その日の夕方、なんかいろいろと疲れの溜まる夕食を終えたカールは図書室へと来ていた。

本来なら保健室に行ってすぐにでもあちら側の世界に行きたいのだが、今日はそれよりも先にやらなければならないことがあったのだ。

それはあちら側でヴァルに言われた言葉からの行動、キャサリンのことを知りたければ本人に聞くか歴史について調べるかしろ、という言葉からによるものだった。

キャサリンに一体何があるのか、本人の知っている範囲は本人に聞けば早いが何があるか判らない分この間のことのようにキャサリンを傷つけてしまう可能性がないとは言えない。

だからカールはもう一つの方法、図書室で学園の歴史を調べるという方法を取った。

この方法ならば無用にキャサリンを傷つけることはないし、何よりキャサリンも知りえないだろう自身の結末もおそらくは記されている。

前者も重要だが、後者もカールにとってはとても重要だったため、図書室に来たカールは内心で気合を入れて膨大な書物から歴史を調べ始めた。

そして調べた結果、学園の歴史が書かれた書物は一冊だけ見つかることとなった。

その書物は全九章から成っており、一章二章と一つ一つ調べていくもそれらはキャサリンとは関係ないそれよりも昔の歴史。

ここの辺はとりあえず関係ないな、と呟きながらカールは更に三章四章と書物を捲っていき、五章に差し掛かった辺りで捲る手が止まる。

 

「あった……」

 

第五章、そこにはカールが捜し求めたキャサリンについてのことが記されていた。

そしてその驚愕の事実を読んでいくうちに、カールの表情は若干青褪めていってしまう。

その内容はこうだった。

 

第五章 魔法学園の衰退

時代が中世へと入ると魔女狩りが起こり、ハンターたちもその余波を受けた。

魔法学園も弾圧の対象となり、三代目学長のキャサリンが守り続けるも最後は他ならぬハンターの手によって討たれるという結果に終わってしまう。

 

大まかな内容はこのようなものだ。

これだけではただキャサリンという人物がその時代の流れのせいでハンターに討たれたというだけで人は完結してしまう。

だが、キャサリンと出会い、キャサリンのことを知ったカールからしたら、これがどれほどキャサリンを絶望に沈めた出来事かがわかる。

カールがまだキャサリンと出会って今のような関係になる前、いつもの場所にいないキャサリンを探すために学園を歩き回ったことがある。

探し回って数十分、中庭にてようやく見つけたキャサリンにカールは駆け寄るが、目の前にあった光景に思わず足を止めて呆然としてしまった。

それは、月明かりに照らされたキャサリンとその足元に倒れる男の死体、血で赤く染まるキャサリンの爪が月の明かりで妖しく光る、そんな光景。

そんな恐ろしくもあり、どこか美しく映るその光景に呆然とし続けるカールにキャサリンは気づいたのかゆっくりと顔を向ける。

向けてきたキャサリンの表情はいつものような笑みを浮かべてはいるものの、カールには酷く悲しげに見えてならなかった。

 

『このハンターはね……昔は私の教え子だったの』

 

ゆっくりと開かれた口からは表情と変わらず悲しげな声で言葉が紡がれる。

そしてその後に紡がれた言葉、私は教え子だった者でも狙ってくるのなら容赦なく殺す心無き女なのよ、という言葉にカールははっと気づいた。

雰囲気も、言葉も、気丈には振舞っているけど、本当は教え子を殺してしまったことに酷い悲しみを抱いているということに。

それに気づいたから、気づいたからこそカールはその言葉を否定した。

キャサリンはちゃんと心がある、教え子を殺してしまったことだって仕方のないことだった、と言って慰めた。

カールから慰めの言葉を貰ったキャサリンは隠していた悲しみを少しだけ出して涙を流し、そして泣き止んだときには小さく微笑んでお礼を口にした。

そのときではないだろうか……カールが本当にこの人を守ってあげたい、悲しみを癒してあげたい、と思ったのは。

自分は、キャサリンのことを好きなのではないだろうかと思ったのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メンアットトライアングル!2〜永久に語り継がれし戦士たち〜

 

第十六話 協会の刺客、シーラ登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の学園、その廊下にてヴァルはランドグリスを携えて歩いている。

なんで一人で歩き回っているのかと言えば簡単で、キャサリンの変わりに学園の掃除をして回っているからだ。

ヴァルがここに来る前はカールとキャサリンでやっていたのだが、二つの理由からヴァル一人でやることになった。

一つは、キャサリンを下手に出歩かせて歴史通りに事が流れてはまずいという理由。

そしてもう一つは、自分が今抱えている現代での問題の情報を掴むためという理由。

この二つの理由から、キャサリンに学園長室でじっとしてるようにとお願いし自分は学園を歩き回っているのだ。

今日はまだ、なのかはわからないが、カールが来ていないためキャサリンは少しだけ渋ってはいたが簡単に理由を話したら納得してくれた。

 

「ん〜……」

 

『ハンター……いませんね』

 

「だね……あ〜、暇だな〜」

 

ほんとに退屈そうに呟きながらヴァルはコツコツと歩いていく。

ハンターを掃除するために歩き回っているのにそのハンターが一人も見当たらないのだから当然と言えば当然だろう。

 

「探査魔法……使おっか」

 

『誰がですか……?』

 

「そんなの決まってるじゃん」

 

『私ですか……まあいいですけどね。 範囲は学園全体でいいですね?』

 

「ていうかそれ以上広くして意味あると思う?」

 

『思いません……では、展開します』

 

言葉と同時にランドグリスは微弱な光を放ちキーンという小さな音が響く。

そしてその音と光が収まると、すぐにランドグリスはそれを口にする。

 

『ここから南西、おそらくは地下と思われる場所に反応が一つありますね』

 

「南西の地下? それって地下水路かな?」

 

『じゃないでしょうか?』

 

「ん〜……ま、行ってみればわかるね」

 

そう口にし、ヴァルは方向転換をして地下水路を目指して歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下水路に辿り着き、足音を消して歩くヴァルは少し地上と違うところを見つける。

それは、そこまで魔物の姿をまったく見ていないということだ。

地上にはハンターの姿はなかったものの、魔物は嫌というほどいた。

だが、現在いる地下水路には魔物の姿はまったく見えず、近場には気配すらも感じない。

しかし、だからといってそれがなぜだと思うことはなかった。

なぜなら魔物がいないということはそこに誰かがいるということだと分かっているからだ。

そしてこの学園に自分たち以外に誰かがいるとすれば、それはキャサリンを討ちに来たハンターである可能性が極めて高い。

故に、魔物がいないことに疑問も驚きも浮かべずに、若干の警戒だけをして歩いていく。

そして歩き続けてから大して時間も経つこともなく、ヴァルはキャサリン以上に長い緑色の髪と真っ黒な服を着た女性の姿を見つける。

 

「っ!?」

 

女性は少し遅れてヴァルに気づくと、警戒を露にした視線をヴァルに向ける。

対するヴァルはどういうわけか警戒を露にする女性に自身の警戒を解いて観察するような視線を向け始める。

 

「ん〜……」

 

「……」

 

突然警戒を解いたヴァルに女性は警戒しながらも若干不思議そうな表情を浮かべる。

まあ今この場で初対面であるはずの人物にいきなり警戒を解かれたら不思議以外の何物でもないだろう。

だが、じっと見ながら考え事をしているヴァルはそんな女性の表情にも気づかずに視線を向け続ける。

そしてそんな状況から数秒、ヴァルは突然何かを思い出したかのように小さく声を上げてポンと手を叩いた。

それに女性はびくっと体を震わせて驚き、一体なんなんだというような表情でヴァルを見る。

 

「あなた……シーラとかいう名前じゃない?」

 

「っ……」

 

「あ〜、やっぱりそっか。 どおりで見覚えがあるわけだよ」

 

「なんで……私の名前を」

 

いきなり自分の名前を言い当てたヴァルに女性―シーラは驚くと同時に警戒を強める。

だが、やはりヴァルは警戒などせずに笑みを浮かべながらその問いに答える。

 

「そんなの、会ったことがあるからに決まってるじゃん」

 

「会ったことがある? ……悪いけど、私には見覚えがないわ」

 

「そりゃそうでしょうね。 会ったのはこの世界じゃないし」

 

「どういうこと?」

 

「え〜っと……時間転移、って言ったらわかるかな?」

 

時間転移、という言葉にシーラはぴくっと反応してなるほどというような表情をする。

 

「つまり、あなたもあのボウヤと同じで未来から来たということね?」

 

「ボウヤ? ……ああ、カールのことね。 ま、確かに未来から来たのは事実かな」

 

「そう……なら、何しに来たのかは知らないけど、すぐに元の世界へ帰ることをお勧めするわ。 ここは……あなたのような者が来るべき場所じゃない」

 

「ん〜……じゃあ、一つだけお願いを聞いてもらえるならあなたの言うとおりおとなしく帰ってもいいよ?」

 

「……何?」

 

「あなたのバックにいる奴……そいつのところに連れてって」

 

「っ!?」

 

お願いと聞いたときにも若干の不信感を抱いたが、お願いの内容を聞いたときは若干をかなり通り越してしまう。

そのお願いは、自身の背後にいる人物が誰なのかを知っていなければ出ないお願い。

そして、目の前の者が自身の背後にいる人物となにか関係があるとしたら、それはその人物の味方よりも敵である可能性のほうが高い。

 

「悪いけど、そのお願いは聞けないわ」

 

だから、シーラはそのお願いに拒否の言葉で返す。

実際、シーラは目の前にいヴァルとその人物が会ってその後どうなろうとまったく興味はなかった。

だが、今はその人物に何かあっては自身の目的上困ることになる。

故にシーラはお願いを拒否したのだが、ヴァルはまるで拒否することが分かっていたかのように笑みを浮かべて口を開く。

 

「まあ今のあなたなら当然の答えだね。 でもね、シーラ……大切な人を取り戻したいからって、あいつに頼っても利用されるだけだよ?」

 

「っ……あなたは、一体どこまで知っているというの?」

 

「どこまでって……全部、かな。 あなたのこと、あなたの夫のこと、そしてあなたがあいつに協力して何を成そうとしているのか」

 

「あなたは、未来から来たんでしょう? なのに、なぜ私の目的や過去を知っているの?」

 

「ふふふ、それはね……私が」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――だからだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ……」

 

ヴァルの口から紡がれた言葉がシーラには信じられなかった。

それは正常な者が聞けば、おかしいのではないか、からかっているのだろうか、と思ってもおかしくはないもの。

そして、それを聞いたシーラとて例外ではない。

 

「何を、馬鹿な――」

 

「あなたが馬鹿なことだと思おうと、事実は変わらない。 ―――はちゃんと存在する……いや……してた、かな」

 

言葉を紡ぐヴァルの表情は先ほどまで浮かべていた笑みから一転して悲しみへと変わる。

自身の過去、大昔の悲しき過去、それを思い出して悲しみを浮かべる。

 

「まあ私たちのことなんて今はどうでもいいんだよ。 今はあなたのこと……早めにあいつから手を引かないと、あなたは一生後悔することになるよ?」

 

「そんなことはない。 私は自分の意思であの人を生き返らせたいと思ってる。 だから、あなたにどう言われようと止める気なんてないわ」

 

「はぁ……意外とわからずやなんだね……あっちではそうでもなかったのに。 ま、いいや……言って分からないなら少し痛い目にあってもらうよ」

 

ヴァルはそう言うとランドグリスを抜き放つ。

それと同時にシーラも拳をいつ向かってきてもいいように構える。

だが、拳を構えるシーラの前で、ヴァルはランドグリスを横の壁に放るという驚きの行動に出た。

ちなみにそのときランドグリスが、痛い、と言って抗議してきたが完璧に無視した。

その行動にシーラは若干の驚きを浮かべ、すぐに何のつもりだというような目でヴァルを睨む。

 

「あなたが素手なのに、私だけ武器使ったらフェアじゃないでしょ? だから、私も素手で戦ってあげる」

 

「なめてるの……」

 

「なめてなんかないよ? ただの人間よりもよっぽど強い殺気と闘気、異常なほどの身体能力、そしてその精練された隙の少ない構え……どれをとってもそんなことをする理由が見つからないじゃない」

 

「なら、なんで武器を捨てる? あなたは剣士でしょう? 剣士が剣を捨てて素手で戦うなんて……なめてる以外の何物でもないわ」

 

「あ〜……言ってなかったから勘違いしても仕方ないけど、私は剣士でもなんでもないよ?」

 

「え……」

 

「私はね、武器と名のつくものはなんでも使えるしなんでも使う。 だから剣士じゃないんだよ……だから、遠慮なんていらないよ?」

 

「そう……なら遠慮なくいかせてもらうわっ!」

 

そう叫ぶように言ってシーラはヴァルへと駆け、付近にまで来ると拳を振るう。

だが、その拳は避けられるのではなく、ヴァルの片手によって受け止められることになった。

受け止められた、しかも片手で、そのことにシーラは驚きを隠せなかった。

シーラはただの人間ではなく、戦闘用に身体能力を強化されて生まれたホムンクルスだ。

当然、戦闘用に作られた故にシーラの拳が普通の人間の体に直撃すれば骨を砕き貫くぐらいわけはない。

それほどまでに人並み外れた力を持ったシーラの拳をあろうことかヴァルは片手で受け止めたのだ。

シーラが驚きを隠せなくても無理はないだろう。

そして、その驚きで止まった一瞬の隙をヴァルは見逃すことなくもう片方の手で拳の握り振るう。

迫り来る拳にぎりぎりで我に返ったシーラはなんとか身を横に反らして避け、その勢いで反転して蹴りを放つ。

しかし、その蹴りさえもヴァルは片腕で受け止め、瞬時にその足を掴んで足払いをかます。

避ける術もなく足払いをモロに受けたシーラは地面に倒れるも、受身を取ったためダメージはほとんどない。

だが、その状態は避けることができないまったくの無防備といってもいい状態であるため、すぐに追撃を警戒するがヴァルは追撃をしてこない。

それにシーラは苦々しいといった表情をして飛ぶように立ち上がりながら後ろに下がり拳を構える。

 

「やっぱり、なめてるわね?」

 

「なんのことかな?」

 

「とぼけないで。 さっき私が倒されたとき……本来なら追撃するのが普通よ。 なのにあなたはそれをしなかった。 これをなめてると思わないでどう思うのよっ!」

 

またも叫ぶように言ってシーラはヴァルへと駆け出す。

そして今度は先ほどのように単発ではなく、拳と蹴りを繋げて連撃を放っていく。

しかし、ヴァルはそれさえも読み切り、すべての拳を受け流すように払い、蹴りを受け止めていく。

そしてその際に幾度も反撃の隙はあったにも関わらず、ヴァルはほとんど返してくることはなかった。

なぜ痛い目を見てもらうと言ったにも関わらずヴァルがほとんど仕掛けないのか。

それは、シーラと同じようにヴァルの異常な身体能力と微妙な加減ができないというのが理由だった。

シーラと同等かそれ以上の身体能力を持つヴァルが手加減できずに拳や蹴りを当てればどうなるかは目に見えている。

ランドグリスならば峰を使えば骨は折れるだろうが、当てどころ次第で死に至ることはなくなる。

だが、フェアということに気を取られてそういったことに始まってから気づいたヴァルは言った手前武器を使うこともできずそうするしか手がない。

それはなんとも間抜けな話であり、それを知らないシーラがなめてると思って怒りを抱くのも無理はないという話だ。

 

『うぅ〜……どうしよ?』

 

『知りませんよ。 マスターがやり始めたことでしょ』

 

『そ、それは無責任だよ、ランちゃん』

 

『ええ、実際私には責任ありませんし。 ですのでこんな状況を招いたマスター自身でどうにかしてください』

 

相談したランドグリスも呆れからか、それとも先ほどのことを根に持っているのか我関せずだった。

その間もシーラは連撃を次々と繰り出してくるが、やはりヴァルには当たらず受け流される。

そして拳も蹴りもまったく当たらないことにシーラは若干の苛立ちを覚えてきたのか、攻撃は単調になりつつあった。

それを見ながら受け流しつつ、ヴァルは内心でほんとにどうしようと思うもこの状況を打開する方法がまったく浮かばない。

 

『ねえねえ……ほんとどうすればいいんだろ?』

 

『だから知りませんって』

 

『うぅ……に、逃げちゃおっか?』

 

『自分から言ったのにも関わらずですか? それはさすがにお馬鹿な子だと思われますよ?』

 

『じゃあどうするっていうのよ!』

 

『逆ギレしないでくださいよ! だいたい何も考えずに行動するマスターが悪いんでしょ!』

 

『む〜! いいから何か……って、そうだ!』

 

『今度は一体なんですか……?』

 

『こっちが逃げるのが駄目なら、あっちを飛ばしちゃえばいいんだよ♪』

 

『……本気ですか?』

 

『うん、本気♪』

 

『……私はいいですけど、おそらく相手の怒りをかなり買いますよ?』

 

『でもそれ以外方法ないじゃん』

 

『はぁ……私は知りませんからね』

 

『はいはい。 じゃ、転送お願いね』

 

ヴァルはランドグリスにそう言うと同時にシーラの繰り出してきた拳を受け止め、瞬時に腕を掴んで一本背負いで投げる。

先ほどまで受け流すだけだったヴァルがいきなり仕掛けてきたことに瞬時に反応できず投げられたシーラは受身を取りつつ若干距離の開いた地面に倒れる。

今度も受身を取ったためほとんどダメージもなくシーラは立ち上がろうとするが、それより早くシーラの足元に魔法陣が浮かぶ。

 

「なっ!」

 

「ばいば〜い♪」

 

驚きを浮かべるシーラにヴァルがそう言うと共に、シーラの姿は魔法陣の光と共に消える。

その後、転送が完了したとランドグリスが言うと、ヴァルは小さく安著の溜め息をついてランドグリスを拾い上げる。

 

「なんとかなったね〜」

 

『絶対に怒りを買いましたけどね。 次会ったら一体どうなることやら……』

 

「ま、そのときはそのときだよ♪ で、どこに飛ばしたの?」

 

『学園外の北側、大体百キロメートル先といったところですね』

 

「うっわ、結構遠くに飛ばしたね」

 

『まあ、どこに飛ばしても私の責任じゃありませんし』

 

「そんなことないでしょ。 これに関してはランちゃんも同罪だよ」

 

『私はマスターに言われたことをやっただけです。 私のせいじゃありません』

 

「いやいや、実行したのはランちゃんなんだからこれは明らかに同罪でしょ」

 

どっちだろうと送られた側のシーラにとっては関係ないような気もするが、二人にとってはそこは結構重要らしい。

まあそんなまるで罪を擦り付け合うように言い合いながらヴァルとランドグリス地下水路を出るため歩いていくのだった。

 

 


あとがき

 

 

真面目な話にしようと思ったのに……。

【咲】 後半部がかなり真面目じゃないわね。

【葉那】 だね〜。

まあ過ぎたことは仕方ないとして!

【咲】 立ち直りが早すぎるわ!!

げばっ!!

【咲】 まったく……にしても、ヴァルとシーラが出会って戦うだけの話になってるんだけど?

う〜ん、カールの部分も入れようと思ったんだけど、それは次回に回した。

【葉那】 なんで〜?

いや〜、あれは現代でのほうが出しやすいし。

【咲】 じゃあ今回の話で現代出せばいいじゃない。

それもな〜、一応現在と過去で交互って決めてるし。

【咲】 その割には初めの部分が現代よね?

そこはそれ以外書きようがなかったんだよ。

【葉那】 ただめんどくさかっただけじゃないの〜?

失礼な……。

【咲】 はぁ……ま、いいけど。 で、次回はカールの件以外ではどんなお話なの?

あ〜、過去でもシーラが登場したように、現代でもとある人物がご登場なされます。

【葉那】 誰よ?

この時期で登場する奴なんてあいつしかいないだろ。

【咲】 ああ、あいつね。

ま、誰かは次回のお楽しみということで。

【咲】 じゃ、今回はこの辺でね♪

また次回!!

【葉那】 会おうね〜♪




ヴァルもヴァルだがランドグリスもランドグリスのような気がするな。
美姫 「まあ、何がかんだと言っても相棒からね」
似た者同士。
美姫 「互いに否定するだろうけれどね」
だろうな。まあ、今回は大事にはならなかったみたいだし。
美姫 「私は早くも次回が気になってるわ」
それは確かに。次は誰が登場するんだろうか。
美姫 「そして、ヴァルは過去を変えるつもりみたいだけれど、どうなるのか」
次回以降も楽しみにしてます。
美姫 「待ってますね〜」



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