それは、確かめ合う絆でした・・・

 

 

 

運命を覆すべく、戦い抜く騎士たちの誇り・・・

 

 

 

それを知るとき、少年は葛藤する・・・

 

 

 

護るべきか・・・止めるべきかを・・・

 

 

 

リリカル戦記・・・始まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリカル戦記リュウケンドー!!

第七話「迫りくる刻」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結界内での戦いから一夜明け、はやてたちは一泊二日で温泉旅行にいく事になった。何故かというと、最近皆で長い時間を一緒に過ごせていないのを見た剣二が、あえて強引に提案したのである。

 

 

「剣二兄〜。準備できた〜?」

「おう。何時でもオッケーだ」

 

 

はやての呼ぶ声に剣二が答えながら家のドアを開くと、旅行モードになった皆

が待っていた。

 

 

「じゃぁ、旅館へのバス亭に向かうとしますか」

「「おーーー」」

 

 

そう言ってはしゃぎながら進みだすはやてとヴィータを見ながら、シグナムとシャマルは苦笑していた。

 

 

「あらあら。あんなに嬉しそうな顔してる♪」

「主はやての笑顔は・・・やはりどんな物よりも宝だ」

「・・・そうだな」

 

 

そう言って、犬モードのザフィーラもその後を追っていく。それを見てシャマルが続く中、シグナムは剣二に話しかけた。

 

 

「剣二、すまない」

「何がですか?」

「お前が昨日提案してくれたおかげで、主はやてがあんなにも嬉しそうな顔をしてくれている」

「・・・それは旅行だけじゃないっスよ。シグナムさん達と一緒に行くからこそ、あの笑顔なんです」

「・・・そうか」

 

 

そう言って、表情を和らげるシグナム。そんな中、先に行っていたはやての呼ぶ声が響いてきた。

 

 

「何してんの二人とも〜〜〜。はよこんと置いてくよ〜〜〜」

 

 

はやての声に気づいた二人は微笑みあいながら、はやてを追いかけるのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりアースラ艦内。その廊下で、クロノとエイミィ、ユーノの三人が歩いていた。

 

 

「闇の書について調査をすればいいと言われて来たけど、どこにいくんだい?」

「まぁ、とある人物に会いにね」

 

 

クロノが苦い表情で答える中、とある部屋のドアを開いた。すると、そこにはソファーに寝転がる二人の少女がいた。二人とも頭には猫耳が生えており、顔も瓜二つであった。

 

 

「やぁリーゼ。クロノだ、久しぶりだな」

「ん〜・・・お〜クロ助♪お久しぶり〜♪」

 

 

クロノが挨拶すると、少女の一人がクロノを抱きしめた。慌てるクロノの顔を胸に押し付けながら、少女はクロノをからかい続ける。そんな中、エイミィがもう一人の少女とハイタッチをかましていた。

 

 

「リーゼアリア、お久し♪」

「うん、お久し♪」

「ロッテは相変わらずだね(苦笑)

「ま〜同じ双子ながら、計り知れない時があるわね〜」

 

 

二人が苦笑する中、クロノは少女にいじられ尽くされて沈黙してしまった()。なんとか落ち着くと、クロノは本題へと移った。

 

 

「今回君たちに力を借りたいのか他でもない。闇の書に関する文献を探してほしいんだ」

「事情は父様から聞いてる。いいよ、力になる」

「助かる。無限司書においては、彼の指示に従ってくれ。ユーノ・スクライアだ」

「は、初めまして」

 

 

リーゼ姉妹に挨拶するユーノ。すると、ロッテがなにやら面白いものでも見つけたかのように目を輝かせていた。

 

 

 

 

「クロ助・・・この子食べていい?」

「好きにしてくれ」

「ちょ、ちょっと!!」

 

 

 

 

少々ユーノが哀れに思えるのだった(苦笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、とうちゃ〜く♪」

 

 

皆はバスで旅館に到着すると、さっそく皆の部屋に入った。そこは、海が見える眺めのいい部屋で、潮風が心地よく感じれるいい場所だった。

 

 

「ほな、ウチは温泉入ってくるけど、剣二兄はどうする〜?」

「ん〜、少し休んでから行くよ」

「ほな、ウチは皆と温泉入ってくるわ〜♪」

 

 

シャマルに抱っこされながら、はやてたちは浴場へと向かっていった。

 

 

「さて・・・少しばかり仮眠とるか」

 

 

剣二は目をつぶると、テーブルに寄りかかって眠ってしまった。そしてそれから40分弱が経ち、はやて達が帰ってきた。

 

 

「ただいま〜」

「ただいま戻りました〜」

「お風呂広かった〜〜〜」

 

 

はやての髪をシャマルが拭き、ヴィータははやてと一緒にフルーツ牛乳を飲んでいた。

 

 

「おかえり。んじゃ、俺も入ってくるよ」

「うん、行ってらっしゃ〜い」

 

 

そう言って剣二は、簡単な着替えとタオルを持って大浴場へと向かった。そんな中、はやてがポツリと呟く。

 

 

 

 

「あれ、何か忘れているような・・・まぁええか♪」

 

 

 

 

これが、小さな騒動を起こすとははやても気づいてなかっただろう()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜、極楽だ〜」

 

 

剣二は衣服を脱衣所に置くと、湯船の中に浸かった。適度な温度のお湯は、身体中に温かさが染み込んでくるようだった。

 

 

「やっぱ風呂は命の洗濯だな〜・・・ん、誰だろ?」

 

 

湯煙の中、向かいに赤い髪をした誰かがいるのが見えた。そして煙が晴れてくると、その正体が明らかになった。

 

 

 

 

「し、シグナムさん!?」

「け、剣二!?」

 

 

 

 

そう、剣二の向かいにはタオルを巻いたシグナムが浸かっていたのだ。二人は慌てて、互いに岩場へと隠れた。

 

 

「す、すすすすみませんシグナムさん!!」

「な、何故お前がここに!?」

「いや・・・俺は男湯から入ったんですけど・・・」

「まさか・・・・混浴というやつか?」

「多分・・・」

 

 

そう言うと、二人は黙り込んでしまった。気まずいというよりは、恥ずかしい故にといった感じである。そんな状態が10分続き、剣二が話しかけようとしたとき、シグナムが話しかけてきた。

 

 

「・・・剣二」

「な、なんですか?」

「前から聞きたかったんだが・・・お前、家族はいるのか?主はやて以外に?」

「・・・両親はいたんですけど・・・亡くなりました。俺を庇った代償で・・・」

「事故に・・・あったのか?」

「はい・・・・それで、俺の父さんの知り合いだった師匠のところに居候する事になったんです」

 

 

そう言いながら、剣二は空を見上げた。

 

 

「両親が亡くなったのは正直辛かったですけど・・・師匠やその家族も俺によくしてくれましたし。なにより、大事な従妹のはやてやシグナムさんたちがいます。だから、俺は寂しくもないし、辛くもないんです」

「・・・強いんだな、剣二は」

「強くなんかないっスよ。俺はあくまで、虚勢を張っているだけです」

「だが、その虚勢を張り続ける事ほど、キツイ事はない。お前は、十分に強い。それは、このシグナムの名に誓おう」

「・・・ありがとうございます」

 

 

言えなかった事を言えたせいか、剣二の中にあったわだかまりはアッサリと雲散した。そんな中、剣二はふと思った事を尋ねた。

 

 

「あの・・・シグナムさん」

「なんだ?」

「前から聞こうと思ってはいたんですけど、シグナムさんたちはどこから来たんですか?」

 

 

それを聞き、一瞬ドキりとなるシグナム。しかし、剣二はそれを翻すように答えた。

 

 

「あ、勿論言いたくないなら言わないでください。無理してまで、聞こうとは思いませんから」

 

 

そう言う剣二の言葉に、シグナムは彼になら話してもいいだろうという気持ちになった。

 

 

「・・・今から話す事、決して口外しないと誓うか?」

「はい。鳴神龍神流に誓って」

「そうか・・・分かった。全て・・・話そう」

 

 

そう言って、シグナムは全てを語り始めたのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりです。グレアム」

「ああ・・・彼の葬儀以来・・・だったかね」

 

 

アースラの一室において、リンディが初老の男性と話していた。彼の名はグレアム。リンディの前のアースラ艦長である。今は時空管理局顧問官である。

 

 

「あの事ならお気になさらずに、あんな事が起きるなんて予想が出来る指令官なんて、どこにもいませんよ」

「・・・そうか。実は今回君に・・・いや、君の息子であるクロノ君に渡して欲しいものがあってね」

「クロノにですか・・・いったい?」

「これ・・・なんだがね」

 

 

そう言うと、グレアムはテーブルに何かを置いた。それを見た瞬間、リンディの表情が変わる。

 

 

「・・・・こ、これは!?」

「察しの通り、MADANデバイス二号機だ。コードネームは“剛龍銃”」

「しかし・・・何故これをクロノに?」

「デバイス一号機の撃龍剣は現在ロスト中により、急遽二号機の起動が決定された。そしてデータを見た結果、選ばれたのはリンディ君・・・君の息子だったんだよ」

「クロノが・・・」

「闇の書事件による惨劇をこれ以上繰り返さないためにも、彼にこれを・・・渡してくれないか?」

「・・・分かりました」

 

 

リンディはそう言うと、デバイスを受け取ったのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま〜」

「ただいま戻った」

 

 

浴衣に着替えた剣二とシグナムが、部屋へと戻ってきた。

 

 

「あ、おかえり剣二兄にシグナム。いいお湯やった?」

「はい。とても」

「あ〜コーヒー牛乳が最高にグッジョブ♪」

 

 

剣二がおいしそうにコーヒー牛乳を飲んでいる中、シグナムが口を開いた。

 

 

「主はやて、それに皆」

「ん、な〜に?」

「何、シグナム?」

「なんだよ?」

「・・・つい先ほど、剣二に私たちの事を話した」

 

 

それを聞いた瞬間、皆は驚嘆した。

 

 

 

 

「え・・・・えええ!?」

「ど、どういうつもりだよシグナム!!」

「いずれは話さなければならない・・・それが早まっただけだ」

「けど・・・・剣二さんは・・・」

「ああ、全部話してあの反応だ」

 

 

 

 

そう言って首で剣二を指すシグナム。皆がそれを見ると、実においしそうにコーヒー牛乳を飲み干していた。

 

 

「あの・・・剣二さん」

「ん?」

「私たちの事を知って・・・驚かないんですか?」

「なんで?」

 

 

あまりにもあっけらかんな反応に、シャマルは困惑しながらも答えた。

 

 

「だって・・・・私たちは「人間じゃないって?」・・・はい」

 

 

それを聞き、沈み気味になるシャマルとヴィータ。はやても困った表情をする中、剣二が答えた。

 

 

「だから?」

「え・・・だからって」

「別に関係ないでしょ?皆ははやての家族・・・それだけだろ?」

 

 

それを聞いた瞬間、皆は呆気に取られた。しかし次の瞬間には、皆の表情が柔らかくなった。

 

 

「だから、これからもはやての家族と一緒にいる。それだけだって」

「剣二兄・・・・アリガトな♪」

 

 

はやての笑顔を見て、心の底から喜ぶ剣二だった・・・。しかし、再び戦いの宿命が・・・加速していく。

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

W:「ふ〜書き終えたw」

は:「お疲れ様や〜♪」

W::「いやいや、SS書きが頑張らないと意味がないw」

は:「元気やね〜。あ、WEYさんに差し入れやで」

W:「え?誰から?」

は:「リンディさんから」

W:「・・・よっしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

は:「ありゃ、元気になってもうたね♪」

剣:「WEYはリンディ艦長みたいな可愛い年上大好きだからな〜」

W::「グッジョブ!!(ボウケンジャー風味)

剣:「さて、美姫さんか」

は:「リンディさんか」

剣&は:「「どっち(やろ)だろな〜」」

 




束の間の休息を取るシグナムたち。
美姫 「その間に、アースラ側にも動きが」
クロノに新しいデバイスが。
美姫 「一体、どんな能力を秘めているのかしらね」
今回はほのぼのとした感じのお話だったけれど、次回はどうなるのかな。
美姫 「次回も楽しみね」
本当に。次回も楽しみにしてますね。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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