始めまして、高町なのはです。

 

今日、私は出会いました。

 

夢であった、悲しい人と

 

私は、彼の事を全く知りません

 

彼も、私の事を全く知りません

 

だから、知ろうと思います。

 

新しい私の家族の事を

 

Scaffold of Person condemn始まります。

 

 

朝日も上りかけの時間、山中で二つの影が向き合い交差する

 

片方は二刀の小太刀を構え

 

片方は陰陽の中華刀二本を構え

 

ギィン

 

打ち合い、受け流し、避ける

 

小太刀を構えた成人男性は加減しながら

 

中華刀を構えた少年は全力で

 

時間は余りたっていないのに、二人は思う。もうどれ程打ち合ったか? 

 

男は思う。少年が此処までの実力を見に付けるのに、どれ程の修羅場を潜ったのか?

 

少年は思う。之が知っているだけの自分と、才あるベテランとの差か?

 

不意に少年は脳内に男性の使う小太刀を投影(イメージ)する。

 

ソレを切欠にハッキリと解かりだす太刀筋に、笑う。之が、自分の戦い方だと

 

ソレを切欠に男性は獰猛な笑みを浮かべる。唐突に少年の見切りのレベルが上がり今まで以上に、受け流され避けられる。血が滾る。

 

楽しい時間が過ぎ、朝日が完全に顔を完全に出す。

 

お互いに残念そうな、顔をする。

 

時間が来た。

 

互いに一定の間合いを取り、同時に駆け出す。中華刀が宙を舞った。

 

 

 

ざぁっと湯船から湯が流れ落ちる。少し熱めのお湯が体に沁みる。

それはこの子も同じだろうと、士郎は思う。湯船が気持ち良いのか、ふやけた顔をしている少年を見ていると安心する。今この時だけは、少年が焦っていないのが解かるからだ。そして、先ほどの訓練の事を思い出し聞く

 

「シロ君、さっきの訓練で見せた最後の奴は・・・」

 

「ええ、取り入れるつもりですよ。余り良い印象はないですけど、今からなら二流レベルでも身に付きそうですから・・・それよりもアレは何なんですか?」

 

士郎は自分と同じ名前の少年の問いに、少し考えてから答えた。

 

「アレは家の流派が使う基本技で「徹」と言う。まあ簡単に説明すると、衝撃が奔る斬撃だ。後、防御をすり抜ける斬撃の「貫」ってのも在る。ここから先は流派の奥義とかの話になるから・・・」

 

「いえ、別に良いですよ。俺も門弟では無いですし。」

 

シロ君はそう言い、目を瞑る。会話の無い、まったりとした雰囲気に成る。その後、何故試合の途中見切りのレベルが上がったのか、の種明かし等を話して貰いながら一緒に風呂を上がった。

風呂上りに恭也から「俺以上に親子らしいな」と言われた。愛する息子に言ってやりたい、「それは、お前が無愛想すぎるからだ」と

 

 

 

テーブルの上にはサラダ、良い具合に焼かれたトースト、ハムエッグにケチャップやソースなどの調味料が並べられ、末娘以外の家族が席についている。

正直、楽しみでしょうがない。娘のリアクションが・・・恭也も顔が少しにやけている。すると、階段を下りてくる音が聞こえたので表情を引き締め直しいつも通りに振舞う。サプライズの始まりだ

 

 

side士郎(子)

 

朝食が始まる前に高町家全員(なのはを除く)に、向こうが何かしらのリアクションを起こすまで何もしないでくれと言われた。皆ノリが良いな・・・

末娘の子はなのはと言う名前の女の子で、今の俺と同い年との事だ。士郎さん曰く「桃子に似て美人だぞ!!」恭也さん曰く「妹は美人になる美少女だ・・・血迷ったらフフフ」と言われた。

取り合えず、二人が親馬鹿と重度のシスコンで在る事は理解した。少女の未来(付き合う男性)が心配で成らない。

最初に士郎さんに言われた通りに、雰囲気に溶け込むように食事を開始したのだが・・・気付かれるまでに五分掛ったのには驚きだ。

 

「?・・・・・・・・???????!!!」

 

如何やら、驚きすぎて声が出ないらしい。驚く表情が可愛らしいと思ったのは、秘密にして欲しい。後が怖い。

 

「えっと、彼方は・・・?」

 

俺に向かって質問するなのはちゃんに、士郎さんが笑いながら言う。

 

「今日から家に住む事に成った、衛宮士郎君だ。仲良くするんだぞ、なのは」

 

俺は士郎さんに続いて言う。始めましてと、起きたら絶対に言おうと決めていた「■■■■■」を

 

「始めまして、今日からお世話になる衛宮士郎です。なのはちゃん・・・でいいのかな? これから宜しく、それと・・・・ありがとう」

 

なのはちゃんは「あ・・・・」っと言った後、フラリと立ち上がり俺の隣まで来て突然泣き出した

 

呆然とする俺に抱きついて泣く少女、俺は一体彼女に何をしたのだろうか?

何か気に障る事を言ってしまったのだろうか? してしまったのだろうか?

そんな考えが、グルグルと頭の中を駆け廻る。士郎さんも桃子さんも笑って何もしてくれない。恭也さんは何時の間にか鋼糸で縛られている。縛っているのは士郎さんだ、美由希さんは何か思い出したかのようにポンと手を打っていた。

俺は取り合えず謝ることにした。たぶん、悪いのは俺だから

 

「えっと、ごめん。何か気に障る様な事を言ったなら、許して欲しい。」

 

なのはちゃんは泣きながら答えた

 

「違う・・・の・・・私何も・・・出来なかったの・・・に助けて上げられなかったのに・・・ありがとうって言われたから」

 

あぁ、この子は優しい子だ。俺なんかの為に泣いてくれている。漠然とだが解かった。

この子は悔しいんだ。

この子はあの時、俺を助けようとしてくれていたから、でも何も出来なかったと思っているから悔しいんだ。自分に礼を言われる資格が無いと思っているんだ。

ならば、衛宮士郎。お前のする事はなんだ?

 

そんなのは決まっている、この子の涙を止めることだ。

 

「女の子には優しく」だろ? 切嗣

 

「違うよ、なのはちゃん。君はずっと声を掛けてくれていた。君のお陰で俺は、独りじゃなかった。だから、ありがとう。君が涙を流さなくて良いんだ。それに」

 

なのはちゃんは「ふぇ」っと顔を上げてくれたので、オドケタ風に言う。

 

「君が泣き止んでくれないと、恭也さんに何をされるか分からない」

 

なのはちゃんは、服の袖で涙を拭って

 

「うん!! 私は、高町なのはと言います。これから宜しくね士郎君」

 

と言い笑ってくれた。

 

「あっ、なのは」

 

「何? お父さん?」

 

「士郎君の事はシロ君と呼ぶように、お母さんが決めたから」

 

「シロ君?」

 

少し首を傾げながら、なのはちゃんが俺に聴いてくる。

 

「そう言う事らしい、」

 

根性が無いとか意地が無いとかはスルーして欲しい。だって俺も桃子さんには勝てない。士郎さんの目がトテモ優しいのが気になる。

 

「うん、私の事は呼び捨てで良いよ」

 

「分かった、それと時間は良いのか?」

 

なのはは時計を見た後「ニャーまた遅刻だぁー!!」と走って家を出て行った。

 

俺も早く朝食を片付けようと思い振り向くと、修羅が居られました。

何も聴かないで欲しい。俺に言えるのは桃子さんを怒らしたらいけないと言う事だけだ・・・恭也さんは無事だろうか

 

 

 

その後、俺は手伝いと言う事で士郎さん達が経営している「翠屋」でウェイターをして一日を過した。桃子さんの目が妖しく光った様な気がしたのは、気のせいだと思いたい。

 

そして、夜が来る。

 

高町家の皆と夕食を終え、士郎さんと風呂に入り、俺は自室として使わせて貰っている客間へと戻り、簡易結界を張る。本当なら出来ない魔術を行使できるのは、小さな相棒と『刻み込まれた知識』のおかげである。それと同時に恨み言もある。

俺と言う衛宮士郎は普通ではない。その魂と呼べる部分で、幾つもの『エミヤシロウ』が存在している。『俺』に取って『エミヤシロウ』の知識と戦闘経験は為に成る物だが、『記憶』は毒でしかない。

 

幾つもの『エミヤシロウ』が入り込んだ『俺』はその記憶があるが故に情緒不安定に成りやすい、つまり戦闘をするにも日常生活を営むにも今の『俺』は危ういのだ。之は、美由希さんと模擬戦をした時に判明した。

 

そして、それを回避する為に睡眠の際に『エミヤシロウの記憶』という部分を消しているのだが、この行為自体が危険であり下手をすれば『俺がすり替わる』事に成る為、少しずつしか出来ない。その結果、俺の睡眠時間は長くて四時間、早ければ二時間ほどしかない。

 

まあ、その短い睡眠時間のおかげで『魔導士の使う魔法』の勉強が出来るのだから±0なのだが・・・・いや、マイナスか? 

この魔法を使う才能は、元居た世界の『魔術』よりは在るのが救いだ。へっぽこには変わりないが・・・相棒曰く「組み立てるのは天才的に巧いですが、マスターの魔力では話になりません。私の修復が完璧に終われば関係は在りませんが」とのこと。

相棒・・・ダンは『万華鏡』の弟子の作品らしい、元居た世界は消滅したそうだ。なんでも自分がマスターと認める者が居れば回避する事が出来たらしいが、生憎その世界には居なかったとの事。まあ高性能すぎるダンの使い手の条件が出鱈目すぎるのもいけないのだが、知識だけで知る『万華鏡』。その弟子の作品なのだから納得してしまう。

 

廃人か大成するかの二択だもんな〜。

 

忌まわしい事に「ルビー」と名乗る腐れ魔法ステッキは、ダンに使われている技術が使われているらしい。之を知った時は発狂するかと思った。俺の中の『エミヤシロウ』の内の何人かが、そのおかげでかなりの『エミヤシロウ』『記憶』を駆逐できたので良しとする。その『エミヤシロウ』の殆どが遠坂と深い関係に在ったのだが、その辺は忘れたい。だってイロモノ過ぎるのだ。

 

ダンが、俺が殆ど使う事が出来ない魔法の知識を教授する理由は分かっている。俺に考えさせない為だ『一』という存在を、只でさえソレを見つけ出す為に考え焦って居るのだ。此の儘では日常生活を営む事すら危うい位に、精神が揺れてしまうと判断したのだろう。

今日、士郎さんと模擬戦した山で精神安定の効能の在る薬草を発見したので、ソレを加工して定期的に摂取すれば幾らかは大丈夫に成る筈なのだが・・・之は一度寝てからダンと相談しよう。俺はそう思い布団の中に潜り込んだ。

 

 

Sideなのは

 

ベットに潜り込み朝の事を思い出すと、顔が熱くなります

 

「変な子だって思われてたらどしよう」

 

うぅ〜、でも夕食の時は普通に喋れてたし、そんなに心配する必要もないんじゃないかな〜と思って良いのではないかと思っても、やっぱり変な子と思われてるかも知れないと思ってしまう自分がいるわけで・・・

 

「それもこれも、お姉ちゃんがあんな事言うからです」

 

お姉ちゃんとお風呂に入った時、「この間、相談しに来た夢に出てくる男の人って、シロ君の事だったんでしょ〜」と意地悪を言うからシロ君の事を変に意識してしまうのです。

 

「でも・・・シロ君の髪、綺麗だったな〜」

 

お風呂上りのシロ君の髪は、僅かに残っていた水滴が光を反射してとても綺麗な白銀色でした。なんだか女の子として負けたような気がするのですが、シロ君はお風呂上りの私を見て「なのはの髪は綺麗だな〜」と言います。とても嬉しいのですが・・・その・・・なんと言うか・・・真顔で言うので、恥ずかしすぎて、ありがとうも言えなかったので、怒っていないかが心配です。

 

「仲良くなれるかなぁ?」

 

私は部屋の電気を消して、考えます。

 

よし!! 明日はシロ君に学校の事とかアリサちゃん達の事を話そう。そしてシロ君の事を教えてもらおう。

私は心の中でそう決意してから、目を瞑りました。

 

 

 

 


あとがき(懺悔とも言い訳とも言う)

 

士郎さんをハチャッケさせたい。ソレが出来ないのは自分の腕の無さ。BINです。

少し無印に入るまで話数が在ります。

ついでに士郎君の魔力ランクはC。成長してもC+かB−です。

ドコまでもヘッポコ。ドコまでも二流。

魔術なら道具をそろえれば・・・・通常? 位です

投影が反則ですけど、体が余り耐えられそうに無い。宝具連続使用不可の宝の持ち腐れ状態。

精神にも爆弾が・・・・この子大丈夫かしら?





なのはとのご対面〜。
美姫 「高町家は皆ノリが良いわね」
とは言え、いきなりのなのはの涙には戸惑うよな。
美姫 「そこは上手く対処できたみたいだし」
これからどんなお話が続くんだろう。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
待っています。



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