「Loneliness and restraint of interval…let a heart to shake loose……」
「ここにいたの?」
一人の少女が薄暗い空を見上げながら言葉を紡いでいると、その後ろから声をかけるものが現れる。
言葉を紡いでいた少女は薄紫のロングヘアーをしており、声をかけた少女は黒いロングヘアーをしている。
「えぇ……」
振り向かずに、薄紫の髪の少女は答える。
「調子でも、悪いのか?」
「先ほどの検査結果に異常は見られなかった」
黒髪の少女の問いに、すぐさま答える薄紫の髪の少女。
「A boundary of self comes loose in the ground which is unrelated to an ease……」
そしてまた、薄紫の髪の少女は言葉を紡ぎだす。
「I let a courageous shout of a broken blade be good enough without a regret……」
そして、その後に続くように黒髪の少女も言葉を紡ぐ。
「人は、どこまで驕れるかしらね……」
不意に、黒髪の少女が言う。
「楽園を語る檻の中で、禁断の海馬にさえ手を加え……まるで、驕れる無能な創造神にでもなったつもりね」
自傷的に、少女は言う。
「それは、判らないわね……それに、あなたはあの娘の事を心配しているのかしら?」
薄紫の髪の少女は感情を込めずに、言い返す。
「ただ、判らないだけよ……もう世界各国でL-C計画は次々に潰されていってる……私達の生きる意味は、まだあるのか?」
「くだらないわね……」
黒髪の少女の問いを、薄紫の少女は一笑にふす。
「意味なんて、私達に与えられていると考える事こそ愚かよ……命令は絶対よ、あなたも早く、人形になりきりなさい」
感情を宿さないその瞳で、薄紫の髪の少女は言う。
「EINSッ!!!」
その言葉が癪に障ったのか、黒髪の少女は目の前のEINSと呼んだ少女に掴みかかろうとする。
「その名で呼ぶな」
それより早く、EINSが懐から銃を取り出し、その銃口を目の前の黒髪の少女に向ける。
「コードネームで呼んで良いのは作戦中かマイスターのみ……今は作戦中ではないので、お前が私をその名で呼ぶ事は赦されてはいない」
醒めた瞳で、EINSは言い放つ。
「ぐっ、お前は何故そう割り切れる!? この楽園の中に、何を見出しているっ!!?」
堰を切ったかのように、黒髪の少女は叫ぶ。
「割り切る? 見出す? 何を言っているのかしら……ここ以外に居場所のない私達、ここを出てどこへ行こうというのかしら」
向けていた銃を降ろし、EINSは言う。
「くだらない夢など、見るに耐えないわ……今のあなたとはもう話す事など何もないわ……早くここから出て行って、再調整でもされてきなさい」
そう言って、EINSは少女から視線を外す。
「いつから……いつから、変わってしまったんだ……」
黒髪の少女はEINSの背中にそう言って、出て行った。
「珍しいな……あの娘があんなに感情的になるなどと」
黒髪の少女が出て行ったのと入れ違いに、もう一つの扉から白衣を着た男が入ってくる。
「これは、マイスター」
その男を見たEINSはすぐさま跪き、頭をたれる。
「ZWEIの精神状態は少し不安定になっているみたいだね、EINS」
「はっ、そのようです」
男の言葉に、EINSは頭をたれたまま答える。
「もうすぐDREIの調整も終わるから、その後にZWEIも再調整しなおして、任務が言い渡される」
その言葉に、EINSは勢いよく頭を上げる。
「日本のL-Cシリーズを、消去せよ」
「Ja Meister」
再び頭をたれ、EINSは言った。
「それまでの時間は自由にするといい」
そういい残し男は出て行った。
「日本のL-Cシリーズ……L-C05とL-C09……」
呟いて、EINSは空を見上げる。
「待っているといい、我が出来損ないの姉妹達よ……L-Cの名を穢したお前達を、私は許しはしない」
宣言するかのように、EINSは言う。
「そして、L-C05……我が内に流れる貴様の穢れた血は、貴様を破壊する事によって浄化される」
握り締めていた鉄柵が、拉げる。
「そして、我らが悲願……L-C計画は必ず成功させてみせる。 マイスターの名の下に、必ずだ」
言って、EINSは出て行く。
それはさならが、嵐の前の、予兆を現すかのようだった……
あとがき
ふむ、斜陽シリーズ第2期のプロローグの一つ目が出来たな。
フィーア「何をいきなり偉そうに!!」
ぐぼっ!!
フィーア「って言うかあんた、本気で始める気なの?」
まぁ、超不定期更新で……始めようかなぁ、とは考えているんだけど。
フィーア「はぁ、あんたは全然懲りてないわね」
長編はボクにとって鬼門だからなぁ……最後まで続かないんだよねぇ。
フィーア「いつも変に中途半端にするんだから」
返す言葉もございません……
フィーア「やれやれ、まぁ頑張って書きなさいよ」
うぃ、ラジャー。
フィーア「ところで、プロローグの一つ目ってことは、まだあるわけ?」
うむ、後もう一つか二つ書く……予定だ。
フィーア「いきなりそれなの!!」
あべしっ!!
フィーア「全く、なにやってんのよ」
いやね、後もう一つのプロローグはフィーアサイドなんだ。
フィーア「ふ〜ん、まぁそれは判るわ」
で、後一つのプロローグは結構重要なんだけどどっちでも良いような気もしなくもないんだよ
フィーア「どっちなのよっ!!」
痛い、殴るなっ……ちょっとネタばれと言うか、意味不明になってしまいそうなプロローグになりそうだからさ。
フィーア「とりあえず書いてみたら?」
う〜ん、そうするかなぁ……まぁ、皆さんの反応しだいってことで。
フィーア「結局そこに行き着くわけね」
あは、あははははは……はぁ。
フィーア「ふぅ、では皆さんまた次回で」
ではでは〜〜〜
わーい、斜陽シリーズ第二部スタート。
美姫 「初っ端から不穏な単語がちらほら」
一体、今度はどんなお話が。
美姫 「もの凄く楽しみね」
うんうん。次回も楽しみにしておりまする〜。
美姫 「次回も待っているわね〜」