始めまして・・・で、良いのかしら? 高町桃子です

 

昨晩、士郎さんがシロ君に「お父さん」と呼ばれニヤけていました。

チョット期待しつつ、シロ君におはようと言ったら、「おはよう御座います。桃子さん」と言われました。

 

桃子さんの事は「お母さん」と呼んでくれないの?

 

悲しみの余りに今日は計画を実行してしまいます。「お母さん」と呼んでくれるまで、止めてあげないわ。

 

因みに士郎さんの事は「士郎さん」と呼んでいたので、ちょっと溜飲が下がった桃子さんだったりします。

 

早く「お母さん」と呼ばれたいわぁ〜、あっ「お義母さん」でも良いかも

 

それではScaffold of Person condemn始まります。

 

 

 

 

 

 

時間は昼

 

場所は料理雑誌にも取り上げられた事の在る喫茶店。その名は翠屋

 

そして、其処で働いているウエイターは

 

何を勘違いしたのか、執事服を完璧に着こなした少年だったりする。

 

「いらっしゃいませ、お嬢様。今日のお勧めは、当店自慢のシュークリームと今月限定のチョコレートケーキ、シェフの気まぐれスイーツと成っております」

 

完璧なまでの礼、男性客と女性客で違う呼び方をし、瞬時に現在のお勧め商品を言う接客、丁寧な言葉遣い、絶やす事のない笑顔を駆使し、少年執事・衛宮士郎は心の中で号泣しながら、高町夫婦の手伝いをしていた。

 

その姿をスマナイと思いながら見守る男は、高町士郎

 

その姿を見て、「私の目に狂いは無かったと」思っているのは高町桃子。

士郎(子)に執事服を着せた張本人であり、執事服を秘密裏に仕立て上げた女性である。

 

この日より、翠屋の客層にマダムが増えたのは突っ込まないで欲しい。彼が余りにも憐れで成らない。

 

その様な出来事が在った事を、もちろん知らない高町なのはが、帰宅して見たものは

 

縁側で煤けた背中を見せながら、お茶を啜る衛宮士郎と

 

その隣で無言でお茶を啜りながらも、時折士郎(子)の肩に手を置き。自分も見たことの無い、優しい眼差しで一言二言何かを言っている兄・高町恭也だった。

 

 

Sideなのは

 

「・・・・・・お姉ちゃん」

 

私は勇気を出して聴いてみます

 

「何が在ったの?」

 

お姉ちゃんは、お母さんを見て私に言いました。

 

「お母さんが遣り過ぎたの・・・それだけよ。だからシロ君には何時も通り接して上げて、今は同じ経験がある恭ちゃんが慰めてるから。」

 

シロ君達の方を見ると、お兄ちゃんとシロ君が夕日を背にヒシッと抱き合っていました。良く見れば、二人の目元に光るモノが・・・・・

 

「お母さん!! シロ君に何したの!!」

 

「うぅ〜、お母さんは恭也からお説教されたばかりだから今は許して〜」

 

お母さんは項垂れて言うけど、許しません

 

「駄目です!! 許しません!! ちゃんとお話してください!!」

 

それから私はお母さんに、お話を聞きました。なんでも、シロ君に執事服を着て貰ってウエイターをして貰ったそうなのですが・・・流石にそれは恥ずかし過ぎると思います。シロ君、辛かったんだね。恥ずかしかったんだね。

でも大丈夫だよ!! 私がお母さんを説得したから!!

 

後に、桃子は語る「あの時なのはから、怒った恭也以上のプレッシャーを感じた」と

 

 

 

私がお母さんを説得し終わったのは、お父さんが料理がを運んできたのと同時でした。そこで、気付いたのですが。今日のご飯はお父さんの手作りなのです。

お父さんのご飯は久しぶりなので、とても楽しみです。シロ君も吹っ切れたような笑顔で料理を運んでいます。

 

その姿を見ると心から安心しました。男の子のお友達は、私にとって始めてのモノでして・・・とても大切なのです。しかも、シロ君は私と同じで今年で八歳。シロ君はややこしい事情が在るらしくて学校には行ってないけど、来年からは通えるとの事。つまり、私が三年生に成るときは一緒に学校に通えるのです。

それが今からでも楽しみで、アリサちゃんとすずかちゃんにもシロ君の事は秘密にしています。二人に秘密にしているのは、驚かせたいからです。

お母さんは学校の学力などの事をしていましたが、それも杞憂に終わりました。シロ君、頭が物凄く良いんだよね・・・・特に外国語、英語にドイツ語はペラペラでした。お父さんは最初から知っていたようで、お兄ちゃんとお姉ちゃんに「たぶん、二人より勉強できるんじゃないか?」と言っていました。

実際に、その夜二人が凹んでいたので・・・

シロ君はなんで二人が凹んでいるのか分からずに、首を傾げていました。私もこの間、国語の宿題を手伝ってもらいましたので・・・その凄さを知っています。

なんだか、お兄ちゃんが増えたみたいで嬉しいです。だからでしょうか? 食事中にお茶を取ろうとしたら、シロ君がお茶を取ってくれたので私は自然と

 

「ありがとう、お兄ちゃん」

 

っと、言ってしまいました。ご飯の味が分かりません。恥ずかしすぎて・・・

だから私はその後何が在ったのかを、良く覚えていません。

 

 

Side 士郎(子)

 

時が止まった。

 

なのはは自分が言った事を理解したのか、顔を赤らめながら急いで食事を終えて部屋に戻っていった。

 

時は止まったままである。俺と恭也さんの

 

他の三人は普通に食事中で、士郎さんは笑っているし、桃子さんも「あらあら」と微笑みながら食事をしている。美由希さんは面白い物を見つけたように俺と恭也さんを、ニヤニヤと見ている。

 

「ふ・・・・フフフフフフフフフ」

 

最初に聞こえたのは、身も竦む様な声

 

「きょっ、恭ちゃんが壊れた!!」

 

「む、まずい!!」

 

「あらあら」

 

「ヒィ!!」

 

逃げ出そうとした、俺の脚に鋼糸が絡みつく。

 

「シロ君・・・俺は忠告したはずだ・・・・なのはに手を出すなと」

 

「いやいやいや!! 出してませんって、アレはなのはが言い間違えただけでしょう!!」

 

「なのはの兄は俺だけだ!!」

 

「話聴いてねぇ!!」

 

その後は襲い掛かって来る恭也さんの隙を突いて、鋼糸を外し逃げ回った。途中、士郎さんと美由希さんが加勢してくれたので三人で恭也さんを撃退した。

三人掛りでも危なかった。

俺達は気絶した恭也さんを部屋に放り込み、風呂に入った。勿論、美由希さん抜きでだ。体中の傷を見せる訳にはいかない。

そして、俺は部屋に戻りダンに状況を聞いた

 

「それで、どれくらい回復したんだ?」

 

「五割強といった所です。もう少しすれば通常戦闘も出来るように成りますし、現在は端子を飛ばして高町家を中心とした半径三十キロメートルを散策中です。」

 

ソレを聴いて思う。コイツを作った人は紛れも無く天才であると。ダンからは説明されるよりも、解析した方が早いと言われ解析したから機能は知っている。

それでも高性能すぎる様な気がする。

 

「マスター、マスター、考え込んでないで私の話を聴きなさいへっぽこ!!」

 

「へっぽこは酷くないか?」

 

まあ、事実なんだけどさ

 

「事実です。散策中に面白い話を聞きまして」

 

「面白い話?」

 

「はい。今現在、その話をしていた人物達はマスターと高町士郎氏が模擬戦闘を行っている山中に潜伏中です。見てもらった方が早いので映します。」

 

その時まで俺はダンの言う面白い話というモノを、若い人たちがバカな事をする準備をしている。または行っている事だと思っていた。

 

 

Side 士郎

 

殺気を感じた。膨大な殺気を

俺は飛び起きて、小太刀を片手に殺気を感じた場所・・・シロ君の部屋まで走った。

途中、俺と同じく殺気を感じたんだろう。恭也と美由希が俺と同じように小太刀を持ってシロ君の部屋の前に居た。

 

「父さんさっきのは」

 

恭也の言葉が終わるのを待たずに、俺は戸を開けた。俺の後ろで息を呑む音が聞こえる。たぶん、俺も無意識に生唾を飲んでいる。口の中はカラカラに乾いている。戸を開けた先にはシロ君が居た。

 

紅い外衣に身を包んだ、一人の戦闘者としてのシロ君が

 

シロ君はゆっくりと振り向き、何時も通りの表情で言う

 

「士郎さん、チョット害虫駆除に行ってきます」

 

「まってくれシロ君」

 

そう言う俺にシロ君は、微笑を浮かべて言った

 

「大丈夫です。ちゃんと帰ってきますし、俺も『家族』を護りたいですから」

 

そして、シロ君は人が出してはいけない速度で窓から出て行った

 

「恭也!! お前、偶に警察関連の仕事をしていたな?」

 

恭也は突然の俺の質問に狼狽えたのか「あ・・・ああ」と言った

 

「だったらその人に連絡しろ、理由はでっち上げで良い!! 美由希、着替えて付いて来い。出来るだけ早く」

 

「え?う、うん!!」

 

「一寸まってくれ父さん!! シロ君は何所に行ったんだ!!」

 

「敵だ!! シロ君は戦いに行ったんだよ、護る為に!!」

 

俺はそれだけ言うと着替えに戻る。桃子が部屋に居たが何も聴いては来なかった。只一言「ちゃんと帰ってきてね」と言われた

俺は桃子に軽くキスをしてから部屋を出た。玄関では既に美由希が待っていた。言葉は無い、そして俺達はシロ君の気配を追って走り出した。

 

「この方向は・・・何時もの所か、美由希この間の山だ!! シロ君はそこに向かっている!!」

 

俺は直ぐ後ろに居る美由希にそう言って、走る速度を上げた

 

「ねぇ、お父さん」

 

「なんだ美由希?」

 

「シロ君のあのスピードは何?」

 

美由希はシロ君の動きの早さに付いて聞いてきた。

 

「リミッター外しと神速とは違う歩法の融合だ。」

 

「嘘っ!! そんな事したらシロ君の体が壊れちゃうよ!! ていうか神速!?」

 

ああ、当たり前だ。人間は元から持つ力の十%から良くて三〇%しか、力を出せない。そうしなければ、体が耐えられないのだ。しかし、彼は・・・シロ君はソレを外して戦闘できる方法を知っているのだ。彼はそれを「強化の魔術」を使った、出来損ないの「身体強化」と言っていた。

筋肉と骨、それと血管の耐久強度を「強化」すれば五分は戦える。リミッターを全部外さず五十%位で戦えば、八分は持つと言っていた。だから俺と模擬戦をする時は時間を五分に設定して、行っているのだ。確かに、彼の精神状況での戦闘時間も在るが・・・それよりも肉体的に壊れる方が早い。

更に言えば、神速とは違う移動術を併用している為、負担は神速よりも大きい。

 

「お父さん!! 何でシロ君はそんな事をするの!! なんで黙ってたの!!」

 

「シロ君はその状態で戦える技法を習得しているんだ。それでも危険性が高いから、時間制限も決めているしこうやって急いでいる」

 

「分かった、今はソレで納得しとくけど。終わったらちゃんと聞かせてもらうからね!!」

 

そして俺達は辿り着いた。暗い山の中に、シロ君は直ぐに発見できた。恭也も山に入る前に合流した、車の方が少しだけ早かったらしい。山中に入りながら恭也に聞いた所、恭也の隣にいる女性リスティ・槙原さんがたまたま近くに居たから乗せて貰ったそうだ。彼女は警察の民間協力者らしく、ある程度は顔も聞くので着いて来てもらったのだと、恭也は言っていた。

そして、俺達はシロ君を発見したと同時に動けなくなった。いや俺だけは動けた、過去ボディーガードの仕事の最中数度だけ出くわした強者との戦闘経験が在ったからなのかもしれない。それでも息が苦しい、冷や汗が流れる

 

「くぅ!!」

 

「がっ!!」

 

「っっ!!」

 

「意識を確り持て、飲まれたら動けなくなるぞ」

 

そして、俺達が苦しむ程の膨大な殺気の持ち主・・・衛宮士郎は口を開いた

 

 

Side out

 

その場にいた男達六人は、時間が来るのを待っていた。勿論堅気ではない。男達は全員とある『組織』に属して居り、上に上がる事を渇望していた。そんな所に、とある情報が入ってきた。「不破の生き残りと月村の者が婚姻を前提に付き合っている」と、勿論この情報を持ってきたのは六人の中の一人だ。

数週間の下調べを行った結果その情報が正確なものとなり、不破の生き残りが住んでいる場所も見つけ出した。だから、今夜忍び込む為に集まったのだ。さらに言えばこの事は組織にも報告していない、手柄を横取りされたくないからだ。そして、間の悪い事に衛宮士郎が聞いた男達の会話は

 

不破の生き残りの抹殺する

 

女が三人居るから、不破の血を継ぐ者は捕らえて孕まそう。子は戦力になる。

 

薬漬けにすれば、何も出来やしない

 

という、外道の会話だった。

 

これだけなら、警察に不審者が居ると通報して終わりだった。勿論、ダンの監視を付けて

しかし、男達は写真を持っていた。自分の良く知る人達の写真を

其処から先は想像しやすい、彼等は衛宮士郎の怒りに触れてしまった。『家族を護る』と誓ったばかり衛宮士郎の怒りに

 

声は彼等の頭上から聞こえた、殺気で動けない彼等は冷や汗で全身を濡らしながら視線を頭上に上げた。

彼等の死神は木の上に居た。紅い外衣を夜風に靡かせ、両手に計六本の奇怪な剣を携え、子供の形をした死神はこう言った

 

「良い夜だ・・・虫も鳴かない、静かな良い夜だ」

 

鷹のように鋭い視線が男達を貫いた。何人かが「ヒィ」と情けない悲鳴を上げたが、死神はそんな事は知らないと言った風にストンと木の上か飛び降り、着地した。

 

ザッ

 

ザッ

 

ザッ

 

大きくは無い、だが小さくも無い足音が聞こえる。静寂に包まれたこの空間では、足音でさえ聞こえてしまう。そして、恐怖の余りに動く事が可能と成った男が懐から拳銃を取り出した瞬間、ドサッっと音を立てて崩れ落ちた。

同時に、動けなかった男は他の男達が倒れるのが視界に入った。よく見れば三人の男が倒れていた。額から剣を生やして・・・男は自分が恐怖の余りに狂ったと思った。思いたかった。

仲間の頭部に刺さっている剣が燃え上がったのだ。だが、死神はこの憐れな男を狂わしてはくれなかった。

 

「火葬式典、貴様等全員死肉の一片、骨の一欠けも残さん。」

 

同時に自分の隣で二人の仲間が燃えた。死神はまだ、剣を一本残している

 

「あ・・・許し・・・て、殺・・・さないで・・・くれ。全部・・・喋・・るから・・・殺・・さ・・ないで」

 

死神は答えた「言ってみろ」と。男は希望にしがみ付いた。組織にバレれば自分の死は確実だが、今此処に居る事を組織は知らない。つまり巧くいけば自分は死なないし、組織に情報も渡せるので困った事も無い。組織の支部が狙われても、たった一人では何も出来ない。もし、集団で来られても大人数になる。そんな連中が動けば『組織』全体が動くか、他の支部から増援が来る。勝ちは揺るがない

 

だから男は喋った。自分は只の末端であり組織の本部は知らない、支部はドコドコに在るらしいとぼやかして、情報はまだ『組織』にはまだ渡してない。自分達は手柄が欲しかった。と素直に全てを喋った

 

死神は殺気を消した。助かったと思った男は、尻餅をついて安堵した。瞬間、目を見開いて言った

 

「な・・んで」

 

胸から生えた剣は地面に突き刺さって燃え上がった。

 

死神は物言わぬ骸と成って燃え上がる男に言った

 

「俺は言ったぞ? 貴様等全員死肉の一片、骨の一欠けも残さんと・・・な」

 

そして、士郎は茂みに隠れていた恭也達に声を掛けようとして抱きしめられた

 

「もう良い!! もう良いんだ!! シロ君、もう君は泥を・・血を浴びなくても良いんだ!!」

 

衛宮士郎を抱きしめたのは高町士郎だった。涙を流しながら言う高町士郎に、衛宮士郎は言う

 

「士郎さん・・・俺は大丈夫です。それに誓ったんだ『家族を護るって』・・・だから大丈夫です。」

 

そう言って、衛宮士郎は気を失った

 

 

Side 高町士郎

 

 

リスティさんの車に俺達は乗せて貰い、俺は息子と娘に嘘を吐く。

 

「この子は、シロ君は俺達と近い関係に在る一族でな。・・・もうシロ君、独りしか居ない」

 

恭也は何か心当たりが在るように目を細めた。辛いな、嘘を吐くと言うのも

 

「恭也、お前は分かるだろ? 俺達と同じで近い状況なんだ、いやシロ君の方が酷いか。シロ君は独りに成ったんだから、ソレからは戦いの連続だよ。お前達には見せた事は無いだろう? シロ君の体を・・・酷い物だ。弾痕、刀傷、擦過傷、俺には想像できないよ。この子は戦って戦って、全てを失った。」

 

美由希は瞳を潤ませながら、聞いてくる

 

「なんで、教えてくれなかったのかなぁ。私はシロ君のお姉ちゃんのつもりだったのに、信頼されてなかったのかなぁ。」

 

「それは違うぞ美由希、この子は『家族』を護ると言って戦いに行った。だから、お前が気に病む事は無い・・・この子は、もう失いたくないんだよ。」

 

俺は美由希にそう言って、シロ君の頭を撫でる。すると、シロ君は薄っすらと目を開けボンヤリした表情で言った。

 

「士郎さん・・・大丈夫ですか?」

 

「ああ、皆無事だ。唯一の被害は君の筋肉疲労ぐらいだ」

 

俺の言葉を聴いてシロ君は笑顔で「よかった」と言って一度目を瞑り、喋り始めた。

 

「奴らが掴んだ情報は、ドコにも漏れてません。死体も灰に還りました。後、月村という人に連絡をしてください。奴らは「不破と月村が繋がりを持つ事が気に入らなかった」様です。殆ど俺の憶測になりますけど、『不破』とは士郎さん達の事で『月村』と言うのは恭也さんか美由希さんの、婚約者かそれに準ずる人の事だと思います。」

 

俺は恭也を見て目で、行けと言った。

 

「リスティさん、此処で下ろしてください。」

 

「ん、何なら近くまで乗せてって上げようか? 僕は仕事上がりみたいなものだから、別に良いけど」

 

「いえ、ソレよりもシロ君を俺の『家族』を宜しくお願いします。」

 

恭也はそう言って、走って行った。俺がシロ君の顔を見ると、静かに寝息を立てながら寝ていた。明日の鍛錬は、休みにしよう。

 

その後、家に着くまでの数分間、美由希がシロ君の頬を突きながら微笑んで言った。

 

「シロ君、あんまり無茶しちゃダメだよ。私達は家族なんだから、もっと頼って甘えてね。」

 

俺はそんな姉弟の姿を見て、声を出さずに笑った。

 

 

 

そして、加速が始まる。時間にして約一年、高町士郎と衛宮士郎だけが知る裏での話し。

そして、高町なのはに訪れる不思議な出会いが始まる。

 

二十一の宝石を巡り

 

大切な友となる人と出会い

 

哀しい魔導士を降す。

 

だがソレは本史の話。

 

金の片割れは救われず。哀しき魔導士は希望を見たまま死す。

 

之から始まるのは、ソレとは少し違う話。

 

金の片割れは救われるかもしれない、救われないかもしれない

 

悲しき魔導士は希望すら見えないかもしれない、希望に手が届くかもしれない。

 

異端の歯車は、如何云う結果を導き出すのか。

 

ソレは、まだ誰も知らない。

 

 

「此処ではない何処か」

 

こんにちは。いや、こんばんわかな? すまないね、此処には朝も夜も無いから、時間が分からないんだよ。

 

彼は「戦う道」を選んだようだね。いや、ソレしか選べないようにサレたと言った方が正しいのかな? 

 

憐れだね、彼は。心を覆った鉄は、剥がれかけていたのにねぇ。再び鉄を纏ったようだよ。錆び付いた鉄を・・・・

 

ああ、錆びた鉄の意味は知らない方が良いよ。アレは、未練・後悔・悔恨といろいろと呼ばれるけれど、その本質には闇しかないからね。病みとも言えるが・・・

 

勘違いしないように言っておくけど、この「錆び」は、誰もが持っている物だよ。個人差があるけれど・・・ね。

 

厄介だね。だからこそ、観る事しか出来ない僕に取っては面白いんだけど。

 

一つ、良い事を教えてあげよう。彼という存在はね、とても都合が良いんだ。世界・・・いや、アラヤにとってかな? だからね、彼が「一」を探そうとすると「掏り返られる」かソレが一だとしか、考えられない状況に誘導される。つまり、「邪魔される」んだよ。

 

酷いだろ? でもそれが「世界」なんだよ。でもね、「世界」もリスクを背負って要るんだ。「邪魔をする」という事はね「反抗もされる」という事と。

 

面白いだろ? 全ては彼しだい。 殆どは「世界」が勝っているけどね。今のところ、彼だけは「世界」に勝てる可能性が、僅かにある。

 

それは・・・・・・・・どうやらここまでの様だ。中途半端ですまないが、干渉するにはまた時間が掛りそうだ。

 

それでは、ごきげんよう。

 

 

 


あとがき(考え無しの叫び)

 

スピード展開!! すみません。BINです

 

名前も無い奴が、何かほざいています。考え方はあなたしだい。

さぁ、恭也と忍の関係をリークしたのは誰でしょう。

全ては外伝で・・・と言う事で許してください。

六話からは、本編突入!! でもその前に外伝書き上げないと、話しと、イロイロな関係が解らない。

文才が無いこの身が憎い!!!

 

一応外伝収録予定(決定している物。プロットは出来ている物です)

 

VS恭也

名前の通りです。士郎君が誰にも喋っていない秘密が・・・・

 

花見にて

名前の通りです。そこで高町士郎は闇を知る

 

W・Sシリーズ(勝手に決めていますが、士郎と士郎が何かします)

あの人達と出会ったり、オリキャラが登場したりする。士郎君の壊れ具合が解る様にしたい。と言った内容の予定

 

出会い・久遠

久遠と出会います。剣は彼女を重ね、嫌悪する

 

と言った感じです。

本編進めるために、外伝をかなり書かないといけないなんて・・・・俺はバカか。オリキャラが本編に食い付いて来るなんて?!





うーん、何やら裏で動いている様子。
美姫 「恭也たちの情報が何処からか漏れているのね」
だとするならば、今回のこれだけでは済まないんだろうな。
美姫 「これからどうなっていくのかしらね」
次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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