『ネギまちっく・ハート〜Love and War〜』






     第十帖第四間『守護者検定(ガーディアン・テスト)・四時間目 古菲〜As a God〜』



 麻帆良森林公園。眞莉紗はそこの林道から奥にはいった、明日菜を生き返らせるために使った今は焼け落ちた教会跡にいた。

焼け落ちた教会は片付けられておらず、あのときの面持ちをまだ残していた。眞莉紗は入り口の前にある階段に腰をかけて空を見上げた。

「ん〜・・・・。これだけ晴れてると眠たくなっちゃうよねぇ・・・・。」

 眞莉紗はのびをすると立ち上がり、体をほぐし始める。

「さてと・・・・。くーちゃんは間違いなく『アレ』なんだろうけど、一体『何』が入ってるだろうねぇ?

予想じゃ『彼女』が入ってそうなんだけど・・・・。」

 眞莉紗がそうつぶやくと、それに呼応するかのように教会へ続く唯一の林道から古菲が姿を現した。

「うひゃ〜・・・とんでもないところネ。しかし、こんなところに呼び出すとは一体何の用アルか?眞莉紗。」

 古菲は制服についた葉を落しながら眞莉紗にそう聞く。眞莉紗はそれはいわなくてもわかってるんじゃない?と階段を下り、

境界を背に古菲と向き合った。

「まぁ、ある程度推測はできるヨ。でも、何のためにそんなことするかわからないネ。」

 古菲はそういいながらも趣旨を理解しているようで、体をほぐし始める。

「ん〜・・・そうだねぇ。中学の修学旅行のときもあったでしょ?ほら、関西魔法協会の一部の過激派が起こした事件。

どうやら今回の修学旅行も似たようなことが起きちゃいそうなのよね。だから、それに対応できる力をくーちゃんが持ってるかどうか確かめたいの。

刹那ちゃんとカエちゃんはもう済ませてるから、後はくーちゃんだけ。」

 眞莉紗はそういうと古菲のアップが終わったことを確認して一歩踏み出して話を続けた。

「私が確認したいのはね、くーちゃん。」

 その一言に古菲はただならぬ気配を感じ、戦闘態勢に入った。そして眞莉紗が続ける。

「くーちゃんに入ってるのが果たして本当に『彼女』なのか、そして、その力を手にすることができるのか。そのたった二つだけ。」

 眞莉紗はそういうと構えた古菲に一気に近づいた。古菲は反応できず、しかし、それでいて被害を最小に抑えようと

殺気の向かっているまさにその場からバックステップで身をかわす。

と、次の瞬間、今しがた古菲がいたところの地面が巨大な鉄球を落としたかのような音を立てて窪んだ。尋常ではない。

古菲は瞬時にそう悟って、一気に集中力を高める。

(見えたアルね!)

 そして、常人では、人間では目視できるはずもない眞莉紗のその姿を双眸に捉えた。

そして、本当に人間なのか疑いたくなる速度で自ら眞莉紗に向かう。眞莉紗は古菲の速さに驚いたのか、少し表情を変えたがしかし、

眞莉紗はそのまま古菲に突っ込んだ。古菲の拳が眞莉紗の顔面に迫る。眞莉紗は避けない。古菲の拳が眞莉紗の顔面を捉えた。

しかし、古菲の拳は振りぬかれず、眞莉紗の顔で止められる。

「熱っ!!!」

 古菲は飛びのいて眞莉紗を殴った右手を振る。そう、眞莉紗は今、炎を身にまとっているのだ。それも、桁違いの高温の。

それを殴った古菲の拳はそれに焼かれたのだ。眞莉紗はしかし、そんな古菲に対して何のためらいもなく接近すると左膝を腹に打ち込む。

眞莉紗はそのまま右手で古菲の制服をつかむと、力任せに振り上げて、振り下ろし、古菲を地面に叩きつけた。

その威力に、古菲は声を出すこともできず、あまりの痛みに顔を歪める。眞莉紗は古菲に体を向けながら左足をそのまま振り上げて古菲のわき腹を蹴り上げ、

そのまま振りぬき、踵で再び地面に叩きつける。地面に横たわる古菲。当然といえば当然である。しかし、眞莉紗はそんな古菲の制服をつかみ、

持ち上げると、右拳を古菲の腹に叩き込む。あまりの威力に古菲は既に声が出ないようだ。苦痛に古菲の顔が歪む。しかし、眞莉紗は黙ったまま、

笑みを浮かべることなく、攻撃を続ける。次は右膝、そして、制服をつかんでいた左手を離して、古菲の左手をつかみ、

そのまま体を捻りながら古菲を振り上げ、そして再び地面に叩きつけた。眞莉紗はそのまま手を離さず、振り向きながら右足で古菲の腹を無造作に蹴り飛ばす。

古菲は完全に意識が飛んでいるようで、ピクリとも動かない。

「何時までそうやってるつもり?さっさと出ておいでよ。じゃなきゃ、器が先に壊れちゃうよ?」

 眞莉紗は古菲ではない誰かに向けてそう語りかける。しかし、古菲に反応はない。眞莉紗は目を細めて古菲の首を右手で掴み、

そのまま持ち上げた。一体何を考えているのか、このままでは古菲の命が危うい。それを理解してか否か、眞莉紗はその手にいっそう力をこめた。

「わかってるの?このままじゃ、本当に器が壊れちゃうよ?」

 眞莉紗がそういったそのときだった。完全に弛緩しきっていた古菲の体が、まるで何者かに操られるように眞莉紗を蹴り飛ばしたのだ。

あの眞莉紗を蹴り飛ばす。いってしまえば、古菲には不可能である。しかし、古菲はそれをやってのけたのだ。

「痛ったぁ〜・・・・。ちょっとは手加減してよ。本当に器が壊れちゃうとこだったじゃない。」

 古菲ではなかった。いや、外見は古菲。しかし、このしゃべり方は古菲ではない。

「なかなか出てこなかったあんたが悪いんでしょ?自業自得じゃない。ま、あんたのことだから出てくるとは思ったわ。」

 眞莉紗は首跳ね起きで立ち上がると、首をさする古菲の姿をした誰かにそういった。そして、続ける。

「お願いするために起こしたんだからこっちも礼を尽くさないといけないかな。久方ぶりね。元気そうだったみたいでうれしいわ。

魔神マルコキアス。」

 眞莉紗が何を言っているのか、明白だった。それは古菲の中にいた、そして、今表に出ているものにそういったのだ。魔神マルコキアス。

そう、古菲もまた、眞莉亜が炎神スルトを宿すようにその体に神を宿していたのだ

「私にお願い?何かしら、スルトちゃん?それと、私のことは狼季(ろき)って呼んでくれない?くーがつけてくれた大切な名前だから。」

 魔神マルコキアスこと、狼季はそういうと腰に手を当てて眞莉紗の言葉を待つ。お願いとはなんなのか、それを聞こうというのだ。

「あー・・・・。もしかして、今くーちゃんの意識あるの?」

 眞莉紗はもしかしてと狼季に尋ねる。

「誰かの所為で今は気絶しちゃってるけどね。もちろん、くーの意識はあるわよ。そもそも、彼女の協力がないとこうやって表に出てくることすらできないもの。」

 狼季はそういうとなるほど、お願いってそういうことかと頷く。

「つまり、私の力をくーに貸してあげてほしいっていうんでしょ?」

 狼季の答えに眞莉紗はその通りと首を縦に振った。

「私は貸してるんだけどね。でも、くーが使いたがらないのよ。まぁ当然だろうね。魔神である私の力を使えば、刹那や楓は当然のこと、ひいては貴女とだって戦える。

でも、分かるでしょ?くーはその使い方を、正確には加減の方法を知らない。くーに私の力を貸す、つまり、未知の力を貸すってのは、

子供に拳銃を持たせるようなもの。だから使いたがらない。当然よね。もしそれをやって誰かと戦えば、加減を知らないわけだから、

結果として向こうを殺すことになるんだし。それに、私とくーが出会ってまだ半年くらいだし。名前はつけてくれたけど、

そりゃ言うこと全部信じてくれるかっていうとそんなわけないし。」

 狼季はそういうと一歩眞莉紗に近づく。

「ん。今くーも目を覚ましたよ。状況も把握してるみたいね。そう、目の前にしてるのは世界最強、歴代最強、そしてこれからも最強であり続ける炎神スルト。

私が本気になったとこで殺すことなんて絶対できない存在。やってみない、くー?ううん、一度やってみようよ。」

 言葉の間にも空白を作りながら狼季が話す。おそらく、古菲と話しているのだろう。

「違う。くーは逃げてるだけ。力を恐れて、それから目を背けているだけ。それを使いこなそうと始めからしていない。

そうだね、くーは弱いよ。はっきり言ってね。だから、強くなろうよ。私も力を貸すから。二人なら大丈夫。私とくーなら大丈夫。

まだ会って半年だから信じられないと思う。のっとられちゃうんじゃないかなと不安なのもわかる。だから、私のすべてをくーにあげる。



                               だから。




                          ――――、だから、私を信じて。」




 古菲がそのとき狼季に何を言ったのかはわからない。しかし、どうやら腹は決まったらしい。眞莉紗はそれを聞いてはじめて笑みを浮かべ、

そして一歩狼季と古菲に近づいた。

「うん、そう。その調子・・・・。」

 そして目を開ける古菲。そして狼季。二人がその体を持つことを示す、古菲自身の持つ碧の右瞳、そして、魔神マルコキアスの持つ朱の左瞳。

「さて、それじゃ、お手並み拝見といこうかな。胸貸してあげるから、本気でかかってきていいよ。」

 眞莉紗はそういうとまとう炎を一段と強くする。

「無論、そうさせてもらうネ。久しぶりに、全力を出させてもらうわ。いくわよ!」

 その言葉に応じて古菲が一気に詰め寄る。眞莉紗はそれを迎え撃つように疾走った。互いの中間点で二人がぶつかる。

古菲の右拳を眞莉紗は軽く回避し、そのまま顔を狙って左拳を放つ。しかし、古菲は一歩踏み込んで完全に密着すると左掌底で、密着状態にもかかわらず、眞莉紗を弾き飛ばした。

(ま、マルコキアスの力使ってる上に、加減なんかまだできないから当然といえば当然かな。)

 弾き飛ばされたことを眞莉紗はなんら不思議がることなく、体を捻って片手で受身を取ると、そのまま立ち上がる。

しかし、古菲は攻めの手を休めることなくそれを追いかけていたらしく、眞莉紗の眼前に古菲は迫っていた。

「地・・・・震・・・・。」

 古菲と狼季がつぶやく。眞莉紗はそれを聞いてなるほどと頷いた。

(へぇ・・・八卦掌か・・・。そりゃマルコキアスの力使わなきゃできるわけないよね。つーか、できないのに何時習得したんだか・・・。)

 眞莉紗は古菲が何をしようとしているのか見抜いているにもかかわらず、一切動かず、打ってきなさいよといわんばかりにそれを迎え撃った。

「八卦掌、『震離』!!」

 一見すればただの双掌底。しかし、すさまじい轟音とそれは気と呼べるものの放出。いや、マルコキアスの力も相成って、

それはもう魔力の波といっていいものかもしれない。眞莉紗は簡単に吹き飛び、林の中に突っ込んだ。その威力は今更いうまでもないが、

古菲の一直線上の地面が砕けている。

「くー、アレやるよ。」

 しかし、狼季はこれで終わりではないと確信しているため、少し気を抜いている古菲にそういうとしゃがみこみ、両手を地面につけた。

「準備はOKネ。いくアルよ!!」

 本当に始めてこの力を使うのだろうかと疑いたくもなるが、古菲はその力を確実に、しかし急速にものにしつつある。

「編世結界『砕き捕食する鉄顎(ジャガーノート)!!!』」

 狼季と古菲の声に応じて地が吼える。地が割れ、岩が天を穿つ。空間的に世界を編成する。それが編成結界。

神一人一人に与えられた特別な力にして、この力を持つことが神であることの証。

「編世結界『世界焼く劫火(レーヴァテイン)。』」

 林の中からはっきりと聴こえた眞莉紗の声。それに応じるように眞莉紗が放り込まれた林の中から炎が蛇のように空地に這い出、突き出た岩や木々に燃え移っていく。

「二人とも顕正してるのに編世結界使えるなんてね。眞莉亜や眞莉慧ですらできないのに。やれやれ、本当に会ったのは半年前なんだろうかねぇ。」

 そういいながら眞莉紗が林の中から姿を現す。そう、眞莉紗が眞莉亜と眞莉慧を眠るように言いった理由の一つ。

眞莉紗の編世結界に二人は耐えられないのだ。編世結界は神のみが許された行為であり、一介の吸血鬼である眞莉亜はもちろん、その威力の為、

眞莉慧も眠りにつかなければならないのである。それにもかかわらず、狼季は古菲とともに顕正しているにもかかわらず、編世結界を使ってのけた。

相当な適正があったからとか言うレベルではない。そもそも不可能なのだ。と、それの答えを示すように古菲の背に黒い翼が生えた。

マルコキアスはネコ(とは言えほぼ虎に近いが)の体に黒い翼、そして蛇の尾を持つ魔神。その翼が古菲の背中にあるということは。

「なるほど、そういうことか・・・・。狼季ちゃん、あんた、完全にくーちゃんに自分をあげたね?」

 眞莉紗は古菲の前に立つと二人が顕正しているにもかかわらず、編世結界が使えた理由をそのように断じた。

「そう。私はくーであって、くーは私。つまり、私たちは文字通り二人で一人ということアルよ。」

 古菲に何があったのかわからない。得体の知れない存在がいつの間にか自分の中にいて、それが頭の中でささやくのだ。

それを信じるなど、はっきりいって正気の沙汰ではない。しかし、眞莉紗にはわからないが何かがそこにあったがゆえにそれを受け入れたのだろう。

「さて、それじゃ、私も本気でお相手しますかね。『幻想の鬼姫』の力、くーちゃんにも見せてあげるよ。」

 眞莉紗はそういうと燃え盛る炎を手に取ると無造作に古菲に投げつける。古菲は一羽ばたきでその炎の直線状からその身を逃した。

「編世結界『侵食する涙(ブラック・レイン)』。」

 眞莉紗のその声に眞莉紗の前の足元が黒く歪む。古菲は翼で急ブレーキをかけた。直感的にまずいと感じ取ったのだろう。

古菲は上を取ろうと今一度羽を羽ばたかせる。しかし、眞莉紗は古菲がまるで避けられないのを知っているかのように右腕を大きく振りかぶった。

「な・・・・っ・・・・!」

 ありえなかった。古菲の足はいつの間にかできた足元の黒い水溜りに捕らえられていたのだ。足は浮いているにもかかわらず、

その黒い水たまりは古菲の足をしっかりと捕らえていた。抜けない。その反応があるだけで眞莉紗にとっては十分だった。

振りかぶった拳は古菲の胸を捕らえ、古菲を弾き飛ばす。それだけに終わらず、燃え盛る炎が古菲をまるで意識があるかのように包み込んだ。

「んふ♪意外や意外。私の編世結界が一つと思ったら大きな大間違いだよ。」

 眞莉紗はそういうと手を掲げ、『侵食する涙(ブラック・レイン)』を解除する。と、岩を砕く音とともに炎の中から古菲が姿を現した。どうやら岩で炎を防いだようだ。

「あんた・・・・本当にスルトなの?そんな編世結界もってなかった気がするけど?」

 狼季が眞莉紗にそう聞く。そう、そもそも、編界結界は神である証拠であるが故に、一人の神に対して割り当てられている結界は一つ。

たとえスルトである眞莉紗とは言え、それは例外ではない。

「いや・・・・ということは、眞莉慧も何かしらの神ということネ。」

 古菲の言葉に眞莉紗はうん、そうだよと首肯した。

「一人の体に二人の神・・・・。あんたの器はどこまで桁違いなのよ。」

 狼季の言葉に眞莉紗はくすくすと笑い始める。

「編世結界『黒い瘴霧(ブラック・フォッグ)』。」

 眞莉紗がそういって再び編世結界を展開させる。そう、それは『3つ目』の編世結界。眞莉亜は古菲も知ってのとおり、神ではない。

だとすると、この編世結界は誰のものなのだろうか。

「はい、も一つおまけで3つ目の編世結界。どう?白夜の霊姫のとおり名で知られる3代目夜摩王なだけあっていろいろな編世結界つかえるでしょ?」

 目に見える黒ずんだ瘴気が眞莉紗を、古菲を包み始めた。眞莉紗はそういうと古菲に一歩近づく。

「夜摩・・・王・・・?」

 そんななか、狼季は編世結界ではなく、眞莉紗が口にした夜摩王という言葉に反応した。

「ちょ・・・そ、そんな・・・。そんなのまで体の中にいるっていうの!?」

 明らかに狼季は狼狽している。古菲はそれが何を意味するのかわからず、何を狼狽しているのか、落ち着くように促した。

「夜摩王・・・・。神は死ぬ、いや、正確には消滅することで地獄に落ちる。神様だからこそ天国にいけるなんて事はないの。

神だからこそ、地獄に落ちる。そこで、消滅した神から神としての力を奪い去るのが夜摩王。」

 狼季はそういうが、古菲はだから何がいいたいのかわからない。そんな古菲を知ってか知らずか、狼季は続ける。

「編世結界はそれそのものに直接的な殺傷力があるわけじゃない。いや、あるにせよ、それはごく一部。

つまり、夜摩王はいくら神の力、つまり編世結界を手にしたところで、夜摩王そのものの戦闘能力もあって脅威にはならない。

でも、それを別の神が、戦闘能力に特化した神が使えるとしたら、それは脅威以外の何物でもない。」

 狼季の言葉が難しいのを眞莉紗は汲んで簡単に言うとねと口を開いた。

「私がスルトという神であるのと同じように、眞莉慧は夜摩王という神様の3代目なの。で、夜摩王は消滅した神から力を、つまり編世結界を奪うのがお仕事。

そして、夜摩王はその編世結界を行使することができるのよ。でも、夜摩王自身、戦闘能力は低めだからこれといって脅威じゃない。

それを私みたいな戦闘能力が図抜けた神様が使うとまさに鬼に金棒。眞莉慧が覚醒してるとね、まぁ、私の編世結界に耐えられないってのもあるよ。

でも、この力はあくまで夜摩王である眞莉慧が行使できる力。完全に私が二人を眠りにつかせて完全に支配することではじめて行使できるのよね。

だから究極、私一人で戦うこと、それが最強なのよ。」

 眞莉紗の説明を聞き、古菲はどこまで強いアルかと完全にあきれてため息をついた。それもそうだ。編世結界とはそもそも、神のみが持つ、

この世界そのものに干渉し、一定範囲を書き換え、自らが力を行使しやすいように、戦いやすいようにすることなのだ。

こう考えると、同時にいくつもの編世結界を展開することはマイナスのような気もするが、用は使い方次第。

その編世結界を十二分に生かせる戦いができればいいのだ。眞莉紗はそれができる。

そう、数多の格闘技、格闘術、そして、そういえるのかも怪しいようなものを習得しているのだから。

「は・・・・ははは・・・・。」

 狼季が乾いた笑い声を上げる。それにつられるように古菲も笑い始めた。ただでさえ反則だと思っていた相手がその想像をはるかに凌ぐほどの強さだったのだから。

笑うしかないというのが実情であろう。

「ま、だからといったとこでやめるわけではないアルが。」

 そういうと古菲は再び構えた。そう、この程度で心が折れるならば、そもそも魔神マルコキアスと同化できるわけがない。眞莉紗はにやりと笑って一歩踏み出し、

さらに編世結界を展開した。

「編世結界、『銀風の雪壁(シルバー・スクリーン)』」

 宣言と同時に、風が吹き荒び、そして、あっという間に吹雪に変わる。一寸先もまともに見えない状況。しかし、古菲にははっきりと眞莉紗が見えていた。

「いくアルよ、眞莉紗。いくら眞莉紗が強かろうと、勝てないと決まりきってるわけじゃないネ。

勝てる確率なんか、たとえそれが那由他の彼方であっても、それだけあれば十分ヨ。」

 古菲が疾走る。前は見えない。しかし、はっきりと眞莉紗をとらえて。

「かかってきなさい。どんなに全力を出しても越せない壁、教えてあげる。」

 眞莉紗も疾走る。はっきりとその双眸に、古菲を捕らえて。

「檄・・・・雷・・・・」

 猛吹雪の中、古菲は眞莉紗の姿を捉えていないが、どこにいるかはっきりと確信めいたものを持っていた。そして、一瞬にして魔力を、氣を練り上げる。

(なるほど、本来見えるはずないんだけど、こんな目くらまし程度じゃ今のくーちゃんをどうこうできるわけないか。でも、ありがたい誤算だけどね。)

 眞莉紗は古菲の気配からそう確信すると目を細め、立ち止まった。完全に古菲の攻撃を避ける気がない。

いくら眞莉紗とは言え、何度も直撃を食らって無事で済むわけがない。何せ、古菲は既に狼季でもあり、つまり神といっても過言ではないのだから。

「八卦掌、『雷霞』!!」

 常人には見切れない速度。瞬きより早く、古菲が立ち止まった眞莉紗の前に姿を現す。そして、慣性を利用し、その右拳を打ち放つ。

ただの右拳ではない。氣と魔力を十二分にこめた一撃。確実にしとめるための一撃。眼前にある眞莉紗は防御態勢をとっていない。

決まった。古菲は確信した。いくら眞莉紗とは言え耐えられるはずがない。よしんば耐えられたとしても相当なダメージは与えられるはずである。

「はめられたッ!!」

 次の刹那、狼季は眞莉紗の狙いを見抜き、声を上げた。始めからこれが狙いだったのだ。古菲は眞莉紗をよく知っている。

それゆえに、眞莉紗が避けるということをしないと知っていた。事実、こうして避けていない。しかし、それが眞莉紗の狙いだったのだ。

避けない。それがわかっているからこそ、古菲はこうして八卦掌で決めにきた。が、わかっているからこそ、対処できる。

それが今のこの状況であるというのだ。

「そういうこと♪」

 眞莉紗は動かずそう口にした。同時に、古菲が宙に舞う。柔道、合気道に共通する最終の形、『空気投げ』。

相手に触れずして、その攻撃をそのまま相手に返す、究極の一撃。古菲がこうして一撃を放ってくるのは眞莉紗の想定内だった。

しかし、ここまで正確に自分を捉えられるというのは予想外だった。しかし、それは嬉しい想定の範囲外。

おかげであて投げではなく、空気投げで返すことができたのだから。そして、一瞬の空中浮遊。

しかし、戦っている二人にとって、それはすさまじく長い空中浮遊。しかも、古菲は完全に力をすかされ、体の自由がきかない。

しかし、眞莉紗は古菲のほうを振り向いた。ただ振り向いたわけではない。右足を振り上げながら振り向いたのだ。

古菲の頭が地に直撃する瞬間、古菲は腹を蹴り上げられ、宙に浮く。空気投げの勢いに無造作ながら、

いや、無造作ゆえの破壊力を持った一撃が古菲に直撃した。古菲の体がくの字に曲がる。眞莉紗はそのまま右腕を振り上げ、

右足を踏み込むと同時に古菲の背を一撃する。その一撃で地面に叩きつけられる古菲。眞莉紗は再び足を振り上げる。

空手にはない、ダイナミックな踵落とし。決めにかかっていることが手に取るようにわかる。古菲はうつぶせに伏したまま。

傍目から見ると決まったとも思える状況。しかし、違った。この程度で倒れるなら、狼季が、神がすべてを託すわけがない。

眞莉紗の足が振り下ろされた瞬間、古菲が動いた。右足で眞莉紗の足を払いながら仰向けになり、

そのまま体を丸めて跳ね起きながら左足を眞莉紗の顔にめがけてはなったのだ。眞莉紗は振り下ろす最中の足払いを受け完全に体制を崩し、

死に体だった。その顔面を古菲の足が捉え、弾き飛ばされる。

「けほ・・・・。人間だったら死んでたよ、今の一撃だけで。一切の手加減なしアルね・・・・。」

 狼季と古菲はそういって眞莉紗を弾き飛ばした先に足を進めようとするが、やはり効いているようで、膝を折った。

「大丈夫?くー・・・。」

 狼季が心配して古菲に声をかける。言葉にはしていないが、限界ならばやめてもいいよと暗に伝えているのだ。

「大丈夫なわけないネ。外からじゃわからないけど、かなり中にきてるアルよ。口の中も血の味しかしないネ。」

 古菲はそういいながらも足を二、三度叩いて気合を入れると再び立ち上がる。

狼季は無茶する古菲を何とか止めようとするが、古菲は首を縦に振らなかった。

「どうしてやめることができるアルか。こんなに楽しいのに。」

 古菲の言葉に応じるように、吹雪が消え、炎が消え、見えなかったが、黒い瘴気も霧散した。そして、古菲の前に漫然と眞莉紗が立つ。

「ウレシイね。くーちゃんも楽しんでくれてて。今まで私と戦って楽しんでくれたのは永い永い時間の中でもほんの数人。

こと、眞莉亜の中に移ってからはたった一人しかいなかった。ウレシイよ。」

 そういいながら眞莉紗が一歩古菲に近づく。二人の距離はまだ10メートル以上ある。しかし、二人にとってそれはあってない距離。

「小細工は無し。神としてじゃない。くーちゃんに一匹の鬼として興味がわいたよ。ガチンコで殴り合おっか。」

 眞莉紗がそういって笑いながら腕を広げる。古菲も笑って頷いた。

「一人じゃ刹那にも敵わなかった。楓にも敵わなかった。真名にも敵わなかったネ。狼季のおかげでそれ以上に強い眞莉紗と戦える。

眞莉紗に感謝するヨ。それに、狼季にも。二人は戦う楽しみを思い出させてくれたアル。」

 古菲はそういうと左半身に構える。古菲には万感の思いがあった。武道四天王に列せられていたものの、他の3人とは圧倒的に強さが違う。

中学のころ、真名には勝ったことがある。しかし、高校に入ってからというもの、勝つことはおろか、戦う機会すらほとんどなくなっていた。

昨年の武道大会では鼎に敗れた。確実に台頭してくる新たな力。誰も彼も既に人あらざる強さを持っている。何時からだろう。

勝てないと思い始めたのは。何時からだろう。強くなることに楽しさを感じなくなったのは。何時からだろう。

いくら鍛えても勝てるはずないと思い始めたのは。此処に来た時だってそう。心のどこかで勝てるわけないと思っていた。

そんな中、マルコキアスと、狼季と出会った。始めは気味が悪いどころか、どこかおかしくなったのかと思った。

マルコキアスがどんな神なのか調べもした。狼季は確かに私の中にいる。同じような人が近くにもいる。そう考えると、

いつからかそんな状況を受け入れていた。自分も眞莉亜と同じなんだと思って。そして今。

狼季を本当の意味で信じることを決めた。今まで信じていなかったわけじゃない。でも、どこか、信じていなかった。どこか疑心を持っていた。



                             でも、今は違う。



それは眞莉紗に勝ちたいという狼季の意思を感じ取ったからじゃない。狼季が訴えたのだ。信じてくれと。自分のすべてを託すと。

狼季は古菲のことを信じきっているのだ。半年しか会ってたっていないのに、古菲が狼季を信じている以上に狼季は古菲を信じていたのだ。

そこまで言い切れるだろうか。もし体が狙いなら力ずくでのっとれるはずだし、力をすべて託すということはもう力を使えなくなる、つまり

神でなくなるということを意味している。その決意は古菲の心を動かした。



                             信じよう。狼季を。



そして、信じた。狼季は正しく完全に力を古菲に渡した。いまや古菲は二代目の魔神マルコキアスなのだ。そして、眞莉紗と戦った。無心になって。

それははじめて格闘技を始めた頃に感じたそれと同じもの。楽しい。戦う事がこんなに楽しいことだったのかというくらいに新鮮な感覚。

勝ちたいから戦う。それは戦うものにとって一つの当然。しかし、だからこそ楽しまなければならない。それを思い出した。狼季が思い出させてくれた。

古菲にとって、それは忘れていた大事な何か。思い出したから、戦える。

「お礼なんていらないよ。お礼は今からしてもらうんだから。」

 眞莉紗はそういうと一歩、また一歩と歩み寄る。それに応じるように古菲も少しずつにじり寄っていく。

「さ、楽しもう。これは純粋な喧嘩さね。本気でいかせてもらうよ!」

 眞莉紗がそういって走る。

「上等ネ!眞莉紗にはじめて勝つのは私アルよ!」

 古菲もそういって走る。古菲の拳が眞莉紗の腹をえぐる。しかし、眞莉紗はそれに耐え、古菲の顔に右拳を叩き込んだ。古菲の右ひざが砕ける。

しかし、古菲はそのまま倒れるように左足を振り上げ、眞莉紗の顔を蹴り飛ばした。互いにぐらついたが、眞莉紗は左拳で古菲を狙う。

どこに当たってもいい。それだけの威力を秘めているのだから。その拳を、古菲は自らの右拳で殴りとめた。鉄球がぶつかり合うような音が響く。

眞莉紗の動きが一瞬止まった。古菲は右足に力を込め、立ち上がりながら、そのまま眞莉紗に頭突きを叩き込んだ。眞莉紗の顎が上がる。

古菲が左拳を握りこむ。構えも何もない。そのまま眞莉紗の右頬に打ち込んだ。古菲の力も狼季によって既に桁違いのものになっている。

いくら眞莉紗とはいえ、そうそう耐えられるものでもない。しかし、眞莉紗は笑っていた。こうやって殴り合えることが楽しくて楽しくてたまらないように。

眞莉紗は無理矢理態勢を立てなおし、思い切り右足を振り上げる。ついさっき見せた踵落としだ。しかし、さっきとは速度が違う。

あっという間に古菲の左肩に突き刺さった。古菲はしかし、かばうこともなく、右拳を力の限り握りしめ、眞莉紗の腹に再び打ち込んだ。

眞莉紗がはじめてうめき声を上げた。それは本当に珍しいこと。それは古菲の一撃がその力を持っていることの証。再び体勢を崩した眞莉紗に、

古菲は右手でその角を持つと力任せに引き倒し、その顔に右膝を叩き込んだ。倒れてもおかしくない一撃。しかし、それでも眞莉紗は倒れない。

完全に直撃したにもかかわらず、眞莉紗はそのまま体を起こしながら古菲に頭突きを見舞う。よろける古菲。

お返しとばかりに今度は眞莉紗が古菲の頭をつかみ、膝を叩き込む。それだけではない。そのまま、背に回るように縦に体を回しながら右足を首に絡め、

左足でそれをロックし、そのまま地面に倒れこんだ。仰向けになった眞莉紗の上に古菲が覆いかぶさる。

完全に首がロックされ、何とかそれをほどこうと力を込める古菲。しかし、簡単に外れるはずもない。だから、古菲ははずすことをやめ、

膝を眞莉紗の顔があるであろう場所に振り下ろした。はっきりとどこにあるかわからず、正確に当たらないが、何度も振り下ろされるなか、

ついに、眞莉紗の顔を捕らえた。一瞬足が緩む。その一瞬で古菲は足から抜け出して立ち上がり、眞莉紗に向き直る。眞莉紗も立ち上がり、

古菲と向き合う。しかし、それも一瞬。古菲が一瞬で間合いをつめ襲い掛かった。眞莉紗もそれに反応して右拳をあわせた。

しかし、眞莉紗は一つ失念していた。そう、古菲の、狼季の編世結界の存在。古菲は狼季の編世結界を展開しているにもかかわらず、

使っているのかいないのか、それがなんなのかいまだ眞莉紗もわかっていなかった。それが、今、ここで牙を向いたのだ。

眞莉紗の右拳は完全に古菲の眉間を捉えた。はじめて急所を捕らえた眞莉紗の拳。

しかし、古菲はそれをまるでなかったかのようにまっすぐ眞莉紗に向かってくる。それが編世結界の影響だと眞莉紗はすぐに悟った。

『砕き捕食する鉄顎(ジャガーノート)。聞いただけでは一体どんな影響があるのかはわからない。しかし、ここで悟った。

そう、直撃するその一撃を完全に無効化するものだったのだ。今まで使わなかったのはこのための布石。

何度も使えばそれはとりもなおさず眞莉紗の攻撃の激化を招く。だからこそ、それを一回だけに賭け、それをここで使ってきたのだ。

眞莉紗は続けて攻めるのはまずいと考え、古菲の攻撃を防ぐほうに思考を持っていった。

「八卦掌『風牙(ふうが)!!』」

 古菲の右腕が横に薙がれる。眞莉紗はそれを避けようとしたがしかし、その開かれた右手が眞莉紗の右わき腹をえぐった。

完全に避けられるとふんでいたが避けられなかった。それは紛れもなく古菲の拳の速度のほうが上回っていた証拠。

おそらく、一瞬ながらも、完全にマルコキアスの力を完全に引き出したが故だろう。眞莉紗のわき腹から血がとめどなく流れ出る。

眞莉紗はそんな状況にもかかわらず笑い声を上げながら古菲との距離をとった。それは仕切りなおしを意味するもの。

古菲は今の一撃でしとめられなかったことに舌打ちをしたがここで立て続けて攻めるにはヤバイと直感的に感じ取り、それに応じて間合いを離した。

「あははははははは!!!!楽しいねぇ。楽しいよ。久しぶりにここまで殴り合ったわ!!」

 眞莉紗はそういうと、左わき腹の傷をかばうことなく高笑いを上げた。

「こんなに無心になって打ち合ったのは暫くぶりネ。たまには悪くないヨ。」

 古菲はそういうと構えをとき、まっすぐ眞莉紗と向き合った。

「さて、それじゃそろそろ締めますか。楽しいけど、そろそろお開き。」

 眞莉紗は笑い声を収め、本当に口惜しそうに古菲にそう言い放った。古菲も同じだった。本当に楽しかった。

でも、これが最後になると眞莉紗と同じように悟っていた。古菲はいくアルよと翼を羽ばたかせ、一気に眞莉紗に接近した。

眞莉紗もそれに応じて踏み込む。と、踏む込んだ眞莉紗が腰を落とし、すべるように後退した。しかし、古菲は動じない。

まるでそれを始めから知っていたかのように。そして頭を下げ、すべるように眞莉紗が前進する。

「八卦掌『震離』!!」

 古菲もそれにあうように八卦大成掌『震離』で迎え撃った。眞莉紗はその間合いに入ると体を起こし、腰を落としたまま右正拳を放つ。

古菲の双掌底は眞莉紗を捉えていた。しかし、眞莉紗はそれで止まることなく、その右拳は古菲の腹を捕らえた。今までで一番の破壊力。

最後の一撃とわかりきっていたため、編世結界の力を十二分に古菲は利用した。

しかし、そんな古菲をまるでトラックで弾き飛ばしたかのようにふっ飛ばした眞莉紗のその拳の威力は想像を絶するものだった。

「楽しかったよ、くーちゃん。本当にね。だから、私の持つ最高の一撃で終わり。」

 そういうと眞莉紗はふうと肩を落とし、しばし空を仰いだものの、古菲を助けることなく教会跡に背を向けてそっけなく、

しかし、本当に楽しかったよと背中で語りながらその場を後にした。

「ん・・・・いたた・・・。」

 眞莉紗が去ってわずかしてから弾き飛ばされ、そしてそのまま廃教会の中に放り込まれたのだろう、古菲は焼け落ちた廃教会の中で目を覚ました。

「散々やられたね。どう?今の気分は。」

 狼季が起き上がって立ち上がろうとする古菲にそう聞く。

「悪くない気分ネ。寧ろすがすがしいヨ。私がなくしたものを見つけられたし、実に有意義だったアル。」

 古菲は焼け落ちた天井から青空に輝く太陽を見上げてそう答えた。失われていた『楽しい』という感覚。それを取り戻すことができた。

そして、知らぬ間に恐れていた力を使うことができるようになった。古菲にとってこれ以上ない収穫。

「次こそ勝ってみせるアル。狼季、一緒にがんばるネ。」

 古菲の言葉にもちろんと頷く狼季。

「それと・・・ありがとネ。楽しかった以上に、いろいろと狼季に教えられたアルよ。」

 古菲はどこか恥ずかしそうに、しかし、心のそこから感謝して狼季に言った。

「それを言うのは私のほうだよ。ありがとう。信じてくれて。」

 狼季はそういって古菲に感謝した。もしも信じてもらえていなければ、狼季はもうこの体にいることはできないと考えていた。しかし、

古菲は狼季を信じた。それは今までになかったこと。でも、嬉しかった。今まで一度も信じてもらえなかった。魔神マルコキアスというだけで

畏怖の対象にすらなるのだから。そんな中、古菲は信じてくれた。それは2代目マルコキアスになってからはじめてのこと。だから、古菲に

3代目を譲ることを決意できた。そう。もう自分は古菲でもあるのだ。自分が初代マルコキアスであるのと同じように。

「さて、それじゃそろそろ行くネ。目標ははるか高いヨ。一歩ずつ、でも確実に差を縮めるネ。」

古菲はそういって廃教会を立ち去った。新しい始まりの地。しかし、そこにとどまることはない。

古菲と狼季の今を如実に表す光景だった。







あとがき


激しく時間が空きましたが、第十帖四間をお送りします。

(フィーネ)なに?PSUしながらポケモン?あんた人生舐めてない?

申し訳ありません・・・・。

(フィーラ)書く気あるの?

当然ありますよ。

(フィーリア)ならきちんと書いてよね?

わかりました・・・・。

(フィーネ)で、まぁこの話はここまで。ところで古菲強くなっちゃったねぇ。

うん。後々眞莉紗の相手になるキャラがどうしても必要だったし、何より武道四天王の中で一番好きだから。

(フィーラ)ここでも一番好きだから理論なのね・・・・。

それをいわれると・・・・。

(フィーリア)それはいいとして、次の話は?

うむ。修学旅行に行く前のワンクッションってところかな。その次からはついに修学旅行編に突入だね。

(フィーネ)なるほどね。じゃあ、次回予告やっちゃうわよ。

毎回悪いけど、頼むわ。

(フィーラ)はーい。ついに突入修学旅行。眞莉亜がいっていた『何か』とは一体なんなのか?

(フィーリア)過去に類を見ない惨劇の幕がついに上がる!与えられた地獄の片道切符を渡されて、果たして無事帰還することはできるのか!

(フィーネ)次回、ネギまちっく・ハート第十一帖「地獄の釜が開くとき」!

(フィーネ&フィーラ&フィーリア)乞うご期待!!!



いやいや、まさか古菲に魔神が。
美姫 「それを言うのなら、眞莉紗なんか二体よ」
戦闘能力が高いはずだ。
美姫 「うーん、試験は無事に終わったみたいだし」
次回は少し日常に戻るのかな?
美姫 「どうなるのか、次回も待っていますね〜」
ではでは。



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