動力室の階段を下りた先にある電子ロックの掛けられた三つの扉。これは実のところ、全て同じ一室に繋がっている。

というのもこの艦の動力室は円形状になっており、扉のある円柱の大きな柱に沿って囲うように手擦りの備わる鉄製の通路があるのだ。

つまりその通路を歩いて行けば他の扉を見つける事が出来る。そしてもう一つの見方をすれば、いくら歩いても同じ場所をグルグル回るだけとなる。

よって動力となる機器を見ながら歩いてもすぐに同じ個所にぶち当たる。だから、普通に見学に来ただけなら見甲斐ないと言っていいだろう。

だけどリースはそれに該当しない。確かに見学しにきたというのもあるが、動力室を見ておきたかった理由がちゃんと存在するから。

 

「動力室なのに操作盤みたいなのがない一つもないね。これで問題とか起きたら、どうやって対処するわけなの?」

 

《ほとんど問題なんて起きないけど、もしプログラム的な問題なら別室の操作盤で直すかな。外装的な問題だったら、直接ここに来なきゃいけないけどね》

 

「ふ〜ん……別室でねぇ。それって、どこにあるの?」

 

《さすがにそれは……何をしでかすか分からないから、教えられないよ》

 

当たり前と言えば当たり前の返答。リースの目的と言ってしまってる以上、教えられないのは当然だろう。

これがもし当り触りのない質問だったとして今のような返答だったら文句の一つも出るが、リースとしても重要な部分と理解してるから何も言わない。

それにここで答えさせようと追求し、やっぱり戻ろうと言われたら敵わない。もっとも、カルラはそんな事を言わないと内心では思ってはいるが。

 

「ところでさ……小動物チック丸出しのカルラがあそこまで強引になるほど隠したかったものって、どこにあるの?」

 

《……最初にリースが開けようとした扉の少し先だから、まだもう少し歩かないと》

 

少し気になる言い方をされて文句を言おうとしたが、また頬を抓られそうな気がしたので普通に答える。

ただ答えとして指定してきた地点は最初からそちらを目指せばすぐの所。だが、歩きだしたのが真逆なのでまだ歩かないといけない。

しかし歩き出してから一分も経っていないし、そこを目指したとしても大した距離でもないため文句は言わず歩き続ける。

そうしていろいろと動力室にある大規模な機器に関して聞きながらしばし歩き続け、入ってきた扉とは逆の扉前を通過する。

そこから更に歩き続けて一分と経たず、最初にリースが開けようとした扉の前に立つ。だが、そこには特に目立つものは何もない。

だけどよく見渡してみれば扉の横のほうに先ほどロック解除のために数字を入力した操作盤、それを酷似したものがあった。

扉に備わっていたものと違う部分を挙げるなら、数字ではなくローマ字だという事。それ以外の部分では、特に変わったところは存在しない。

だが、それがカルラの言う大切な物とやらに関係しているのだという事は考えなくても分かり、カルラへと視線を向ける。

その視線にカルラは小さく溜息をつき、操作盤の前に立つと慣れたような手つきで素早く文字を入力していった。

そしてその横では今度こそ見逃すまいとカルラの押す文字とその順番を覚えるべく、入力する彼女の手のみをジッと見ていた。

 

 

 

(b、l、u、e、n、i、g、h、t……Blue Night? えっと日本語だと、確か青い夜……ああ、『蒼き夜』って事ね)

 

 

 

要するに組織名をそのまま英語にしてパスワードに持ってきている。言っては悪いが、パスワードにしては非常に安直だ。

だから別に意識してなくても覚える事は容易く、呆れも混じるがそんな簡単なパスワードにしてくれてる事に感謝も出来た。

しかし、当然ながら入力していたカルラもリースの視線の意図には気付いてる。でも、ここが分かったところで意味はないと思っている。

というのも長い袖口のせいで扉のロック解除のときは見られてないのを知っている。だから、ここを知っても扉は分からないから入れない。

楽観視と言わればそれまでだが、扉のロック解除番号を知る人物は限られてる。それ故、知られる事はないと楽観視も出来るのだ。

そのため見られても問題はないと判断しつつ入力を終えると入力した文字は一瞬でOKという二文字に切り替わり、途端に凄まじい音が後方から響く。

それにリースは驚きながら後ろを向くと扉の対面、手擦りよりも遥か奥のほうから一本の通路が伸びてきていた。

通路が伸びていくと同時に対面の人が通れるスペースほど手擦りは下にスライドし、通路が繋がるとその先の壁だった場所に突如扉が出現する。

 

「……隠蔽魔法?」

 

《うん。この先にある物はあまり他の人には見せたくない物だから、普段は艦を動かすための動力を少しだけ利用して隠してるの》

 

「へ〜……でもさ、それ以前に扉の電子ロック自体、解除出来る人は少ないんじゃない?」

 

《そうだけど……その事、話したっけ?》

 

「話してないね。でも、元からあったみたいに電子ロックが掛けられてたら馬鹿でも分かるでしょ」

 

《……まあ、そうだね》

 

「とまあそれは置いといて話を戻すけど、扉のロックが限定された人にしか解除出来ないなら隠す必要性もないんじゃないの?」

 

《そうでもないよ。確かに知ってるのが私たちや博士だけなら問題はないけど、扉のロック自体は他にも知ってる人がいるから》

 

「ふ〜ん、そっかぁ……あはは、良い事聞いちゃった♪」

 

《……あ》

 

扉の電子ロックの解除番号は限定された人しか知らない……これは別段知られても問題はない事。

だけど失態だったのは、自分たちやジェド以外にも知る人間がいると教えてしまった事。見事なまでに簡単な誘導尋問に引っ掛かって。

しかし喋ってしまった現状ではすでに遅い。おそらく彼女はこの先にあるものが本当に重要な物と判断すれば、再度忍び込むことを模索する。

その上で扉の電子ロックを解除するためにたぶん、いや必ず艦内にいる人間に聞いて回るという事をしでかすだろう。

しかも聞いて回るのがジェドの娘であるリースだから、確実と言っていいほど知ってる人間に当たれば、警戒もせずに教えてしまう。

駄目だと釘を差しておこうにも、そんなもの彼女には意味がない。だから、自分の失態で陥った窮地に非常に悩み出す。

そして出した答えは、やっぱり見られる前に強引にでも連れだろうというもの。しかし、カルラは考え付いたそれを実行しようとするが――――

 

 

 

 

 

――隣にはリースの姿がなく、視線を前に向けると彼女はすでに出現した扉前に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはB.N

 

【第二章】第二十七話 我儘娘と罰ゲーム、少女たちの探検記 後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法によって隠蔽されていた扉自体には鍵が掛かっておらず、前に立つだけで開かれる自動式。

このタイプは艦内のここ以外でも他に存在するが、なぜか少し古めの押し引き式の扉のほうが多かったりする。

とまあそこはこの際置いておき、前に立つ事で開かれた扉の奥へとリースは入っていき、カルラはそれを慌てて追いかける。

中にあるものを見られたら、彼女が必ず後日ここを再度訪れようとする。訪れた際、何をする気か……それは想像するのも怖い。

だからリースが見てしまう前に止めたかった。だが、その思いと反して彼女が追いついたとき、リースはすでにそれの前に立ってしまっていた。

 

 

 

――内部で小さな光を灯す、漆黒の宝玉の前に。

 

 

 

野球で使うボールとほとんど同じくらいの大きさの宝玉。それはリースの前にある細い台の上にポツリと置かれている。

部屋がかなり暗くて明かりがないせいか、黒いだけなら周りの風景に溶け込みそうなもの。だが、宝玉のちょうど中央に灯る光がそれを妨げる。

光と言ってもそれは色合い的に見れば火のようにも見え、それの大きさ等から見て例えるならば蝋燭に灯る火のような光。

見続けていたら意識まで吸い込まれてしまいそうなほど綺麗な玉だと、リースは素直に思う。そして同時に触ってみたいという欲求に駆られる。

触る事で何があるわけでもない。ただ、見ているだけじゃ物足りなくて触ってみたくなった……それだけの事。

だけどゆっくりと伸ばしていく手は横から伸びる他者の手に掴まれ、宝玉に触れる寸でのところで静止してしまった。

 

《触らないで……》

 

ここには自分以外一人しかいないため、掴んできた人物など考えなくても分かる。だから、止められた事への文句を言おうとした。

しかし、それより先に放たれた言葉によって口は閉じられる。今までに聞いた事がない、冷たさしか感じられないカルラの言葉によって。

顔をそちらに向けて彼女の表情を見てみても、言葉と同じで冷たい無表情。一見した瞬間、本当に自分の知るカルラなのかと疑ってしまう。

そんな困惑の感情がリースの顔に出ていたのに気づいたためか、カルラはハッと我に返り、途端に申し訳なさそうな表情で手を放した。

 

《ご、ごめん……リースが『レメゲトン』に触ろうとしてたから、つい感情的になっちゃった》

 

「あ、うん……こっちも無断で触ろうとしてごめ――――って、『レメゲトン』? これが?」

 

通信室のデータ内にて残されていた文章の中にあった単語。そのときは人の名前なのか、物の名称なのかも分からなかった。

だからカルラが目の前にある漆黒の宝玉を『レメゲトン』と呼んだとき、これが文章に書かれていたそれなのかと思い、尋ね返した。

だけど尋ねられた彼女自身はリースが通信室でそれを見た事を知らない。それ故、そうだけど何で知ってるのと聞き返しながら首を傾げる。

そこでリースもその事実に気づき、若干動揺しながらもなるべく平静を装い、アドルファが一度その言葉を口にしたと嘘を吐いた。

アドルファと付き合いの長いカルラにそんな嘘を吐いても見破られるのではと内心ヒヤヒヤしていたが、驚く事に一切疑わず彼女は納得してしまう。

一体カルラの中でアドルファとはどういう人となっているのか聞きたくなるが、そこは我慢してこれを機に『レメゲトン』に関する質問をリースはぶつけた。

 

「これってさ……一体何なわけ?」

 

《えっと、私たちは『古代遺産(アーティファクト)』って呼んでるけど……リースでも分かる言い方で言えば、ロストロギアかな》

 

ロストロギア……それは過去に滅びたとされる超高度文明が齎した、今の世では発達し過ぎだと言われる技術で作られた物。

だが実際は物だけでなく、技術そのものや超高度に相当する魔法などもそう呼ぶ場合がある。それ故、その数はかなり多いと言っていい。

しかし数は多くとも確認されているロストロギアは管理局が管理、保管しており、未確認の物は未だ見つかってすらいない状態。

だから正直、彼女の口からその単語が出たとき、嘘じゃないかと疑った。先ほどの発言をやはり嘘だと見抜き、嘘に対して嘘で答えたのではないかと。

故にカルラの眼を見る事で真偽のほどを見抜こうとする。しかし彼女の眼を見れば見るほど、嘘を言っているようには見えなくなる。

となればやっぱり彼女の言っている事は本当なのだろうか。でも、本当だとするならば、なぜ彼女らがロストロギアなど保有しているのだろうか。

その疑問に対して一番しっくり答えは、どこかで偶然見つけたものを私物化しているという物。完全に無法集団だから、そう言われても普通に信じてしまう答え。

だが、もしそうでないのだとすれば……そんな考えが彼女の頭を過ぎり、嫌な予感を抱きながらも疑問への答えを求め、それを彼女の問うた。

すると彼女はすぐには答えずゆっくりと宝玉へと歩み寄り、その前に立つと目を閉じ、問いに対する答えとは違う言葉をリースに投げかけた。

 

《高度な技術を用いて生み出された全ての『古代遺産(アーティファクト)』は、一体いつ、どこで作られたのか……リースは、知ってる?》

 

「知るわけないじゃん、そんなの。そんな事よりも、さっきの私の質問に――」

 

《答えるまでも、ないんじゃないかな? リースの中でもう答えは出てるみたいだから……でも、そこから先の質問には答えられないからね? さっきの私の質問に答えられなかったリースじゃ、話しても理解できないと思うし》

 

彼女がこんな有無を言わさぬような言い方をするもの、初めて。だから、ここでもリースは二の句を繋げず、口を紡ぐしかなかった。

だけど先の質問に明確ではなくも答えてもらった事で収穫はあった。そのロストロギアは見つけた物ではなく、元々所持していたものだという収穫が。

ただ、その答えを貰うと同時にある疑問が浮かんでしまう。それは、ロストロギアを元から所持しているなど、本当に彼女たちは何者なのかという疑問。

一応一つの組織であるとはいえ、構成メンバーは七人ほどの小規模。個人の力が強いとはいえ、今まで見た者だけでもかなり個性的な人物。

正直、あまり驚異と言える組織であるようには見えない。にも関わらず、どこかで発見したとかそういうわけでもなく、ロストロギアという危険物を元から所持している。

たかが一つと見られるかも知れないが、そのたった一つだけでそれは驚異。だから、管理局でもロストロギアの回収任務などはかなり重要視される。

そんなものを所持し、あまつさえ管理局の手に渡らぬまま所持し続けている。これだけで組織としても、個々のメンバーを見ても、かなり危険な存在だと言えるだろう。

 

《……そろそろ、行こっか。ここは、あまり長く居ていい場所じゃないから》

 

リースへと振り向くと共に彼女の手を取り、繋いだ手を引きながら入口へと向け、来た道を歩き始める。

手を引かれて歩かされながら、リースは思う。世間から見たら危険な存在かもしれないが、言うほど危ない人たちじゃないんじゃないかと。

全てを知っているわけじゃないが、ロストロギアを用いた犯罪は過去にそれなりにある事はリースだって知っている。

だけどそれは全部、ロストロギアを悪用するから悪い。悪用さえしなければ、ロストロギアの多くは良い方向に使えたりするのではないか。

つまりはロストロギアの善悪を決めるのは、使う人。当たり前と言えば当たり前だが、何かを用いた犯罪はほとんどその見解が成り立つ。

だから、リースから見たら他のメンバーはともかく、カルラが悪しきを働く人には見えなかった。

 

(甘い考え……なのかな、やっぱり)

 

この考えを言えばそう言われるかもしれないし、彼女自身でもそうなんじゃないかと思える。

でも、それでも考えが変わる事はない。いくら甘いと言われても、極めて愚かだと言われたとしても――――

 

 

 

 

 

――なぜそこまで庇うような考えを抱いてしまうのか、その理由が自分ですら分からずとも……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実質罰ゲーム終了を言い渡され、恭也はしばらく部屋に滞在した後、退室して廊下をうろついていた。

自室となる場所でリースも待っているのだから戻っても別に構わないのだが、先の件もあってすぐに戻る気にはなれない。

だからといって別段どこか行きたい場所があるわけでもないため、目的もなくどこに行くでもなく廊下を歩いていた。

 

「組織に入らないか……か」

 

『蒼き夜』……闇の書事件に於いても介入して守護騎士側につき、事態を引っかき回して管理局に目を付けられた組織。

もしかしたらそれ以前から犯罪者として追われていたのかもしれないが、正直どうなのかは実際のところ分からない。

ただ、どの道犯罪者である事には変わりない。そんな組織から、自分たちの仲間にならないかと勧誘の言葉を投げかけられた。

答えなど、本当なら決まっているはずだった。今でこそ敵同士であるという険悪な空気は無いものの、敵対しているのは変わらない。

だから本来なら聞かれたときにスッパリ断るべきだった。だけど、そのときは言葉が出ず、なぜか今も悩んでいる自分がいる。

組織に入るなど言語道断だと分かっているはずなのに、悩んでしまう。なぜそこまで迷っているのかの理由も、自分自身分からぬまま。

そして答えが出ぬまま歩く事、十五分。ふと気付けば第三区画まで差し掛かっていた事から、恭也は悩みを中断して一度だけ溜息をつく。

そこからもう一人で悩んでいても答えが出ないと判断し、とりあえず同じ身の上のリースに話してみようと考え、自室を目指して再度歩き出した。

だが、再び歩き出してから大した間もなく――――

 

 

 

「にゃーーーー!!」

 

――どこか聞き慣れた声で発せられた猫語の悲鳴が、彼の耳に届いた。

 

 

 

聞こえた声が発せられたのは彼の立つ位置から少し先。記憶が正しいならば、そこには給仕室があるはず。

給仕室で悲鳴を上げるような事があるのかと少し疑問にも思うが、悲鳴を上げたという事は少なくともただ事とは思えない。

加えてどこかで聞いた事のある声であったため、恭也は迷う事なく給仕室を目指して走り出し、一分と経たずしてそこに赴いた。

すると赴いたそこで目にしたのは調理場の上にある戸の開かれた棚。そこから落ちたのであろう、床に積もった多種類の菓子袋。

明らかに棚に入る限界を超えているであろうそれらをどうやって棚に詰めていたのか、そこが気にならないわけではない。

だが、現状で一番気になる事。それは床で山を作っている菓子袋の下で、モゾモゾを動いているなぞの物体であった。

菓子袋であるのだから、どれだけ積もっても普通は重くない。だから、おそらく人であろうソレも出ようと思えば出れるは。

なのにソレはこちらに足を向けて菓子袋に埋もれたまま、モゾモゾを動くだけで出てこようとする気配が一切感じられなかった。

それ故、顔が見えない故に一体誰だと若干の不安はあったものの、このまま去るわけにもいかないため、恭也は近づいて菓子袋の山を左右へと退けた。

 

「にゃうぅぅ……」

 

菓子袋を退けた事で姿が露わになり、ソレは背中の重みが無くなった故にゆっくりと起き上った。

こちらにまだ向いてはいないが、その後ろ姿だけで恭也は誰かがようやく分かる。リースと同色の長い髪、ゴスロリのような黒いドレス服。

そして同じく彼女と同年代くらいの容姿であり、ここに来る前から思ってはいたがどこか聞き覚えのある声。

これらが目に入り、自然と誰かという問いの答えが頭に浮かぶや否や、その少女は恭也のほうへと振り向き、答え通りの姿が目に飛び込んだ。

 

 

 

「……にゃ?」

 

――リースの双子の妹である、シェリス・アグエイアスの姿が。

 

 

 

山の中から一つだけ手に取った菓子袋を胸に抱えるように持ち、恭也と向き合って小首を傾げる。

小さな少女特有の可愛らしさが窺える仕草。実際、恭也自身もそれを見た瞬間はそう思った。

だが、それを振り払って考えればこれは不味い状況。というのも、彼女と恭也は一度だけ対峙した事がある。

あのときは恭也だけでなくなのはたちもいたが、だからといって覚えていないわけがない。彼女も、そこまで馬鹿じゃないだろう。

となると彼女の頭の中で自分は敵……姉であるリースを誑かした敵という認識になっている可能性がある。

そうなってくると敵である自分と今、再会した事でどんな行動に出るか分からない。ジェドとリース第一主義者のようであるから、特に。

故に彼女が小首を傾げて停止している間に逃走を図るべく、ジリジリと後ろへ後退。隙を見計らって逃げようと試みる。

だが、彼が逃走を図るよりも若干早く、シェリスは我に返ると同時に抱えていた菓子袋を落とし――――

 

 

 

「にゃーーー♪」

 

――襲い掛かるでもなく、なぜか彼の胸に飛び込んできた。

 

 

 

胸に飛び込み、まるでコアラのように抱きつき、そんな体勢のまま頬擦りをしてくるシェリス。

飛び掛かってきた瞬間に避ける事も可能だったが、飛び込む姿が彼から見てあまりにも無防備過ぎた。

しかも邪気が一切感じられない……それ故に避けなかったのだが、先ほどまで想定していた考えとは真逆のものが展開され、若干困る。

ただ、さすがにこのままコアラ状態を続けていると彼女が落ちるのではないかと思い、仕方なく支えるように抱っこの体勢に持ってきた。

 

「あ〜……シェリス、ちゃん?」

 

「〜〜♪」

 

フェイトやカルラとはかなり雰囲気が幼く見えるためか、子供相手でも本来はあまりしないちゃん付けで呼んでしまう。

しかしそれが聞こえていないのか、シェリスは彼の胸に頬擦りするばかり。これではどういう事か本人にも聞けず、更に困ってしまう。

 

 

 

「……そんな所で一体何をやってるんスか、お二人さん?」

 

 

 

そんな最中で聞こえてきた声は、自身の後ろから。それに振り向いてみれば、そこにはアドルファの姿。

目の前の惨状に動揺していたとはいえ、気配を消していた雰囲気もないのに声を掛けられるまで接近された事に気付かなかった。

この事実に本来なら反省するところだが、反省の念を頭に浮かべるほど、今の状況では彼に余裕はなかった。

今考えるべきはこの状況……シェリスになぜか抱きつかれ、抱っこの体勢を取らざるを得ないという状況を如何に打破するかだ。

だが、恭也自身が声を掛けても聞く様子が無い。となれば、この場で取れる手段は一つ……ちょうどこの場に来たアドルファに助けを求めるしかない。

それ故にどうにかしてくれという意味を込めた視線を送り、彼女は視線の意味を読み取ったのか、小さな溜息をついて歩み寄った。

 

「ほら、シェリスちゃん。恭也さんが困ってるっスから、そろそろ離れましょうね〜?」

 

「っ――にゃ〜!!」

 

歩み寄ったアドルファに服の後ろ襟を掴まれ引っ張られるが、シェリスは変わらぬ猫語を発しつつ抵抗する。

抵抗してでも離れようとしない様子にはこの状況を目の当たりにしたときの呆れも消え、彼女も少しばかり驚いてしまう。

生まれて間もない頃からリースとシェリスの事は知っている。その過去の事を踏まえて言うなら、こんな態度を見せるのは相手がリースのときだけ。

いつも斜め後ろで姉の服を掴み、常に離れようとしなかった。同様に慕っている父のジェドにも過剰に懐きはするが、そこまでくっつく事もない。

そんな過去で、リースがまだ今のようになる前に該当する過去で一度だけ見た事がある。常にリースにくっつくシェリスを、アイラが引き剥がそうとしてた光景を。

理由は簡単なもので、魔法の訓練の時間なのにずっとくっついてるからというもの。当然、教える側のアイラが見かねて引き剥がしに掛かるのも頷ける。

だけどそのときも今のように、シェリスは離れようとしなかった。必死に抵抗して、終いには半泣き状態にまでなりながら、それでも離れなかった。

最後まで見てはいないが、結果としてそのときは本泣きに入ってしまい、宥めるだけで訓練時間を潰してしまったらしい。つまりはそれほどシェリスはリースに懐いているという事。

こんな過去が存在するのだから、彼女と同じくらい過剰に懐いた者がいれば同じ状況になるという事も何となく想像出来る。

 

 

 

 

 

――だが相手が恭也ともなれば、疑問を抱かずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

アイラはシェリスに対しての対応が怒鳴るか、軽くても意地悪するかだったから、付き合いが長くてもそうならないのは頷ける。

だけどリースと同じか、それ以上に娘に対して愛情を注いでいるジェド。それ以外でも、ジェドの娘という事で柔らかな対応をする研究員はかなり多い。

しかしそのどちらに対しても懐きはするが、リースまでにはならない。なのに今、恭也に対してリースのときと同じような様子を見せている。

ジェドよりも、その他の研究員の人たちよりも、遥かに付き合いの短い……いや、言ってしまえば短いどころではなく、会ったのはこれが二度目くらいでしかないはず。

だというのになぜ、ここまで懐いているのか。リースと一緒にいるときでしか見せなかった態度をどうして他でもない、彼のときに見せるのか。

あまりにそこが不可解故に若干思考の渦に入り、引っ張っていた手の力が僅かに緩む。その隙をシェリスは逃さず、手を振り解いた。

そしてまるで逃げるかのように抱きつく位置からよじよじと登り出し、恭也の頭の後ろに到達すると肩に足を掛け、離れまいと頭を掴んだ。

言ってしまえばそれは肩車の体勢。若干小柄だからさほど重くないため、それ自体はどうという事もないのだが、下りてもらえないのには困りもの。

それ故に先と同じ意味合いの視線を再度送るも、その視線で我に返ったアドルファは無理だというように首を横に振った。

 

「シェリスちゃんがそこまで頑なになるとウチでは止められないっス。というよりも、リースちゃんか博士くらいじゃないと実質無理っスね」

 

「……要するに本人が満足して降りるか、その二人のどちらかに頼むまではこのままという事なのか?」

 

「まあ、そういう事になるっスかねぇ……」

 

肯定の言葉に対して恭也は溜息をつき、アドルファも彼の頭上に顎を乗せてマッタリしているシェリスを一瞥して同様に溜息をついた。

今までリースやシェリス、アイラの三人の前に姿を見せなかった他の仲間と違い、自分は付き合いが長いから性格等を把握してると思っていた。

だが、いくら他人に懐きやすいシェリスでもリースのときに見せるような懐き方を、まさか二度程度しか会った事のない人のときに見せるとは想像しなかった。

別段それが悪いというわけではない。だが、ちょっとばかりシェリスの事が分からなくなるのもまた事実としか言いようがなかった。

ただまあ、それをここで議論する気もないし、した所で当の本人に聞く気がないのは明白。それ故、ここは自分が片付けるからもう戻ったほうがいいと告げる。

ラーレからある程度話は聞いているため恭也が出歩いていたのは知っている。だが、それでもあまり艦内をうろつくのは他の者に良くは映らない。

それはアドルファを含む『蒼き夜』の面々はどうとも思っていないが、他の研究員の人たちからしたらリースはともかく、恭也は部外者としてしか映らないのだから。

そのため部屋に戻る事を進めるや否や押し出すように給仕室から出し、部屋のある方面へと歩いて行くのを見送った後、散らばったお菓子を拾い集め始める。

 

「はぁ……なんで、よりにもよって恭也さんなんスかねぇ。計画の都合上、それ以外でないと困るんスけど……」

 

拾い集めては棚へと詰め、拾い集めては棚へと詰めを繰り返しながら、誰に聞かせるでもなく独り言を口にする。

その内容は当然ながら先ほどに関しての事。そしてそれを自身らの計画と照らし合わせた上での、愚痴のような呟き。

 

「これじゃあ何のために彼女たちと接触する事を見逃してるのか、分からなくなるっスよ……」

 

全てが計画通りに行くわけじゃないのは分かっている。今のこの状況に関しても、十数年前の事に関しても。

エティーナが死ぬ事になったおよそ十三年前のあの一件だって、全てが上手くいったとは言えないものだった。

だけど如何に計画通りに進まなくとも、破綻させるわけにはいかない。そんな事をすれば、自分たちの今までが全て無意味の一言で片付いてしまう。

 

「いや、でもウチらも四六時中見てるわけじゃないっスし、もしかしたら何か進展があったのかも……」

 

確かに彼女らもずっとシェリスの行動を監視しているわけじゃない故、もしかしたらという可能性も浮かぶ。

楽観的な考え方と言えるかもしれないが、負の方向に考えるととことんまで落ちていくのが目に見えている。

だから楽観視と言われようともそう考える事とし、近々直接聞いてみようと呟きつつ、彼女は菓子拾いを続けていった。

 

 

 

 

 

アドルファが部屋に戻れと言ったからといって、別にそれに必ず従わなければならない謂れはない。

だが、従わないで艦内をうろついても見る物もする事もないため、結果的に戻るよう言われてから真っ直ぐに自室へと戻った。

ただそこでリースが部屋に入れば良かったのだが、案の定彼女が大人しくしてるわけもなく、カルラ共々姿はなかった。

故に恭也は彼女が戻るまでシェリスをどうするべきかを悩むしかない。しかし悩み始めた矢先、唐突に頭をポンポンと叩く感触がする。

それに叩いた本人であろうシェリスへと体勢故に見えなくも視線を向け、どうしたのかと尋ねてみる。

すると彼女はただ一言、降りるとだけ口にし、自力で降りようとし始める。それはさすがに危ないからと降りようとする彼女の脇に手をやり、持ち上げてゆっくりと降ろした。

まさか自分から降りると言い出すとは思わなかったが、ようやく降りてくれたという事で若干肩の荷が下りたという気分になる。

だが、そんな気分を感じながら肩をコキコキ鳴らしている彼の服が引っ張られ、今度は何だと思いながら視線を向けてみると――――

 

 

 

「お姉ちゃんが帰ってくるまで、シェリスとこれで遊ぼ?」

 

――トランプと思しき代物を提示しつつ、期待の目を向けながらそんな事を言ってきた。

 

 

 

お姉ちゃんというのは、十中八九リースの事。だから、くっついてきた理由のほとんどは彼女に会うためだろう。

だが、これには疑問が浮かぶ。リースがああなった数日経つのに、どうして今まで会おうとしなかったのかという疑問が。

言葉からしてリースが人の形を取れるようになったのは知っているのだろう。そしてもちろん、恭也と共に行動している事も。

だから話だけではあるが、姉の事が大好きだと語る彼女がその話を聞けば、いの一番に姉に会うために駆け付けるのが予想できる。

だというのにリースからシェリスに会ったという話は聞かず、共に艦内を歩いている時も遭遇する事は全くなかった。

つまり、シェリス側から会おうとしていなかったという事なのだが、それをどうして今になって会おうと思い至ったのか……そこが疑問の中の疑問だった。

 

「……恭也お兄ちゃん?」

 

「ん、ああ、すまない……って、どうして俺の名前を知ってるんだ? 名乗った覚えはないはずなんだが……」

 

「えっと、アドルファお姉ちゃんが前に教えてくれたの」

 

「なるほど。それで……トランプで遊ぼう、だったな? 何をして遊ぶんだ?」

 

会ったのがこれで二度目でしかない自分に懐き、警戒心の欠片もないほどの笑顔で遊ぼうと言ってくる彼女。

確かに懐きやすいとは聞いてはいたが、先ほどのアドルファの驚きようからして他の人と比べて懐き方が異常だというのは分かる。

なぜ面識のほとんどない自分にそこまで懐いているのか、正直分からない。だがまあ、遊んでくれると知って喜ぶ彼女に今、それを聞く気にはなれない。

ともあれ、断れる状況でもないから承諾はしたものの、さっきまで受けていた罰ゲームを齎す原因となったトランプをするのは若干気が萎える。

しかし、嬉しそうにしてるのに水を差すのも憚られるためそれは顔に出さず、床に座ってぎこちない手付きでカードを切る彼女を、同じく腰を下ろして黙しつつ眺めた。

 

「…………」

 

「〜〜♪」

 

嬉しげで、無邪気な顔を消す事もなく切り終えたカードを今度は自分と恭也の前に交互に配り始める。

リースと違って感情がほんとに顔に出ている故か、それに和む自分を感じながらも、どんなゲームをするのかを予測する。

配るのが五枚ならポーカーで間違いないが、ほとんど全部を配ってしまっている。しかも、今度は自分の手札から二枚ずつ中央に捨て始めた。

遊んでくれるという嬉しさから何で遊ぶのかという問いに答えてはくれなかったものの、その行動だけで何のゲームかが何となく分かった。

全てのカードを交互に配り、手札から二枚ずつ捨てる。しかも捨てられたカードは必ず同じ数字……これらの条件で二人でも成立するトランプゲーム。

 

(ババ抜き……か)

 

交互に互いの手札を取り、ババとなるジョーカーを最後まで持っていた方が負け。そんな単純としか言いようがないゲーム。

更に言ってしまえば人数が二人だから、ジョーカー以外を引けば必ず数字が合う。そこを踏まえば、これも二人でするようなものじゃないとも言える。

ただ、ルールが単純であるが故に相手の表情を読み取るのが重要となる。それは何人であろうが、変わらない部分。

その部分を考えると感情が諸に表に出そうなシェリスは不利じゃないかと思えるが、そこを指摘するのは野暮だろうと考える。

要するに遊ぼうと言ってきた者が楽しいのならいい。指摘はせずにそう考えることにし、自身もカードを取って同じ数字の二枚を捨てていく。

そして大概のカードを捨てて手持ち僅かになった辺りで最初はシェリスから恭也のカードを引き、続けて恭也がシェリスのカードを引くという順番でゲームを進める。

それから僅か一分程度でシェリスが手持ち二枚、恭也が手持ち一枚という必然的にそうなるであろう状況へとなった。

 

「…………これを――」

 

「うにゅ……」

 

「ではなく、こちらを貰おう」

 

この状況になって正直困る事。それは恭也がババ以外を引こうとすれば、シェリスが泣きそうな顔になるという事。

始まる前はゲームで負けたぐらいではなどと考えはしたものの、実際にこの状況になれば案の定そんな様子を見せる。

年下の、しかも見た目なのはやフェイトと同じぐらいの女の子の涙目視線を前にすると、ババを取る以外で選択肢がなかった。

つまりこの状況はもう一つの必然的な事を生み出す事となる。それが何かと言えば、考えるまでもなく――――

 

 

 

「にゃ、シェリスの勝ち〜♪」

 

――確実にシェリスが勝ってしまうという事である。

 

 

 

戦えば勝つの御神流であっても、さすがに女の子の涙目には勝つ術がないという事だろう。

しかも泣かれたらという事を仮定すると精神的にも悪い。それ故か、ようやくババ抜きが終わった事で意識せずとも安著の溜息が洩れた。

 

「じゃ、次の最初は恭也お兄ちゃんからね」

 

「……は?」

 

安心していた矢先、予測しなかったシェリスの言葉に思わず若干間抜けな声で返してしまう。

しかし、それを気にした感じが彼女にはなく、無邪気な笑顔のまま中央にあるカードを整えてぎこちなく切り始める。

先ほどの言動、そしてカードを再び切り始めるという行動。この二つを目の当たりにして、呆けてた恭也は嫌でも理解せざるを得ない。

だが、さっきの一戦でシェリスと遊ぶ事がどれほど精神的にくるかが分かり、正直に言ってしまえば二戦目は勘弁して欲しかった。

だけどリースが帰ってくるまで、止めようと言っても彼女が聞くとは思えない。それ故、別のゲームにしないかと提案してみた。

二人で、しかも相手がシェリスとでババ抜きというのは精神的なダメージが大きい。だがもし、これがまた別のゲームならどうだろうか。

相手の表情とかなどを窺わずに済み、尚且つ単純に運だけでも勝負できるゲームを選択させさえすれば、少なくとも先ほどのような事にはならないのではないか。

安易なと言わざるを得ない考えではあるが可能性がある分、そちらに賭けてみたい。そのため、そんな提案をしてみたのだが――――

 

 

 

「シェリスはババ抜きがいいの!」

 

――無邪気な笑みで元気よく、無慈悲な返答を返された。

 

 

 

本当なら避けたいところであっても、これ以上食い下がると勝ち負けとは別の意味で落ち込んでしまう可能性がある。

いや、先ほどの一戦を頭に浮かべてみると落ち込ませるというよりは、泣いてしまうのほうが正しいかもしれない。

それを避けたいから別のゲームを提案し、食い下がって泣かせてしまっては意味がない。それ故、ここは折れるしかなかった。

そうして笑顔のままカードを配り始める彼女の姿を見つつ内心で落胆の溜息をつき、しばし彼女の為すがままにババ抜きへと身を投じ続けた。

 

 


あとがき

 

 

遂に恭也&リースサイドでシェリスが登場!!

【咲】 でもまだ、擬人化出来るようになったリースと対面はしてないのよね。

うむ。まあ、それも次回になったら対面する事になるわけだが……ここで一つだけ補足をば。

【咲】 何よ、補足って?

えっとだな、今回シェリスが登場したわけだが、現状での時期がなのはたち管理局側ではどの時期に該当するかの補足だ。

分かる人は分かるかもしれんが、現在の時期的にはなのはとフェイト、そしてはやての三人がシェリスを説得した後に該当してる。

だけどアドルファたちがまだいる事から、ゲームはまだ行われていない。つまりは、その二つの事象の間に位置するわけだな。

【咲】 じゃあ、今回シェリスがリースに会おうとしてる理由って、三人が言ってた言葉について確かめるため?

そういう事になるな。そしてこの少し後でゲームが行われるわけだが……実はその時期辺りから事態が動き出す予定だ。

【咲】 まあ、あっち側では自分たちの現在地を教えちゃってるわけだしね。で、どう動くの? やっぱり今の位置から逃げるわけ?

彼女たちが逃げ出すような玉に見えるか?

【咲】 ……まあ、正直に言っちゃえば見えないわね。

そゆこと。ま、事態がどんな風に動くのかはそのときまでお預けだがな。ただ、もう一つだけ言える事があるとするなら……

【咲】 するなら?

ゲームが終結を迎える時期に差し掛かったら、二章の終りまでもう間近となるという事だな。

【咲】 ふ〜ん……そうすると、二章は一章より長くなりそうね。

当初は一章より遥かに短くなるのではと危惧してたけどな……。

【咲】 といっても、二章が終わったところで物語自体の終わりはまだまだ見えてこないけどね。

まあね。

【咲】 ともあれ、二章のとはいっても終りが見えてる事には変わりないんだから、頑張りなさいな。

合点だ!

【咲】 で、次回の話はどんなものになるわけ? 

ん〜……まあ、簡単に言っちゃえばリースとシェリスの邂逅がほとんどかな。

【咲】 ふぅん……じゃあ、他には何もないのかしら?

さあ、もしかしたら何かあるかもしれんけど、それはとりあえず次回のお楽しみって事で。

じゃ、今回はこの辺にて!!

【咲】 また次回も見てくださいね♪

では〜ノシ




うーん、明かされた動力室の先にあった物。
美姫 「流石に全貌が明らかにはならないわね」
だな。しかし、これは一体。
と深刻な考えはさておき、何故か懐かれているな。
美姫 「懐かれているわね」
いやー、思わず和んでしまう。
美姫 「本当に。でも、次回はリースが戻ってくるみたいだし」
さてさて、どんな騒ぎになるのやら。
美姫 「気になる次回は」
この後すぐ。



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る


inserted by FC2 system