Side:ネロ


スカリエッティの狙いはレリックって事が分かって、ソイツを護送中のトラックを襲撃して来るって事も分かったから、一路現場に向かってる訳なんだが、本気でうざってぇな
下級悪魔と、ガジェットのやられ専門の雑魚軍団の群れは!!

倒すのに難はねぇが、倒した端から追加で現れてくれるもんだから、正直な所、負けはしないとは言え精神的にゲンナリしちまうって所だぜ……雑魚相手じゃ燃えねぇし。
つーか、本気で頭にくるレベルだなコイツ等は?いっそホーリーウォーター使って、一掃するか?しても罰当たらねぇよな此れなら!!



「気持ちは分かるが、其れの使用は控えておけネロ。と言うか止めてくれ、下手に使われると俺も大ダメージを受けかねんのでな。」

「……ワリィ、俺よりも悪魔の血が濃いアンタに、ホーリーウォーターは劇薬だったな。」


だが、其れがダメだとなると如何したもんだろうな?
仮に俺とバージルで、ダブル次元斬をかましたところで、倒した数と同数が直ぐに補充されるのは目に見えてるから、ソイツはやるだけ無駄ってもんだろうが……如何やら
そんな事もないらしいな?

ったく、狙ったよなタイミングで来てくれるじゃねぇかよ?
なら、思い切りやっちまえよな?――出番だぜ、なのは!オッサン!!


アクセル……シューーーーーーーート!!!

ハチの巣だ!!




――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!



ハッハー!コイツは壮観だな?
なのはのアクセルシューターと、オッサンのレインストームで雑魚共が全滅状態だぜ!!しかも、アクセルシューターは、ヒット後も辺りを周回してるから、新たに補充された
雑魚共の牽制にも一役買ってるって感じがするぜ。

ともあれ、最強クラスの援軍が来てくれたわけだから、此れで足踏み状態とはおさらばだぜ。
加えて、スバルやアミタ達だって、夫々が的確に動いて、トラックに積み込まれたレリックをスカリエッティに渡さんとしてるだろうから、俺達も頑張らないとだよな!!

寧ろ、今回の事も無事に乘り終えて、六課の戦績と実績に華を添えてやるぜ。














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission75
『勝利を掴め〜Get the victory〜』











Side:なのは


信じていたとは言え、この目でネロの姿を確認で来た時は嬉しかったなぁ……本当に悪夢の名を冠する悪魔の中から脱出したんだって言う事が事実だった訳だから。
本音を言うと、会ったその時に抱き付きたかったけど、今はお仕事の真っ最中だから、其処は自重しないとなの。――仕事が終わったら、リミッター解除は確定だけどね。

でもまぁ、取り敢えずは私と、これまた合流したダンテさんの攻撃で、次から次へと現れる下級悪魔は一掃できたのは間違いないよ。
だけど、本番は此処からだよ?――トラックはあくまで運搬用の車両だから多少は頑丈でも、外的な襲撃に対する武器は一切搭載されていないから、私達で護らなきゃ!



「トラックを破壊されず、積み荷のレリックを護って、敵は全滅ってか?
 Ha!中々のハードミッションになりそうだが、俺達機動六課だったら達成できないミッションて事でもねぇ――やってやろうぜ、なのは!目指すは、Sランククリアだろ!」

「勿論、Sランククリアは当然でしょネロ?寧ろSSSランククリアだって可能だよ、私達ならね。
 すでにエリオとキャロとスバルが先行してるし、ダンテさんがこっちに居るって言う事は……」

「おうよ、王様やノーヴェ嬢ちゃん達には先行して貰ったぜ。
 此処は生きの良いルーキーが行った方が良いと思ってな?んでもって、見た目は子供だが王様達の実力は筋金入りで、アミタ嬢ちゃんだって超一流ってのは、間違いな
 いから、ルーキーの勢いと熟練者のコンビネーションで行った方が良いと思ったって所だな。」


成程、確かに一理ありますね……って、ネロとバージルさんは如何してダンテさんのおでこに手を当ててるの?



「いや、このオッサンが比較的真面な事を言ってるなと思って……」

「若しかしたら、熱でもあるのではないのかとな………」

「おいコラ、確かに俺が此処まで考えるってのは珍しいかもしれねぇが、その反応はあんまりだろ!?
 俺だって偶にはちゃんと考えて行動するっての!!つーか、坊主とバージルの中での俺って一体どんな奴な訳!?其れを、ちょいとばかし聞いてみたい所だぜオイ!」

「……胡散臭くて、人の事舐めまくった笑み浮かべてて、1回と言わずにぶっ殺したくなるほど、むっかつく奴って所だな。まぁ、一応教団の事件の事に関しちゃ感謝してるがな。

「後先考えずに、思ったまま突っ走る愚弟以外に如何言えと?
 テメンニングルの時は、俺が突っ走ってお前が止めたが、子供の時分にはドレだけ俺がお前を止めたと思っている?少しは考えろ愚弟。…だが、俺を止めてくれた事には礼を言っておこう。

「俺って評価低すぎ!?」


なはは、何とも評価が厳しい事で。って言うか、小声でさりげなくフォローは入ってたみたいだけど、ダンテさんには聞こえてなかったみたいだね此れは。
でも、兎に角、今はレリックを何としても護る事が先決だから、張り切って行かなくちゃ!!

このメンバーだと……うん、ネロとティアナとバージルさんは先行してくれるかな?
私とシグナムさん、其れにダンテさんがいればドレだけ下級の悪魔が現れても負ける事は無いし、露払いだって難しくはないからね。



「俺とティアナとバージルが先行するのか?」

「確かに其れならば、何方のチームもオーソドックスな前衛と後衛の組み合わせにはなるが……些か解せんな?」

「ネロさんとバージルさんは兎も角、私は前線に出るタイプじゃないのに……何故ですかなのはさん?」



確かにティアナは前線に出るタイプじゃない。どちらかと言うと指揮官タイプだからね。
だけど、この局面では、指揮官とは違うティアナのもう一つの才能である『幻術』が必要になると思うんだよ――幻術で敵を惑わせる事が出来れば、それは六課にとって大
きなアドバンテージになる事は間違いないからね。



「ティアナの幻術か……確かにそいつは行けるかもな?
 まして相手は、やられ専門の下級悪魔とガジェットだからその効果は抜群だろうぜ!――つーか、ティアナの幻術だったら上級悪魔にも通じるだろうからな。」

「そう言う事なら了解です。
 折角なのはさんに推して貰ったんですから、その期待には応えて見せます!!……見ていてくださいなのはさん!!」

「敵を惑わすも、また兵法……そう言う事ならば了解だ。」



うん、期待してるよティアナ。
ネロとバージルさんの強さは言うまでもないけど、ネロの圧倒的なパワーとバージルさんの神技とも言える剣術に、ティアナの幻術が加われは、其れはもう最強レベルの組
み合わせになる事はいうまでもない事だよ。

誰が言ったか知らないけど『最強の剣士と、至高の魔術が組めば無敵』って言葉があるから、ネロとティアナは正にそれを体現したコンビって言っても過言じゃない。


――まぁ、剣士と魔導師の最強コンビは私とネロだって言う事を変える心算は毛頭ないけどね。

だけど、力のネロと幻術のティアナのコンビが強くない筈はないからね……思い切りやっちゃっていいよ!
極論を言えば、レリックと運転手が無事なら、トラック其の物は吹っ飛んだところで、幾らでも言い訳は効くからね――主にはやてちゃんのおかげで!!



「こんな事言ったら身も蓋もねぇが、其れで良いのか六課部隊長!?」

「はやてちゃん曰く、金と権力は使うべき時に使う物って言うことらしいよネロ?」

「ソイツは、如何考えてもサラッと言って良い事じゃねぇし、普通に悪役のセリフだろオイ!少なくとも、テロリストと戦う部隊の隊長が、吐いて良いセリフじゃねぇ絶対に!
 ……と、普通なら思うんだろうが、シグナムが居るところで言うのもなんだが、言ったのがはやてとなると滅茶苦茶納得しちまう俺が居るんだが……」

「ネロさん、私もちょっぴり納得してしまいました。」

「納得してしまうな確かに………」

「口元に悪い笑み浮かべて、そのセリフを吐いてるはやて嬢ちゃんが容易に想像出来ちまうからなぁ?」

「……お前等、主はやてを何だと思っているんだ?」

「「「Wicked small racoon dog leader.(腹黒小狸部隊長。)」」」

「私はノーコメントで……」

「……何故だろう、此処は騎士として怒るべき所である筈なのに、マッタク否定できない自分が居ると言うのは。」(汗)


はやてちゃんは大人になってから、色々な意味で良くも悪くも成長しちゃったからねぇ?間違いなく、同期の中では一番『大人の世界』を知ってるだろうからね。
まぁ、其れは今は良いとして、先ずは道を切り開くから、一気に突撃して!!レリックは絶対に死守だよ!!



「了解です!」

「ふ、精々任せておくが良い。」

「そんじゃまぁ、一発弩派手なのを頼むぜ、なのは隊長!」



うん、弩派手なのをかますよネロ!!
行きます、パワー全開の、ディバイィィィィン……バスターァァァァァアァァァァァァァァァァァァァ!!!



「焼き潰せ、飛竜一閃!!

「逝っちまいな!打っ飛びやがれ!!



――ドゴォォォォォン!ゴォォォォォォォォォォ!!ズバァァァァァァァァァァァァ!!!



私のバスターに合わせる形で、シグナムさんが飛竜一閃を、ダンテさんがドライブを放ってくれたおかげで、新たに現れた下級悪魔数十体を、一気に纏めて撃滅出来たの。
ネロ、ティアナ、バージルさん!今の内に!!



「おう!!突っ切るぜ!!」



予想はしてたけど、ネロとバージルさんは足も速いよね。
ティアナが少し遅れるかも知れないと思ったけど、ネロが……と言うよりも、ネロの背後に現れた光の魔人の腕がティアナを掴んで一緒に移動中だから、遅れる事はないよ
ね。……って言うか、デビルトリガー発動しなくても、腕だけなら光の魔人を呼び出す事が出来るんだ……。


尤もそのお蔭でティアナは遅れずに済んでる訳だから、余り突っ込むべきじゃないのかも知れないけどね。


「さてと、マダマダ悪魔は出て来る訳ですけど、如何しますかシグナムさん?ダンテさん?」

「愚問だな高町、この様な者達など、斬り捨てる以外に選択肢はないだろう?」

「そう言うこった。
 それに、折角R指定の過激なライブでアンコールが沸き起こったんだから応えてやろうぜ?
 何よりも、アンコールに登場したのが、アンタ等みたいな極上の美女ってんなら、ライブ会場が盛り上がらないなんてのは嘘になるからな?派手なロックと行こうぜ!!」



言われなくてもその心算です!
ギターは私、ベースはシグナムさん、そしてドラムはダンテさんのバトルなロックンロールを、楽しんでもらうとしようかな!!









――――――








No Side


なのは達の露払いもあり、ネロ達はレリックを輸送中のトラックに追いつく事が出来たが、其処では凄まじい数の悪魔とガジェットが出現し、エリオ、キャロ、アミタとマテリア
ルズ、そしてナカジマ姉妹が文字通り撃滅していた。

エリオとレヴィの雷属性の攻撃は、いとも簡単にガジェットの回路をショートさせ、スバルとノーヴェとギンガの重爆拳打&蹴撃はガジェットの装甲を粉砕し、下級悪魔も一撃
の下に完全粉砕!寧ろ一撃撃滅!!

ウェンディの不規則な動きは敵を惑わせ、其処にディエチとシュテルの砲撃が炸裂し、アミタの光の如く素早い攻撃が敵を切り裂く。


極めつけに、ディアーチェの高威力の広域魔法が幾多のガジェットと悪魔を、文字通り一撃で殲滅して正に『王様無双』状態であるのだ。



此れならば、レリックが奪われる事は無い――と、思いたい所だが、往々にして事は楽には進まないのが世の常だ。



「レリックは貰う受ける……」



突如、アイバイザーを装着した、ウェンディ似の少女が現れて、レリックを輸送中のトラックの荷台の上に出現!!!
このままコンテナを突き破られたら、レリックは持ち去られてしまうが、そうは問屋が卸さない!!卸さないったら卸さないのである!!



「させるかよ!Be gone!(失せろ!)

「屑が……Die.(死ね。)



現れた少女に対して、ネロのストリークと、バージルの疾走居合いが炸裂し、コンテナの破壊を未然に阻止!
最強クラスの剣士の突進斬りは、大凡防げるものではない故に、ウェンディ似の少女もまた避けるしか他に無かったのだが……



「死ぬのは貴様等だ。」



タイミングよく、なのはに圧倒的な実力差を見せつけられて敗走したトーレが現れ、ギリギリではあるが、ネロとバージルの攻撃を防いで見せた。



普通に考えれば敵の増援と言うのは有り難くないモノだが、其れはあくまで一般的な価値観の下であるが故に、一般的とかけ離れたネロにはマッタク持って意味がない。
豪快な一文字切りと、華麗な居合斬りがトーレに炸裂し、女性体としては屈強な体躯を叩き伏せる。



「誰が死ぬって?寝言は寝てから言えよなクソッ垂れが!」



――メキィ!!!



更にネロが、一撃必殺のバスターを炸裂させ、増援として現れたトーレを、その一撃を持ってして完全撃滅!!そして滅殺である。



「がは……こ、これ程とはな。
 だが、私はこの場に於いては囮に過ぎん………貰い受けるぞレリックはな!!」

「んだと?」



だが、この期に及んでトーレはレリックを貰い受けると言う。
普通に考えれば、其れは単なる負け惜しみにしか聞こえないが、トーレの顔には確信めいた不気味な笑みが浮かんでいたが故に、ネロには、其れがハッタリや強がりに
は聞こえなかった。



「精々『試合に勝って、勝負に負けた』感覚を味わえ。
 この場での勝利は譲ってやるが、最終的に勝つのは我等だと言う事を忘れるなよ時空管理局……精々、仮初の勝利に酔っているが良いさ。」



その真意は分からないが、言うが早いかトーレは外部からの転移魔法でその場から離脱。
更に――



「んじゃあ、此れは貰って行くからね〜〜〜!!」

「「「!!!!」」」



水色の髪の少女が、トラックのコンテナの中から現れ、大きな箱を抱ええたままその場から消失!
恐らくはレリックが入っていたであろう箱を持ったまま、転移魔法の一種でその場から居なくなった――完全な奇襲攻撃で、レリックを強奪して見せたのだ。



「テンメェ、待ちやがれ!!」

「逃げられると思うなよ、塵芥が!!」



無論、其れを逃がさんと、ノーヴェとディアーチェが攻撃を仕掛けるが、ギリギリで避けられ、逃走を許してしまう。

其れは、つまりレリックを敵方に渡してしまったと言う事になるのだが――



「コイツは、取り敢えず作戦成功って所か?」

「寧ろ大成功だ。……驚く演技も見事な物だったぞネロ?」

「まぁ、バージルさんのエアトリックが有ればこそ、可能だった作戦でしたけどね。」



ネロ、バージル、ティアナの3名は寧ろ『此れでOKだ』と言わんばかりの表情であり、如何にもネロの驚いた様子は、演技であったらしいのである。

如何やら、まんまとレリックを奪われたと思ったが、其れはこの3人の作戦の範疇であり、この結果は当然の事であったのだろう。









――――――








Side:ネロ


まさか、此処まで巧く行くとはな。
バージルのエアトリックと、ティアナの幻術があってこそとは言え、此処まで作戦通りと言うか、作戦そのままに事が進むとは、恐らくスパーダでも予測できなかったんじゃな
いかと思うぜ?



「クソ……レリックが!!」

「持って行かれてしまいました……」



だからまぁ、この辺でネタバラシと行くか。
俺達以外の面子は、レリックが敵の手に落ちたと思ってるみたいだからな。


「オイオイ、何を落ち込んでんだよ?確かに敵には逃げられちまったが、今回の一件は俺達の勝ちなんだぜ?
 トラックも、運転手も、そんでもって『レリック』だって無事だったんだからな?――其れなのに、そんな暗い顔してたら、折角の勝利が台無しになっちまうだろうが。」

「「「「「「「「「「「「へ?」」」」」」」」」」」」

「……ふむ、これが『ハトが豆鉄砲を喰らったような顔』と言うやつか。」



かもな。
だけど、驚くのはコイツを見てからにしろって……これ、何だと思う?



――ヴォン………



「此れって、まさか!!」

「レリック、ですか!?」



正解。

種明かしをすると、俺達が増援に駆けつけた際に、バージルがエアトリックを使ってトラックのコンテナ内部に入り込んでレリックを持ち出し、代わりにティアナの幻術でレリッ
クに見立てた偽物を忍ばせたって訳だ。

でもって本物のレリックは、これまたエアトリックで戻ってきたバージルから俺に渡り、悪魔の右腕に収納しといたって訳さ。
此れなら俺が負けない限りは絶対に奪われないし、限りなく本物に近い偽物を掴ませれば、相手だって不必要な攻撃はしてこねぇだろうし……まぁ、作戦勝ちって所だぜ。



「偽物を掴ませて仮初の勝利を与えるか……くくく、中々の戦術だ。
 勝ったと思ったら、実は掌で踊らされていただけとは、なんとも愉快極まりない事だ!実に見事だネロ、バージル、ティアナ!褒めて遣わすぞ!!」

「ありがとよ王様。その賛辞は、素直に受け取っておくぜ。」

そう言えば、バージルが偽物を仕込んだ際に『少しばかり趣向を凝らした』とか言ってたけど、一体何をしたんだろうな?
どんな趣向を凝らしてくれたんだバージル?



「秘密だ。
 だが、連中が物凄く悔しがって、そしてムカつくであろうことだけは確実だな。」



……本気で何をしやがったんだ親父様よ!?
ったく、似ても似つかねぇが、アンタとダンテは間違いなく双子だぜ……恐らくは、ダンテも似たような事をしただろうからな。


でもまぁ、そのお蔭でレリックは無事だったんだから、あんまり言う事は無いよな。
折角の休日を潰してくれた事にはムカついたが、今回は俺達の勝ちだぜクソッ垂れが!!――精々アジトで、偽物を掴まされた事を悔しがるんだな!!








――――――








No Side


さて、レリック入りの箱を強奪する事に成功したスカリエッティ一味は、早速はこの中身を、アジトにて確認しようとしていた。


「そんじゃ、ボックスオープン!!」


トラックのコンテナから、レリックを強奪して見せた水色の髪の少女が箱を開け、レリックを入手!!――と、思われたのだが、箱の中にはレリックなど存在してはいない。


「へ?」

「如何言う事だ、此れは?」


当然一同は困惑する。
箱にはレリックの代わりに、色鮮やかなビー玉の袋詰めと、其れに添付されたメモ書きが入ってただけなのだから。

そしてそのメモ書きには……


『精々仮初の勝利に酔うが良い、屑が。Byバージル』


この一文が、流暢な楷書体で記されていた。しかも、筆ペンであろうが、見事な毛筆体で。



「ぶっ殺す。」



――ビリィ!!


そして、其れを見たトーレは怒りが臨界点を突破し、メモ書きを引き千切って六課抹殺を心に誓う。

尤も、実力差的に其れは叶わぬだろうが、少なくともスカリエッティ一味に其れなりの打撃を与える事が出来た事は間違いないだろう。


突然の襲撃ではあったが、此度の一件は機動六課の優秀さと強さを後押しする形になり、機動六課の管理局内での地位は、一気に上昇する事になる。


何れにしても、此度の戦いで勝利したのは機動六課であると言う事は、覆しようのない事実であった。
















 To Be Continued… 





ようやく一連の騒動にも決着が。
美姫 「元々は休日だったのにね」
本当に長くとんでもない休日になったな。
美姫 「それでも無事に解決はしたし」
これで六課の存在に関してもそうそう文句は出ないと思うけれど。
美姫 「犯人を捕まえた訳じゃないから、今後も注意は必要よね」
ああ。次はどうなるのか楽しみだ。
美姫 「次回も待っていますね」
待っています。



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