空と翼の軌跡

LOCUS OF 22

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーツは精神力が重要になる。

 が、これについては特に問題ない。精神力の強靭さはカシウスも認めるところ。

 普段から精神修養を怠らない恭也なら、すぐさま意識を一点に向けることも可能だ。

 その恭也にとってアーツがどちらかと言えば不得手になってしまうのは、やはりアーツに対する想像力が足らないことが大きい。

 魔法のない世界に生まれ、魔法のような御伽噺の中のものより、剣に集中していた恭也は、

 魔法というもののイメージを素早く鮮明にできないのだ。

 

("キラーホーネット"は倒した。あとはあいつだけ)

 

 もう目を閉じて集中しなければならないほどではなくなったが、発動までの時間が長いのは課題。

 それでもクローゼに教わったものはかなり大きく、

 ルーアンを発ってロレントに来てからも彼女からの教えの通りに反復練習は欠かしていない。

 

(ロレントには『風』に耐性がある魔獣が多いからな……『土』が効果的か)

 

 目の前には濁ったガスを纏い、その中心に浮かぶ棘付きの貝のような魔獣――"フォレストミスト"がいた。

 特に接近してこないため、恭也は魔獣の周囲を巡るように動く。

 

「にしても……なぜあんなに後ろに下がっているんだ、あの人は」

 

 チラリと視線を向けた先には、同じく魔法――アーツを構築している銀髪の女性が。

 リベールではどうやら珍しい褐色の肌をかなり露出度が高い格好で覆っている彼女は、

 恭也と"フォレストミスト"の戦いを邪魔しないためなのか、かなりの距離を取っていた。

 彼女の武器は鞭だからそれなりの射程はあるが、とてもその距離では届かない。

 周囲には風を纏っているため、そのきわどい服がはためき、目のやり場に困ることになっており……

 

(まあいい。これで決める!)

 

 恭也はさっさと視線を"フォレストミスト"に戻し、足を止める。

 懐に入れてある戦術オーブメントから手を離し、アーツ名を宣言すると共に突き出して――

 

「"ストーン――」

 

 が、そのときフォレストミストがいきなり身に纏う風を一際速く回転させ、やや黄色く濁った煙を恭也に向かって噴き出してきた。

 まだ発動の瞬間は足を止めなければならないレベルの恭也は、それを避けることができず、

 しまったと思いながらもアーツの制御だけは維持しようとしたものの……

 

「――ぐ、何だ、この臭いは……!」

 

 煙は生き物のように恭也に纏わりついてくる。

 アンモニアのように鼻にくるようなものではないが、二日酔いのときの、なかなか収まらない吐き気を引き起こす、

 鼻にこびりつくような、まさに『エモイワレヌニオイ』。

 人間と言わず生物にとって本能的に嫌悪感を抱かせること間違いなしのその臭いに、

 恭也も激しく咳き込み、そのためにアーツの集中が途切れてしまう。

 

「意外と厄介だな、こいつは……ごふっ」

 

 発動前に解除され、恭也はさらによくわからないガスを噴き出してくる"フォレストミスト"から距離を取る。

 この魔獣はどうにも武器による攻撃が当たりにくい。物理攻撃主体の恭也には厄介な相手だ。

 

 

 

 

 

「ご苦労様、キョウヤ。あとは任せておきなさい」

 

 

 

 

 

 それでも小太刀を構え、当たりにくいと言うだけで決して当たらないわけではないのだからと、

 精神を集中して"フォレストミスト"の動きを見極めようとした。

 そこに離れていた女性が小さく笑みを浮かべ、強気の口調で掛け声とともにアーツを発動。

 直線上にいる恭也にも構わないというかのような疾風の鎌が"フォレストミスト"を切り裂いていく。

 ガス状の相手に効きにくそうに思ったが、疾風はガスをも斬断するように引きちぎり吹き散らし、

 中の小さな本体に全弾が命中して八つ裂きにしていく。

 

「"エアストライク"でこの威力か……しかもあの小さな本体に全弾を命中させるとは」

 

 恭也も実のところ『風』属性のアーツは一番威力が高く、攻撃・補助の双方をよく使う。

 "エアストライク"は風で切り刻む『斬撃』で、"シルフェンウィング"は風による体重軽減などで移動力を上げてくれるアーツであり、

 斬撃や移動力強化という点で剣士としては馴染み深く、想像もしやすいからだ。

 しかし彼女のそれは、恭也が"エアリアル"を使ったときよりも威力が高く、さらに1回で放たれる疾風の斬撃の量が2倍はある。

 疾風は対象を微塵に切り刻んだ後、嘘のように気持ちのいい風となって恭也のそばを吹き抜けていき、

 鼻にこびりついたような先ほどの異臭をも消し去ってくれるようだった。

 

「そいつはいろんなガスでこっちを撹乱してくるから気をつけること。中には催眠効果のあるガスもあるわよ」

「はい、覚えておきます」

「それと、別に『土』属性じゃなくてもこいつはどの属性の攻撃アーツでも通じるわ」

 

 女性は切り刻まれた"フォレストミスト"の死骸を見下ろしながら教えてくれた。

 最初に倒しておいた蜂――恭也が知っている蜂よりはるかに大きく、人の頭くらいもある"キラーホーネット"が、

 毒を持っていることを先んじて教えてくれたのも彼女だった。

 

「助かりました。前もってシルバーリングを買っておけましたし」

「貴方なら"キラーホーネット"くらい何てことないでしょうけどね。万全の準備をしておくのは遊撃士として大切なことよ」

 

 基本的な遊撃士の構えは恭也もわかっている。

 自分自身にとっても必要なことだが、遊撃士は民間人の護衛を務めることもあるため、

 万全の準備をしておくことが、護衛対象に少しでも安心感を持たせる事ができるのだ。

 これは遊撃士になってからではなく、護衛の仕事を元の世界で受け持ったときに教えられたことだ。

 

「それにしても……俺を囮に使いましたね?」

「あら、わかっちゃった?」

「ええ、さすがに」

「あたしもあの臭い浴びせられたことあるんだけど、もうこりごりだから」

 

 "フォレストミスト"にはアーツでの攻撃が有効なのも彼女から聞いたのだが、

 いざ遭遇してから、彼女は「貴方のアーツの精度や駆動時間を見るため」と言って後ろに下がっていた。

 下がり具合が大きかったのも、あの臭いのことを知っていたから寄ってこられないためだったのだろう。

 

「――シェラザードさん」

「ええ、わかってるわ」

 

 恭也は懐に手をやり、女性も腰につけていた鞭を手にし、一度強く引っ張った。

 羽の音。それもかなり重低音。複数。

 音のする方角を見れば、"キラーホーネット"の群れが。

 と、その中の数匹がその羽を振動させ、掻き消えたと錯覚しそうな速度で突っ込んできた。

 恭也とシェラザードは互いに示し合わせたように左右に別れて躱す。

 

「あまり長居すると次から次に来るかもしれないから、さっさと済ませましょう!」

「わかりました!」

 

 小太刀を構える。左の『皓月』を逆手に持ち、右の『八景』を顔の横へ。

 拳の先に、こちらに敵を絞った"キラーホーネット"たちを捉える。半分は反対側のシェラザードに向いていた。

 彼女は「さあ、いらっしゃいな」と言いながら口元に笑みを浮かべ、鞭を再度顔の前で強く引き絞る。

 

"クロックアップ"

 

 速度を速める『時』のアーツを自分にかけ、恭也は構えを解いた。

 小さく息をつき、リラックスしたまま。

 もし"キラーホーネット"が武術家のように、もしくはもっと獰猛な獣ほどの鋭い危機察知本能を持っていれば、

 そこで躊躇うなり逃げるなりのアクションを見せたろう。

 だが彼らにはそこまでの力はなく、獲物と定めた恭也に一斉に襲い掛かった。

 羽の振動音が高まり、"キラーホーネット"が最大加速をかける。

 銃弾ほどではないが、大きな体ゆえのバットを思い切り振ったときのような音を鳴らしながら高速で突撃。それが数匹で。

 

 

 だがその程度の速度は恭也の目の敵ではない。

 

 

 小太刀が小さく握り締められたがゆえの金属音を鳴らす。

 それがスタートの合図。

 恭也の左腕が"キラーホーネット"の突撃速度にも勝る動きで振り抜かれ、先頭の2匹の羽を横薙ぎ一閃で斬断。

 止まることなく恭也は横薙ぎの勢いで体を横に向かせて後続の2匹の攻撃を、間を縫って回避――と同時に、

 振り上げていた『八景』で袈裟斬りに。さらに1匹の羽を斬断する。

 さらにその間に『皓月』を納刀。左手首の辺りに隠してある飛針を取り出し、振り向きざまに投擲!

 恭也に躱され、再度突撃をかけようとした"キラーホーネット"の胴体を刺し貫き、そのまま木に叩きつけて。

 他の3匹も羽だけをなくして滑空し、ブレーキをかけることもできないままに木に激突していた。

 

「よし」

「早いわねえ、キョウヤ!」

 

 "キラーホーネット"の高速の突撃を風のようにヒラリヒラリと躱すシェラザード。

 特に"キラーホーネット"を注視しているでもなく、穏やかに何かを見つめているような目をしていて。

 その目が獣のように一瞬瞬き。

 

「そこ!」

 

 直後、鞭が包囲するように宙空のある一点に取り巻き、偶然のようにそこを通った"キラーホーネット"の羽を掴み取った。

 その速度が仇となり、羽が毟り取られる。

 "キラーホーネット"は羽を自ら毟り取った形で滑空し、しばらくして勢いを失って地面を転がった。

 

(俺のように見えているわけではないな……風を、読んでいるのか?)

 

 そう思ってから、シェラザードがまるで耳を済ませて音楽を聴いているような感じに似ていることに気づいた。

 彼女は……風を、その音を、感じ取っているのかもしれない。

 そう思うと、彼女の少し露出の高い服も、ダンサーが着るダンス用の服にも見える。

 

(そう言えば彼女の戦術オーブメントには2つほど『風』専用のスロットがあったな)

 

 彼女は遊撃士にしては見た目、防ぐことに適した装備をしていない。

 布を巻きつけただけのような服に、上は肩出しに加えて腹部を完全に露出させているような格好だ。

 だが逆に言えばそれは身軽な服装。

 武器も鞭だから相手の攻撃を防ぐことには向いていないが、

 防ぐことより避けることを重視し、しかも相手の動きを読むことにも長けているとなれば、回避力はさらに上がるだろう。

 

「それじゃああたしもさっさと決めないとね!」

 

 シェラザードが鞭をしならせ、生き物のように鞭を振り回す。

 鞭は一度も地面を打つことなく、小気味の言い風切り音を鳴らしながら、まるでシェラザードを護るように。

 "キラーホーネット"たちは彼女の周囲を囲むように巡っていたが、ややあって三方から仕掛けた。

 

「見えてるわよ!」

 

 同時に彼女は動いていた。鞭を高く振り上げて回転。

 すると彼女の周囲を風が取り巻き、鞭はまさに自分で獲物に食らいつくようにして"キラーホーネット"たちを打つ。

 さらにその衝撃が左右に広がり、"キラーホーネット"たちは吹き飛ばされ、木や岩に叩きつけられてしまう。

 

「あら、もう終わり? ふふ、情けないわね♪」

「…………」

 

 「見てた?」と言わんが如く、恭也にウインクさえして見せるシェラザード。

 

(風を使った攻撃か……?)

 

 アーツに鞭との融合などという種類はないが、制御は使い手によるもの。

 使い手によって威力が変われば、型にはまらない使い方もできる。

 今、シェラザードは風を鞭に纏わせ、インパクトの瞬間に解放したのだ。

 

「まるで踊るように戦われますね」

「あら、あたしに魅かれた?」

「ま、まあ魅かれたと言えば魅かれました」

「うふふ、素直な男性は嫌いじゃないわよ?」

 

 返す言葉に困る恭也を楽しげに眺めた後、シェラザードはそばに落ちている羽を拾うように恭也に指示した。

 恭也はまたからかわれたと、もう何度目かわからないことに自分を少し叱咤しつつ、指示に従う。

 "キラーホーネット"の羽は薄くて、陽にかざせば透き通っており、繊維は見事に直線に並んでいることがわかる。

 

「戦術オーブメントを使いこなせば、風を読んで相手の行動を察することもできるんですか?」

「そこまではできないわよ」

 

 先ほどの戦い方を言っているのだろうとシェラザードもわかっているのか、恭也の投げかけた質問に笑って答えてくれた。

 彼女はそばの草木を掻き分けながら、今回の依頼のものを探している。

 

「あれはあたしの特技みたいなものよ。昔踊り子をしてたから」

「芸者だったんですか?」

 

 肯定するシェラザードに、そう言えば彼女の格好は芸人のようと言えなくもないなと思う。

 芸人というより、サーカスといった方が適当かもしれないが。

 

「あたしは『重剣』みたいに力じゃ勝てないから。でもアーツだけってのもあれだからね。

 芸人らしく、戦い方にも芸を持ってきたってわけ」

「アーツとの融合もですか?」

「ああ、あれ? あれは"エアストライク"を応用しただけよ。融合なんて大げさなものじゃないわ」

「しただけ……ですか。はは、『銀閃』の名は伊達じゃないですね」

 

 

 

 

 

 そう、彼女――シェラザード・ハーヴェイこそ、『重剣のアガット』に並ぶ、名のある若手遊撃士。

 『銀閃のシェラザード』で知られる、ロレント支部所属の正遊撃士だ。

 力のある攻撃と猛攻こそを得手とするアガットとは正反対だが、実力は異名が示す通りの折り紙つき。

 

 

 

 

 

「貴方も大したものよ。スピードもだけど、何よりも動体視力や一瞬の判断力・反応性……。

 どうやら『風』や『時』より『幻』を重視した組み合わせにしているようね」

 

 "クロックアップ"で速度を上げたが、それ以上に、高速で動く"キラーホーネット"をきっちりと視認し、

 羽だけを斬断したという事実をこそ彼女は評価してくれた。

 『幻』属性は知覚や認識作用を象徴するもので、人間の内面の能力を底上げしてくれるため、

 これで恭也は銃弾を見切ったり、高速戦闘でもその速度に追いつく思考を行ったりできるのだ。

 実際に銃弾を完全に視認することはできないが、銃口の角度や引き金が引かれる瞬間を即座に知覚し、

 素早く認識することで、普通より早く反応ができる結果である。

 

 

 

 

 

 何より『神速』はまさに知覚や認識による時間の引き延ばしが必要。

 『幻』は御神の剣士ならば誰もが求める属性だろう。

 

 

 

 

 

「"キラーホーネット"があれだけ群れなして襲ってきたということは、この辺りに巣でもあるんでしょうか?」

「かもしれないわね……定期的に駆除できるといいんだけど」

 

 このミストヴァルトの森には滅多に人は入ってこない。

 入るにしても、それなりに腕に自身がある者で、そうでなければ遊撃士に護衛を頼むのが普通だ。

 

「どこの支部もそうだけど、ロレントも今カシウス先生や他にも何人か派遣しているから人手不足でしょ?

 普段でも人手不足は変わらないから、中々このミストヴァルトの魔獣までは定期的な駆除ができないのよ」

 

 ロレントにあるいくつかの街道や山道では定期的に魔獣の掃討を行っているのだが、それで精一杯。

 ロレントにはマルガ鉱山という、七耀石(セプチウム)の一大採掘場があり、その中でもしばしば魔獣が発見されているため、

 そちらにも遊撃士が派遣される事が多く、人が滅多に入らないミストヴァルトにまで手が回らないのだ。

 

「軍は動いてくれないんですか? そもそも街道や鉱山の警備なんてものは軍の仕事では?」

「まあそれなりにやってはくれてるわ。ただねえ、もうちょっと連絡入れて欲しいのよ。

 情報の連携ができないものだからお互いの動きを把握できなくてね。

 掃討作戦が同じときに重なったり、つい最近やったところを掃討してたり、なんてこともあってね」

 

 そんな事が続けば、また向こうがやってくれるだろうという思い込みがあったり、

 やらないと今度は責任の押し付け合いになったり、やればやるで軍の縄張り意識に邪魔されたりと、動くに動けないのだ。

 軍との摩擦で困っているのは王都だけではないのだな、と恭也は各地方の受付担当たちの困り顔を思い浮かべる。

 

「ホンット、あの頑固爺は……」

「頑固爺、ですか?」

「そうよ。ああ、また腹立ってきたわ、あの石頭将軍!」

 

 何があったのかは恭也も人づてに聞いており、シェラザードが愚痴を零すのにも付き合った事がある。

 その際にシェラザードの酒豪ぶりもわかったし、もう1人それに付き合って潰されていることも。

 

 

 驚いたのは、シェラザード以上の酒豪が、ロレント支部の受付担当だということ。

 

 

 見たことはないが、先日、シェラザードに潰されておきながら、彼女以上と知ってその受付担当と飲み、

 完全グロッキー状態で酒場に死体のように転がっていた男がいた。

 彼の話によると、その受付担当のアイナは、その後平然と立ち上がって支部の仕事をこなしていたそうだが……。

 

「う〜ん、これかしら……ねえ、キョウヤ、ちょっと確認してくれる?」

「わかりました」

 

 シェラザードは大木の下に生えた草のそばでしゃがんで首をひねっており、恭也はブレイサー手帳を取り出しながら彼女の横へ。

 彼女が触っている草と、手帳の中の自分が書き写した絵を交互に確認。

 

「ふむ……似ていますね。ただ所々違う気もするんですが」

「どれどれ、見せて」

「どうぞ。ただ、俺も絵心があるわけじゃないので、全く同じと言い切れないんですが」

「それくらいわかった上で頼んでるから気にしないで♪」

「…………」

「ん? 怒った?」

「……いえ、何と言うかもうからかわれるのも慣れましたので」

「あら、いけず。リアクションがあるから面白いのに」

「ツァイスではキリカさん、王都ではカシウスさん、ボースではメイベルさん、ルーアンではジャンさんと、

 もう何度となく遊ばれましたからね」

「そしてロレントでは私とアイナってわけね。リッジの他にからかう相手ができて私としては嬉しいんだけど♪」

「本当に勘弁してください……」

 

 そんなに面白いものなのかと思うが、シェラザードはエステルのようにケラケラと、

 それでいてどこか気品を感じさせる――かつて踊り子だったためだろうか――ように笑った。

 エステルが『シェラ姉』と親しみを籠めて呼ぶ相手。なかなか似ているなと恭也はため息をつく。

 エステルがシェラザードの影響を受けたことは間違いないだろう。まあ、エステルは地があんなものとも考えられるが。

 

「よしよし。これで間違いないわね」

 

 シェラザードはひとしきり笑い、先ほどの草を根元からゆっくりと引き抜く。

 

「とりあえず念のためにいくつか似ているものを揃えた方がいいのではないでしょうか?」

「その必要はないわよ。これで正解だから」

「は?」

 

 ならなぜ聞いてきたのか。それ以前にこの草についてあらかじめ調査するように言ってきたのか。

 疑問はあったがすぐに氷解。

 要するにこれも恭也の遊撃士としての能力評価の一環だったのだろう。

 

「今回のように、教会から薬の原料となる植物や魔獣の種みたいなものの収集依頼が来るのは珍しいことじゃないからね」

「それを初めてのことと想定して、事前調査ができているかというところですか」

「そういうことよ」

 

 依頼者に話を聞くのは当然だが、植物学者ではないのだから、草の種類など見分けがつくわけがない。

 だったらどんな草なのか、ちゃんと本を見るなり学者に話を聞きに行くなりしなければならないし、

 魔獣の牙や角といったものなら、その魔獣の危険性や生息地などを知っておかねばならない。

 依頼通り収集するだけが仕事ではなく、そういうことまできっちりとこなせるかどうか。

 

「絵は下手かもしれないけど、さっきの手帳にはかなり詳細に調べていた様子が見受けられたし、

 このミストヴァルトの森についても調査していたようね。

 リッジやアイナからも既に聞いているわ。そのあたりを昨日のうちに聞いて回っていたってね。

 現地に詳しいあたしが同行するからってその辺怠けたら失格にしようと思ってたんだけど」

「……なかなか厳しい査定ですね」

「ふふ。エステルとヨシュアから聞いてない? あたしは厳しいわよ〜?」

 

 恭也もこれまで何度も失敗している。キリカには褒められただけで終わったことなどない。

 彼女の場合、本当に上手くできても、必ずできていないところを指摘された。それがどんなに細かい点でも。

 ただそれをきっちりやっていくと、それだけでも他の地方では優秀だと評価され、

 恭也はキリカに本当に頭が上がらないことを痛感させられるのだ。

 王都のエルナンには冷静かつ素早い状況判断や作戦立案について教授を――エルナンは謙遜するだけだったが――受け、

 ボースのルグランには多くの種類の依頼を回してもらって、いろんな人間と関わることの重要性を理解できた。

 元々恭也が剣の修行のためにあまり対人関係を築いてこなかったことからくる弱点を、あの老人は気づいていたのだろう。

 そして人によっての対応の違いや、どんなときでも遊撃士は民間人に安心させられるような存在でいなければならない、

 『ハッタリ』のようなものや、民間人が依頼しやすいよう、

 常日頃から見回りなどで町の人に顔を覚えてもらえるよう動き回れとルーアンのジャンに教えられた。

 

「このロレントが貴方にとって最後の試験地だからね。言わば総合テスト。

 これまでのことはちゃんと各地方から連絡を受けてるから、貴方の長所短所はきっちり把握してるわ。

 もちろん、まだまだ教えきれていないこともあるから新しいことを吸収してもらうために、個々のテストも行うけどね」

「よろしくお願いします」

「期待してるわよ。遊撃士は本当に人手不足だからね。

 早く一人前になって、できればロレントにも何度も足を運んで、あたしたちの仕事を減らして頂戴」

 

 どんなに軽そうに見えても、どんなに恰好が遊撃士らしくなくても、やはり『銀閃』は若手にしてすでにC級の正遊撃士。

 護衛の仕事をしてきたために何も知らない素人よりは一歩先にいると思っていたが、少しだけ簡単に考えていたのかもしれないと、

 今一度恭也はもう7冊目になるブレイサー手帳をめくりながら心を改めた。

 その様子を満足げにシェラザードは見ていて、ややあって"キラーホーネット"の羽は全て拾えたかと聞いてきた。

 

「これはどうするんですか? 今回の仕事とは別に収集の依頼でもあったんですか?」

「いいえ、そうじゃないわよ。ただこの羽は見ての通り綺麗でしょ? 服や料理に使われるのよ。

 私たち遊撃士にとって大事な防御装備にもね」

「装備、ですか。料理に魔獣の羽が使われることは知っていましたが……」

「貴方の着ている対刃繊維の服にもこの羽は使われているわ。特にこの"キラーホーネット"の羽は優れものなのよ」

 

 あの大きな体を高速で飛ばすほどの力と、見事に一直線に並ぶ繊維。

 このままでは対刃繊維になどなりはしないが、然るべき加工を行い、幾重にも編み込んで絡ませると強靭な対刃繊維になるという。

 こういうちょっとした知識もやはり重要かと思い、ブレイサー手帳の隅の方に参考として簡単にメモしておく。

 その辺りの律義さに、シェラザードは「細かいのねえ」と苦笑。

 

「貴方も不思議な硬い糸を持っているでしょう? それほどじゃないけど、この羽で作った糸は拘束用の縄にも使われるわ。

 なかなか強くてね。太い縄にすれば人を吊るし上げても切れないわ」

「すごいですね……その例えはどうかと思いますが」

 

 

 

 

 

「あら、例えじゃなくて事実よ?」

「……冗談に聞こえないんですが」

「冗談じゃないもの♪」

「……………………」

 

 

 

 

 

 その先は聞いてはいけない。直感がそう告げていた。

 妖艶な笑みを浮かべる褐色の肌を持つ美女は、密かに冷や汗をかく恭也に思惑ありげな視線を送り、鼻歌を囀って歩いていく。

 何と言うか、とんでもない人が最後の試験官になったものだと恭也は身震いしつつ彼女の後に続いた。

 

「で、さっきの話だけど、これはクラウス市長にお渡しするわ」

 

 リベール各地方の首長の中ではアリシア女王と並んで高齢のクラウス市長。

 白髭を豊かに生やした老紳士で、恭也には『親しい隣家のお年寄り』という感じに映っていた。

 落ち着いており、庶民的で温厚なところが市民に愛され、しかし市民や街に何かあるとちょっと慌てるところが微笑ましい。

 

「クラウス市長は遊撃士協会に度々便宜を図ってくださっているから。協会としても個人的にも御礼はしなきゃね」

 

 ロレントに来て思ったのは、市長と市民の間の距離が本当に近いことだ。

 ボースのメイベル市長も市民との間の距離は近しいものだったが、メイベル自身はともかく、

 彼女が高級レストランやリベール最大のボースマーケットのオーナーであることなどから、

 少し近寄り難いと思う市民もいたため、このロレントのクラウス市長ほどではない。

 ルーアンは元貴族という立場のダルモアに畏まる人が多かったし、

 ツァイスもリベールどころかゼムリア大陸随一の技術を誇る工房の長ということで、市民の支持は高くても距離はあった。

 王都は当然市長の立場に在るのは女王陛下だから、市民との距離がないわけがない。

 距離がなかったところで、市民の方が畏まる。

 

「ロレントは田舎ではありますが、田舎ゆえの連帯意識が強いですね」

「ええ。遊撃士が身近な存在と思われているのも、ロレントがおそらくリベールで一番よ。そこはちょっと自慢かしら。

 だからこれもその一環」

 

 "キラーホーネット"はリベールではこのロレントにしか生息していないため、リベールの中では相応に重宝され、

 その羽はロレントの重要な輸出による財源でもあるらしい。

 市長に対しての御礼以外に、このロレントの財源が潤うということは、ロレントの街への貢献にもなる。

 遊撃士は民間人の護衛の他にも地域への貢献を果たすことが義務。それに通じるのだ。

 

「郷に入りては郷に従えと俺の故郷でも言います。その気配り、覚えておきます」

「うん、いい心掛けよ」

 

 当たり前のようではあるが、元の世界ではそういう気配り意識が薄れ、対人関係の希薄さがよく取り沙汰されていることもあり、

 対人関係の重要さをボースやルーアンで教えられた恭也としては極めて大事なことと感じられた。

 そして2人はミストヴァルトの森を後に、ロレントの街への帰途に着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、待っていたよ」

「……………………」

 

 遊撃士協会ロレント支部に戻って扉を開いた瞬間、そんなことを言ってリュートを一鳴らしする青年が。

 しばし硬直していた恭也は呆れるシェラザードを背に、その男に歩み寄る……と思いきや、彼を無視してアイナに挨拶。

 

「教会からの依頼である薬の原料となる草の収集、終わりました。

 あとは渡してくるだけなんですが、先にこの"キラーホーネット"の羽を市長にお渡しするために袋か箱に入れたいと思いまして」

「あら、それは助かるわ。この前の空賊事件でも便宜を図って頂いたし。シェラザード、貴女の提案?」

「まあね」

 

 シェラザードも恭也に続いて青年を無視する。

 彼はしばし瞬きしていたが、ややあって「ふっ……」と笑って髪をかき上げ、恭也に擦り寄ってきた。

 

「つれないじゃないか、キョウヤくん。そんな手厳しい君も好きだけど、たまには構ってくれないと僕も寂しい」

「袋か箱に詰めるのはお願いしてよろしいですか? その間に教区長に草をお渡ししてこようと思うのですが」

「ええ、構わないわ」

「……キョウヤくん。そんなに僕を無視するのかい? いや、それが君の愛なのか? いいさ、その愛、しっかりと受け止めよう!」

 

 普通の人間なら諦めるところだし、恭也も頭の片隅で「忍以上だな」と思っていた。

 青年は意味深な笑みを浮かべ、恭也の肩に手を置く。

 反射的に小太刀を抜きかける!――が、いちおう相手は一般人だからと抑えたものの……

 

「わかっているよ、キョウヤくん。だから僕は君の愛に応えよう。さあ、僕の胸で――」

 

 青年が腕を広げたのが恭也の我慢の限界だった。

 本能が危機だと判断したため、もはや理性では抑えられない。

 と言うか、理性ももはや止めなかった。なぜなら男の貞操の危険だと判断したからだ。

 

「ゥアウチっ!?」

 

 次の瞬間には、青年の腕を極め、首に腕を回し、思い切りえび反りさせていた。

 御神流には体術もある。その中の1つ、関節技"(ましら)落とし"。

 

「おおおおおおおお!? 痛い、これは痛いよ!

 キ、キョウヤくん! 僕と密着したかったのはわかるが、これはちょっと違うんじゃないかな!?」

 

 まだそんなことを言ってのける辺り、恭也はもう少しだけ背を反らしてみた。

 ちょっと背骨がギシギシ言っているのが知覚できるが。

 シェラザードとアイナは恭也の反応に驚いたのか、単に青年がまだそんなことを言っていられることに呆れているだけか、

 無言のままこちらを見ていた。

 

「御神流"猿落とし"……本来ならここからさらに投げ、トドメに剣で、という技なのだが……」

「ま、待ってくれ、キョウヤくん! さすがにそこまで僕の繊細な体は耐えられないよ!

 き、君の愛はよくわかったからそろそろやめてくれたまえ!」

「…………まだ余裕があるらしいな」

「あ〜、キョウヤ。そろそろやめてあげて。さすがにそれ以上は危険だから。命の」

「……わかりました」

 

 シェラザードがさすがに止めてきたので、恭也も半ばやる気だったのだがやめておく。

 さすがに遊撃士協会内で事件はやばいだろうし。

 ただ、シェラザードもアイナも「やりすぎだ」と言わない辺り、青年の普段のお調子ぶりが見て取れるのではないだろうか。

 

「ふ、ふふふ……そんなつれない君が好きだ――おおう、腰が!? い、今、グキッと!」

 

 震えながら腰に手をやって蹲る青年。

 アイナと同じくらいの長さの金髪は確かに綺麗に流され、一見すればいい男と言えるだろう。

 

――――腰の痛みに天を仰ぎ、片腕を上げて停止している姿では台無しに近いが。

 

「はいはい。"ティアラ"かけてあげるから静かにしてなさいな」

「ああ、シェラくん。君のそんな優しさに僕は――」

「あたしは浮気する男は嫌いなの♪」

「浮気なんて! 僕はただ愛でるべきものを愛でただけさ! 僕が愛する女性はバラのようなシェラくんだけだ!」

「あら、今さっきまで百合のような私が好きって言ってなかったかしら、オリビエさん?」

「二股男はもっと嫌いよ♪」

「ふふ、ジェラシーに燃えるシェラくんとアイナくんを見れるなんて、空の女神(エイドス)に感謝――ぐはあ!? 興奮しすぎてまた腰が……!」

 

 壁に手をつきながら腰に手をやってずりずりと床にへたばるオリビエを完全に無視する恭也。

 忍を相手にするのとオリビエを相手にするのとどちらが面倒だろうか、などとどうでもいいことで少しだけ思考してみた。

 が、あまりに意味がなさすぎるので即座にやめる。

 

「摘まみ出しましょうか?」

「そうねえ。報告が聞けないし」

「報告は私がしておくわ。

 キョウヤ、この草を届けるのと教会に報告してくるついでに、悪いんだけどこの二股どころか三股男も連れて行って」

「……俺がですか?」

「ええ。教区長さんと一緒にこの男を改心させてきて頂戴」

「すでに手遅れな気もしますが」

「激しく同意したいところなんだけどね」

「そう言わないで連れて行ってあげて頂戴、キョウヤくん。空の女神のご加護があればまだ何とかなるかもしれないし」

 

「き、君たち、あまりにひどい……ふっ、真の愛とはここまで理解されないものなのか。しかしこれも試練! 僕は諦めないぞ!」

 

「はあ……わかりました。では報告の方をお願いします」

「ありがと、キョウヤ」

「お願いするわね」

 

「お〜い、僕を無視しないでおくれ〜」

 

「行くぞ」

「ああ、キョウヤくん! もはや君だけだよ、僕をわかってくれるのは……って、襟を引っ張らないでくれたまえ! 死ぬ! 死ぬ!」

「俺の故郷では『馬鹿は死なねば治らない』とも言う。一度そうするか?」

「君のそんなツンなところも――」

「それだけ喋れるのなら死にはせん。安心しろ」

「ああ、我が愛しき黒の剣士。妹との再会を夢見る儚きマイ・ハニー。できればもう少し僕にも優しくしてくれると嬉しい」

「誰がいつお前のものになった?」

「く、首が! し、締まってる! 締まってるよ、キョウヤくん! そ、そうか、ハニーよりダーリンの方がよかったのかい!?」

「もういいから黙れ」

 

 男――オリビエを引き摺りながら扉を閉めて近くの七耀教会に向かっていく恭也。

 まだオリビエの声は聞こえるが、キョウヤは一切を無視しているらしい。そして町の人間と和やかに挨拶すらしているようだ。

 侮り難し、ロレント市民。

 

「まったく、懲りないわね」

「まあ退屈しないんだけどね、オリビエさんは」

「たまに鬱陶しくなるけど」

 

 シェラザードはため息をついて呆れるが、アイナの場合はどこまでも笑顔で突き放すタイプ。

 その辺り狙ってやっているのか天然なのかはシェラザードにもわからない。

 

「キョウヤが慣れちゃったのはちょっとつまらないわね。最初のときのタジタジぶりはホントに笑わせてもらったんだけど。

 どうもお調子者の友人がいたからすぐに慣れたらしいのよね〜」

「お酒の肴にまでするんだものね、貴女」

「アイナだって楽しそうじゃないの」

 

 シェラザードとアイナはお互いが一番と認める親友同士。

 愚痴の言い合いから酒の相手、いろんなことで2人は一緒にいることが多い。

 

「いつまでロレントにいる気なのかしらね?」

「もうすぐ女王生誕祭だから、そのときには王都に行くみたいよ」

「お気楽なこと……で、アイナ」

 

 呆れていたシェラザードの顔が途端に真面目になる。その目にアイナも反応して笑みを消した。

 周囲に誰もいないことをシェラザードは簡単に確かめる。

 

「オリビエの正体ってわかった?」

 

 

 

 

 

――続く――

 

 


おまけ

  以降は今話の中でオリビエが恭也に関節技を極められていた部分の修正前のものです。

  オリビエが最初にリュートを弾いて迎えてくれた方が、

  ゲームの中でもそうしていたし彼というキャラらしいからと現在の状態になったのですが、

  作家陣の中で「修正前のもいいから消すのもったいない」ということでおまけとして載せることにしました。

  よろしければどうぞ。

 

(修正前)

 

「ああ、待っていたよ! 愛しのキョウヤくん!」

「……………………」

 

 遊撃士協会ロレント支部に戻って扉を開いた瞬間、そんなことを言ってバラを手にする男が顔を赤くして恭也に向かってくる。

 しばし硬直していた恭也は小太刀に手をかけそうになったが、一応相手は民間人だと思い至り、即座に扉を閉めるに留めた。

 

『ゥアウチっ!?』

 

 直後に激しく扉にぶつかる音がするが無視。

 

「追い討ちっ!?」

 

 さらに躊躇なく思いきり扉を開けることで壁と扉に挟まり、後頭部と顔面を強打した男をさらに無視。

 

「ある意味、峰打ちされた方がマシじゃない?」

「では次からそうしましょうか」

 

 シェラは呆れながらも恭也の対応に苦笑。

 ロレント支部の、肩ほどまでの金髪にパーマをかけてウェーブにしている女性受付担当のアイナも、

 すっかりあしらい方が板についてきたわね、と口元に手をやって笑っていた。

 

「ふ、ふふふ……そんなつれない君が好きだ。あ、は、鼻血が……」

 

 扉を閉め、床に蹲って顔に手をやる、折れたバラを持つ男。

 アイナと同じくらいの長さの金髪は確かに綺麗に流され、一見すればいい男と言えるだろう。

 

――――赤くなった鼻を押さえ、折れたバラを手に鼻血を垂らして笑顔でそんなことを言っているのでは台無しに近いが。

 

 白いコートに血がつかないようにしているが、手首の先から出ているフリフリドレスのような袖は長く、

 少しだけ付いてしまっている。

 

「はいはい。これで拭きなさいな」

「ああ、シェラくん。君のそんな優しさに僕は――」

「あたしは浮気する男は嫌いなの♪」

 

(以上♪)


あとがき

  皆さんこん〇〇は、そしてお久しぶりです、ennaです。

  長らくお待たせしてしまいましたソラツバ22話をお送りいたします。

  今回の話は前回のエスヨシュに対しての恭也inロレント編。

  遊撃士になるための最終試験的な意味合いもあって、シェラ姉さんの眼も厳しめですw

  それでもしっかりと任務をこなしている恭也はたいしたモノだと思いますが。

  ……そして現れました、イロモノ代表的な意味合いもある我等がオリビエ!w

  いやはや、やはりどこに行っても彼のインパクトはとっても強いようですw

  それを淡々といなして処理する恭也……随分と慣れてしまったようですねw

  そんなどちらかと言えばほのぼの〜、な空気で終わるかと思い来や……!?といった所でのシリアスさん登場。

  気になるところでの鬼引きは、FLANKERさんの得意技ではありますがw

  是非とも、次回もご期待くださいませ。
  ではでは、ennaでした〜。

 

  どうも、FLANKERです。

  いや、どんだけ久しぶりかもはやわかりません……PAINWEST様に投稿すること自体が久しいので。(笑

  今回は恭也サイド。推薦状をもらう最後の地にしてエステルの故郷ロレントでの話です。

  それぞれのアーツ、特に『風』『時』の差を出すのが難しいです。

  今回、シェラザードが使った"エアストライク"を応用した技は彼女のクラフトである"シルフェンウィップ"です。

  応用した技なのかどうか、それは原作になかった設定(少なくとも説明はなし)ですから独自の解釈ですが。

  アーツを利用した技というのは原作ではありませんでした。これはSSならではのことかと思っています。

  さて……とうとう出た、オリビエ!

  原作では登場するたびにインパクトある彼ですが、拙作ではどうだったでしょうか。(笑

  いや、もうホント、書いていて楽しいキャラですね。

  声優が子安さんってのもすごくいいチョイスですよね。ファルコム、グッジョブ! アニメでも期待してるぜ、オリビエ節!

  アニメかあ……零の軌跡もアニメ化してほしいですね。

  そしてエスヨシュとロイドたち、新旧主人公揃い踏み!……おおう、想像しただけで燃える! あ、鼻血が……!(オチツケ

  次回は今回の続きとなりますので〜。

 

  おひさしぶりのシンフォンです。

  世間では軌跡のアニメ化が進行してる中の更新ですね。

  FC時間もそろそろ架橋。

  王都編が再び迫ってきておりますよー。

  アニメ化、黒歴史になりませんように。

  てか、2クールとかでは軌跡の魅力を引き出せないだろうに…。

  敵でた、倒したな話にだけはなりませんように(−人−

 

  ※今回、クレさんは諸事情によりあとがきが間に合いませんでした。御了承ください。(FLANKER)




恭也の試験も無事にという感じかな。
美姫 「そうね。そして、オリビエのインパクト」
前半は試験もあって真面目な感じでしたが、後半でドタバタするかと思いきや。
美姫 「最後の最後でシリアスというか意味深な言葉が」
ああ、もう本当に良い所で!
後数行、後数行が欲しい。
美姫 「続きが気になって仕方ないわよね」
うんうん。次回が待ち遠しいです。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
待っています!



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