 

高町なのはと、フェイト=テスタロッサは、八神はやてと守護騎士を必ず助ける。

例え死闘を演じることになろうとも。

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、その前に、お母さんとお父さんに答案用紙を見せるって戦いはあるけど、頑張ってね、なのは。」

 

「はにゃっ!?」

 

 

壮大な死闘の前に、違う意味で般若羅刹との死闘が、なのはには待っていた。

 


あとがき

 

久しぶりにとらいあんぐるハート3をプレイして思ったこと。

「あの頃の高町なのはを返せー!」でした。

まさしく、「こんな、なのはに誰がしたぁ!?」ですね。

個人的には発売当時、「愛でる妹・なのは」「萌える妹・乃絵美」という攻略不可キャラの双璧でしたね。解らない人は、名前でググッて下さい。

 

それぞれ戦う理由の確認で妙に長ったらしいのが気に入らず、実はここで筆が完全に止まりました。ぶっちゃけ、丸1年間。

その間、筆の力を落とさないように色々書き散らかしつつ、ちょっと強引に書いてみました。

 

昔の話はさておき、本編の話を。

師匠の正体、知ってる人は知ってると思います。

丸眼鏡で冴えないキャラ。ラストの真実を知った時、トップクラスのマッドサイエンティストだと思いました。言動や行動、思想がキレて頭がおかしいわけではなく、ただ己の目的のために採る手段のおぞましさに、全身に鳥肌が立ちました。

こいつに比べればスカリエッティなんてただのナルシストですよ。

あれ?この人の師事を続けていたら、ユーノ君って敵キャラになるんじゃないか?

 

少女達の覚悟は決まり、ここからラストへ雪崩れ込んでいきます。

オヴニルが職業軍人集団ならば、悪党の集まりであるグラーバク。

十一年前の事件に関わっていたユアンとディアルムド。

ミスリードにより事件を混乱させるグレアム。

同位体の自死寸前になってもまだはやてを救うことにこだわる恭也。

 

その謎が少しずつ明らかになりつつ、運命の聖夜を迎えます。

原作のラストをハッピーエンドというのはどうかと私は思っています。

精々、グッドエンド止まりかな、と。

何故かっていう理由は色々捉え方があるにせよ、結論から言えば数年掛けて八神はやてを罠に嵌める算段をつけ、それに周囲が気付かず、ギリギリまで追い込まれたからとしか言えません。

ギルバート=グレアム。彼が本気で八神はやてを救うことに全力を尽くせば、もっと違う未来があったにも関わらず、クライドの復讐に目が眩んだために、グッドエンドになりました。

 

さておき、残念ながら、このままだとアールズはバッドエンドなのかな、と

人の捉え方次第でしょうけれども、作者である私はそう考えています。

 

それでは、次回またお会いしましょう。




なのは、フェイト共に今回の事件で戦う理由みたいな物は見つけた感じかな。
美姫 「なのはの方はもっと進んだ形で理由が見えてきているっぽいわよね」
だな。でも、フェイトの方は未だにはっきりとした物は見えていないって感じかな。
美姫 「ともあれ、最早迷ってばかりもいられない状況になりつつあるしね」
そうだな。いよいよ事態が大きく動くのか。
美姫 「次回が非常に気になります」
次回も楽しみにしてます。
美姫 「待ってますね〜」



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