恭也のハーレム伝説(in神咲家編)












第17話 恭也、奪われる!!(ぇっ










 俺は誰かが動く気配でさっと目を開いて周囲を確認する
 いつものことだが、何故かすぐに起きてしまう
 と、俺が寝かせた女性が起きていた

「ごめんね、起こしちゃったね……お布団も借りて」

 雪乃さん……彼女はどう思って、今回の戦いを引き受けたのだろうか?
 それ以上に、体は大丈夫なのだろうか?
 過去の肉体に戻ってるとはいえ……問題では……

「大丈夫ですか?」
「うん……恭也くん、足崩して、ほら」

 雪乃さんが俺の頬を両手で挟むとそのまま俺を横に倒す
 足を崩してというより、添い寝って感じに近い

「お休み」

 そう言って、雪乃さんは俺の腕を持ったまま寝てしまった
 って、まてぃ!! 俺が起き上がれないじゃないか

「休まないと駄目……多分、十六夜が癒しをかけてくれるだろうけど
 体力の回復は別なんだから……だから、今は寝ましょうね」

 俺の頭を何度か撫でる
 この手の温もりに覚えがあった
 美沙斗さんや父さん、ティオレさんに頭を撫でられた時に似てる
 恥ずかしいけど、嬉しさもある……そんな感じ

「恭也くん……」

 俺の胸に頭を乗せると、そのまま寝息を立てる
 胸にあたる呼吸は確かに彼女のもので、温かだ

「く〜」

 寝入りはいいみたいだ……
 ま、俺がどうこう言えるものじゃないが
 俺も疲れてるな

「おやすみなさい、雪乃さん」

 そういって、俺も寝る……もう、体が疲れで休息を欲してるから










<雪乃視点>

 やっと恭也くんは寝てくれた……
 可愛い息子みたいな感じ……でも、それとは違う愛しさを感じる
 そう、1人の男性としての愛しさを……
 あの箱を開けたとき、私は2つの願いをした
 戦いたいということ
 そして、彼の隣に立てるような時に戻りたいと……
 箱はその願いを忠実に叶えてくれた
 私が絶頂期だった頃、神咲壱刀流を覚えた時
 そして、一番融通が利いたとき……
 でも、もう剣を持つことはない
 私は本当に弱いから……体も、心も
 完全に御神流に負けたと思う
 六連撃ですら、受け止められ、突進系の技も同じ技により負けた
 いや、いなされていた
 悲しいけど、それが現実
 力の差があった……彼も私も一番の状態
 ベストな時の戦い
 彼は私のために最高の力を出した
 今は眠っている……その力を守る者へと使うために
 今だけでいい、お願い……このまま寝かせてあげて

『……くー』

 彼から柔らかな寝息が聞こえる
 大丈夫だと思う……でも、私は……
 彼の体に手を当てる
 そして、体にその手を這わせる
 ごめんね、みんな……私は恨まれても、殺されそうになっても今は……

「え?」
「駄目です……何をしようとしてるのか分かりませんけど
 雪乃さんは何か危ないことをしようとしている」
「……」

 恭也くんの言うとおりだ
 私は……自分の霊力がすべて無くなるのを覚悟で
 彼のあざを傷を消そうと思う
 だから……力を集中しようとする

「駄目です……雪乃さんが何でそこまでするか分かりませんけど
 気にしないで下さい」
「違うの……私は、恭也くんに守られたままじゃあいやだから
 自分のできることを」
「それでも、無理は駄目です」
「でも」

 涙が溢れる……何も出来ない
 もう、本当に剣も握れない、霊力技ももう使えない
 先ほど、恭也くんに握られた時に自分の力は霧散していた

「剣士として、戦って負けた私には何も残らないから」
「残ってますよ……薫さん、那美さん、和馬さん、北斗くんという家族がいるじゃないですか」
「あの子達は、あの子たちでやることがあるわ……
 でも、私にはもう無いから……」
「一樹さんのことは?」
「あの人は……私を好きだった
 でも、私は分からなかった……ただ、自分より強い人と結婚ならする
 それで、私は彼に負けたから」

 私は過去を話した
 どれだけ自分勝手で、己だけのために体を鍛えたか
 そして、技の熟練度を上げたか……

「薫さんの普段の鍛錬の倍以上って所ですか?」
「うん……でもね、結局からだがついていかなかった
 だから、私は過去に剣を捨てることとなった」

 私は今、悲しい顔をしてるだろう
 恭也くんからは同じ思いを感じるから……
 私と同じ経験をした恭也くんだから話せる
 お互い布団に横になって、ただ、語り合う
 服は着てるし、疲れで横になってるだけだ

「恭也くんも分かるでしょ……剣士としての終わりがすぐ近くにある恐怖を」
「はい」
「だから、私はもう振るえない
 次に使う時は……みんなを守るために一振りの刃となって使う」
「帰ってこないと寂しいって言う人が居ますよ」
「それでも、私は次振るう時は間違いなく、自滅する」

 確かに、あの壱刀流はあらゆる意味で自滅覚悟のものだろう
 お互いに似たような技形態をしてる
 それこそ、歩法もそうだし、剣技も似ていた
 ただ、独自の方法により、それを変えていたのも事実だが

「恭也くん、私は、最後は誰かのためにじゃなく、自分のために振るってると思う
 だけど、今は違うから……守りたいって思えるから
 貴方を、私を……」
「え?」
「みんな貴方が好きだってのが分かる
 私も今はじめて恋愛してるかもしれない……
 料理、頑張って作るから……それから、私は貴方から離れない」

 私は彼に覆い被さると、体を摺り寄せた
 もう、止まらない……
 心に体に火がついたから
 彼を求めてる心と体
 そして、恋し、愛しの狭間
 ただ、一ついえるなら、彼なら奪われてもかまわないという
 普段なら思いもしないこと……

「恭也くん……」
「ゆ、雪乃さん、だ、だ……!!」

 彼の言葉が紡がれる前に唇を閉ざしていた
 なにやらむぐむぐ言ってるけど、私は無視して、彼に体を摺り寄せ
 更に、彼のものをさする……
 彼は本当に動けば私を跳ね除けるくらいは簡単にできるだろう
 でも、しない……何となくだけど、予測できていた

「駄目です」
「私じゃ駄目?」
「いえ、駄目とかじゃなくて、俺は……」
「大丈夫だから」

 私は彼の口に指を持っていて、閉じさせると
 そのまま、彼の服を上にずりあげる……そして……









シオン「はぁい、ここからは初めて恭也奪われてます!!」
ゆうひ「そらぁもう、お姉さんがお・し・え・て・あ・げ・る風味ですよ〜」
シオン「で、内容は、致したってことで……」
ゆうひ「誰かにばれるんじゃないかって話ですけど」
シオン「それは後です」
ゆうひ「それと、今回抱いた理由はまだ謎が残ってます」
シオン「安心してくださいね♪ 雪乃さんも追っかけに加わる可能性は十分ありますから」
ゆうひ「しかし、初恋がこの年で恭也だなんて……」
シオン「剣に生きてきたからってことかな?」
ゆうひ「多分ね」
シオン「でも、悲しいよね……剣の終わりを見て、新たな新婚しかも、周囲に決められた」
ゆうひ「過去の雪乃さんはまた書けたら書きたいとか遊び人はほざいてたけど」
シオン「その頃にはまだそういう力関係が動いてたんだね」
ゆうひ「そういうことになるね……」
シオン「でも、鍛錬の場、直すの大変だろうね」
ゆうひ「床板を剥がすほどの脚力ってどんなだろうね?」
シオン「想像を絶するけどね……」
ゆうひ「でも、それが奥義なんじゃないかな……普段の努力の賜物」
シオン「あ、それはいえてる……でも、難しいよね〜奥義」
ゆうひ「まぁね〜、遊び人奥義神速の指先もかなり体に跳ね返りがあるらしいし」
シオン「あれは、無茶を兼ねるからね」
ゆうひ「あれほど怖いものもないよね」
シオン「だね……頭痛だけがマシなほうで、運悪かったら寝込むし」
ゆうひ「ま、生きてるってことだよね」
シオン「だね」
ゆうひ「あ、終わったみたいです……では、本編に戻りますね♪」
シオン&ゆうひ「あとでね〜」











<恭也視点>

 喰われてしまった……いい方が悪かった
 お互いに求め合ってしまった……の方がいいのかもしれない
 ただ、俺はずっとリードされっぱなしだった

「ちょっと疲れたね」
「雪乃さん、どういうつもりですか?」

 雪乃さんが舌をちろっと出して、軽く言う

「言ったでしょ……人を始めて愛してるって」
「それが俺だとでも?」
「うん」
「何故に!?」
「だって、強いしかっこいいし本気の私を倒せて尚且つ私を守ってくれるし」

 何て言うか、かなり痛い……そりゃあもう、痛い
 しかし、一息で言う辺り、呼吸は戻ってるみたいだ
 さすが、鍛え抜かれた剣士だけある
 その言葉を聞いて俺が彼女の顔を確りと見ると、彼女が笑顔で俺を見ている
 そして、その唇やその下の裸体を目で追ってしまう
 まだまだ修行が足りないのか?
 それとも……俺は……

「そうそう、恭也くん……野良犬にかまれたとでも思ってると楽だよ」
「それは女性がいうことなんじゃないですか?」
「う〜ん、でも、恭也くんは不本意かもしれないし」
「嬉しくなかったといえば嘘になります
 でも、俺は……雪乃さんを愛してるとは限りません」
「いいんだってば……それに、私が恭也くんを抱いた理由は
 貴方を愛したい、そして、包みたい
 それが建前で、私は貴方を欲したかった
 恭也くんに私を汚して欲しかった
 本当にそれだけ」
「ですが!?」
「ま、誤算は……そういえば、この頃まだ私してなかったって事だよね」

 笑顔だった……いや、もう、嬉しそうに笑顔だった
 俺はそれに購う術も無く……
 少し自暴自棄になっている

「私は恭也くんを好きだ……今でも好き、愛してる
 最初、私が抱かれた時、痛みと辛さしかなかった
 でも、恭也くんが抱いてくれた時は幸福感と充足感があったから……
 私には恭也くんが誰を最後に好きになるか分からない
 でもね、私はもう決めたから……一人の男性を追うなら、貴方しか見えないから
 それと、遅くなったけど……
 愛してます、貴方を……恭也くんを」

 俺の頬に当たる唇
 そして、耳元に残る雪乃さんの声
 お互いの温もりがしばらく残る
 雪乃さんが離れる……そして、服を着るが、所々剣により切られた跡がある
 それを少し見て、雪乃さんが微笑みを浮かべていた

「もしも、恭也くんが私を愛してくれるなら
 私は何でもできると思う……じゃあ、後でね」

 そして、雪乃さんは出て行った
 俺も服を着替える……疲れは倍増したと思う
 それでも、少しだけ嬉しかった
 初めて、愛の告白をされた……というか、「愛してる」といわれた
 女性から、初めてだと思う
 好きだとはよく言われてるが……
 お風呂入れるかな? シャワーだけでも浴びたい
 もう夕飯前だけど……











 つづく














 あとがき
 はい、奪われるですね
 シオン「というか、これって恭也が1人を選ぶの?」
 最終的にはそうだけど……
 ゆうひ「次は何処?」
 えっと、次は……どこだろうね?
 シオン「一応聞くけど日本だよね」
 その予定
 ゆうひ「でも、雪乃の設定はかなり変更きかせたよね」
 あの人事態がオリジナル要素が強いからね
 シオン「で、若かりし頃の雪乃さんの絵を貰ってで書いてたんだよね」
 貰ってハーレム書いてる途中に神咲家浮かんで、色々してた
 ゆうひ「ま、出来たんだし良しだよね」
 そうだな
 シオン「次と次で終わるの?」
 一応、そのつもり……もうすぐ終わる
 ゆうひ「本当に?」
 次回修羅場なら、その次は逃亡だから……
 シオン「何気に分かり易いタイトルだね」
 ま、そこらは予想されやすいから……後は小ネタだけ
 ゆうひ「そういえば、神咲雪乃×高町恭也のアレしてるSSって書かないの?」
 メールで見たいって10件越えたら考えるよ
 シオン「また、はた迷惑な」
 でも、あまり上手くないからなぁ
 ゆうひ「読者さん次第だよね」
 ああ
 シオン「そういうわけらしいです」
 ゆうひ「でわ、またね〜」
 ほなね〜(^^)ノシ



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