Side:ネロ


なのはの来客がどんな奴かとは思ったが……髪型や見てくれの年齢の差異はあるが、コイツはなのはにそっくりじゃないか?
なのはの反応からすると、特に危険視する相手じゃないんだろうが……


「久しぶりだねシュテル!元気にしてた?」

「はい、元気にしていましたよ『なのはお母様』。」


思い切りぶっ込んでくれやがったなコンチクショウが!!
お前となのはが親子じゃないってのは、誰が如何見ても明らかだろうが、こんな火種をはやてが見逃す筈がねぇ……寧ろ、思いきり炎上させる気満々だからな!


「なななな……齢19歳で、こんな大きな子が居ったんかなのはちゃんーーーーーー!!」

「違うよ!!あり得ないよ!!って言うか、分かってて言ってるよねはやてちゃんーーー!!

「……矢張り、まだ認知してはいただけないのですね……」

「シュテルーーーーーー!?」


こう言っちゃなんだが、良い感じに『カオス化』して来たよな……果てさて、如何したもんかなバージル?


「知らん。お前のやりたいようにやればよかろう。」

「だよな、やっぱり。」

なら、取り敢えず全員バスターで黙らせるか……なのは以外だけどな。













リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission52
『異世界の渡航者〜Passenger〜』











んで、なのは以外の全員を打ん殴って止めた訳だが……なのはが思った以上に消耗してるな……まぁ、スバル達に質問攻めにされてたからなぁ……


「此処までの事態になるとは予想して居ませんでした……小粋なジョークの心算だったのですが。」

「小粋どころか、手持ち6匹を『コイキング』のみで冒険に出るくらいのショッキングさだったよシュテル……」


あ〜あ……こりゃ、完全に精神的なダメージを喰らっちまったか……シュテルの衝撃的な登場を考えれば当然と言えるかもしれないけどな。
……本気で大丈夫かなのは?辛かったら、部屋に行っても良いんだぜ?調書位は俺とバージルでも取る事は出来るからさ?――無理はしないでくれよな?


「大丈夫だよネロ……少し驚いただけだから。
 ……改めて聞くけどシュテル、貴女は如何して此処に?此処で何か起きるって言うの?――其れに、その姿は如何言う事か説明してくれるかな?」

「一度に聞かないでください。まぁ、単刀直入に言えば、この時代に出来る『歪み』を正すために来たとだけ言っておきましょう。
 そしてこの姿ですが、私達の時間的感覚では、砕け得ぬ闇の一件から1年と言うところなので、子供の頃の姿のままなのですよ。
 まあ、作者の『このままではロリ成分が足りない』と言う、はたはた迷惑な理論のせいで、この姿で来る以外に選択肢がなかったとも言えるのですけれどね…」


なんつーか、メタな発言してんなコイツはよ。


「若干メタい発言が有ったんだけど……成程、エルトリアには時間を移動する技術があるんだね。
 と言う事は、私達はあの事件の後で、やっぱり記憶をある程度操作されてたって事かな?」

「おや?思い出したのですか?」

「ううん、簡単な推測。
 管理局に入った後でも、エルトリアの事は調べられなかった事も大きいんだけど、管理局でも届かない技術となると時間移動ぐらいなモノでしょう?
 で、其れが関わった事件だったとすると、その技術を持つ人達が事件の関係者の記憶にプロテクトを掛けたとしても、オカシクはないなと思っただけだよ。」

「成程、見事な洞察力です。」

確かに、スゲェ洞察力と言うか何と言うか、流石は教導隊の教官と武装隊の隊長を務めてただけあってその辺は鋭いな、なのはは。
まぁ、其れは兎も角『この時代の歪み』ってのは一体如何言う事だシュテル?


「単刀直入に言うならば、其方のダンテとレディと言う人物は、本来此処には存在し得ない人物なのです。
 エルトリアで観測した歴史に於いて、彼等2人の名は絶対に出てこない――つまりは、彼等がイレギュラーである可能性が高いのです。」


本来ならば此処に存在しないって……そりゃまぁ、そうだろうな。
もしも有るべき事としてダンテが此処に居るなら、3年前のフォルトゥナで俺と会った時の反応はオカシイからな?
初対面を装ってた可能性もゼロじゃないが、あのオッサンは演技すると変に芝居がかっちまうから、幾らなんでも俺だって気が付く筈だ……で、如何する心算?


「現状では、如何しようもないと言うのが本音ですね。
 より正確に言うならば、もっと大きな歪みによって彼等は此方に『連れてこられた』と言う方が正確でしょう。
 なれば、その歪みの根源を見つけて断たない限り、彼等を元の時代と世界に戻したところで、恐らくはまた此方に連れて来られてしまうのは明白ですので。」


より大きな歪みって言うと、やっぱ悪魔共――と言うか、クソッ垂れのピエロ野郎が企んでる何かってのが濃厚な線だな。
あの野郎、神出鬼没に現れちゃ、面倒な事をしてくれやがるし、そのくせ本当の目的が全く見えてこねぇと来てる……ったく、本気で面倒な奴だぜジェスターは。


「「「ジェスターだと!?」」ですって!?」

「あ、あぁ!……如何したんだよ3人とも血相変えて?俺、何か驚くような事言ったか?」

「驚くも何も、ジェスターは……アーカムは確かにテメンニグルで、私がトドメを刺したのよ?確りと眉間を撃ち抜いてね。」

「それ以前に、俺とバージルにフルボッコにされてた訳だから、如何考えても生きてる筈がねぇんだが……」

「ジェスターと言う悪魔と、アーカムと言う魔に魅入られた人間は、実は別者だったと言う事か……」


なんとまぁ、ジェスターはバージル達とも知り合い(?)だった訳かよ。


「だが、そうなるとジェスターのやろうとしている『何か』が大きな歪みであるのは間違いなかろう。
 そうであるならば、今此処に俺とダンテとネロ、そしてレディが集っているのも納得できる――更には、ネフィリムの血を受け継いだ高町なのはの存在もな。」

「ほえ?如何言う事ですかバージルさん?」

「説明を願います。」


右に同じく、如何してそうなるんだよバージル?


「考えてもみろ、此処にはスパーダの血族が3人も集い、更に魔界の封印に力を貸した巫女の血を引く者と、ネフィリムの血を受け継いだ存在までもが居るのだ。
 其れだけでも凄い事だと言うのに、フォースエッジ、リベリオン、そして閻魔刀……スパーダの力の象徴たる刀剣が全て此処に集まっているときた。
 もしも歪みを正すために俺達が此処に居るのならば、その小娘の言う『より大きな歪みがダンテとレディ』を連れて来たと言う事も、一応の納得は出来る。
 まぁ、その場合はその歪みを撃ち砕くために、この世界がダンテとレディを呼び寄せたと言う事になるのだろうがな。
 だが、そうであるならば死にぞこないの俺が、この世界に召喚された事も納得が出来ると言うモノだ。――歪みを断ち切るもまた一興かも知れん。」


成程な……言われてみりゃ確かにそうだ。
そもそも、この機動六課はこの部隊だけで世界に喧嘩売れんじゃないかって位の過剰戦力部隊なのは間違いないからな?
六課の設立経緯は知ってるが、或ははやては無意識に『歪み』を感じ取って、其れに対応できる戦力を整えたのかもしれねぇな……あくまで予想の範疇だけど。


「成程、そう言う事ですか……了解です。
 ですが、歪みの根源を砕くまでは、私とて帰る訳には行きません――ダンテとレディは記憶操作を施した上で、あるべき世界に帰さなくてはなりませんからね。
 と、言う訳で、私としては目的達成のその時まで、貴方達と協力関係を結ぶのが最善と考えるのですが、如何様に考えますか夜天の主?」

「ホンならシュテルも『民間協力者』として六課預かりでえぇやろ?」


うん……まぁ、そうなるだろうとは予想してたぜ?バージル達が速攻で民間協力者になった事からもな。
だけど、こうもアッサリ決断して良いモンなのか此れは?普通は、もっと精査して、必要書類やら何やらを整えて申請して、そんで許可されるもんじゃないのか?


「この部隊はレティさん直属やから、面倒な手続きその他はレティさんが提督権限で省いてくれるんやで?」

「はやてちゃん、其れは職権乱用って言わないかな?」

金と権力は、使うべき時に使うもんやろ?


OK、アンタは悪じゃないが、あの爺さんも吃驚の腹黒さだな……大凡、正義の部隊の隊長様のセリフとは思えないぜ?
其れとも何か?俺達は正義の部隊であっても、どちらかと言えば『ダークヒーロー』ってやつなのか?……確かにそっちの方が、俺の性には合ってるけどよ。


「大体その認識でOKやでネロ君。そもそも綺麗事だけじゃ何も出来んやろ?
 ホンマに平和に暮らしてる人達の為やったら、必要悪も迷わず使うし、違法ギリギリのグレーな選択だってする……それが、私の覚悟やからね。」


成程……大したもんだよアンタ。
新人達も、今のはやての言葉を聞いて表情を引き締めてるからな――まぁ、コイツ等ならその覚悟を決められると思ったから、六課に引き抜いたんだろうがな。


「まぁ、其れは其れとして、来とるのはシュテルだけ?王様やレヴィは一緒やないの?」

「いえ、ディアーチェとレヴィ、其れとアミタが一緒ですが……レヴィが大人しく待つなどと言う事が出来ると思いますか?」

「……思わない。」

「でしょう?『局内の探検だー』とか言って何処かに行ってしまいました……アミタとディアーチェは其れを追い、そして私だけが此処に居ると言う訳です。」


他にも来てる奴が居たのか。
まさかと思うが、その仲間はフェイトやはやてにそっくりって事は無いよな?シュテルがなのはに似てるから、若しかしてと思ったんだが……


「ネロ……正解!」

「は?正解って、如何言う意味だなのは―――」




「うわ〜〜〜お!!見つけたぞオリジナル〜〜〜〜〜!!元気だったか〜〜〜〜〜〜!!!」

「うわ!?レ、レヴィ!!!」


「この戯け……漸く大人しくなったと思ったら此れか………
 ふむ……しかしこうなるとはな?久しいな小鴉、息災であったか?」

「久しぶりやね王様〜〜〜♪これこの通り、元気溌剌やで♪」


「お久しぶりですね皆さん!お元気そうで何よりです!」

「はいお久しぶりですね、アミタさん♪」



ちょっと待て!なんだ此れ!?
行き成り現れた青髪のフェイトそっくりの奴と、白髪のはやてのそっくりさんて………まさか、俺の予想は当たってたって言うのか?……幾ら何でも似過ぎだぜ。

シュテル、アンタは……アンタ等は一体何者なんだ?
姉妹って感じじゃないが、其れでも他人て訳でもない……其れなのに、此処まで似てるなんてオカシイだろ?


「端的に言うならば、私達は『高町なのは』『フェイト・テスタロッサ』『八神はやて』を模して生まれた存在と言うのが適当でしょう。
 闇の書の闇を砕いた英雄の姿形を模して顕現した闇の書の構成素体『マテリアル』――其れが私とディアーチェとレヴィなのです。
 なので、似ているのは当然です。私達の容姿は、子供の頃の彼女達をベースにしているのですから……まぁ、既に私達とナノハ達は別者でありますけれどね。」


なのは達をベースにしたマテリアル……シグナム達と似たような存在って事だろうな。
まぁ、何でもいいか?シュテル達が、此れから共に戦う『仲間』だってのは間違いねぇんだからさ……宜しく頼むぜシュテル?


「頼りにしてるよシュテル?」

「はい……ならば其れには応えましょう。
 時に、其れとは別に聞きたいのですが――なのはとネロはどのような関係で?只の『男女の友達』とは思えないのですが……教えて頂けますね?」


無事に終わったと思ったら、最後の最後でそう来たか!!
俺となのはの関係を言うのは構わないが、其れが大々的に報道されたら迷惑極まりないだろうからな………さて、如何したモノだろうな?








――――――








Side:なのは


まさか……まさか、シュテルからネロとの関係を聞かれるとは思って居なかったの。
私とネロの関係を此処で言うのは簡単だけど、絶対に口外にしないって約束できるシュテル?……其れなら、話しても良いよ。


「約束しましょう……我が魂に誓って。」

「なら、安心できるね……私とネロは、所謂『恋人同士』なんだよシュテル。」

ネロが私を受け入れてくれて、私もネロを受け入れた……その果てに、私とネロは『恋人同士』として交際してるの――流石に驚いたかな?


「驚いたなどと言う物ではありません……ナノハは、てっきり師匠とくっつく物だとばかり思って居ましたので……」


師匠って、ユーノ君の事かな?


……確かにユーノ君の事は好きだけど、其れはあくまで『友情』であって『愛情』じゃないんだよシュテル。

私はネロが好き。世界中の誰よりもネロの事が好き……高町なのはネロの事を愛している――そう言えば、分かって貰えるかなシュテル?


「良く分かりました……貴女とネロの絆はとても深いレベルで結ばれている様ですからね……流石はナノハであると、称賛するに値しますよ。
 して、ネロはナノハの事を如何思って居るのですか?」

「愚問だな、俺はなのはを愛してる。何時でもどんな時でも、なのはと共に歩んで行くって心に決めてるぜ?
 其れに、俺となのはだったら、どんな困難が立ち塞がろうとも、其れをブチ砕いて進む事が出来る――俺はそう信じている。……此れじゃ不満か?」

「いえ充分です……ナノハは良いパートナーを見つけたようですね。」


うん!ネロは私の最高のパートナーだよ!其れは胸を張って言える事なの!!


「とても、良い顔をしていますよナノハ……其れを見て安心しました。昔の貴女は、常に張りつめていて、何処か心の余裕がない感じでしたからね。
 貴女には寄りかかる事の出来る相手が必要ではないかと思って居ましたが、期せずして其れに相応しい相手を見つけたようです…良かったですねナノハ。」


うん!ネロと結ばれた事は、私にとってもとっても良い事で嬉しかったからね♪
だからこそ、私はもっと上を目指すんだ……ネロのパートナーとして恥ずかしくない実力を身に付けておきたいからね――まぁ、流石に無理と無茶はしないけど。


そうだ、もしよければ、此れから新人達の教導なんだけど見て行かない?
私とヴィータちゃんが教官で、ネロが新人達の相手をするんだけど、第三者視点から思うところがあれば遠慮せずに言ってほしんだけど、ダメかな?


「断る理由がありません……拝見させていただきますよ、その教導をね。」

「ありがとうシュテル♪」

お昼前の訓練は、ネロvs六課新人組の模擬戦……新人達のクセやら何やらをあぶり出しにするのが目的なんだけど、ネロならきっとやってくれると思うんだ。
実力が上の人との戦いは、より課題を浮き彫りに出来る訳だしね。

とは言え、個人の実力ならネロの方が圧倒的に上だけど、新人の皆のコンビネーション如何によっては、若しかしたら若しかするかもしれないよ?
そう言う意味では、この模擬戦は結果が見えないだけに、相当なモノになる予感がバリバリだね?


取り敢えず、ネロも新人の皆も思いっきり頑張って♪









――――――









Side:ネロ


異世界からの渡航者達は、取り敢えず六課預かりって事で決着したが、午前中の残りの時間でのトレーニングが『模擬戦』とは予想もしてなかったぜ本気で。
しかもなのはに聞いたら、俺一人で新人7人を相手にするって事みたいだからな……中々の無茶振りをしてくれたもんだぜ――俺は負けないけどな!!

まぁ、この模擬戦は新人達の力を見るのが目的みたいだから、俺が勝つ必要性は全く無い訳だが――それでも、負けるの好きじゃないんでね。


「こうなりゃトコトンやってやるさ……手加減抜きで行こうぜ?」

「その心算ですよネロさん!!」


良い気迫だなスバル?……他の奴等も良い眼をしてるし、コイツは存外楽しめそうだぜ!!
Do you assume that I begin?The !! which is the strongest imitation competition!(始めようじゃないか?最強の模擬戦てやつをな!)



見せてくれよな、お前達の『強さ』って言うモノを!!
遠慮しないで掛かってきやがれ!!纏めて受け止めてやるからよ!!持てる全てを、俺にぶつけてみやがれ!!


「言われなくとも……行きますよ、ネロさん!」

「Ha!Come on Rookie!(ハッ!来いよ新人)
 Take out full strength at most. It's because I can't be beat when it isn't so.(精々全力を出せよ。そうじゃなきゃ、俺を倒す事は出来ないからな。)」

さて、弩派手な模擬戦を始めるとするか!!!













 To Be Continued… 




シュテルたちの登場。
美姫 「それにより、ダンテたちが時間移動した理由の説明も」
しかし、ジェスターと全員が関わりがあったんだな。
美姫 「しかも、何やら大きな事件が起こりそうよね」
一体、何が起こるのか。
美姫 「まあ、それでも今の所はいつも通りに訓練よね」
確かにな。
美姫 「これからどうなっていくのか楽しみね」
次回も楽しみにしています。
美姫 「次回も待っています」



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