Side:スカリエッティ


さて、此れが私の計画だが、如何思うかねアグナス君?



「こ、此れは……すすす、素晴らしい計画だ。
 凡百な管理局に鉄槌を下し、そして己が新たな秩序となるとは、実に素晴らしく、そして見事な計画だドクター・スカリエッティ!私も蘇った甲斐があると言う物だよ!」

「それは、良かった。この計画を実行に移すに当たっては、君の賛同が得られなければならなかったからね?
 何よりも、あの最終兵器を起動させるには、君の頭脳は必要不可欠だし、帰天に関する事も色々と聞きたい事が有ったからね……まぁ、利害の一致と言うやつさ。」

「利害の一致?……其れが正解だろうドクター・スカリエッティ?
 利害の一致無くして協力体制は有り得ぬし、その先にある己の欲望の成就が見えなければ、他者との協力体制などは有り合えない。
 だが、其れだけに私達は、最高の関係を築けるのだと思わないか、ドクター・スカリエッティ?私達の望みが叶ったその時には、己の理想が現実となるのだからね。」



確かに其の通りかも知れないね?

まぁ、何れにしても君の存在が私にとっては必要である事に嘘偽りはないよアグナス君?
かの最終兵器を『神』とし、そして私の娘達に『帰天』の能力を与えるには、君が生前に研究して得た知識と言う物は必要不可欠だからね?是非とも協力してほしい。



「いいい、良いだろう。
 其処まで言われては、やる以外に選択肢もないからね……復活させて貰った礼も含めて、可能な限り、君の要望には応えようじゃないか、ドクター・スカリエッティ。」



ククク、其れでは期待しているよアグナス君?
神の完成が成り、そして帰天の力を得る事が出来れば、時空管理局などおそるるに足らない存在となり果てるだろうからね……マッタク、実に愉快な事だよそれはね!














リリカルなのは×Devil May Cry  黒き騎士と白き魔導師 Mission79
『日常の幸福〜Daily prosperity〜』











Side:なのは


ん……朝…かな?そろそろ起きないとだね。マダマダ出勤までには時間が有るけど、朝ごはん作ったりしないとだから、この辺で起きておいた方が良いかもだよね……



「Good morning NANOHA.(おはよう、なのは。)」

『Good morning Master.(お早うございます、マスター。)』



うん、おはよう、ネロ、レイジングハート。

結局昨日は、ヴィヴィオと皆が打ち解ける事が出来たんだけど、ヴィヴィオが如何しても私達と一緒が良いって言って聞かなくて、結局私達の部屋に連れて来て、ネロと
一緒に、所謂『川の字』になって寝たんだよね。

私とネロの間には、まだ寝息を立ててるヴィヴィオの姿が有る……此の寝顔を見ると、何て言うかホッとするかな?
此れだけ穏やかな寝顔を見せてくれるって言う事は、少なくとも私とネロは、ヴィヴィオにとって心を許してリラックスできる存在だって言う事の表れだと思うからね。



「だよな。つーか、子供の寝顔は天使とは良く言ったもんだと思わねぇか?
 こんな顔見せられちまったら、本気で日常の疲れなんてモンは吹き飛んじまいそうだぜ――だから、何が有ろうとも、コイツを護ってやらないとならないよな。」

「うん、そうだねネロ。」

心底安心した顔で眠るヴィヴィオ……子供が、安心して眠る事のできる世界って言うのは、何よりも尊く、そして護らなきゃならないモノだって思うもん。
勿論、其れは生半可な覚悟と力で出来る物じゃないし、其れを成すのは簡単じゃないって言う事は分かってるけど、難しいからこそ成さないとならないんだよねきっと。



「だろうな。――まぁ、俺等なら何とかなるだろ、何が起きても最終的にはな。
 つーか、下手したらバージルが纏めて斬り捨ててゲームエンドとかなりそうじゃねぇか?しかもダンテとレディまで居る訳だし、ぶっちゃけ負けのヴィジョンが見えねぇ。」

「確かに。」(汗)

「だろ?大体にして、デビルトリガー発動可能な奴が7人も居て、其の内3人はスパーダの血筋で、1人はネフィリムの末裔ってだけでもトンでもねぇって感じだってのに、
 六課部隊長様はスパーダとタメ張った悪魔の力を有して、フェイトとシグナムは、悪魔の武器を調伏して己に従わせたってドンだけだよ本気で?
 下手したら、機動六課のメンバーで世界征服とかできるんじゃねぇのか?比喩とか、誇張とか全くなしで本気でよぉ!!」



それは、確かに否定できないよネロ。
自分で言うのもなんだけど、今の機動六課は『過剰戦力』と言っても過言じゃないからね?――でも、それで良いんじゃない?管理局の『抑止力』としては充分なの。

其れに、他の部隊とかが何も言って来ない所を見ると、六課の戦力は『合法』って言うところだろうからね?
……レティさんが『何も言わせない』ようにしてる可能性って言うのは、マッタク持って否定できない部分ではあるんだけど……って言うか、否定できないの、うん。



「つーかよ、いっその事最高評議会とか言うクソッ垂れ共のトップの連中を、ドゥーエに暗殺させて、レティを新たな局長にすりゃ管理局の改革ってのは完了じゃねぇか?
 寧ろそうした方が、色々と面倒事も無くなるし、出世欲に目の眩んだ阿呆も一掃出来るんじゃねぇかと思うんだけど、そん辺は如何思う?」

「確かに。(汗)
 でも、其れをやっちゃったら、レティさんやはやてちゃんに要らない疑いが掛かっちゃうから、やっぱりその案はボツなの。それに、数週間後に行われる『公開意見陳述
 会』で、レティさんが六課の――引いては、自分の派閥部隊とゲンヤさんの部隊、クロノ君の傘下の部隊の挙げた成果を示して、更に最高評議会の行って来た違法な
 彼是を明らかにするって言ってたからね。」

「俺等の挙げた成果は兎も角として、最高評議会の不正とかは一体如何やって調べ上げたってんだよオイ……」



オーリスさんからの情報と、ドゥーエちゃんの潜入捜査と、マリーさんのハッキングとかでね?
はやてちゃん曰く『叩いたら、埃どころか、蚤に虱にミイラ化したネズミの死骸に白骨遺体まで出て来たと思う位に色々出て来たで……』って事らしいから、相当なの。



「待てやオイ。前者2つは良いとしても、ハッキングは流石に拙いだろ?下手したら、こっちが違法行為でやられちまうんじゃねぇのか?」

「大丈夫だよ、リアルタイムでログ消しながらハッキングするなんて言う事は、マリーさんにとっては朝飯前の事だから。
 大体にして、偉そうな事だけ言って己の私欲しか考えてない連中を相手に、こっちが合法的な手段のみで攻める義務も義理もありはしないんだよネロ?」

「……言われてみりゃ、其れもそうだな。」



だから問題なしなの♪







「あふ……むにゃ……ママ?パパ?」






あ、話し込んでるうちにヴィヴィオが目を覚ましたみたいだね?おはよう、ヴィヴィオ♪



「Good morning Vivio.(おはよう、ヴィヴィオ。)」

「あふ………おはよ、ママ、パパ……♪」(ニコッ)



――ズギャァァァァァァァァァァァァン!!!



「おいコラ、反則だろ此れは……何だこの可愛い生き物の極みみたいなのは……!孤児院の手伝いしてた時にだって、見た事ねぇぞこんなの……!」

「た、確かに寝ぼけ眼での笑顔の『おはよう』は反則級の可愛さだよね。」

「ママ?パパ?どうかしたの?」

「「何でもない(の)。大丈夫だ(から)、問題は無い(の)。だから安心して良いぞ(の)ヴィヴィオ。」

「そうなの?……なら安心した………。」



〜〜〜〜!!本気で、可愛いよねこのヴィヴィオは!!
そ、そうだ朝ごはん作らなくちゃ!!何かリクエストは有るかなネロ?



「飯と味噌汁と焼き魚、其れから漬物と納豆、あと可能なら卵焼き。ヴィヴィオが居るから、卵焼きは甘めのはちみつ出汁巻き卵で。
 焼き魚はアジの開き、味噌汁は豆腐とワカメとなめことネギで宜しく。」

「朝ごはん?」

「あぁ、なのはママが最高の朝ごはんを作ってくれるから、楽しみにしてなヴィヴィオ。」

「うん♪」



完璧なまでの和食メニューだね。
ヴィヴィオも期待してるみたいだし、此処は私の腕の見せ所なの!!最高の朝ごはんを作って見せるから、二人とも期待しててね!!



「は〜い♪」

「ま、なのはの作る物は何でも美味いんだけどな。」



〜〜〜!///――そ、その不意打ちは反則だよネロ!!!―――でも、そう言って貰えるって言うのは、悪い気分じゃないから、此れは余計に頑張らないとダメだね!
高町なのは、不肖ながら頑張るの!!











で、頑張った結果、ネロもヴィヴィオも大満足だったみたいだから、私としてはこれ以上ない結果だったね♪








――――――








Side:ネロ


なのはの最高の朝飯を食って出勤した訳なんだが、コイツは行き成り厄介事が起きちまったみてぇだな?



「やだー!ママと一緒に居るのーーーー!!!」

「えっと…だけどママはお仕事が有って……」



何やらなのはは、フェイトと共にはやてに呼び出されたらしくて、一日中留守に成っちまうみたいで、ヴィヴィオと一緒に居る事が出来ねぇんだが、ヴィヴィオはなのはと
離れたくねぇんだろうな?……ワンワン泣いて、なのはの足にしがみついてやがるからな。


だけどなぁヴィヴィオ、ママはお仕事が忙しいんだから、駄々をこねちゃダメだ。
ママが居なくなって不安なのは分かるが、俺は――『パパ』は一緒に居てやる事が出来るから、其れで勘弁してくれ。何よりも、ママを困らせちゃいけねぇぜ?



「パパが一緒?……だったら大丈夫、頑張る。」

「ゴメンね?出来るだけ早く戻ってくるからね。」

「うん……行ってらっしゃいママ………」

「はい、行ってきます♪」



中々に聞き訳が良いじゃないかヴィヴィオ?
確かにママが居ないって言うのは不安だろうが、代わりに俺が――パパが居るから勘弁してくれないか?俺が目一杯ヴィヴィオの相手をしてやるからさ。



「パパが?……うん、パパも大好き♪」



「スッゲェ懐かれっぷりだな坊主……若しかしなくても、お前さんは子供に好かれる性質なのか?なんつーか、予想外ここに極まれりだぜ本気で。」

「アンタの息子だと思うと余計にそうよねバージル?
 マッタク、何処を如何やったら、アンタみたいな冷血非道上等な奴から、あんなに良い子が生まれるのか、本気で知りたい所だわ。独占インタビューをしてでもね!!」

「母親の遺伝子ではないのか?
 加えて、1/4ならば、俺よりも悪魔の血は薄く、反対に人間の血が濃いからな――恐らくは、その辺の影響だろう。」

「お〜い、其れでいいのかお兄ちゃんよ?」

あ゛?



――チャキ?



「さーせん、冗談です。だから、ぶっ刺しは勘弁プリーズ。つーか、刺されても死なないとは言え、やっぱ刺されると痛いんで………ダメかオイ?」

「ダメに決まっているだろう?……Die.(死ね。)



――ズバァァァアァァァァァァァァァァ!!!



でもって、大体予想はしてたけど、オッサンの軽口にバージルがプッツンして、安定の斬殺刑に処されたな……まぁ、この程度じゃオッサンが死ぬ筈はねぇんだが、流石
にこの光景をヴィヴィオに見せる事は出来ねぇからな……咄嗟に目隠しした俺を褒めてやりたいぜ。

つーかバージル、子供の前で流血沙汰はNGだぜ?下手したら、子供に要らんトラウマ植え付けちまうかもしれねぇからな……



「善処しよう。」

「其処は、絶対にしないって言ってくれよバージル……」

下手したら、バージルはオッサン以上にヴィヴィオを近づけさせちゃいけねぇ存在かも知れねぇな……まぁ、ヴィヴィオ自体は嫌いじゃないみたいだから、様子見だがな。



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・・・



んでもって、そろそろ昼なんだが、なんつーかエリオとキャロが思った以上にヴィヴィオの面倒を見てくれたおかげで、俺も少し休む事が出来たぜ。



「はい、パパ♪」

「ん?コイツは……へぇ、中々よく描けてるじゃないかヴィヴィオ?
 ありがとよ。きっとなのはも喜ぶだろうからな――有り難く頂かせて貰うぜヴィヴィオ。」

「うん!♪」



そんな中で、ヴィヴィオが持って来たのは、俺となのはの似顔絵。
クレヨンで描かれたそれは、決して巧いとは言えねぇが、子供なりに俺となのはの特徴を良く捉えたイラストだと思うぜ俺は――巧くはないが、そっくりだと思うからな。


さてと、其れは良いとして、そろそろ良い時間だから、昼飯食いに行くか。
ヴィヴィオ、何か食べたいものってあるか?



「……ママのキャラメルミルク。」

「悪いがソイツは無理だ。
 なのはが帰って来たら、改めてリクエストしてくれ。」

只のキャラメルミルクなら兎も角、ママの――つまり、なのはのキャラメルミルクって言われちゃ、俺の出番はないからな……



「なんだよ坊主?キャラメルミルク位作ってやれよ?作れない訳じゃないんだろ?」

「確かに其の通りだが、ヴィヴィオのオーダーは『ママのキャラメルミルク』であって、俺が作ったもんじゃねぇんだよ。其処を考えてくれよな!!」

「其処まで差が出るもんかねぇ、キャラメルミルクに?」



出るんだよ!
オッサンにも分かり易く言ってやると、なのはのキャラメルミルクが高級一流イタリアンレストランのマルゲリータピザだとしたら、俺のキャラメルミルクは、宅配ピザのマル
ゲリータなんだよ!此処まで言えば分かんだろ!!



「……スマネェ坊主、俺が悪かった。」

「分かれば良いぜ分かればな。」

だがそうなると、キャラメルミルク以外で、何が食べたいんだヴィヴィオは?……つっても返っては来ないよな。

しょううがねぇな……おい、エリオ、キャロ少しばかり出掛けようぜ?偶には管理局の食堂以外で飯を食うってのも乙なモンだからな。



「確かにそうだな!ゴチに成るぜ坊主!!」

「待てやこら、なんで俺がアンタに奢らなきゃならねぇんだダンテ?
 俺が奢るのはあくまでも、エリオとキャロだけだ、アンタはお呼びじゃねぇんだよダンテ!つーか、甥っ子にたかるなよ、悲しくなるから!!」



「そう堅い事言うなよ坊主〜〜♪」

「言うに決まってんだろ、オッサンが!!」



――ベキィィィィィィ!!!



んで、突貫して来たオッサンにカウンターでバスターをブチかましてKOしてやったぜ!――数十秒もあれば、何事もなかったかのように復活するんだろうけどな。



「ね、ネロさん……」

「良いんですか、アレは?」

「全然問題ねぇよ。オッサンに関しては心配する事とかがそもそも無駄だからな……大体にしてダンテは頑丈さもハンパねぇから、あの程度じゃ大した事はねぇさ。」

兎に角腹ごしらえをしておこうぜ?ヴィヴィオも、お待ちかねみたいだからな。








――――――








Side:なのは


さて、態々私とフェイトちゃんて言う隊長レベルを呼び出したのは、一体如何言う事かなはやてちゃん?



「うん、先ずは此れを見て欲しいんや……聖王教会のカリムが予言を出してな?
 ――カリムの予言やから、信憑性の方は可成り期待してもええんと思うんやけど、いくつか気になるワードが有るんよ?取り敢えず、この予言を見てもらえるかなぁ?」

「「?」」


其れは構わないけど――此れは幾ら何でも、冗談が過ぎないかなはやてちゃん?
此れは、此の予言の内容は、明らかに世界が破滅に向かうって言う未来を示唆している――と言うよりも、管理局の崩壊と言った方が正しいかもしれないの!!!!



「これは、幾ら何でも流石に……」

「うん、絶対に実現にはさせちゃダメだよね!!」

大体にして、私達は、その困難を乗り越えて今に至っていると思うから――だから、私達は何処までも抗うだけなの!!この予言を、現実の物としない為にね!!!

フェイトちゃんも覚悟を決めたみたいだから、此れで何処にも死角はないの!!



「なのは……」

「なのはちゃん!」

「うん!!!」

私達は絶対に負けない!!機動六課……ファイ、オォォォォォォォォォォオォォ!!




「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」





兎に角、未来のために、今はもう一頑張りだね?――ヴィヴィオの為にも、頑張らないといけないだろうし、全力全壊で突き進むだけの事なの!!!













 To Be Continued… 





冒頭の悪巧みは兎も角、ヴィヴィオが保護されてほのぼのと。
美姫 「本当に可愛いわね」
だよな。このまま何事もなく日常が続けば良いけれど。
美姫 「まあ、スカリエッティたちの悪巧みもあるし、多分無理よね」
予言の件もあるしな。
美姫 「どうなっていくの楽しみね」
次回も楽しみにしています。
美姫 「待っていますね」



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