『僕はプティスール!?』





設定

登場人物(オリジナル側)

木村夏樹 16歳・女(?)
本当は男なのだが、その容姿から必ず女の子に間違われてしまう不幸な少年。高校1年生の夏にファミリーレストランの
バイトに応募したところ、誤ってウェイトレスとして採用されてしまい、そのままバイトするはめに。
それが周りに大いにうけてしまい、その後は女の子扱いされ、誰も、彼が男だとは思わなくなってしまった。
今回母親の陰謀(笑)により、リリアン女学園に転入することになる。

ナツキの母 ?歳・女
全ての元凶。息子より娘が欲しかったらしく、夏樹を女の子化させようと、様々な陰謀を企む。ちなみに彼女は
りリアン女学園のOG。

登場人物(マリ見て側)

福沢祐巳
紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブウトン)。一年生達に絶犬な人気がある山百合会メンバー。
百面相が得意(?)。ある出来事により、夏樹を妹(プティ・スール)にしたいと恩うようになるが。

小笠原祥子
紅薔薇様(ロサ・キネンシス)。祐巳のお姉様(グラン・スール)で小笠原グループの会長の孫娘でもある。

藤堂志摩子
白薔薇様(ロサ・ギガンティア)。祐巳の友人その1。

支倉令
黄薔薇様(ロサ・フェテイダ)。剣道部に所属。通称「ミスター・リりアン」。

島津由乃
黄薔薇のつぼみ(ロサ・フェテイダ・アン・ブウトン)。支倉令の妹(プティ・スール)で、従兄弟でもある。
祐巳の友人その2。

二条乃梨子
白薔薇のつぼみ(ロサ・ギガンティア・アン・ブウトン)で志摩子の妹(プティスール)。夏樹のクラスメートになる。

武嶋蔦手
写真部所属。女子高生の撮影に命を掛けている。祐巳の友人その3。





プロローグ

(何でこうなったんだろう。)

緑に囲まれた古き伝統を誇る、リリアン女学園。
その一角で一人の女生徒が、首に掛けられているロザリオを手に乗せ、見つめながら深い溜息をついている。
リリアン女学園の制服、深い緑色のセーラー服は彼女にとても似合っており、普通の女生徒と変わらないように見える。
だがその彼女は実は女性ではなく男性なのだ。つまり女生徒とはいえないのだった。
彼女、いや彼の名は、木村夏樹。16歳の男。本当ならこんなところには居られないはずである。
しかし、彼の姿はどう見ても女性にしか見えない。多分他の生徒に、彼女は実は男だと言っても信じる者はいないだろう。
彼の悲劇はまさにそのことにあった。生まれてから16年、まともに男と認識されたことなど殆どなかった。
しかし、最近まで彼はまがりなりにも男子校生でいられたのだ、が、とある事件が彼の人生を一変させてしまった。



それは彼が高校1年生の夏、とあるファミレスのバイトに応募した時のことだった。
夏樹はその容姿故に、ウェイトレスに間違われて採用されたのだった。当日それに気付いた夏樹の訴えで一旦は回りは納得した。
だがその時、ウェイトレスの一人が急病で倒れ、急きょ代役として働かなくてはいけなくなってしまったのだが運悪くというか、
ウェイトレスに間違われていた為に、彼に合うウェイターの制服の準備などされておらず、夏樹は強引にウェイトレスの制服を
着せられて働かされてしまったのだ。しかもそれがあまりにも似合いすぎていたことが後の悲劇(喜劇?)を招くことになる。
あっという間に、彼は女の子だという認識が広まり、気づいた時には彼が男だということなど誰も信じてくれなくなっていた。
もちろん彼は抵抗した。だがそれは、自分の性を認めたくないからだと思われ、そんな彼女を正しい道に戻す為として、
とうとう女子高に入れられてしまったのだ。
こうなった場合、親はどうしていたのかと思うだろう、だがこの状況で巧みに周りを乗せていたのが、彼の母親だったのだ。
夏樹に逃げ道はなかった。結局、夏休みが終わると、このリリアン女学園に転入させられたのだった。



「夏樹」

そんな彼女(彼?)を、後ろから呼ぶ声がする。夏樹は、手に乗せていたロザリオを胸元に入れると姿勢を正し振り向く。
そこには、一人の女生徒が立っていた。左右に分けた髪をリボンで結んだ小柄な女生徒は、その顔に楽しそうな笑みを浮かべている。

「ご、ごきげんよう、お、お姉さま」

言い馴れない挨拶と、名称にどもりながら、夏樹が答える。

「う〜んまだ硬いなあ。私としては早く憤れてほしいんだけど」

その女生徒は、指と首を楽しそうに振って夏樹に言う。
言っとくが夏樹とこの女生徒に血の繋がりはない。といって義理の姉というわけでもない。
それは、このリリアン女学園の伝統的な制度であるスールによって結ばれた姉妹(?)なのだ。
ロザリオを授受する儀式を行って、上級生と下級生が姉と妹になるというこのシステム。
転入前に母親に聞いたが、夏樹にとっては無縁なもの思っていた。
何しろ自分は男なので妹などになれないし、第一そんなことしてしまったら、リリアン女学園から離れられなくなる。
そう、夏樹は機会があれぱ元の学校に戻ろうと考えていたのだ。
だが、そんなことが出来るなら、最初からこんな状況にはならなかったはずだということを、夏樹は忘れていた。
結局、その無縁だと思っていたスール制度によって、夏樹は姉妹の契りを結ぶことになった。



「はあ、努力はしているんですが」

夏樹はそう言って苦笑いするのだが、緊張しているのは何も言い方が憤れないだけではないのだった。
今目の前に立っている彼女は、ただの上級生ではない。彼女はリリアン女学園を代表する山百合会の一員なのだ。
しかも、一年生達に絶大な人気を誇る上級生だ。こうしている間も周りからの視線が痛い。
一年生の誰もがなりたがったその女生徒の妹に、途中転入の夏樹がなったのだ、おかげで学園中から注目を浴びている。
目立ちたくない夏樹にとって不本意なことに。



「うん、早く慣れてね」

そう言って姉は、夏樹の手を取って歩きはじめる。すると周りの一年生達の視線がさらに強まるのが分かる。

「さあ、薔薇の館へいきましょう」

だが夏樹のお姉様(笑)は、そんなことになど気にも掛けず、というか気づかない。
そんな彼女の行動に溜息を付きながら、手を離せない夏樹。
というのも、前に視線に耐えられず離したら、悲しいそうな目で見られてしまったことがあったからだ。
どこまでも流されてゆく夏樹である。



さてここまで読んで頂けば、このお姉さまが誰か分かってもらえるだろう。
お姉さまの名前は、福沢祐巳。
紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブウトン)その人であった。
そう、夏樹は紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブウトン)の妹(プティ・スール)なのだ。
なぜ、夏樹が祐巳の妹になったのか。それは、新学期が始まった頃にさかのぼる。



つづく



あとがき

 あの天下の作品と、自分の拙い作品を合わせてしまい、反応が怖い小心者のh.hiroyukiです。
 ちまたではロサ・キネンシス・アン・ブウトンの妹は誰かで議論続出ですが、皆様はいかがでしょうか。
 私も予想がつきません。もしかしてこのままか、だったらこういうのもありかと思って書いたのが
 この作品です。でもその妹が実は男というのはちょっと問題かもしれません。
 まあ、ちょっとした出来心なので、もしファンの方がいたら許して下さい(笑)。
 次の話では二人の出会いを書くつもりです。それでは。



続きがとても気になる〜。
祐巳と夏樹の出会いを速く読みたいよ〜。

美姫 「どうどう。落ち着いて」

俺は馬か!と、まあ落ち着いて。

美姫 「h.hiroyukiさん、投稿ありがとうございます!」

今後の夏樹ちゃん(くん?)の活躍を期待してます。

美姫 「では、また」

ではでは。



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