アジトに帰った恭也は八景の手入れをしていた。

その横にはレイが何をするでもなくただ寄り添うようにくっついている。

 

「ねえ、お兄ちゃん」

 

「なんだ?」

 

「どうして、宝玉を渡したの? 全部揃ってるならわざわざ渡さなくてもいけるのに」

 

「確かにな。 だが、罠である可能性も否定は出来ない」

 

「つまりライルお兄ちゃんたちを囮にするってこと?」

 

「囮、とはまた違うがだいたいそんなところだ。 あそこに行くライルたちの後をつければより安全だからな」

 

「でも、あそこに賢者の石があったら確実にライルお兄ちゃんたちと戦うことになるよ?」

 

「それも承知の上だ。 どの道、宝玉をもって俺たちが行ったとしてもあいつらと戦うことは免れないしな」

 

「それは、そうかもしれないけど……」

 

恭也は手入れを終えた八景を鞘に納める。

納めた八景を壁に立てかけ、不安そうな顔をするレイの頭を優しく撫でる。

 

「大丈夫だ。 あいつらが敵に回っても、美由希……光の主が敵に回ろうとも……俺は、俺たちは必ずあれを手に入れる」

 

「ミラお姉ちゃんのために……だね」

 

「ああ」

 

優しく優しく撫でながら恭也は頷く。

 

「夜になってミラと合流した後、あれを、賢者の石を奪いに行くぞ」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メンアットトライアングル!〜対なる心、継承せし二刀の剣〜

 

第十話 ぶつかる力、光と闇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園へと戻った美由希は夕食時になってから恭也に渡されたそれをライルたちに渡すことにした。

そして夕食時の時間、食堂へと赴いた美由希はライルたちが皆揃って食事をしているところを発見する。

美由希はライルたちに近づき、渡された袋をライルたちに渡す。

袋の中をみたライルたちは少し、いやかなり驚いた顔をしていた。

 

「これ……誰に?」

 

「恭ちゃんがライルさんに渡せって……なんなのかは解らなかったんですけど渡せばわかるって」

 

「これって……あの封印が施されてる扉の……ですよね」

 

「たぶん……でも、恭也がどうしてこれを」

 

疑問は次々と浮かぶがほとんどは解らぬままだった。

 

「とりあえず、これがあればあの奥にいけるな」

 

「何があるっすかね」

 

「さあな。 でも、今日の夜になればわかるさ」

 

リサにそう返すとライルは袋の口を閉じる。

 

「あの……」

 

「ん? なに?」

 

「私、いえ、私たちも一緒に行ってもいいですか?」

 

「どうしたの、いきなり?」

 

当然の疑問だが、その問いに美由希は戸惑う。

問いに対してのちゃんとした理由はあった。

だが、その理由は確証がない。

そしてなにより言うのが躊躇われた。

 

「いえ、なんとなく……です」

 

だからそう曖昧に答えた。

 

「ん〜……俺は構わないよ。 皆もいいかな?」

 

その場にいた皆は一様に頷く。

理由を問いただされずにOKをもらえたことに美由希は内心安著する。

 

「じゃあ夜になったら俺に部屋に来てくれるかな。 集合場所はそこになってるから」

 

「あ、はい、わかりました」

 

その後、夜に向けていろいろと話し合いがなされた。

そんな中、猛然と食事をしながら話し合いに参加するモニカ。

美由希はそれを見てお昼と同じような状態に陥ったのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

夜になり、美由希はスレイと共にライルの部屋でライルたちと合流する。

美由希と合流したライルたちは目的の場所へと向かっていく。

その間、疑似モンスターと出くわしたりもするがそれをライルたちはあっさりと倒していく。

冒険の中で強くなったライルたちにはこの程度のモンスターは余裕のようだった。

そんな中、ライルたちはただ一つ驚くことがあった。

それは美由希の戦闘能力。

今まで美由希と冒険したことがないライルたちは美由希の戦闘能力を知らない。

だから美由希のそのいとも簡単にモンスターを倒していく力にライルたちは驚くしかない。

 

「どうしたんですか?」

 

美由希の戦闘能力に驚いているライルたちに美由希はそう声をかける。

 

「美由希って……強かったんだな」

 

「え? そ、そんなことないですよ」

 

即座にそう否定する。

だが、ライルたちは美由希の否定をさらに否定する。

 

「いやいや、あそこまで簡単にモンスターを倒せてるんだから相当なもんだよ」

 

「そ、それはライルさんたちだって……」

 

「いえ、私でもあのように鮮やかなで無駄のない動きはできません。 すごいの一言でした」

 

「私も瑞穂の同感。 ほとんど目で終えなかったわ」

 

口々に褒めるライルたちに美由希は若干顔を赤くする。

自分を未熟とおき、日々鍛錬を怠らないようにするのが常だった。

だから褒められることに関しての抵抗が極端に少なかった。

 

「わ、私よりもすごい人はいっぱいいますよ。 現に、兄には一度も勝てませんでしたし」

 

「兄って……美由希にはお兄さんがいるの?」

 

「あ、はい。 といっても正確には従姉妹なんですけど」

 

「そうなんですか。 美由希さんが一度も勝てなかったお方……お会いしてみたいですね」

 

「み、瑞穂!?」

 

「あ、いえ、これはその、そういう意味ではなくてですね……」

 

瑞穂が言ったのは手合わせしてみたいという意味。

だが、ライルにとっては気が気ではないらしい。

本人たちは隠しているが、この二人は付き合っている。

だが、それは隠しているつもりであってほとんどのものがもう知っている。

というか二人の様子を見れば普通は解るだろう。

解らないものがいるとすれば恭也ぐらいである。

 

「あの、扉の前につきましたよ……」

 

そんな様子の二人にフィリスは若干呆れながら言う。

フィリスの言葉で我に帰ったライルは顔を赤くしながらも扉の周りにある台座に宝玉を置き始める。

そして四つの台座すべてに宝玉が置かれると、扉を守る結界はガラスが割れるような音と共に砕け散る。

美由希とスレイ、そしてライルたちは封印が解かれた扉に近づきゆっくりとあける。

そこには一本の道、水道橋と呼ばれる道があった。

そしてその奥には学園から隔離されるように建つ塔への入り口。

皆は水道橋を渡り、その入り口の扉を開け中へと入る。

扉を開けたそこにはぽつんと宙に浮く一つの石があった。

 

「賢者の石……」

 

「賢者の石?」

 

「はい。 破壊と再生を司ると言われている石、それが賢者の石です」

 

「そして世界でも数個しか確認されていない秘宝中の秘宝」

 

スレイに続くようにジャスティンが続ける。

それにスレイはやはりといった顔をする。

 

「ジャスティン様。 やはりあなたがここにこれを運んだのですね」

 

「うん。でも、どうしてわかったの? そのことは学園長しか知らないはずなんだけど」

 

「賢者の石の魔力がジャスティン様に残っていましたので、もしやと。確証はありませんでしたから言わなかったのですが」

 

ジャスティンは少しだけ驚きの表情を浮かべる。

確かにここへ来るとき際に列車の中で賢者の石を使用した。

だが、それも一度だけ。

しかし、スレイはその一度だけの使用で見抜いたのだ。

驚くのは当然だろう。

 

「やっと見つけたぞ……」

 

それは突然聞こえてきた。

外から聞こえてきた聞き覚えのある声。

皆はその声に驚きの表情を浮かべ、その部屋から出る。

そこに立っていたのは見知った二人、そしてライルとリサだけが会ったことのある少女だった。

 

「恭ちゃん……」

 

そう呟いたのは美由希。

ライルとモニカ、そしてスレイは知っているが恭也と美由希が知り合いだと知らない他の面々は驚きながら美由希を見る。

美由希は戸惑い露にした表情で恭也を見ていた。

 

「やはり来たか、美由希」

 

「恭也、知り合いなの?」

 

「ああ」

 

「お兄ちゃんの義理の妹なんだって〜」

 

ミラの疑問に答えるようにレイはそう言う。

レイの言葉にミラは驚きの表情を浮かべ、恭也を見る。

だが、美由希と違い、恭也の表情には戸惑いはなかった。

 

「美由希の兄って……」

 

「恭也なの!?」

 

「はい……」

 

戸惑いを浮かべたまま美由希は頷く。

 

「あなたがどうしてここにいるんですか……?」

 

それが一番の疑問。

皆にはなぜ恭也がここにいるのかがわからない。

いや、美由希とスレイにはなんとなくわかっていた。

宝玉を渡され、それが扉の封印を解く鍵だと知ったときになんとなくわかった。

そして次に放たれた恭也の言葉は二人の予想通りの言葉だった。

 

「賢者の石、それを奪いに来た」

 

なんの感情も込めない声で恭也はそう言った。

その言葉に皆は戦慄を覚える。

 

「俺たちの目的は賢者の石のみ。 おとなしく渡すならばよし、そうでないなら……」

 

「賢者の石をあなたたちに渡すわけにはいきません」

 

その言葉は恭也のさらに後ろから聞こえた。

ばっと振り向いた恭也たちの後ろにいたのは、学園長のミリアム。

そしてこの学園の教師たちだった。

 

「囲まれた!?」

 

「……まずいな」

 

前後で囲まれた焦りを浮かべる恭也たち。

だが、恭也は焦りながらも冷静に周りを分析する。

 

(こう囲まれていては賢者の石を奪っても逃げることは不可能。 だが、全員を相手にするのもきついものがある。 どうするか……)

 

八方塞のその状況でどう賢者の石を奪いどう逃げるかを考える。

だが、どう考えてもその状況から賢者の石を奪い逃げるのは難しかった。

 

「あなたたちに、そしてあなたたちの背後にいる人にあれを渡すわけにはいきません。 お引取りいただけませんか?」

 

「そういうわけにもいかん。 これは奴だけの問題ではないからな。 たとえあなたたちと戦うことになってもあれは頂く」

 

「そうですか……ですが、あなたたちの相手はわたしたちではありません」

 

悲しそうにそう言うとミリアムは恭也からライルへと視線を移す。

 

「ライルお兄ちゃんたちが相手ってこと?」

 

「ええ」

 

「なめられたものね……」

 

ミラはライルたちを一瞥して呟く。

恭也たち程度ならライルたちでも十分だと。

ミラにもレイにもそう聞こえた。

だが、恭也だけは真剣な表情でライルたちを見る。

 

「ミラ、レイ、油断するな。 あいつらは強いぞ」

 

恭也はそう言いながら八景に手をかける。

 

「とてもそうには見えないわ……」

 

「私も〜」

 

恭也の言葉にそう返しながらも火球を手に灯す。

レイもミラに賛成しながら剣化し、恭也の八景を持っていない手に握られる。

三人が構えたのを見てライルたちは各々の武器を手に持ち構える。

 

「主様……」

 

「大丈夫だよ、スレイ。 私ももう迷いはないから」

 

「はい。 では……」

 

光を放ち剣化するスレイ。

剣化したスレイを手に持ち、恭也たちのほうに向き構える。

 

「あなたたちの学んだこと、してきたことを出し切りなさい。 そうすればきっと勝てるはずです」

 

「はい!」

 

ミリアムの激励のような言葉にライルたちは頷く。

それが合図になったかのように、戦いは幕を開けた。

 

「ふっ!」

 

牽制をするために恭也は飛針を投げる。

だがそれは同時に放たれた美由希の飛針によって落とされた。

恭也の飛針に続くようにミラは手に灯した火球を放つ。

ライルたちはそれを散開して避け、各々の武器で攻撃を仕掛ける。

 

『レイ!』

 

『ブラッディダガー!』

 

漆黒の刃がミラを攻撃しようとするものたちに襲い掛かる。

その魔法にそのものたちは攻撃を中断せざるをえない。

 

「せえっ!」

 

魔法を放った後で無防備状態の恭也に美由希は斬りかかる。

だが、無防備のその状態から美由希の一閃を八景で受け止める。

受け止めた後、レイで美由希を斬りつけるがそれをバックステップで避け、同時に小刀を投げる。

その小刀を横に移動することで恭也は避けるがそこに火球が飛んでくる。

 

『だめ! 障壁が間に合わない!』

 

「くっ」

 

レイが叫ぶと同時に恭也は神速へと入り避ける。

だがそれを狙っていたかのように美由希は構え、神速には入る。

 

御神流 奥義之参・裏 射抜

 

高速の突きが恭也を襲う。

恭也は舌打ちをしながらそれを捌こうとするが捌ききれず、切っ先は恭也の腕を掠める。

 

(連携が良く取れている……やっかいだな)

 

二人同時に神速を解き、刃を交える。

 

「強くなったな、美由希。 あのときよりも……」

 

恭也の顔には喜びが滲み出ていた。

それは美由希が知っているときから変わらない恭也の表情。

それを見た美由希の中で戸惑いが起こる。

 

「だが、負けるわけにはいかない! 俺たちの、いや、ミラのためにも!」

 

交わる刃を弾き、恭也はそれを使う。

 

御神流闇式 歩法術 闇歩

 

恭也の姿は闇夜に同化するように消える。

それはライルたちも見たことのある技。

 

「美由希! 危ない!!」

 

ライルの叫びに美由希は背後からの気配に気づく。

そして気配を感じてから瞬時に振り返りスレイでその斬撃を受ける。

 

「くっ……」

 

呻くその恭也の表情には若干の驚きが混じる。

 

『気配は完全に絶っていたはず……なのに、なぜ』

 

『きっと光の性質のせいだよ。 光には闇の魔法を打ち消す魔法があるから』

 

『あの一瞬でそれを使ったのか……』

 

『たぶん……でも、だとしたらすごい才能だよ』

 

刃を交えながら二人はそう言い合い、そして驚く。

 

「きゃあっ!」

 

「ミラっ!」

 

恭也が美由希と刃を交えているとき、ミラの悲鳴が上がった。

まずいと思いミラのところへ駆け寄ろうとするが美由希がそれを許さない。

 

「行かせないよ、恭ちゃん……」

 

「くっ……」

 

恭也は呻く。

苛立ちを隠せぬままに呻く。

ミラが危ないというのに駆けつけることが出来ない。

それが恭也に苛立ちと焦りを産み出す。

 

「邪魔を、するな!」

 

苛立ちのままに美由希の刃を弾く。

そして美由希の動きを止めるために飛針を投げ、ミラの元へ駆けつける。

 

「大丈夫か、ミラ!」

 

「大丈夫……よ。 少し侮ってたわ、あの子達の力を」

 

ところどころに傷を負い、息も絶え絶えの状態でミラは言う。

 

「ミラ、もういい。 あとは俺たちに任せろ」

 

「だめ……よ。 これは私の問題でも……あるんだから。 それに……恭也だけじゃ」

 

「ああ、無理かもしれない。 勝てる可能性は限りなく低い。 だが、これ以上ミラが傷を負うくらいなら」

 

恭也はミラの前に立ち、八景とレイを構える。

 

「降参するんだ、恭也!」

 

「それはできない。 戦う力がある限り、俺は戦う」

 

恭也は美由希、そしてライルたちに仕掛ける。

皆は迎え撃とうと構える。

だが、それはそれによって遮られた。

 

「な、なんだ!?」

 

「地震!?」

 

大地が揺れる。

凄まじいほどに揺れ始める。

その震動にその場にいた全員が例外なく驚く。

そして震動と同時にゲートが開かれる。

 

「あれは……爆弾!?」

 

「俺たちごと吹き飛ばす気か!?」

 

「そんなことしたら賢者の石まで吹き飛んじゃうわ!」

 

「くっ……レイ、早くゲートを閉じるんだ!」

 

『だめ! もう間に合わない!』

 

レイがそう言うと同時に光が溢れる。

これまでか、恭也もミラも、誰もがそう思った。

 

「下がるんだ、君たち!」

 

爆弾が爆発しようとしたときそれは聞こえた。

そして光が周りを包む。

皆は目を瞑る。

これから来るであろう衝撃と痛みに身構える。

だが、爆発の音は聞こえるがいつまでたってもそれは来なかった。

それを不思議に思った皆は閉じた目を開ける。

 

「皆……無事のよう……だね」

 

皆の目に映ったのは服の一部が裂け、ところどころに傷を負っている教師―アーウィンの姿だった。

アーウィンはあの爆発の威力を宇宙に逃がすという魔法を行使し、皆を救ったのだ。

だがそれも完全にとはいかず、結果として賢者の石は砕け、そしてアーウィン自身が深い傷を負った。

 

「アーウィン!」

 

「くそ、無茶をしやがって!」

 

傷を負ったせいで立つこともままならないアーウィンはその場に崩れ落ちるように倒れる。

倒れるアーウィンに他の教師たちがすぐに駆け寄り、すぐに運び込もうとする。

そのとき見えたものに、ライル、そして瑞穂は驚愕の表情をする。

 

「瑞穂……あれって」

 

「アーウィン先生が……母の仇」

 

確認するように尋ねるライルに呆然と呟くしかない瑞穂。

運ばれていくアーウィンの背中に見えたのは刺青。

それは瑞穂がこの学園にきた理由、母の仇探しという目的の答え。

だが、瑞穂は運ばれていく母の仇、アーウィンを呆然とただ見ているしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「賢者の石は……」

 

『魔力が感じられないから……たぶん』

 

「砕けたの……ね」

 

「すまない、ミラ……」

 

そう謝る恭也の顔は申し訳なさでいっぱいだった。

 

「恭也のせいじゃないわ。 悪いのはこんなことをしたアイザックよ」

 

『そうだよ、お兄ちゃん。 ミラお姉ちゃんの言うとおりお兄ちゃんは全然悪くないよ』

 

「だが……」

 

「砕けてしまったものは仕方ないわ。 だからそんなに負い目を感じないで、恭也」

 

「……わかった」

 

まだ若干の表情に暗さを帯びながらも恭也は頷く。

そんな三人にミリアムは近づき、そして尋ねる。

 

「賢者の石が失われた今、あなたたちはどうなさいますか?」

 

「投降しよう。 ただ、ミラとレイの安全は保障してくれ」

 

その中には恭也は含まれない。

そのことにミラも、レイも、恭也に非難するように声を揃えて叫ぶ。

 

『「恭也(お兄ちゃん)!?」』

 

その声を聞きながらも恭也は前言を撤回することなく頼み込むように頭を下げる。

それにミリアムはにこりと微笑みながら言う。

 

「わかりました……お二人の、いえ、あなたたちの安全は保障します」

 

恭也を含めて安全を保障するとミリアムは言った。

もともと投降するのであれば安全は保障するつもりだったのだ。

 

「ありがとう……」

 

自分の安全の保障もしてくれたからではない

ミラとレイの安全の保障を受け入れてくれたから。

だから恭也は再度頭を下げ、礼を言った。

そしてミラもレイも口には出さないが礼を言う。

恭也の安全も保障してくれることに。

 

 

 

 

 

 

こうして、恭也たちが投降するという形で戦いは幕を閉じた。

だが、皆は知らない。

賢者の石を巡るこの戦いは、まだ終わっていないということを。

 

 


あとがき

 

 

第十話終了で〜す。

【咲】 瑞穂ルートだったわけね。

そういうことですね。

【咲】 でも、それだとおかしい部分があるわよね。

ああ、白の宝玉を取りにいくときの騒動に関してね。

【咲】 そうそう。あれがないと瑞穂が白猫だってことにライルは気づかないんじゃなかった?

そうなんだけど〜、その辺はいろいろとストーリーを曲げさせていただきました。

【咲】 曲げさせてもらったって……。

簡単に説明するとあのイベントが起こる時期より前に二人は付き合いだしたってことにした。

【咲】 いいのかしら……それ。

それでできちゃったものは仕方ないよ。

【咲】 はあ……知らないからね。

あははは、では今回はこの辺で。

【咲】 次回もまた見てね〜♪




こうして、賢者の石は砕け散り…。
美姫 「と、そう簡単に生きそうもないけれどね」
さてさて、ここからどんな展開が待っているのかな。
美姫 「楽しみね」
ならば、すぐさま、次回へ!



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