第70話「これから 前編」






 いろんな出会いがあった『闇の書』事件が終わって、年が明けて、冬が終わって、そして春が来ました。



「フェイトちゃん、アリシアちゃん」
 フェイトとアリシアを呼ぶ。
「なのは」
「おはよう。フェイトちゃん、アリシアちゃん」
「うん。おはようなのは」

「私達、もう4年生だね」
「うん」
「去年のクリスマスからは、なんだかあっという間だったね」
「そうだね」
「本当に……」
「小学校と局のお仕事と技能研修と資格試験、いろいろ忙しいしね」
「うん。資格試験と言えば、すずかちゃんだよね」
「在学中にデバイスマイスターの資格を取得しちゃったんだもんね」
「私のヴァルディッシュも凶化してもらったし」
 すずかは、デバイスマイスターの資格を持っているようだ。
「でも、なんだか楽しいし」
「そうだね」
「こっちでも、あっちでも皆と一緒なのがうれしいな」
「わたしも、なのはが一緒だと心強くてうれしい」
「わたしも、すずかが一緒だから……」
 相変わらずすずかLOVEのアリシアだ。
「にゃはっはっはっはっ」
 笑うなのは。
「そう言えばはやてちゃん……」
「あっ、うん。メール着てた?」
「うん。うん!! 今日の始業式には間に合わないけど、明日からだって」
「7人とも一緒のクラスになれるみたいだし、楽しみだな」
「うんっ!!」
 なのは、フェイト、アリシア、アリサ、すずか、カーテローゼ、はやては同じクラスのようだ。



『八神さん。八神はやてさん。どうぞ』
 はやての呼び出しだ。
「はぁい♪」
 はやては、病院に居る様だ。


「うん。すごいわよ、はやてちゃん!! 本当にどんどん良くなっている」
「ほんまですか?」
「足の感覚も大分戻ってきているんじゃない?」
「戻ってきていますね」
「うん、この調子でいけばきっと直ぐに全快しちゃうわね」
「石田先生のおかげです」
「うぅんうん。はやてちゃんが頑張ったからよ」
「うふふふっ」
「発作も無いから、明日から復学も出来るし……」
 はやては、明日から復学するようだ。
「制服とか用具とかは揃っている?」
「はい! もうばっちりと……」
 はやては復学の準備万端だ。
「うん。暫くは車椅子の通学だけど……」
「あっ。教室は1階にしてもらえるそうなので大丈夫です」
「流石、私立! 融通が利くんだぁ」
「そうみたいですね」
 感心する石田医師。
「うん。立って歩けるようになるにはもう少し時間が掛かるし、リハビりはきっと大変だと思うけど、一緒に頑張ろうね」
「はい」
「あぁ、そう言えばシグナムさんとシャマルさんはお元気!?」
「はい!! めちゃめちゃ元気です」


「では、レティ提督、我々は之で失礼します」
「うん。ごめんね。結局、夜通しの勤務になっちゃったけど、色々助かったわ。お疲れさま!!」
「いえ。ありがとうございました」
「シグナムはまた明日、ヴィータとの武装隊への出向があるから、時間と場所は大丈夫?」
「本日中におって連絡があるそうです」
「うん。シャマルは、明後日、ザフィーラをつれて来てね。支局の方に行ってもらうから……」
「はい」
「それじゃあ、今日はユックリ休んで。はやてちゃんに宜しくね」
「「おつかれさま」でした」


「はぁ。局のお仕事って、やっぱり肩のこることが多いわね」
 シャマルは、肩がこっているようだ。
「お前は、内勤や医療班への出向が多いからな。気苦労も多いだろう? まぁ、色々と重宝されていると聞くが……」
「そうなのかな? お仕事は、ちゃんと出来ているとは思うけど」
 シャマルは、仕事は出来ているようだ。
「シグナムは、なのはちゃんと一緒のこと多いんでしょ?」
「あぁ。あの子は、武装隊の仕官研修生だからな、此間ゆっくり話をした」
「どんな話!?」
「とりたてて深い話ではなかったが、多少なりとも人となりは理解できた」
「ヴィータちゃんは、相変わらずライバル心むき出しだけどね。なのはちゃんに」
「競いたい相手が居ることはいいことだ! 色々な意味でな」
「シグナムにとってもテスタロッサちゃん姉妹みたいに?」
「私は別にアレと競っては居ないぞ!! 地力はまだ私のほうが上だ!!」
「はいはい。そうでした」
「そう言えば、リイーンフォースとヴィータとザフィーラは、主はやてと一緒だったか」
「うん。一緒に病院に行っているはずよ」


「いやぁん♪ かわいい! かわいい!!」
「ほんとぅ。ふかふかぁ♪」
「之ぐらいチッチャイ犬、可愛くていいなぁ」
「このこ、なんて種類なの?」
「えぇっと、ザフィーラってなんて種類だっけ?」
「(生まれの事など覚えているわけなかろう)」
 念話で答えるザフィーラ。
「まぁ、雑種ですね」
「やっぱりぃ」
「雑種はいいのよ? 丈夫だしねぇ」
「ザフィーラくんって名前なの?」
「かっこいいねぇ」
「うん」
「愛想の無い犬で」
 ザフィーラは、病院に来ている子供に可愛がられている。



「本当にいい陽気」
「其れはいいけど、眠くなって困る」
 吸血鬼でも春の陽気の眠気には勝てないようだ。
「ファイトだよアリサ!」
 元気を出せと言う。
「明日から来るはやてに居眠りキャラだと思われちゃうよ」
「其れはイヤ!!」
「にゃはははは」
「ねぇ、そう言えば、今年って、皆でお花見していないよね」
「タイミングの良い日とかに雨が降ったりしたから……流れちゃってたね」
 全員が局勤めの為、日程が合わなかったのだ。
「お花見ってアレだよね? 桜を見ながら皆でお弁当を食べる会」
 異世界の出身でフェイトとアリシアには、お花見がどんなものか分かっていないようだ。
「要約しすぎの気もするけど……まぁ、大体あっているかな?」
「お花を見て、のんびり楽しく過ごしたりとか……」
「過ぎ行く季節とか、咲いて散っていく桜に風流を感じたりするのがメインの目的かな?」
「大人の人たちは、お酒を飲んではしゃぐのがメインの目的かも知れないわね」
「じゃあ、私達は血を飲もうよ」
 お酒の変わりに血を飲もうと言うアリシア。
「人前で血を飲むのはどうかと……」
 人前で血を飲むことは出来ない。
 それにゴミ処理の問題もあるのだ。
「う〜んっと……じゃあ今週末とかみんな予定はどう?」
 すずかが予定を聞く。
「場所は、いつもの所を私が押さえられるんだけど……」
「土曜日なら、一日オッケイ!!」
「同じく」
「右に同じ」
「私は、土日オッケイ」
「私も……」
 全員、大丈夫のようだ。
 局のお仕事も完全にオフだ。
「じゃあ、6人は決定ね♪」
 6人の参加は決定した。
「場所は、余裕あるから友達とか、ご家族とか、各自でお誘いあわせの上でって事で」
「「「「「「おうっ!!」」」」」」
「じゃあ、早速心当たりにお電話を……」
「私も……」
「クロノ、電話つながるかな?」
「パパにメールしとこうっと」
 各自への連絡を取り始める。
「アルクェイドさんとアルトルージュさんにも連絡しないと……」
 すずかは、平行世界へメッセージを送る。
 アルクェイドとアルトルージュを招待する為に……。



「はい。もしもし、はやてです」
 はやてが携帯電話にでる。
「あっ、すずかちゃん!! どないしたん!?」
 電話の相手はすずかのようだ。
「お、お花見? それは、えぇね♪ 素晴らしいなぁ」


「あぁ、フェイトか……クロノだ!!」
 クロノには、フェイトから連絡が来たようだ。
「土曜日……あぁ、その日はデスクワークだから、ちょっとした外出ぐらいなら付き合えるけど」
 何かを思い出すクロノ。
「確か、艦長とエイミィもそんなに忙しくなかったはず」



「おっ、なのは。うん。お姉ちゃんですよ。どうしたの?」
 なのはは、お姉ちゃんに連絡しているようだ。
「お花見!? いいねぇ、いくいく!! 凄く行く!!」
 美由紀は行くようだ。
「エイミィは来るかな?」
 エイミィと友達らしい美由紀。
「うん。そっかぁ」


「うん。お花見かぁ。いいですねぇ」
 お花見が楽しみのようだ。
「エイミィさん、お花見初体験ですよ」
 お花見初体験のエイミィ。
「ふんふん。子供たちメインなんだ。大人として幹事とかしてあげたほうがいいかな?」
 幹事をしようという。
「ふん。あっ、いいよ!! 任せて」
 幹事を引き受けたようだ。
「経理と通信は、専門家に任せておきなさいって」



「あぁ。フェイトさん達の企画なのね」
 リンディの所にも連絡が来た。
「いいわよ。その日ならお休みに出来るし」
 リンディは、お休みをとるようだ。
「あらっ。アリサさん達のお父さんも来るの? じゃあ、大人は何人か居てもいいのかしら? レティもオフを消化しきれない って言ってたから、誘ってみようかな?」



「うん。貴女たちのそっちの世界での日常に興味もあるし、私は構わないけど?」
 レティも構わないらしい。
「それって、どういうお祭り?」
 お花見の事を知らないレティ。
「お花を見て、食事……。ピクニックみたいな物? じゃあ、特別な準備とかはいらないわね」
 準備の確認をした。
「あっ、そう言えば私が預かっているあの子たち……シグナム達は?」


「えぇ。はい。元は主はやてのご友人からの提案でテスタロッサを経由して巡り巡って提督の所にお話が行ったようです」
「ちょうど予定も入っていないですし、はやてちゃんのお供ですから……私たちも行っちゃったりしてもいいでしょうか?」
「お前たちが行くなら私も行かないならないだろう……。私は、夜天の書の管制者だからな」
 リインフォースも参加するらしい。


「本当ですか? ありがとうございます」
 ヴィータも連絡を受けたようだ。
「人数が多くても構わないという話でしたから、私たちも日頃お世話になっている方をお誘いしようかな〜っと……」



「はい。海鳴大学病院の石田」
 はやての主治医にも連絡が来た。
「あぁ。シャマルさん! 土曜日!? えぇ。金曜は当直なんで土曜の昼間は……」
 土曜は厳しいようだ。
「あぁ、お花見。桜、綺麗ですものね。嬉しいですけど、宜しいんですか? ご家族での会じゃ……」
 遠慮がちに言う石田医師。
「はい。その時間でしたら途中参加になっちゃうと思いますが、参加させていただきますね」
 石田医師の途中参加が決まった。
「はぁ。えっ!?」 そんなに大勢でですか?
 参加人数に驚いている。
「全部で何人くらい?」


「合計で20名以上……通信係とか入れるとへたすると30を超えちゃうかも」
「また、大世帯な宴会ですな」
「やぁ。アレックス!! 宴会じゃなくて『風流の会』だろう!?」
「まぁ、だいたい似たようなもんだよね」
 似たような物と言うエイミィ。
「兎に角、私と美由紀ちゃんが幹事を引き受けたんで二人には管理局方面の人の手配を色々手伝って欲しいなぁ〜って……」
「構いませんよ」
「当日の食事と飲み物を保証していただけるなら」
 食事と飲み物の保証を引き換えに引き受けるアレックスとランディー。
「任せておけ!!」



「何か大変なことになっているね」
「皆、集合だからきっと楽しいよ」
「お弁当に肉は出るかな? 骨付きでデッカイ塊のやつがいいなぁ」
 相変わらず肉なアルフ。
「前に二人の記念日に食べたやつ、アレ美味しかったから……」
「エイミィに頼んでみようか? きっと用意してくれるよ」
「うん」
「アルフ!! 肉もいいですが野菜も食べるんですよ」
 肉肉なアルフに釘を刺すリニス。



「ユーノくんと昼間のお花見は初めてだね」
「うん」
「去年は、もう散り掛けだったからね」
「でも綺麗だったよ」
「二人で見るより、皆も楽しいよ? 楽しみだなぁ♪」
「そうだね。楽しみだ」



「っと言うわけで美由紀ちゃん、管理局関連の食事はこっちで」
『オッケイ! こっちは地元住人と飲み物系の手配をしておくから』
「うふふふふっ。こういうのは得意なんだよね。楽しくて……」
『わかる。わかる』
「じゃあ!! 後でそっちに打ち合わせに行くね」
『待っているよ』



「ただいまぁ♪」
「シャマル、おかえり」
「おかえり」
「ただいまぁ皆」
 シャマルが帰宅した。
「駅前のパン屋さん、焼きたてタイムだから、一寸買って……」
 シャマルははやてのファッションショーに驚く
「あらぁ? どうしたの!? 制服なんて広げて……。もしかして、はやてちゃんの着せ替え?」
「試着といえ!! 失礼な……」
「あはははっ。まぁまぁ」
 なだめるはやて。
「あぁん。もう、私のいない間に、こんな楽しそうなことをして……」
「シャマルは、制服をオーダーする時にサイズわせたの見ただろう?」
「そんなことでは参謀は務まらんぞ」
 リインフォースがダメ出しをする。
「だって、家で見るのは、また違うんだもん」
「まぁ、丁度着替えるところだから……」

「それにしても少々心配ですね。学校に行かれている間は、お手伝いが何もできませんから」
「う〜ん。まぁ、心配いらへんよ」
 心配ないと言うはやて。
「元々、たいていの事は出来るんやし……」
「ん、まぁ、そうかもしれないけど……」
「なのはちゃんにフェイトちゃん、アリシアちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、それにすずかちゃんの親戚の子も一緒やし ……義務教育は受けとかなあかんって、レティ提督のお言葉やから、がんばって小学生やってみるよ」
「がんばって」
「之で完成かな?」
 はやては、着替えに悪戦苦闘している。

「はぁ〜。やっぱり可愛い」
「あぁ。よくお似合いです」
「はい。鏡!!」
「はやてちゃんご感想は?」
「ほんま、すずかちゃんたちとおそろいや!!」
「ザフィーラ! ほら、はやての制服姿だよ」
「ザフィーラ、どないや?」
「ご立派です。我が主」
「おおきにな」
「リインフォースは、どう思う?」
 シグナムがリインフォースに聞く。
「よくお似合いです」
「リインフォースもありがとうな」
 リイーンフォスも完全にうちとけているようだ。
「私がこうして平和に暮らしてけるのも皆のおかげやな。ありがとうな、皆」
 感謝するはやて。
「何言っているんです」
「主を守り、助けるは騎士の務め! 主従を超えて愛おしい主であるならなお更です」
「そうだよ」
「それに貴女をお救いするに当たって最善の手段とは言いにくい部分もあります」
「そんなことはない。現に私はこうしてお前達と此処にいる」
「私達の収集のせいで、はやてちゃんまで管理局任務への従事が……」
「そんなことはえぇよ。私の管理責任の方が問題や! 皆が気に病むことやちゃう」
「そのことなら私にも責任がある。今まで暴走を止められなかったからな」
「そんなこと言ったらあかん!! 今度言ったらうちが許さへん!! リインフォースは、ここにいてくれているやないか」
「はい。マイスター……」


 そして土曜日。
 皆の祈りが届いたのか、空は綺麗に晴れました。


 風は少し冷たいけど、日差しはポカポカ暖かい絶好のお花見日和です。



「あぁぁっ」
 マイクから耳障りな音がする。
「大丈夫そうだね」
 マイクの状態を確認する。
「それでは、お集まりの皆さん。おっ待たせしましたぁ!!」
 お花見が始まる。
「本日の司会を勤めさせていただきます時空管理局執務官補佐エイミィ・リミエッタとぉ」
「高町なのはの姉でエイミィの友人で現地の一般人、高町美由紀でぇすぅ」
「それから今回の運営の責任者をかってくださいました管理局メンバーにはお馴染みリンディ・ハラオウン提督に乾杯のご挨拶を お願いしようと思います」
 拍手で迎えられるリンディ。
「はぁい皆さんこんにちわ〜。今日は、きれいに晴れましたねぇ」
 リンディがマイクで話す。
「此方の世界の皆さん、特に関係者のご両親、ご兄弟の皆さんは、私達管理局や次元世界の存在や実情説明を受けてもいまだに なじみが薄いという方もいらっしゃるかも知れません」
 リンディの話は続く。
「こういった集まりを通して双方の親交を深めるというのも貴重な機会と思います」
 難しい話を止める。
「とまぁ、堅い話はお題目として置いといて、今日は花を愛で、食事を楽しんで仲良くお話をして過ごしましょう♪」
 話は終わりのようだ。
「それでは、今日のよき日に……乾〜杯♪」
 参加者が乾杯をする。
「はいはい。身内通しであまり固まらないで、日ごろあまり話さない人たちと交流を深めましょう」
 エイミィが指示を出す。
「それから大人の皆さんは、あまりお酒を飲みすぎませんように」


「はぁ。なんだか大人数になっちゃったね」
「うん。アースラクルーも結構来ているから50近いのかな?」
「すずか関係も居るから100ぐらいじゃないの?」
 すずか関係も来ているようだ。
 宴会に参加して覚えを良くしようという魂胆らしい。
「こっちの大人達は、うちのお父さんとアリサちゃんのお父さん……。後は、すずかちゃんのお母さんと」
「うちのパパ、乾杯前から士郎さんと飲み始めてたわよ」
「にゃはははっ。あの二人仲良しだから」
「それから、石田先生もいらっしゃるって」
「「えっ!?」」
「でも、石田先生って管理局のこととか魔法のこととかって……」
「知らないわよね」
「あっ、そう言えば……」
「あは、一応内緒にせなあかんけど、まぁ平気やろう。リンディ提督やレティ提督にはお願いしといたから」
「そっかぁ」
「じゃあ、私達も内緒にしておかないとね」
 すずか、アリサも管理局メンバーなのだ。
「ごめんな」
「そう言えば、すずかが呼んだ二人はまだ来ていないの?」
「もうそろそろ来ると思うんだけど……」
 アルクェイドとアルトルージュの到着がまだのようだ。
 その時、すずかは覚えのある気配を感じた。
「やっほう、遊びに来たわよ」
 お天気なアルクェイドの声。
「お久しぶりですアルクェイドさん、アルトルージュさん」
 何故かカーテローゼは、怯え、すずかにしがみ付いている。
「若しかして、貴女達も吸血鬼だよね」
「はい」
「やっぱりね」
「事情を話してもらおうか?」
 すずかは、昨年あった吸血鬼事件のことを話した。
「こっちの世界に逃げ込んだ死徒が居たなんて」
 アルクェイドとアルトルージュを驚かせたのはタタリが現れたということだった。
「タタリの奴、今度こそ仕留めてやるんだから」
「そのタタリとか言う吸血は始末しましたよ」
「えっ」
「多分発生しないと思います」
「話は、変わるけど、そっちの子は純血?」
 カーテローゼに興味があるようだ。
「其れはそうと、すずかちゃんにはプレゼントを持ってきたよ」
 すずかにはプレゼントがあるようだ。
「プレゼントですか?」
「プレゼントと言っても服なんだけど」
「服といっても唯の服ではないぞ。ブリュンスタッドの姓を語るに相応しい服だ」
「じゃあ、お着替えしようか?」
「一寸すずかを借りるぞ」

「えぇ。どうぞ……」
 アルトルージュの放つ気配に拒否できない。
 拒否すれば、どうなるか分からないのだ。



 すずか、着替え中……。



 着替えを終えたすずかがアルクェイドとアルトルージュと一緒に戻ってくる。
「すずかちゃんの着替えすんだわよ」
 すずかの服はさっきまでの服とは違っていた。
 荘厳なドレスだ。
「すずかちゃん、綺麗……」
「うわぁ、すずかちゃん、お姫様見たいや」
 なのは達は、すずかに見とれる。
「すずかは、妾と同じ黒が似合うの」
「お姫様みたいじゃなく実際に姫だぞ」
 はやてに突っ込み返すアルトルージュ。
「さて、そろそろカラオケでもする?」
 カラオケを始めるようだ。
「ざっと挨拶回りして、軽く食べて、それから皆で特等席に行こう」
「「特等席?」ってなに? 」
「あっ、内緒の場所があるの」
「すごく綺麗な場所」
 彼女たちには秘密の場所があるようだ。
「じゃあ、行こうすずか! 挨拶回り」
「うん」
「陛下、私も付いていきます」
「妾たちもついてまわるがよいか?」
「いいですよ」
 ブリュンスタッド姉妹は、すずかと一緒に行動するようだ。
「じゃあ、また後でね」
「うん」
「また後で」
「また後で……」
 それぞれ挨拶回りのため一旦散開した。


 次回予告

 なのは「大盛り上がりのお花見」
 アルフ「肉肉!!」
 リニス「アルフ、待て」
 アルフ「あたしは犬じゃない!!」
 はやて「うちと石田先生とのはなし」
 はやて「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第71話『これから 中編』」
 すずか、アルクェイド、アルトルージュ「「「称えよ赤き月よ!!」」」


お花見か。
美姫 「それにしても、人数が凄い事になってしまってるわね」
だな。全員への挨拶回りなんかは大変そうだ。
美姫 「まあ、何はともあれ今回はほのぼのって感じね」
だな。次はどうなるか分からないけれどな。
美姫 「そうね。それじゃあ、この辺で」
ではでは。



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