『An unexpected excuse』

  〜プリズムリバー3姉妹編〜




「俺が、好きなのは…………」



その場の時が止まった、と思うほど静まり返った。

皆が今かと恭也の言葉を待ち望んでいた。



「(………………さて、どうしようか)」



が、件の恭也だが正直困っていた。

はっきり言って誰が好きとか言うつもりはまったく無い。

何とか誤魔化そうと決めた恭也。

そしてその事を言おうとした恭也が口を開こうとしたら、





♪〜♪〜♪〜

♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜

♪〜♪〜♪〜♪〜





どこからか綺麗な音楽が流れてきた。



「………………」

「「「「「………………」」」」」



その音に皆が耳を傾けていたら、



「………………あれ?恭也?」



音楽に耳を傾けていた忍だがふと辺りを見渡すと恭也がいなくなっていた。



「………はっ!逃げられた!?」



程なくして恭也に逃げられたと気付いた忍達。

その後の忍達はまるで得物を狩らんとするハンターの様な目つきで恭也を探し回っていた。





だが、まぁ、結局見つからなかった訳だが。















「ふむ、ここなら見つからないだろう」



そう言って恭也は旧音楽室に来ていた。



「………お前達にも迷惑を掛けたな」



突如恭也は誰も居ない筈の教室で喋りだした。

そう、誰も居ない筈の教室に。



「あはは、恭也ってばなんか困ってたみたいだし」

「ソレを見てて無視するの訳にもいかないし」

「ほっとく訳にもいかないでしょ」



誰も居ない筈の教室で恭也以外の声が恭也に掛けられた。

掛けられた声は全部三つの女性の声。

そして声が掛けられたと同時に三人の少女達が現れた。



「恭也は無自覚すぎるよ〜」



プリズムリバー三姉妹の三女、リリカ・プリズムリバー。



「そうよね、まったく苦労するコッチの身になってほしいわ」



同じくプリズムリバー三姉妹の次女、メルラン・プリズムリバー 。



「少しは自制してほしいわね」



そしてプリズムリバー三姉妹の長女、ルナサ・プリズムリバー。

この三人は皆人間では無い。

彼女達は騒霊、つまり人間では無いのだ。



「でも姉さん、恭也の無自覚さは今に始まった事じゃないよ?」

「でもソレが無いと恭也らしく無いしね」

「まぁ、ソレも恭也の魅力に一つってことね」

「………………貶してるのか?バカにしてるのか?」



半眼になりながら問う恭也。



「あはははは、そんなまさかHじゃあるまいし」

「そうよね、いくら恭也がバカだからってHと一緒な訳無いじゃない」

「そうよ恭也」

「………………なるほど、お前達が俺をバカにしている事がよぉく分かった」



そう言って深くため息をついた。



「だがそんなにあいつの事を言うなよ?風邪をひくかも知れないからな」

「あはははは、ソレこそ無いよ恭也」



メルランが断言した。



「ほう、何故そう言いきれるんだ?」

「だって、H(バカ)は風邪をひかないって言うでしょ?」










ハックシュ!

「どうしたの?」

「ん〜、今誰かあたいの事噂してるような………」
























「それで恭也、何時コッチにこれる?」



リリカが訊ねた。



「そうだな、暫くしたら連休に入るからその時に行くとしよう」



恭也はそう答えた。



「それで、何か言いたい事があったんだろ?此処まで呼び寄せたんだから」



恭也は今まで黙っていたルナサに訊ねた。



「流石、そう言うこと”だけ”は鋭いわね」

「………………何か棘を感じる物言いだな」



言われルナサは肩を竦めた。



「………それで、誰かを選ぶ気になった?」



ルナサは真剣な表情で言った。

その言葉を発した瞬間その場の空気が凍結した。

リリカもメルランもおちゃらけた表情を消した。



「………その答えを聞きたかったから読んだのか」

「そうよ」



恭也の問いにルナサは簡潔に答えた。

そう、過去にこの三人は奇しくも同じ男を好きになり、同じ男に告白したのだ。

言わずとも分かると思うがその男とは恭也のことである。



「………………」



恭也は無言だった。



「ねぇ恭也」

「貴方にとって」

「本当に大切なのは」

「「「だれ?」」」



ルナサ達は一切感情を抜き去った目で恭也を見つめた。

常人なら気絶なり目を逸らすなり何なりする程だろう。

だが恭也は気を失わない。

目を逸らさない。

なぜなら恭也にソレをすることは赦されないからだ。

自分を愛していると言ってくれた女性達。

誰も個性豊かで素晴らしく、自分には勿体無いほどだ。

だが彼女達はそれでも自分を好いてくれる。

ならばこちらも思いに答えねばなるまい。



「………俺は誰かを選ばない」

「「「………………………」」」

「………俺は誰かを選ばないなんて真似はしない」

「「「………………………」」」

「リリカ、メルラン、ルナサ、俺はお前達が好きだ」



「お前達から誰かを選ぶ心算は無い」



「俺はお前達を選ぶ」





「俺はお前達を愛している」



「俺と共に生きてくれ」
















「「「――――――喜んで、ご主人様」」」


























<おわり>








あとがき


直正「えっ!コレで終わり!?」
コレで終わりです。
直正「つーかなんだよコレ、最近お前滅茶苦茶じゃないか」
いやまぁ、ちゃんと設定作ってやってるから問題ないと思うんだけどね。
直正「どう言う設定?」
ルナサ達ってなんだかある屋敷の騒霊らしいじゃん、だからその屋敷の主になってルナサ達とその後チョメチョメ。
直正「なにそれ!?つーかなんだよチョメチョメって!?」
いやまじほんとごめん許して、長編の中身が余りにも暗くて俺自身がどんどん暗くなってく気がしてさ。
直正「………書いてる本人がこんな調子ですがその内載る長編を宜しくお願いします」
――――――いやだってほんと黒いんだもん、だって………ブツブツ………。





まじめにあとがき
アハトさんリクのプリズムリバー三姉妹編?でした。
アハトさんこれで勘弁してください、難しすぎます。
お詫びと言っちゃなんですが今度は咲夜編を書きますんでそれで勘弁してくれないでしょうか。
つーかホント暗いな。
設定はあとがきで述べたとうりです、付け足すならプリズムリバーの屋敷に恭也が迷い込んでしまって、と言う設定です。





アハトさんのリクエストだ。
美姫 「そうみたいね」
東方は知らないけれど、楽しそうだよな。
美姫 「確かにね」
さーて、次は誰になるのかな〜。



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