このSSではとらいあんぐるハートシリーズ、魔法少女リリカルなのはシリーズにおいてネタバレと私自身の個人的解釈及びオリジナル設定が入りますのでこのシリーズを見ていない方やゲームをプレイをしていない方にはオススメは致しません。

 

それでもどんと来いという方のみ下記へとスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     誰かの想いを誰かに……

 

 

 

     あなたに伝えられなかった言葉がある。

 

 

 

     あなたに伝えきれなかった言葉がある。

 

 

 

     あなたに伝えようとして伝えなかった想いがある。

 

 

 

     あなたに伝えた言葉がある。

 

 

 

     そう……

 

 

 

     この物語は誰かの想いを言葉にのせて紡がれる人々の想いが溢れる物語。

 

 

 

     あなたは『今でも優しい想いで語られる物語は好きですか?』

 

 

 

     『想いをかけがえのないあなたに伝えて』

 

 

     始まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        『わたしの大好きな幼馴染で大切な人へと告げるもの』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――― 真くん。

 

 

 

 真くんとわたしが出会ってからもう十年以上の時間が過ぎました。

 

思い出すと出会った当初が懐かしい想いを感じます。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 今、思えばわたしたち、二人はどこか似ていたのでしょう。

 

 

 真くんは両親が共働きで忙しくて、俗にいう『鍵っ子』であるからに自分で料理を作るしかなかったから。

 

わたしは両親が離婚していたこととお父さんが料理できなかったこともあったから必然的にわたしは料理をすることになった。

 

わたしたち二人の趣味に共通のものがあったんだよね?

 

 

 その趣味というのが『料理』

 

 

 わたしたちの当時の年齢を考えれば、珍しいのかもしれないよね。でも、それがわたしたち二人の共通のもの。多分だけど、真くんとわたしの間で幼馴染ということ以外で共通していることは料理しかないと思うんだ。

 

 

 

 

 

 真くんはわたしとの出会いを覚えているのかな?

 

 真くんは唯子の紹介と思っているのかな?

 

 本当はね、違うんだよ。

 

 真くんは知らないかもしれないけれども、わたしたちはその前に出会っているんだよ。

 

 小さいときのことだから覚えていなくても仕方のないかもしれないよね。……ううん、きっと真くんはそのことすら知らないのかもしれないね。

 

 唯子と出会うちょっと前かな……

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 あの日もお父さんが仕事で遅くなるからわたしはいつもと同じように夕ご飯のお買い物で商店街の一角にあるスーパーで献立を考えながら品物を見てたんだよ。

 

 そのときの目当てのものがどんなものだったのかは忘れちゃったけれども、わたしはそれを掴もうとして手を伸ばしたんだ。そしたらわたしと同じように同じ商品を掴もうと横からわたしよりほんの少しだけ大きい少年だと思われる手が伸びてきて、わたしは恐る恐るその相手を見た。

 

このときにはわたしのお父さん以外への男性の不信や恐怖は既に刻み込まれていたのだと思う。

 

 その相手はわたしの予想通り、同年代の少年。

 

その男の子もわたしと同じように夕食の買い物をしようとしているのか、カゴの中には野菜やらが入っていたの。

 

その姿にはわたしが言うことではないのだろうけど、買い物し慣れているようにも見えた。当時のわたしたちの年齢を考えればあまりないことだし、このスーパーでわたしと同じように小学生が一人だけで夕食の材料を買い物している姿を初めて見たから戸惑ってしまったの。

 

そのときに男の子はこういったのをわたしは今でも覚えているよ。

 

 

 

 「……欲しいのはこれだろ?ほら、やるよ。……なんだよ?欲しくないのか?」

 

 

 

 男の子はなにも言わないわたしに対して肯定と見たのかわからないけれども、ぶっきらぼうに目当ての品物をわたしが持つカゴの中へ入れた後、同じ商品の中から他にもいいのがないか探していて、目当てのものを見つけ終わったらすぐに会計を済ましてお店を出て行ったの。

 

わたしにお礼の言葉を言う時間さえ与えることなくだよ。

 

 クスクス……ね、ひどいよね?真くんはどう思う?

 

 わたしはね、その男の子はとても優しいんだって思ったよ。不器用なんだけど、誰かを思いやることができる男の子なんだって。

 

それができることはとても難しくて、誰にでもできることじゃなくて、人の優しさを知っていて受け止めることができることなんだよ。

 

真くんは無意識なんだろうけれども、それが普通にできちゃうんだ。だからわたしは真くんのことが大好きなんだよ。

 

 

 

      ◇◇◇

 

 

 

 

 

 それからわたしは小学校二年に上がってから唯子と知り合った。

 

 最初はなんて食べる子なんだろうってのが第一印象かな。それと食べているときの顔がすごい幸せそうだなって。

 

 今でも覚えているの。

 

 

 

 唯子に初めてわたしの料理を食べたときの顔を。

 

 多分、あの顔はわたしにとって初めて見た顔。

 

 お父さんもわたしの料理を食べて、「おいしい」「うまい」って言ってくれるけれども、お父さんだからそうなのだと思っていたの。

 

 唯子は本当に嬉しそうに「おいしい」って言ってくれた。わたしにはそれが嬉しかったの。

 

たったそれだけのこと……でも、真くんならわかるよね?

 

 自分が作った料理を「おいしい」と言ってくれることの嬉しさを。

 

 

 

 それからわたしと唯子は少しずつ親交を深め、いつしか親友と呼べるような仲へとなっっていったの。

 

 それから一年ほどたったときだね……

 

 唯子が真くんを紹介してくれたのは……

 

 

 

 懐かしいなぁ……今でも思い出すことができるよ。

 

 

 

 あのとき……あの瞬間を……

 

 

 

 わたしは紹介される前から気付いていたよ。

 

 一年前のあの日に出会って名前も聞けなくて、名前を教えないで別れてしまったあの少年だと。でも、真くんはあのことを覚えていなかったことは残念だけどもわたしはまた出会えたことに感謝したよ。

 

 唯子に……そして、真くんに……

 

 

 

 初めての自己紹介はお互いぎこちなかった気がするよ。でも、わたしは知っていたから。きっとわたしは、わたしたちは友達になれるって。

 

 真くんは知ってるかな?

 

 今ではわたしもそれなりに交友関係があるけれど、人見知りであるわたしが友達になりたいって思ったのって真くんが初めてなんだよ。

 

人見知りであるわたしは自分からは積極的に他人とは関わることはあまりないのは真くんも知っていることだもの。

 

唯子とは唯子から話しかけてくれたから、気付いたら唯子と一緒にいることが当たり前になったの。

 

唯子はあの性格だし、裏表ないからわたしの中にすんなりと入ってきたから親友と呼べるのかもしれないのかな。

 

 わたしたちはお互いの自己紹介をしようという話になって、このとき初めてわたしは自分からしたの。

 

 学校とかじゃクラス替えしたときは必ずするけれども、こういふうに誰かに言われるのではなく、自分から初めて唯子の前に出て、手を差し出したんだよ。

 

 わたしはこのときありったけの勇気を出したの。

 

 今、思うとさながら告白みたいなものだったのかもしれないね。

 

 でも、わたしからすれば似たようなものだよ。

 

 今では表面上の付き合いはできるけれども、当時は幼い子供だったから誰かと表面上だけ付き合うことは不器用なわたしにはとてもできることじゃないから。

 

 だけど、わたしは初めて友達になりたかった大切なあなたに勇気を振り絞って声をかけたの。

 

 

 「わ、わたし……の、野々村小鳥。小鳥って言うの。……えっと、えっと……」

 

 

 そうやってわたしは自己紹介したのを覚えている。

 

 そしたら真くんたら酷いんだもの。

 

いきなりわたしを見て笑い出して、それを見て唯子も笑い出したんだもの。

 

わたしはどうしていいのかわからなくなっていたときに真くんが手を差し出してきてこう言ってくれたのをわたしは今でも覚えているよ。

 

 

 「俺は真一郎。相川真一郎って言うんだ……えと、よろしくな。小鳥。」

 

 

 そう言ってくれたときの真くんの顔は以前に会ったときと同じように優しい瞳で笑ってくれたからわたしも笑って頷いたんだ。

 

 

 

 

 

      ◇◇◇

 

 

 

 

 

……いつだったかな?

 

 

 

私が真くんに私の家庭環境のことを話したのは。

 

唯子もあまり知らないことなのにね。

 

真くんには一度話したの覚えてるかな?

 

私の両親は幼い頃に離婚したのはもう知ってるね。

 

このことは私と友達になった人はここまでは遅かれ早かれ知ることができるもの。

 

でも、ここから先は一部の人しか知らないことだよ。

 

唯子は無理に聞こうとしないから、言ってないんだ。

 

唯子なりの優しさなんだと思うんだけどね。

 

私の都合いい解釈なのかな。

 

話が逸れちゃったね……私を産んだ人はね、『一緒に行こう。』と言ってくれた覚えがほんの微かにだけどあるんだ。

 

でも、私は行かなかった。

 

だって……あの人はお父さんを泣かしたんだよ。

 

私の大好きなお父さんを。

 

出て行く時には隣で能面のような笑顔を貼付けた男と仮面の笑顔で誘ってくるあの女が。

お父さんを泣かせた。

 

それだけで私はついていかないと決めた。

 

私はあいつを許すことはできないよ。

 

私をお父さんの子供として産んでくれたことはとても感謝しているの。

 

産んでくれたから真くんや唯子、さざなみの皆や学校の皆、高町の人達と出会えた。

 

……けど、けどね、それだけしか感謝の気持ちは湧いてこないの。

 

なにかしてくれたのかもしれないけど、そのことすら霞んでしまうくらいに私は許せないんだ。

 

お父さんとどんなことがあったのかわからないけど、どんな理由があってもお父さんを泣かして幼い私とお父さんを捨てたことを許せない。

 

許してしまったら私は私でなくなってしまう気がして怖いの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           こわい

 

 

  コワいよ

 

                      

 コワイの

 

 

やだ

 

 

         やだよ

 

 

怖いよ

 

 

恐いの

 

 

 

こわい

 

       コワい

 

                           いやだ

 

 

コワイ

 

怖い

 

              

 

              助けて

 

恐い

 

こわい

 

             コワい

 

                               コワイ

 

怖い

 

                          いやだよ

 

恐い

 

こわい

 

                     来ないで

 

 コワい

 

             コワイ

 

                                 真くん

 

怖い

 

恐い

 

   お願い

 

 

               助けて

 

 

 

 

 

 

ねぇ、真くん。

 

私はおかしいのかな。

 

いまだに私は幼い頃のままで成長していない気がするんだ。

 

けど、真くんはいつだったか忘れたけど『そのままでいい』って言ってくれた。

 

私は人見知りのせいもあって、友達ができてもどこか独りでいたんだ。

 

遊んでいても心はどこか置き去りにしていて。

 

そんな時はいつも真くんと唯子が引っ張ってくれてた。

 

私はいつも三人でいたときは本当の自分でいられた気がしたよ。

 

唯子には助けられたし、救われたよ。

 

でも、それ以上に真くんに助けられて救われてるんだ。

 

真くんだもの。

 

きっとわかってないよね。

 

でも、真くんにはわかって欲しくないかな。

 

……きっとわかってしまったら私たちの関係は変わってしまう。

 

私はそれが怖い。

 

変わっていくことが怖いの。

 

臆病だと笑われるかもしれない。

 

笑われてもいい。

 

けど、それでも……私はこのままがいい。

 

このままでいたい。

 

私の我が儘だってわかってる。

 

だけども……もう少し、もう少しだけ……このままでいさせて……

 

 

 

 

 

今でも弱くて小さな小鳥の囀りにも聞こえる私のこの歌(願い)が届きますように

 

 

 

「果てないこの空の下で 小さなわたしの想いをうたにして この道が続く先で

 

 つまずいて傷ついたときも きみと共に過ごした時間ときみの言葉を 心に抱きしめて

 

 空を見上げて 心を映す空と星を見つめよう 小さな胸に秘めるこの想い たった一つ

 

きみと二人うたった きみが教えてくれた 大切なきみへ この世界に一つしかない

 

このうたを届けたい 今でも弱くて小さなぼくのうたが 一人のきみへと届くように」

 

 

 

 

 

真くんは真くんのままで真っ直ぐに生きて。

 

私は真くんの隣で笑っていたい。

 

真くんの隣を歩きたい。

 

真くんを後ろから見ているから。

 

 

 大好きだよ、真くん。

 

 

 

 

                              野々村 小鳥   より

 

 


   あとがき

 

時雨「遅い。」

ぐはっ……のっけからそれですか。

時雨「当たり前でしょうが、一体いつ以来よ。しかもこれリレーSSに投稿してたのを加筆修正しただけでしょう。」

いや、そうなんだがな。構想やら少し考えたり、他のもあったからこれまで手付かずだっったんだ。それにここ最近でPCのネット環境が整ったから執筆再開に至るという訳だ。

時雨「という訳だ。じゃない。あんたの都合なんて関係ないの。あんたは馬車馬のように執筆してればいいのよ。」

それは酷すぎるんじゃないでしょうか?時雨さん、私には人権というものは存在しないのでしょうか?

時雨「ないわ。」

そんなあっさりと即答されるとは……

時雨「いいから、このSSの説明しなさい。確かこのSSは手紙をモチーフにしたものよね。」

うう、はい。……このSSでは確かに想いを綴るものであるために送り主の想いをこうしてそのキャラの主観として執筆者の私が立ち、ゲームやOVAなどの参考にして半分以上が私が執筆した手紙という形でやりました。

時雨「で、これがまず第一弾という訳ね。まだ色々と空いているところがあるような気がするんだけれども、気のせいかしら。」

多分空いていると思う。ほとんどが自分の主観だからゲームのプレイした人やSSを執筆している諸兄方が読んだら意見はだいぶ分かれると思う。

時雨「ま、あんたはさっさと執筆続けなさい。美姫お姉さまと従者の浩には私から伝えとくから。」

ちょっ、従者って、ぶほぉ。

時雨「なによ、文句ある?」

……理不尽だ。




従者の浩です。って、なんでやねん。
美姫 「そうそう、こんなのは下僕で充分」
それも何でやねん!
美姫 「それはさておき、加筆修正して投稿してくださった第一弾」
とらハの小鳥SS〜。
美姫 「小鳥の心情ね」
うん、良いね〜。投稿ありがとうございます。
美姫 「ございました〜」



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