第89話「なんで僕が」






 その日、クロノは平穏な休暇を楽しめるはずだった。
 理不尽な呼びつけが無ければ……。
「しかも月村家に来いだと!!」
 急な呼び出しに不機嫌なクロノ。
 クロノに逃げ場はなかった。



「僕を呼び出すとはいい身分だな」
 だが、なのは達は答えない。
「階級は、僕の方が遥かに上なんだぞ!!」
 だが、なのは達は答えない。
「命令してでも吐かせるぞ」
「クロノさん、O・HA・NA・SHしたいそうですよ。あの人が……」
 すずかが、ラインハルトをさして言う。
「ここでO・HA・NA・SHする理由はない。帰らせてもらう」
「啓には無くても余にはある。聞いた話では、啓は次元航行艦の艦長だそうだな」
「確かに次元航行艦の艦長だが」
「ならば、艦隊戦の手ほどきをしてやろう。何れは、艦隊指揮官になるのだろう?」
 クロノは、何れは艦隊指揮官に昇進するだろう。
「余と戦え!! 余は、勝たせはせぬぞ」
「なんで僕が……」
「黙れ!! 敬は余と戦えばよい」
 ラインハルトは、クロノに言い放つ。


「ラインハルトさまは、苛立っておられますね」
「あぁ。あれ程、苛立っているローエングラム公は初めて見る」
「それもしかたがないかもしれません。立て続けに月村すずかに負け続ければ……」
「月村すずかの艦隊戦の能力もあそこまでとは、思わなかった」
「それに、初めて艦隊戦を経験するとはとても思えません」
「そうだな。それに、あの者は不幸だな……。月村すずかに負けた憂さ晴らしの対象だからな」
 クロノは、ラインハルトの憂さ晴らしの対象のようだ。
「ヤン提督も……」
「『魔術師』が敗れたのも見ものだったぞ」
 ヤンまでもが、すずかに良い様に弄ばれていた。
 ラインハルトとヤンがお互いに勝つことが出来なかったことをすずかは、涼しい顔でやってしまったのだ。
 最後までお互いが勝つことが出来なかったのに……。
「ファーレンハイト、啓はどう思う!?」
「彼女が銀河帝国に生を受けていたら間違いなくヤンを戦場で倒し元帥号を得たはず……。逆に同盟に生を受けていたら……」
「間違いなく、同盟史上初の女性元帥になっていたかもしれん」
 すずかの評価で意見を交わすキルヒアイス、ロイエンタール、ファーレンハイト、ルッツ。
「ヤン提督。貴方はどう思いますか?」
 ヤンに聞くキルヒアイス。
「私から見ても間違いなく元帥になれたと思います。しかも、史上最年少のオマケ付で……」
「それなら、帝国でも同じだろう……。ローエングラム公の最年少記録を更新してな」


 その頃……。
 某教授たちは……。
「トッド、スマイリ!!」
「教授!?」
「ワインだ!! ベルカワインを持ってこい」
 ベルカワインを所望するモリアーティ教授。
「教授、ベルカワインを買うのも大変なんですよ」
「いいから、持ってこい!!」
 そう言いながらベルカワインを飲みながらステーキを食べている。
「俺たち、お尋ね者なんですよ」
 モリアーティ達は、お尋ね者だ。
 それも超広域指名手配犯なのだ。
「しかたない。ワイナリーを襲撃してベルカワインをあるだけ頂くぞ」
 次の仕事は、ワイナリーの襲撃のようだ。
「直ぐに準備だ!!」
「はっ、はいっ!!」
 ワイナリーの襲撃準備を始めるトッドとスマイリー。



 そして不幸の代名詞となった青年は……。
「一時間も持たすことが出来んのか!!!」
 クロノは、ラインハルトのやつあたりを受けていた。
 ラインハルトによる一方的な鬱憤のはけ口にされて居るクロノ。
「か、勝てない……」
 クロノは、何度やってもラインハルトに勝てない。
「其れよりもなんなんだ!? この条件は……」
 クロノの条件は無茶苦茶だった。
「たった1隻で10万の艦隊にどうやって勝てと言うんだ」
 そう。
 クロノは、たった1隻で10万のラインハルトに勝ち目のない戦いをさせられていた。
 結果は、何度やっても同じだ。
 開始と同時に爆沈判定だ。
 最初から勝負にならない。
「一隻も沈められないとは情けない!」
「無茶を言うな!! たった一隻でどうやって戦えと言うんだ!!」
 絶対に勝てない状況に嘆くクロノ。
「それは、啓が艦隊運用能力が足りぬからだ!!」
「一隻では絶対に無理だ!!」
「無理ではない!! 月村すずかは、たった1隻で100万隻の艦隊に勝ったぞ」
「何だって!!」
 驚きの声を上げるクロノ。
「たった1隻で100万隻の相手なんか無理だ!」
「無理ではない!! 戦い方によっては、勝つことも可能だ!! 例え、相手が要塞を持っていようと……」
 ラインハルトは、ヤンの方を見て言う。
「そこに居るヤンは、見方の血を一滴も流さずに要塞を陥落させたぞ」
「見方の血を一滴も流さず事件を解決するのは不可能だ! 必ず血は流れる」
「やろうともせずに不可能と言うな!!」
「明らかに無理だ!! 接触と同時に全滅だ!!」
「啓の今の用兵技術ではそうだろうな」
 上官であるはずのクロノにダメだしを出すラインハルト。
「この様子だよ次元航行部隊全員に艦隊運用を一から教える必要があるな……」
 次元航行部隊を無能者集団という。
「その前に啓には、余の憂さ晴らしの相手を続けてもらうぞ」
「何で僕が……」
「黙れ!! 艦の艦長が用兵を知らずにどうする!? 部下の死は啓の作戦ミスのせいになるんだぞ」


 ラインハルトにいびられているクロノを他所になのは達はお茶を楽しんでいた。
「相変わらず用兵が下手ですわね」
 クロノがダメだと言うグリューエル。
「じゃあ、エロノ君がイビられるのをすずかちゃん秘蔵のあれを飲みながら見ようよ」
「そうやな、飲もう」
「私たちも相伴させてください♪」
「おっ。グリューエルも飲むか?」
「はい♪」
「じゃあ、私たちも……」
 なのは、お前たちは何を飲むつもりか!?
「すずかちゃん、お願いな」
 はやては、すずかに頼む。


 何もない空間に手を突っ込むすずか。
 すずかの腕を中心に空間が歪んで渦が出来る。
 何を取り出そうというのだ!?


「ん……。あった!!」
 何かを取り出す。
 それは、ラベルも貼ってないビンだった。

「向こうは、向こうで楽しんでいるようやし、うちらはこれで……」
 はやても楽しみな一品のようだ。
 すずかは、グラスにビンの中身を注ぐ。
 液体が注がれたグラスを手に持つ。
 それぞれがグラスを掲げる。
「「「「「「「「「「「プロージット!!」」」」」」」」」」」
 ドイツ語で乾杯する。
「何時飲んでも美味いなぁ。これ」
「すずか、教えなさい!! こんな美味しいのどこに隠しているのか白状しなさい!!」
 アリサは、まだ飲みたいようだ。
「すずかちゃん、教えてよ」
 なのはも強請る。
「今は、ダメ!!」
「えぇっ!!」
「すずかちゃん、秘密を独り占めする子にはお仕置きや」
 はやてが、イヤらしい手つきですずかの胸を揉もうとする。
 今は、話すことが出来ない。
 ラインハルト達が居る間は、秘密を漏らすわけにはいかないのだ。
 そこは、この世であってこの世ではない場所なのだ。
 失われし理想郷……。
 『幻想郷』なのだ。
「ダメですよ、皆さん。あそこは誰にも知られてはいけない場所なのです」
 グリューエルが言う。
「すずかさんに迷惑を掛ける気ですか?」
「後で、ゆっくり飲めますのに……」
 年頃の乙女でも、之だけは別のようだ。
「それに、今日、全部飲んでしまうのですか!?」
「今飲んでしまうと、来年まで飲めなくなりますよ」
「それは、いやや」
 飲めなくなるのが嫌なはやて。
「すずかちゃん、後何本残ってるん?」
「後、10本かな」
 後、10本しか残っていないようだ。
「後10本しかないん!? 誰が飲んだんや!! うちの許しなく……」
「そう言うはやてちゃんは、一人で何本空けたのかな?」
 すずかが、はやてに言う。
 はやては、一人で何本も飲んだようだ。
「はやてちゃん、一人で何本飲んだかO・HA・NA・SHしてくれるよね」
 なのはは、魔王モードになった。
「うちは、知らん!!」
「猫ちゃんたち。はやてちゃんの血を吸っても良いよ♪」
 すずかの命令が下る。
 猫たちは、はやてに噛み付き血を吸う。
「胸は……。胸は、あかん!!」
 はやての胸に吸い付いている猫も居る。
「胸は、あかんって言ってるやろ」
「そんなにはやてちゃんのおっぱい美味しい?」
「ニャア♪」
 鳴いて答える猫。
 他の猫もはやての胸に吸い付こうとする。
 はやての柔な胸からも血を吸っている。
「そんなに胸、吸ったらあかんって」
 すずかの猫達に血を吸われながら胸を吸われるはやて。
 ついには猫に押し倒されて吸われ続ける。
「猫に遊ばれているはやてさんは、無視して私たちは楽しみましょう」
 猫に遊ばれているはやては無視される。
 はやて以外の魔砲少女たちは飲み続ける。


 そして、エロノことクロノは……。
「何度、同じ手に引っかかるのだ!!」
 クロノは、何度も同じ策に引っかかっていた。
 それも、面白いように……。
 引っかからないと思う場面で罠にはまっていた。
「部下を何人死なせる気か!!」
 クロノは、部下の死者を量産し続けていた。
 シュミレーションだから良いが、実戦なら万年人手不足の管理局は機能不全に陥るところだ。

[演習終了……。敵軍、全滅]
 機械がクロノの全滅を告げる。
[クロノの戦績、100戦100敗……]
 クロノの完全敗北だ。
 ラインハルトに一太刀浴びせることも出来なかったのだ。
 クロノの地獄は続く。
 今度は、キルヒアイスとロイエンタールを相手にしなければならないのだ。
 思考がクラッシュしているクロノに勝機はない。
 次々、入ってくる報告に頭がパンクし指示まで気が回らないの悪循環にはまっている。
 打つ手、打つ手が悪手になる。
 逆転の手を考える余裕すらない。
 逃げようとすれば、直ぐに包囲され退路をたたれる。


「主砲正射三連!!」
 ロイエンタール艦隊が、クロノ艦隊へ主砲を浴びせる。
 ロイエンタール艦隊の攻撃でボロボロになるクロノ艦隊。
 それにキルヒアイス艦隊も加わる。
 そして、またも全滅するクロノ艦隊。
[クロノ艦隊全滅]
 何度目か分からないクロノの敗戦をシュミレーターが伝える。
「少し休ませてくれ」
「ダメだ!! 休むことは許さん」
 クロノの地獄は続く。
 さらに数えきれないくらいの連敗が続く。
 ルッツ、ファーレンハイトと連戦し負けだけが増え続ける。
「話にならんな」
 話にならないと言うファーレンハイト。


 既に休みなしのクロノは……。
「何故勝てないんだ……」
 勝利の女神にも見放されている。
「次は、ヤン・ウェンリーと戦ってもらうぞ」
 まだ、ヤンとの対戦が残っているクロノ。




 なのはたちはと言うと……。
 クロノの負けっぷりを楽しんでいた。
「相変わらずですわね」
「あの程度の策に引っかかるなって情けないですわ」
「そうやな」
 すずかの吸血猫から解放されたはやてが言う。
「まさか、すずかちゃんの猫に胸を吸われてイかされるとは思わんかったわ」
 はやては、すずかの猫によってイかされたようだ。

「あの兄ちゃん達、容赦ないわ」
「クロノくんが赤子扱いだね」
「うん」
「すずかが、圧勝だったのは驚きだけど、クロノ……」
 なのはたちから見てもすずかに負けた憂さを晴らしているように見える。



「全艦、逃げろ!!」
 ヤンの戦術的撤退……。
 逃げるヤンに追撃を掛けることすらしないクロノ。
 何度も罠に嵌れば、罠と恐れ追撃できない。
 追撃せずにヤン艦隊を逃がしていまう。



 ヤンを取り逃したクロノは、後背を突かれ撃ち減らされていく。
「反転!!」
 クロノは、悪手を取った。
 後背の敵に横を見せる行為は愚かしいことである。
「今だ!! 回頭する敵に砲撃を加えよ」
 ヤン艦隊がクロノ艦隊に攻撃を加える。
 回頭したため側面からの攻撃を受けることになたクロノ艦隊。
 次々、ヤン艦隊のビームに貫かれる。
[クロノ艦隊旗艦轟沈!!]
 また、クロノは負けた。

 また、見事な負けっぷりだった。


「私たちも、シュミレーターでクロノくんとO・HA・NA・SHしようか」
「賛成!!」
 なのは達もシュミレーターを立ち上げ繋げる。
 なのは達は、やる気満々のようだ。
 そして、シュミレーションに侵入する。
 侵入するやいなや戦闘に乱入する。

「それじゃあ、クロノくんに全力全壊で攻撃開始!!」
 クロノ艦隊に全力全壊で攻撃を開始するなのは。
 なのはは、火力重視の編成だ。
 火力でクロノを圧倒しようとする。
「クロノくん、逃げてばかりじゃ勝てないよ」
 なのはは、火力を強めてクロノ艦隊を撃ち減らしていく。


「なんだ!?」
 突然、乱入してきたなのは達に対応しなければならないクロノ。
「なんで、なのは達まで参戦しているんだ!?」
 乱入したなのは達に後手になる。
『クロノくん、チェックメイトだよ』
「チェックメイト!? ぼくは、まだ詰んでいないぞ!!」
 詰んでいないと言うクロノ。
『いいや、詰んでいるよ。補給物資は、あるの!?』
「補給物資!?」
 あわてて物資の残量を確認する。
[物資がありません。後、3フェイズ後までに補給しなければ、行動不能になります]
 クロノ艦隊の物資はなかった。
「何で、物資がないんだ!!」
[……………………]
 シュミレーターは、答えない。
「こうなったら、なのはを道連れにしてやる」
[後、1フェイズで行動限界を迎えます]
「なのはに向かって突撃!!」
 今までの恨みを晴らさんと突撃する。
『クロノくんの考えは、手にとるように分かるよ』
 クロノは、すずかの手の上に居る。
 レーダーに目を向けるクロノ。
 補給は絶たれている。
 そして、殲滅されてしまった。
[クロノ艦隊全滅……]


「O・HA・NA・SHも出来なかったよ」
「なのはちゃん。そんなにO・HA・NA・SHしたかった!?」
「したい!!」
 なのはは、ストレスがたまっているようだ。
「じゃあ、好きなだけさせてあげるね」
 すずかは、シュミレーターの設定を弄った。
 なのはにO・HA・NA・SHをさせる為に……。
 すずかは、なのはに耳打ちする。
 仕掛けを教えるために……。


「じゃあ、クロノくん。一対一でO・HA・NA・SHしようよ」
 そう言ってなのはは、100万隻の方を選んだ。
 クロノには、5000隻を選んだように見える。
「なら僕は、50000隻だ!!」
 クロノは、50000隻の方を選んだ。
 だが、実際は、1000000隻対50000隻だ。
 最初から、話にならないのだ。
「なのはに提督の力を思い知らせてやる」
 なのはとクロノの艦隊戦が始まる。
 序盤は、ごく普通の衝突戦だ。


 なのは艦隊を撃ち減らしていくクロノ。
 今までの負けをなのはで晴らす。
 だが、なのはからしてみれば痛くない損害だ。


「なのはを徹底的に叩け!!」
 ディスプレイに表示されるなのは艦隊の数に目をやる。
 どんどん数が減っていく様子がわかる。
「これを叩けば……」
 やっと勝てると思うクロノ。
 だが、現実は残酷である。
 何処からか、艦隊が現れる。
「!?」
 どこに居たのか、次々戦場にやってくる。
「5000隻じゃなかったのか!?」
 今になって気づくクロノ。
 なのはの戦力は100万隻だったのだ。
 戦場にやってくるなのは艦隊の数は増え続ける。
 あっという間にクロノ艦隊の数を上回る。
 到着した艦隊は、クロノ艦隊を包囲していく。
「早く、撤退しなければ……」
 だが、撤退は不可能だ。
 なのは艦隊が、退路を完全に塞いでいるからである。



[全艦集結完了……]
 シュミレーターが艦隊集結を告げる。
「それじゃあ、クロノくんにO・HA・NA・SH開始!!」
 クロノ艦隊とO・HA・NA・SHを開始するなのは艦隊。
 なのは艦隊のビームがクロノ艦隊に次々突き刺さる。
 そして爆発していくクロノ艦隊。
 クロノ艦隊とのO・HA・NA・SHを楽しむなのは。
「一気に殲滅したら面白くないよね」
 戦力に余裕のあるなのは。
 時間を掛けてゆっくりクロノの戦力を削っていく。
 いや、エグると言った方が良いかもしれない。
 弩等のエネルギーを持ってクロノ艦隊に攻撃し続ける。
 だが、次第に砲撃魔導師としての性が騒ぎ出す。
「クロノくん、これじゃO・HA・NA・SHも出来ないよ」
 なのはは、限界だ。
 完全にO・HA・NA・SHしたい病が発症している。
「もういいや。全艦全力で塵も残さず殲滅して」
 なのはは、殲滅を命じる。
 今まで手加減していた攻撃から一変、空間を埋め尽くすビームの雨が降る。
[敵艦隊全滅]
 クロノ艦隊が全滅してもなのは艦隊の攻撃は続く。
 エネルギーが尽きるまで撃ち続けるようだ。

 なのは艦隊のエネルギーが尽きたのは、クロノ艦隊の全滅から2時間後だった。


 次回予告

 フェイト「なのはにO・HA・NA・SHされたクロノ」
 なのは「気分爽快!!」
 アリシア「わたしもO・HA・NA・SHしようかな」
 アルクェイド「その時、現れるボロボロの爺」
 アルトルージュ「転送に失敗したか?」
 



 なのは「次回『魔法少女リリカルなのは〜吸血姫が奏でる物語〜』第90話『魔導元帥再び』」


 すずか「我のものになれ魔導元帥」



今回は完全にクロノが被害者というか。
美姫 「流石にちょっと可哀相だったわね」
だよな。まあ、この経験が今後に活かされれば。
美姫 「活かされるかしら」
どうだろうな。
美姫 「それじゃあ、今回はこの辺で」
ではでは。



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