本作は『Schwarzes Anormales』の作者であるペルソナと、
『リリカルなのは プラス OTHERS』を書いておりますFLANKERの合同作です。
本作では『リリカルなのは プラス OTHERS』の設定を使用しておりまして、
『Schwarzes Anormales』の世界になのはたちが出かけるというものです。
これは両作品の番外編であり、要するに本編とは違うパロディ――パラレルワールド的物語です。
蒼牙がこの作品では生き返っておりますが、
だからと言って『リリカルなのは プラス OTHERS』で彼が生き返ることに繋がるわけではありません。
そのあたりはご理解ください。
またこの作品が『Schwarzes Anormales』に影響を及ぼすわけでもありません。
なお、この話は『蛍火VS蒼牙 ――歪なる者たちの戦――』を継承しており、2人は出会ったことがあるという設定です。
また、多分に両作品のキャラが壊れ気味になったりすることもあります。
イメージを壊したくないなどのご理由がある方はお読みにならない方がいいかと。
あしからず、ご容赦ください。
以上のことをご理解頂けるなら、どうぞお読みください。
では。
合同企画第2弾
ドタバタコメディー
なのはとフェイトの戦 ――鈍い兄たちを巡って―― 2
作:ペルソナ&FLANKER
「ほら、蒼牙さん、早く行こう?」 「ほら、恭也さん、早く行きましょう?」
なのはは心持ち楽しそうに少しはしゃぎながら、 フェイトはこれから遊びにいくとは思えないぐらいに切羽詰って
「あぁ、分かったから、そう急かさないでくれ」 「あぁ、そうだな。それでは行くとしようか」
蒼牙はそんななのはを微笑ましく見つめながら―― 恭也はそんなフェイトを少し心配そうに見つめながら――
今日のパートナーに付き従う。
ふと蒼牙と恭也は思い返す。今日遊びに行く場所がどんな世界か聞いていなかったと。
「「今日、これから行く場所はどんな場所なんだ?」」
「「最近見つかった世界。根の国と呼ばれるアヴァターだよ(です)」」
(ん? 今この世界に、大魔力を持つ存在が2人と、覚えのある気配の持ち主とそれと同等の力量を持った存在が入ってきたな)
蛍火は喫茶店の中で、一人、この世界の異変に気付いた。
本来、この世界に外から人が入ってくるという事は滅多にない。
書の精霊の導きか、ミュリエルクラスの大魔導士以外では入ってこれない。
そんな事態を不審に思ったのか、蛍火は式神を飛ばして現状を確認した。
――――そこには仲睦ましい兄妹のような男女と、少女の方の気が別の方向に向いている、同じく兄妹のような男女。
(あれは、蒼牙か。ほぉ、人に戻れたのか。それをしたのは……、今隣にいる赤茶色の髪をした少女ではないな。
恐らく、もう一組の方の金色の髪の少女か。くくくっ、中々に面白いことになっている)
一眼で彼らの関係を見抜いた蛍火。恐ろしいまでの洞察眼である。
(そうだな。折角この世界に遊びに来たのだから最大級にもてなしてやるか。楽しんでくれよ?)
邪笑を浮かべた蛍火がさらに作った式神がアヴァター全土へと飛び立った。
(しかし、年端も行かない少女に救われるなんて……、あいつはロリコンか?)
人のことを言えないにもかかわらず蛍火は邪推していたのだった。
蒼牙はなのはに連れられて町を歩いていた。
やってきた世界――根の国、アヴァターは地球で言うなら中世ヨーロッパという感じの町並みのある世界で、
まさにその頃の西洋文化と似通ったものらしい。
「あ、あれ洋ナシかな? 何かちょっと形が変だけど」
「洋ナシというか、ちとでかいナスのように見えるがな」
なのはもその違いに楽しんでいるようだ。ただやはり蒼牙と違ってそれを表に出して、心から楽しんでいると一見でわかる。
「蒼牙さん、さっきからこの『革命者』って名前のついたもの多いですね」
「そうだな……まあそれだけ民衆に慕われているのかもしれん。立派な人物なのだろう」
「でもこれはどうかと思いますけど……」
「……まあ、『革命者クッキー』やら『革命者団子』はいいとして……『革命者のカツラ』に『革命者のお面』はさすがにな……」
「あ、あははは……もう『革命者』付けとけばいいって感じですね……」
「……なんだ、この『革命者グッズ』って……土産にこんなもの買う奴いるのか?」
なのはが笑顔を多少引きつらせながらそのお面を手にとって見ている。
(……それにしても……この面に描かれた顔、何となくどこかで見た気がするのだが……?)
ふと思う蒼牙だが、親しみやすくデフォルメされている絵なのだから、たまたまだろうと捨て置く。
それよりもいま気になるのは……視線だ。
(監視されているのか……しかしこの気配、どう考えてもフェイトだな……そばに恭也もいるようだが……)
何なのだろうか、この……………………殺気は?
なぜ殺気を飛ばされないといけないのかがわからない。それもフェイトに。
(他にもいくつか見られているような気配がするが…………この殺気でわからん…………)
なのはは気づいてないらしい。いくら彼女でもこの殺気が向けられれば本能的に気づくだろう。
気づいてないということはやはりこの殺気は蒼牙1人に照準が当てられているわけだが……。
「どうかしましたか、蒼牙さん?」
「いや、気にしないでくれ……で、それが欲しいのかな?」
「え……こ、これはさすがにいらないです……」
「遠慮するな」
「遠慮じゃないですよ〜」
「この際、似合う似合わないは気にする必要あるまい。どうせ誰にも似合わん」
「似合わないとわかってるものなんていりません!」
「何を恥ずかしがる。恭也とフェイトには君が意外にも、己の身をもってでも人を笑わすことが好きらしいと伝えておくぞ?」
「そ、蒼牙さ〜〜〜〜ん!」
からかってみる。なかなかに思ったとおりのリアクションを返してくれるなのはに、蒼牙も笑って返す。
恭也にからかわれ慣れて(?)いるためか、なのははすぐにそれに気づいて頬を膨らませた。
顔も少々赤いが。(←笑顔にやられた。
「蒼牙さんって本っ当にお兄ちゃんとそっくりなんですね。そんなとこまで似なくてもいいのに」
「似ようと思って似ているわけではないのだが。ところで顔が赤いが、暑いのかな?」
「…………どこまで似てるんですか?」
「……ぬ、どこまでと言われてもな……」
話が少し弾んだ感じで蒼牙としてはありがたかったのだが、いきなりなのははため息をついて呆れてくれた。
心配したつもりだったのだが、余計な世話だと思われでもしたのかもしれない。
とは言え、親友の妹だ。心配しないわけにはいかない。
「いや、その……気分を損ねたのならすまない。
君が体調を崩しでもしていて気づかないとなれば、君にも恭也にも悪いだろう?」
一方のなのはは実はからかい返していただけだ。
恭也と同じなら蒼牙もこうすればアクセクするだろうと考えたのだが、どうも当たりらしい。
(……羨ましいぐらいにそっくりなんだなあ……)
むしろこの兄たちは違いを探すほうが難しいのかもしれない。特に内面に至っては。
ただこの鈍感さだけは似なくてもいいのにと思う。周囲の女性が見ているのに。
(お兄ちゃんのときと全く同じなんだよね……フェイトちゃんも苦労するかも……)
ただ蒼牙は話し慣れると恭也より口数も多く、ノリもいい。今のように。
数日間、頑張って話をしてみたが、その成果は確実に出ているようだ。
「蒼牙さんって意外に喋る人なんですね」
「意外か……そんなに俺はムッツリしているか?」
「え……してないつもりとかじゃない、ですよね?」
「…………」
「…………えっと…………」
道端で無表情に佇む青年と、オロオロする少女の図。が……。
「まあ、冗談だが」
「……蒼牙さ〜ん……!」
「はは、怒らんでくれ。これでも関西の生まれだからな。漫才やらジョークは嗜んでいるぞ?」
「別に関西だからってその必要ないと思いますけど……あ、そう言えば蒼牙さんって関西弁喋れるんですか?」
「もちろんだ」
「あ、じゃあ、蒼牙さんの関西弁聞きたいかも! はやてちゃんの関西弁しか聞いたことないし」
「………………………………あとでというのは――」
「え〜、いま聞きたいです!」
ねだってみる。ちなみに蒼牙の袖を掴みつつウルウルとした目で。(←いつも恭也にしてるゆえに蒼牙にも効くだろうと思ってる。
背中に当たる殺気が強まった気がする蒼牙である。
(な、何だのだ、フェイトは……よ、要するになのはちゃんを泣かすなと言っているのか? く……仕方あるまい)
覚悟を決める蒼牙。(←何の覚悟だ……。
「ぬう……そないに変わるモンでもあらへんぞ。俺の生まれは滋賀やし、京都も近かったから、京都弁も混ざっとるさかいな」
「…………」
「いや、黙らんでおくれやす」
「……………………」
「……せやさかい、あんま君らの前で関西弁は使いとうなかったんやけんども。まだ満足いかへん?」
「…………くっ…………ぷっ、くふふ…………!」
「……ええから、笑うなら堂々と笑ってえな。そない堪えられとったら、こっちがたまりまへんわ」
「あ、あははははははははは! くっ、お腹痛いお腹痛い、あははははははははは!!」
なのはの笑いの度に比例して高まる殺気。
(くっ……恥だ……ま、まだ足りんと言うのか、フェイトは……ぬうう……!)
自分でも顔が赤くなってるんだろうなと自覚する蒼牙である。
「……ひ、ひどいでんな〜、こっちゃ普通に喋ってるだけやいうんに……傷つきまっせ」
「も、もういいです、もういいですから! あは、あははははは!!」
「そうはいきまへんで〜(いろいろな意味で)。
こうなったらあんさんをとことん笑い殺しにしてやりまっさかいに。覚悟しなはれ」(←ヤケ気味
「あははははははははははははははは!!」
正直なのはのツボにはまった。
いつも無愛想で歳に合わない雰囲気を纏っている蒼牙が関西弁を話すと、あまりにギャップがありすぎるのだ。
しかも蒼牙は顔を赤くしているくせになぜか続けようとするし。(←なのはは全く殺気に気づいていない。
「もはやヤケや。ほんまモンの上方漫才っちゅうもんをあんさんには分からせたらんと」
「お願いですからやめて下さい〜! あははははははは!!」
「何を言っとんねん、なのはちゃん。ここからやないかい」(←もう身振り手ぶりも加えつつ。
「あははははは! し、死んじゃうよ〜! ヒック……しゃ、しゃっくりが……あははははは!!」
人ごみの陰からその2人の様子をしっかり見ていたフェイトは…………。
「…………………………………………」
なのはが腹を押さえて笑いこけている。涙すら浮かべるほど。
蒼牙は身振り手振りまで加えて話している。内容は分からないが…………実に楽しそうだ。
(……人前だとあんなこと恥ずかしくてできるものではないって、いつもなら言うのに……!)
少し遅れて来たため、二人を見失ったのだが、見つけてみればこれである。実に…………楽しそうだ。実に……実に!
「…………」
一方の恭也はいきなり殺気を放ちまくっているフェイトに理解不能。その照準はおそらく蒼牙だろうが……。
(ちょ、ちょっと待て。なぜフェイトはこんなに怒っている? 俺がノロノロしていたからとでも……?)
「…………兄さんの…………バカ…………!」
「っ!?」(←恭也には『バカ』とだけ聞こえた。
(い、いかん。これは明らかにマズイ。何とかせねば……!)
蒼牙ですらなのはをあんなに楽しませているのに、自分はフェイトにつまらない思いをさせていると考えた恭也。
同じ兄としてそれだけはならんとフェイトに話しかけ――
「あ〜、フェイト。その、だな……」
「…………恭也さん…………」
「む、な、何だ?」
「兄さんって普段はあんなふうに喋ったりする人だったんですか?」
「あ、ああ、あれか。あいつは親しくなると俺よりよほどよく喋るが、それが――っ!?」(←迸る殺気を感じた。
「……そうですか……親しくなると……ソウナンデスネ……じゃあ私は妹なのに、なのはより親しくないってことですか、兄さん」
「フェ、フェイト。い、いま俺は何か気に障ることを言っただろうか?」(←当然後半は聞こえなかった。
「え、そんなことないです。ありがとうございます」(←いつもの笑顔……。
「…………それならいいのだが…………」(←どことなく危ないものを感じた。
(さっきの『ソウナンデスネ』が全く感情を感じなかったのだが……!)
とりあえず恭也は結論を出す。『極めてマズイ』と。よりマズくなったと。
「このままではいかん。これ以上は絶対にならんぞ。何かフェイトの気を引けるものは……むっ、あれだ……!」
その視線の先には綺麗なアクセサリーを並べる露店。手作りなのだろうが、恭也でもすばらしい出来だとわかるほど。
「フェイト、君はああいうアクセサリーなるものに興味はないか?」
「え……それはありますけど。わあ、可愛いですね」
「……よし……!」
「どうかしたんですか、恭也さん?」
「いや、気にしないでくれ。少々天に感謝などをしていただけだ」
「はあ……」
そして露店を覗く2人。見ている人も結構多く、人気の店なのかもしれない。
「ほう、これはまたかんざしに似ているな」
「かんざし……って、何ですか?」
「うむ。俺の住んでいる日本の髪飾りでな。和服には格別に似合う」
手にとってみるのは端に梅か何かの花をあしらった、小さな飾りのついたかんざし。
「フェイトは金髪だからな、あまり自己主張の強くない色のものがいいだろう」
「そうなんですか?」
「アクセサリーなんてものはあくまで飾りだ。使う本人の魅力を引き出すのが役目。それ自体が目立っていても仕方ないだろう?」
「あ、それはわかります」
「うむ。それにフェイトの髪はせっかく綺麗な金髪なんだ。そこに余計な装飾など必要あるまい」(←無自覚
「…………あ、ありがとうございます」(←顔真っ赤
「よし、この色などいいだろう」
恭也が選んだのは薄いパープル。朝顔のような飾りの付いたかんざし。
そしてフェイトが照れている間に即座に購入する恭也。
「あ、あの、ありがとうございます」
「気にするな。せっかく遊びに来たのだ。これくらいのことはせんと、またなのはにどやされかねんしな」
そう言ってフェイトの髪にかんざしをつける恭也。
普段なのはの髪を結っているからか、その扱いはとても丁寧で、フェイトは心地いい扱い方に頬を緩める。
(……なのははいいなあ、こんな風にいつもしてもらってるんだろうし……なのに、私の兄さんときたら……!)
チラリと目を蒼牙となのはの方へ。と、なのはがこちらを見ていた。
が……肝心の蒼牙はなのはの方と何かの装飾品を見比べているばかりで一向にフェイトを見ない。
「…………(最低です、兄さん)…………」
それを式神を通してしっかり観察していた蛍火。
「……くくく、わかりやすい……要するにあの金髪の娘が蒼牙に対して拗ねているわけか」
まあ鑑みるに蒼牙と同レベルの青年も蒼牙同様に鈍いらしい。あそこで「親しい」とか言ったらそりゃ怒るに決まっている。
「蒼牙の妹がその男といて、蒼牙は別の娘……まあ、男の妹というところだろうな。そう考えると……揃って兄妹ゲンカか?」
――――なぜそこまで分かる、蛍火?
「蒼牙は妹の放つ殺気に気づいている。だがその意図をまるで察していないな。くくく、あの馬鹿め。
読めてきたぞ読めてきたぞ……妹たちが一方的に兄に対して焼きもちを焼いていると、そういうことだな」
――――もはや蛍火の読みは神の領域に達しています。
「くくくくく……ならばここで1つ、俺がそれを助けてやろう」
式神のうちの2つを若い女性の姿にする。
「もちろん、悪い方向にな♪」
(何だ、この悪寒は? それも2方向から感じるぞ)
蒼牙がなのはに気づかれぬように周囲に警戒を向けている最中、なのははその横でアクセサリーを見ていた。
「あ、あの露店出てるよ〜!」
「ウソ!? あそこのアクセサリーってすっごい高いけどメチャクチャ評判いいんだよね〜」
なのはの耳がしっかりそれを捕まえ、彼女の関心をそちらに向ける。(←どこかで誰かがニヤリと笑った。
「……お兄ちゃん。それに……フェイトちゃん? 何でここに……」
「ん? どうかしたか、なのはちゃん?」
「あ、えっと……何かお兄ちゃんとフェイトちゃんもいるみたいで……」
「ああ。あの2人もここに来ると言ってたからな。何だ、やはり恭也とはケンカしていて話も聞いていないのか?」
「はい……あ!」
恭也がフェイトに何かを渡した。お金を払っていたから、多分あの露店のものを買ったのだろう。
どうやら髪飾りらしい。しかもフェイトの髪に恭也が自らつけてやっている。
(お兄ちゃん、私にアクセサリーはまだ早いって買ってくれたことなんてないくせに〜……!)
だがそのとき、先ほどの女性たちがまた何か言っていた。
「でも人気ならこっちの店でしょ。特にペンダントなんて買ってもらったら幸せになれるって評判だし」
「だよね〜。私の友達もこの前さ〜――」
なのはは聞こえていないが、蒼牙はそれを聞いて、かつ、なのはの膨れた頬と羨ましそうな目を見て頷く。
「なのはちゃん、これなどどうだろうか?」
「――はっ! え、あ、はい、ど、どれですか?」
「この桜色の首飾りだ。確か君の魔法陣の色も桜色だったろう?」
「あ、はい。わあ〜、綺麗〜」
蒼牙が店主に試しにつけていいかを聞き、了解が取れたのでなのははネックレス状のそれをつける。
「ほう、なかなか。少し大人びて見えるな」
「お、大人ですか? お兄ちゃんにはまだまだ子供だって言われてばかりなんですけど……」
「ただの子供が戦場であんなことは言えんし、できもせん。ある意味そこらの大人より立派だぞ、君は」
「あ、ありがとうございます〜……えへへ」
「少しくらい背伸びしたところで構わんだろう。似合うのならば大人も子供もあるまい」
「はう〜、う、嬉しいですけど、その、は、恥ずかしいかも……」
「なのはというのか、あの子は。さて、それよりも……いいぞ、蒼牙。それでいい。くくくくく、では今度は……」
先ほどの式神を蛍火は恭也とフェイトのほうに向かわせる。
「蒼牙のやつめ、無意識に口説き文句など言えるとはな。だがそれが貴様の運の尽きだ。くくく……」
「蛍火、何か楽しそうだね」
「ええ、それはもう。ちょっといろいろありましてね」
喫茶店の中で食事をしているレンを背に、ほくそ笑む蛍火であった。
「さっきの黒髪でワイルドっぽい人と赤茶色でツインテールの髪の兄妹、仲良さそうでいいよね〜」
「そうそう、兄っぽい人なんてすごいイケメンだったし。妹さんも顔赤くしてさ、可愛かったよね〜」
フェイトはそれに反応する。
その特徴はまさに蒼牙となのはに相違ない。
(……兄妹じゃないのに……)
彼女たちが間違えるのも仕方ない。正直、恭也や蒼牙に対し、フェイトでは髪の色から何から似ていない。
だが蒼牙となのはは同じ日本人だ。少なくとも蒼牙とフェイトよりかは兄妹に見えるだろう。
その女性たちに怒ればいいのか、蒼牙に怒ればいいのか……言うまでもなく、即座にフェイトは後者が悪いと決める。
「顔赤くって、なのはもなんで兄さん相手に……!」
「ん、どうかしたか、フェイト? む、なのはの顔が赤い……風邪でも引いたのではないだろうな?」
「……違います、そんなんじゃ」
「ん? いや、フェイトに言ったのでは――っ!?」
再びフェイトより殺気を感じる。せっかく収まったと思ったのに……!
(な、何だ、またか!? こ、今度はなぜだ!?)
フィイトの視線の先には何かをつけて鏡を前でいろんな角度から自分を見ているなのは。蒼牙が脇で何か言っている。
するとなのはがまた顔を赤くした。
「なるほど、照れているわけか。蒼牙に褒め言葉か何か言われたな」
「…………褒め言葉…………」
(うおっ、また一段と強く!?)
一歩どころか数歩引いた恭也に構わず、フェイトは恭也の腕を取って歩き出す。
「フェ、フェイト、どこに行くんだ?」
「兄さんの目を……いえ、えっと……ほ、本屋です」
とにかく、一旦頭を冷やそう。
そう決めたフェイトは、恭也を引っ張って、本屋に向かいだしたのだった。
――続く――
あとがき
F「よし、第2話完了! てなわけでFLANKERで〜す!」
ペ「やっと投稿できた2話。まぁ、二人が漸くアヴァターに来たわけなのですが……」
F「さっそく暴れちゃってくれてる蛍火くんです」(笑
ペ「人の事をまったく言えないのに暴言吐きまくってる蛍火が暗躍してます」(w
F「そして兄どもは鈍感っぷりを遺憾なく発揮しております」
ペ「妹と同じような女の子にアクセサリーを送るなんて鈍感の極みですよ」
F「しかも両人ともにね。今回はまだフェイトのほうがヤキモチ剥き出しだね」
ペ「フェイトの嫉妬が可愛らしいですが、それを助長したのは蒼牙の関西弁」(w
F「唐突に思いついた設定とは言え、なかなか気に入ったよ、関西弁の蒼牙」(爆
ペ「爆笑させてもらいましたよ。そしてそれを見て嫉妬しているフェイトにおろおろしている恭也がまた……くくくっ」
F「なのはも恭也に気づき、不機嫌な雰囲気が出始め、そして次回では蒼牙もまた……くけけけけ」
ぺ「まだ、もう少し兄へのヤキモチが続くこの作品。コス……ゲフンゲフンはまだもう少し待ってくださいね?」
F「と、いうわけで更なる蛍火くんの暴走に期待(?)しつつ、今回はここいらで失礼をば」
ペ「では、次話でお会いいたしましょう。蛍火……後でレンを怒らせるなよ?
殺されるのはこっちなんだから」(ポソ
アヴァターへと着いた二組み四人。
美姫 「しかし、また暗躍してるわね蛍火」
裏から色々とするなんて、最初の頃の蛍火みたいだな。
美姫 「ただ、その力の向けられる先がちょっと違うけれどね」
しかし、これが恭也や蒼牙にばれたらどうなるんだろうとかは考えてないのな。
美姫 「多分、楽しんでいるみたいだから想像すらしてないんじゃない?」
だろうな。果たして、次回はどうなるのか。
美姫 「そして、蛍火の暗躍はばれずに済むのか」
何よりも、待望のコス……ゴホゴホまで後少し!
美姫 「そればっかりね、アンタ」
あ、あははは、勿論、他の部分も楽しんでるよ、いや本当に!
美姫 「それじゃあ、次回も楽しみにしてますね」
待ってます!