トライアングル IZUMO   

不破たる剣の閃記

 

 

 

10話「昔語り」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不破士郎という男を知ってるかい?」

 

 

その言葉に恭也は驚きを隠せない。

異世界で今は亡き父親の名前を出されたのだ。

「どうして父の名前を知ってるのですか?」

その言葉にニヤリとしつつ

「いや、さっき昔の知人と言ったろ?俺がアシハラノクニ・・君達の世界に居た頃の友人でね」

「昔の友人ですか・・・」

どこぞの高校生のテンションに流されると碌な事がないという言葉を思い出し、心の中で落ち着けと叫ぶ。

冷静さを取り戻したと思い、まず一言だけ言うべき言葉が思いついた

 

「父がご迷惑おかけしました!」

全然落ち着いていないのかもしれない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず・・謝るのかい?」

なんとも言えない顔で笑うカグツチだが恭也は本気だった。

「はい。父の性格を考えれば絶対に周りに迷惑をかけてない人など居ないはずですから」

真顔で言い返す。

息子に其処まで言われる士郎だがカグツチは否定の言葉を見つけられない。

と言うわけで回想開始・・・

 

              ・ 

 

          ・

    

          ・

 

回想終了

(と言うか・・・大概は俺も共犯だしな)

「いやいや、そんなことはないぞ。彼には色々と助けられたし」

絶対に言うわけにはいかない。

それでも未だに疑ってる恭也を誤魔化すべく次の一手を打つ。

「そういえば・・・夏織さんは元気かい?」

「夏織・・ですか・・?」

頷くカグツチだが恭也は答えられなかった。

何せ生まれた自分を置いて何処かに行ったとしか聞いてない。

「そちらの母とは会ったことはないです。ですが、今の母ですが海鳴に居ます」

仕方がないので海鳴に在住中の桃子を出す。

本人は大して気にもしないが、その一方でカグツチは驚いていた。

「今の母?」

「はい・・・父は10年位前に再婚したので」

 

 

 

 

 

 

(そういえば夏織って少し病気持ってたよな?)

それでも自分と士郎がバカやる時に渚と一緒に突っ込み(と言う名の暴力)をやっていたのをカグツチは思い出す。

「再婚か・・・今度の相手は?」

「高町桃子と言う名で・・・父には勿体無い位の人です」

恭也は誇らしく言う・・士郎の時の謝りとは全く正反対にである。

一応は士郎の事は尊敬しているものの、通常の生活態度とかを考えて相殺されていた。

(こんな俺の我侭を笑顔で送り出してくれた人だ)

自分を丸投げにするかもしれない父とは大違いとすら考えてる始末である。

「そ、そうか」

既にカグツチはどう突っ込んだら良いか分からないと言う状態だった。

「さっきの再来!」と内心突っ込んでようやく本題を思い出した

「じゃあ、士郎はどうだい?また無謀旅でもやってるのかい?」

カグツチは気付かなかった。

その言葉が地雷である事を・・・

 

 

 

 

「父は・・・数年前に・・仕事で亡くなりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「士郎が死んだ・・・?冗談だろ?」

信用できないで居る。

(斬られようが、吹き飛ばされようが、燃やされようが直ぐに復活する奴が死ぬ?)

多少行き過ぎた感があるが、それでも士郎が死ぬとは信じられなかった。

「冗談では在りません・・イギリスで仕事中に・・」

「そうか・・すまなかった」

恭也の雰囲気で嘘でないと分かった。

何でイギリスとか、アイツ英語出来たっけ?とか色々突っ込みたかったが言えない。

が、同時に思う。

(彼を此処で絶対に死なせるわけにはいかないな)

それが亡き友への友情だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時に恭也君?」

「何ですか?」

しんみりとした雰囲気を一転させて上手く真顔に戻しカグツチは尋ねる。

今出来る事をすると考え恭也の後ろ腰に挿してあるものに目を移した。

「君の武器だが・・」

「はい・・・」

後ろから抜き取る。

「それでは少し心もとないな」

と言うが実際は心もとないと言うレベルではない。

「模造刀は兎も角としてだ・・・鉄パイプはきついな・・」

十拳剣装備してる人から見れば殆どの武器が心許ない気もするがスルー

それは置いておくとして恭也の装備は未だに鉄パイプである。

流石にゲームのように簡単に手に入るというわけには行かないのだ。

「と言うわけでだ・・」

何がと言う訳だとか突っ込むタイプじゃない恭也。

素直に聞きに入る恭也にカグツチは何かを渡そうとした瞬間。

 

 

 

 

 

 

チュドォォォーーーーーーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

周りのいたるところに爆発と火の手が上がった

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 


麻衣&猛:・・・定番の終わりかただな(ね)

神楽:五月蝿い!

猛:王道って嫌い、勧善懲悪なんて脚本家の願望!と言ってる奴がなぁ〜

麻衣:しかも回を追うごとに一話のページが短くなってるし

神楽:善処します!

猛:悪い政治家化してるぞ、おい

神楽:・・・・つよきす面白いなぁ〜

麻衣:現実逃避までいったわね

   

   





いやいや、士郎の名が出た途端に謝るなんて。
美姫 「何て言うか…」
それよりも、カグツチが何を渡そうとしていたのか!?
美姫 「そして、それを邪魔するかのように、突如響き渡った爆音は!?」
一体、どうなっている!?
美姫 「それは次回のお楽しみ!」
次回も待っていますね。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る


inserted by FC2 system